ActiveDirectoryはMicrosoft社によって開発・販売されている、Windows 2000上に実装されたディレクトリ・サービス。ネットワーク上に存在するサーバコンピューターやクライアント機、プリンタといったハードウェア資源、またそれらを利用するユーザーの識別情報や各資源へのアクセス権限情報などをまとめて管理することができます。
情報とは、具体的には「ログオン時のユーザー名」「ユーザーが所属するグループ」「メールアドレス」「その他のユーザーの情報」「コンピューター名」「共有フォルダの位置」「共有プリンタの位置」などです。資源やユーザーの情報はドメインと言われる集団単位で管理されます。複数のドメインを結び付けることで大規模な組織やネットワークの管理も可能です。運用にはサーバ系Windowsが必要であり、Windows 2000の場合はサーバ製品の全てでActiveDirectoryを構築することができます。ただ、Windows Server 2003以降のWindows Server 2003 Web EditionとWindows Web Server 2008ではActiveDirectoryの構築ができません。
社内の情報システム部門においては、各種機器は情報を一元管理でき、資産の使用状況を把握することでネットワーク資源を効率的に利用できるようになるのでITコストの削減に繋げられるなど、システム責任者にとってのメリットが大きいといわれています。また、Windows Serverの標準機能としてセキュリティ機能も提供されている為、新しくソフトウェア製品を購入することなく最小限のコストでセキュリティ強化をすることができます。
現在は、クラウドとハイブリッド環境におけるID管理を行う為に、ActiveDirectoryの機能を拡張したAzure Active Directoryが提供されています。他社のクラウドサービスにも対応している為、例えばSalesforceやGoogle Apps、Box、Concur、Dropbox for Businessなどを利用することができ、連携しているクラウドサービスは1000以上になります。