「Swiftはどんな案件があるんだろう」「フリーランスSwiftエンジニアの平均年収が知りたい」と感じていませんか。
近年、Swiftの案件は増加傾向にあります。しかし、具体的な案件動向やエンジニアの平均年収がわからないという方もいるでしょう。
そこで今回は、
• Swiftとは
• フリーランスSwiftエンジニアの案件例
• フリーランスSwiftエンジニアの平均年収と将来性
という流れで、フリーランスSwiftエンジニアに役立つ情報をまとめて解説します。
フリーランスSwiftエンジニアに求められるスキルや学習がおすすめの人についても解説しています。「Swiftのスキルを習得し、案件を獲得したい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
1. Swiftとは
Swift(スウィフト)とは、Apple社が2014年に発表したプログラミング言語です。
macOSやiOSといったApple社製のOS向けの開発に使用されています。かつてはmacOSやiOSの開発言語としてObjective-C(オブジェクティブ シー)が主流でした。
しかし、表記が独特でわかりづらく、初心者にとってハードルが高いという欠点がありました。
またObjective-Cの汎用性が低く、言語仕様の特殊さに対して「iOS開発以外に用途があまり無い」こともネックでした。
Swiftの開発目的は、Objective-Cに代わりApple社製のOS上で動くアプリを開発しやすくすることです。「Objective-C」との互換性があり、読み書きしやすく初心者にも扱いやすい言語であることから、現在は広く使用されています。
2015年にオープンソース(無償かつ商用利用可で一般公開されたソフトウェア)化されました。Macのほか、Linux、Windowsでも動作可能。またサーバーサイド活用も少しずつ広がっています。
1.1 Swiftでできることの例
Swiftでできることの例を5つご紹介します。
• iOS、macOSなどのアプリ開発
• Webアプリケーション開発
• Webサーバー開発
• 機械学習システム開発
• コマンドラインツール開発
iOS、macOSなどApple社製のOS向けアプリ開発では、Swiftが主流です。iPhone用やiPad用のアプリを作ることも、iPhoneとiPadなどの両方に対応したアプリを作ることもできます。
また実はiOS以外にも用途が広がりつつあります。Swiftでは、WebアプリケーションやWebサーバーも開発可能。近年注目が集まっている機械学習システムの開発にも使用できます。
1.2 Swiftを実際に使っている企業・サービスの例
Swiftは、高い専門性とトレンドのバランス感覚を備えた開発者たちにも支持されています。たとえばSwiftを実際に使っている企業・サービスの例として、株式会社アクセンチュアのモバイル開発があります。
近年、アクセンチュアはモバイル領域に注力しており、iOSアプリの開発においてSwiftをメインに使用しています。高い処理速度が求められるiOSアプリ開発等において、マルチプラットフォーム対応のフレームワークや言語よりも、Swiftは高度な実装がしやすいことが理由に挙げられます。
アクセンチュアではSwiftへの注力度を一層高めており、数ヶ月で技術トレンドが変化することからモバイル開発チームで技術トレンドの一歩先を話し合う機会も設けられています。
2. フリーランスSwiftエンジニアの案件例
フリーランスSwiftエンジニアの案件例について、初級と中級~上級にわけてご紹介します。Swiftの案件探しの参考にしてみてください。
2.1 初級Swiftエンジニアの場合
プロエンジニアに掲載されている情報をもとに、初級Swiftエンジニア向けの案件をご紹介します。初級の場合、改修・運用・管理系の案件が中心です。
出典:【Swift】アプリ開発エンジニア★ECサイトのスマホアプリ保守|プロエンジニア
大手ECサイトのスマホアプリ開発の保守業務を担当する案件です。担当範囲はiOSのみで、月額単価は60万円~70万円となっています。
出典:【Swift/Kotlin】アプリ開発エンジニア★ヘルスケアアプリ保守|プロエンジニア
アプリ開発エンジニアとして、スマホアプリの保守業務を担当する案件です。不具合修正や、既存機能の拡張をおこないます。必須スキルとしてiOS(Swift)とAndroid(Kotlin)での開発経験があり、月額単価は60万円~80万円です。
2.2 中級~上級Swiftエンジニアの場合
プロエンジニアに掲載されている情報をもとに、中級~上級Swiftエンジニア向けの案件をご紹介します。中級~上級の場合、上流の要件定義から参加するものや、新規開発、サービス規模が大きい案件が中心です。
出典:【Swift】アプリ開発エンジニア★ライブ配信アプリ(iOS)の開発(リード)|プロエンジニア
モバイルアプリエンジニアとしてiOSチームをリードしながら、機能追加や改善を実施する業務です。Swiftでの商用アプリ開発経験が5年以上あり、メンバーの教育ができることが必須条件となっています。月額単価は90万円~100万円です。
出典:【Swift】アプリ開発エンジニア★大規模案件の改修及び保守運用|プロエンジニア
