SQL Server 2019の特徴やインストール方法がわからない方もいるでしょう。本記事ではSQL Server 2019の特徴やインストール、料金体系を紹介します。SQL Server 2019に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
1. SQL Server 2019とは
SQL Server 2019とは、Microsoft社が開発しているリレーショナルデータベース管理システムです。他のリレーショナルデータベースと同様に、SQLを使用して操作できます。
SQLを利用すると、次のような操作が行えます。
• データの検索
• データの登録
• データの更新
• データの操作
• テーブルの定義
• テーブルの主キーの設定
• ビューの定義
• インデックスの定義
• データベースにアクセスするユーザー権限の付与
また、SQL以外にもT-SQLとANSI SQLが使用可能。
SQL Serverは企業向けの大規模なシステムから組み込み系の小規模なシステムまで利用されています。また、SQL Server 2019では、従来のSQL Serverと互換性を保ちつつ、ビックデータの分析や機械学習、データの仮想化といった新機能が追加されました。
SQL Server 2019のエディションは、次の5つがあります。
• Enterprise
• Standard
• Developer
• Web
• Express
ちなみに無料で使う場合、「Developer」エディションと「Express」エディションのどちらかがおすすめです。
2. SQL Serverのメリット
SQL Serverを利用するメリットが3つあります。
• Windowsとの相性が良い
• 初心者でも操作がしやすい
• 機能拡張したSQLが使用できる
それぞれ詳しく解説します。
2.1 Windowsとの相性が良い
SQL ServerはWindows OSとLinuxで動作します。
特にWindows OSとの相性は、SQL ServerとWindows OSの開発企業が同じMicrosoft社ということもあり、非常に良好。そのため、Microsoft.NETやC#のようなMicrosoft社が開発した言語で構築されたアプリケーションにデータベースとしてSQL Serverが使用されていることも多いです。
2.2 初心者でも操作がしやすい
SQL ServerはSSMS(SQL Server Management Studio)というデータベース管理ツールを提供するため、初心者でも簡単にデータベースの管理・操作が可能です。SSMSを利用することで、難解なコマンド等を使わずに、マウス操作でデータベースの作成・更新なども行えます。
2.3 機能拡張したSQLが使用できる
SQL Serverには、標準SQL規格に準拠したSQLの他にT-SQL(Transact-SQL)というデータベース言語を提供しています。T-SQLはMicrosoft社が独自に追加した言語で、制御フローやローカル変数などSQLより自由度が高い言語です。
特に型変換や日付の計算などが可能になるため、開発できる機能の幅が広がります。
3. 他のRDBMSとSQL Serverの比較表
Oracle DatabaseやMySQLなどのリレーショナルデータベースとSQL Serverの違いを解説します。
データベース | SQL Server | Oracle Database | MySQL |
---|---|---|---|
規模 | 中規模~大規模 | 比較的大規模 | 小規模~大規模 |
ライセンス料 | 比較的安い | 高い | 無料 |
サポート費用 | あり | あり | あり(任意) |
対応OS | Windows OS
Linux |
Windows OS
Linux AIX Solaris HP-UX |
Windows OS
Mac Linux Free BSD |
備考 | Windows OSとの相性がよい | 保守サポート体制がしっかりしている | オープンソースのため、無料で利用できる。また有料サポートを申し込むことも可能 |
SQL ServerはMicrosoftソフト製品との親和性が非常に高く、大規模開発での実績も豊富で、コストパフォーマンスとのバランスがよいという強みがあります。
3.1【参考】SQL Server 2019の新機能
SQL Server 2019では次のような機能が追加されました。
• AIや機械学習などを利用し、ビッグデータを分析できる機能を追加
• Apache Sparkのサポート
• 機械学習サービスにJavaのサポート
• データベースエンジンのUTF-8へ対応
• Windows版とLinux版のSQL Serverの機能差の減少
• Azure上のSQL Serverとの連携強化
このようにSQL Server 2019ではビッグデータ分析向けの機能とAzureとの連携に力を入れています。
3.2 料金体系・エディション
SQL Serverには4つのエディションがあります。料金体系もそれぞれ異なるため、表で紹介します。
エディション | Open レベルなし価格(米国ドル) | ライセンスモデル | 概要 |
---|---|---|---|
Enterprise | $13, 748 | 2コア パック | 全機能を利用可能。データベースで使用できるCPUの最大数にも制限がなし |
Standard - コア単位 | $3,586 | 2コア パック | 小規模アプリケーション開発向けの標準的なエディション。コアやサーバ、クライアント端末などの単位でライセンスを購入 |
Developer | 無料 | ユーザーごと | SQL Serverの機能を無料で利用できるエディション。システムのテスト環境や学習用に提供されている |
Express | 無料 | 該当なし | 誰でも利用可能な無料版のSQL Serverのエディション。利用できるデータ量が10GBまでの制限あり |
4. SQL Server 2019 Expressのインストール方法
SQL Server 2019 Expressのインストール方法を解説します。
マイクロソフトの公式ページからSQL Serverのダウンロードページにアクセスします。
「Express」の「今すぐダウンロードする」ボタンをクリックします。
ダウンロードした「SQL2019-SSEI-Expr.exe」を実行します。exeファイルを実行すると、インストールの種類を選ぶ画面が表示されます。
今回は基本構成でインストールするため「基本」を選択します。
ライセンス条項の確認画面が表示されますので、内容を確認したら「同意する」ボタンをクリックします。
インストール先の指定を行い、「インストール」ボタンをクリックすると、インストールが開始されます。
インストールが正常に完了した旨の画面が表示されます。「閉じる」ボタンをクリックし、インストーラを閉じます。
5. データベース管理ツール「SSMS」のインストール手