スマホアプリやWebアプリをメインに受託開発をする企業の案件です。新規機能追加や保守運用開発業務を担当し、リーダー業務のサポートをおこないます。月額単価は90万円~100万円です。
3. フリーランスSwiftエンジニアの平均年収と将来性
フリーランスSwiftエンジニアの平均年収と将来性について解説します。
フリーランスSwiftエンジニアの現状について知ることで、今後のキャリアを考える参考になるはずです。
3.1 フリーランスSwiftエンジニアの平均年収
フリーランスITエンジニア専門の案件紹介・転職支援エージェント【プロエンジニア】の登録案件によると、月平均単価はおよそ81万円でした。年収に換算すると、平均単価は972万円です。(2023年6月時点で、月額の下限および上限が公開されている100件のSwift案件より平均額を算出)
月額単価の最高値は150万円以上で大規模iOSネイティブアプリ開発の案件、最低値は40~50万円でアプリメンテナンスの案件でした。
SwiftだけでなくObjective-Cのスキルもあると、より需要が高まります。iOSアプリ開発経験やSwiftでの開発経験が5年以上あり、開発チームをリードできるスキルや経験があると、月額単価100万円以上の高年収を目指せるでしょう。
また、JavaやKotlinといったAndroidアプリ開発ができるスキルをあわせて身につけることで、iOSアプリとAndroidアプリの両方に対応できる人材として重宝されます。
※データ参照元:Swift言語関連の最新フリーランス案件情報|プロエンジニア
3.2 フリーランスSwiftエンジニアの求人動向・案件動向
フリーランスSwiftエンジニアの求人動向・案件動向は、iOSアプリの受託開発が大半です。日本ではiPhoneユーザーが多く、ソーシャルゲームなどアプリ市場も大きいことから、2022~2023年現在も新規のアプリ開発案件は安定して存在しています。
一方でリファクタリングなどの案件もあります。一例は以下の通り
• Objective-Cで作られたアプリのクラッシュログや、問い合わせから判明するバグの特定および修正
• 長期のメンテナンス性向上に向けた、設計指針の改善やリファクタリング
次のようにサーバーサイドの案件も見られます。
出典:【Swift/Objective-C】サーバーサイドエンジニア★iOSアプリ開発|プロエンジニア
分析システムのサーバーサイド開発を担当する案件です。月額単価は70万円からとなっています。
Swiftエンジニア向けの他言語での開発もあります。
こうした案件ではSwiftの知見を活かしながらも、マルチプラットフォーム向け開発を主導したり効率化することが期待されています。
Swiftフリーランス案件の募集状況を具体的に知りたい方は、下のページもぜひご覧ください。募集中の案件一覧のほか、市場動向や平均・最低・最高単価、必要とされるスキルなども、現役コンサルタントがご紹介しています。
▶ プロエンジニアのフリーランスエンジニア向けSwift案件一覧はこちら
3.3 フリーランスSwiftエンジニアの将来性
次のような理由から、Swiftの将来性は高いといえます。
• iOSアプリ開発の主流言語となっている
• WebアプリケーションやWebサーバーを開発でき、Web開発での可能性が広がっている
• WebAssembly対応も進んでいる
• 機械学習システムの開発にも使用できる
Swiftは現在、iOSアプリの開発言語として確立した地位を築いています。ほかにもWeb開発など開発領域を広げており、今後もあらゆる現場で使用されるでしょう。
さらにSwiftの将来性について、常時8000件以上の案件を保有するプロエンジニアのキャリアコンサルタントに聞いてみました。
日本は特にiPhone普及率が高い国として有名であり、それは当面の間変わることはないでしょう。さまざまな場面でネイティブアプリ化が進んでおり、Swiftエンジニアの案件は増加しています。さらにSwiftは需要に対して技術者が少ないという背景もあり、平均月額単価は年々上昇傾向にあります。
▶ 参考:Swiftフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル
4. フリーランスSwiftエンジニアに求められるスキル
フリーランスKotlinエンジニアに求められるスキルは、次の4つです。
• iOS、macOSなどのアプリ開発スキル
• アプリ開発ツールを使いこなすスキル
• Webアプリケーション開発スキル
• Webサーバー開発スキル
特に、iOS、macOSなどのアプリ開発スキルがあるとスムーズにSwift案件を獲得できます。Swift案件はiOSアプリ開発案件が圧倒的に多いので、まずはiOSアプリの開発スキルを磨きましょう。
iOSやmacOSのアプリ開発では、「Xcode」などのアプリ開発ツールを活用すると効率よく開発を進められます。Xcodeは、iOSやmacOSのアプリ開発に必要な機能が多いため、ダウンロードして使えるようにしておくと安心です。
さらにRxSwiftやRealmDB(データベース)の経験があると、重宝されます。
5. Swiftに関するよくある質問
Swiftに関するよくある質問とその回答について、2つご紹介します。
• SwiftとObjective-Cの違いは?
• Swiftを学習すべき人と他の言語の習得を優先すべき人は?
それでは、順番に見ていきましょう。
5.1 SwiftとObjective-Cの違いは?
SwiftとObjective-Cの違いは次の通りです。
Swift
• 記述が書きやすく読みやすい
• 習得難易度が低い
• Objective-Cよりも高速に動作する
• ライブラリが少ない
Objective-C
• 記述が独特でわかりづらい
• 習得難易度が高い
• Swiftより動作が遅い
• ライブラリなど膨大な資産がある
Swiftは、Objective-Cと比較してより簡潔に書ける、習得難易度が低いといったメリットがあります。初めてiOSアプリを開発したいという方にもおすすめです。
また、Swiftはライブラリが少ないですが、Objective-Cのライブラリを呼び出して使用することができます。開発内容に応じて両方を使い分けることで、スムーズに開発が進むでしょう。
5.2 Swiftを学習すべき人と他の言語の習得を優先すべき人は?
Swiftを学習すべき人とほかの言語の習得を優先すべき人について解説します。
「自分はSwiftを学習すべきだろうか」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
5.2.1 Swiftの学習がおすすめの人
次のような人にはSwiftの学習がおすすめです。
• iOSアプリ開発をしたい人
• SwiftでのWeb開発、サーバーサイド開発、WebAssembly開発に携わりたい人
• RubyやPHPなどの十分な知識があり、次に学ぶ言語を検討している人
iOS開発がしたいならSwiftの学習は必須です。「iPhoneアプリを開発したい!」という方は、Swiftを学習しましょう。
また、Webアプリケーション開発でよく利用されるRubyやPHPなどの十分な知識があり、次に学ぶ言語を検討している人にもSwiftはおすすめです。
Webアプリケーション開発の経験があれば、SwiftでのWeb開発やサーバーサイド開発などもスムーズにおこなえるでしょう。
5.2.2 Swift以外の学習を優先するのがおすすめの人
次のような人には、Swift以外の学習を優先するのがおすすです。
• モバイルアプリよりもWebアプリ開発に関心がある人
• 初めてプログラミングを学ぶ人
• SIerなどで採用される、堅牢性が高くて歴史が長い言語を学びたい人
SwiftはあくまでiOSアプリ開発が中心です。開発領域の幅は広がっているものの、市場にある案件はまだiOSアプリ開発が大半となっています。
そのためWebアプリ開発に興味がある場合は、RubyやPHPなどの学習がおすすめです。
また、iOSアプリ開発をする以外の目的で初めてのプログラミング言語を選ぶ場合も、Swift以外の言語がいいでしょう。JavaScriptやPythonなど、汎用性が高く学びやすい言語が適しています。
堅牢性が高くて歴史が長い言語を学びたい人には、JavaやC言語などがあります。
6. まとめ
今回は、
• Swiftとは
• フリーランスSwiftエンジニアの案件例
• フリーランスSwiftエンジニアの平均年収と将来性
という流れで、Swiftについてお伝えしました。
Swiftは、iOSアプリ開発に特化した直感的でパワフルなプログラミング言語です。
Swiftの求人や案件は増加傾向にあり、今後さらに需要が高まる言語といえるでしょう。
今回ご紹介した内容を参考に、Swiftでできることや特徴を理解して、今後のキャリアに活かしてくださいね。
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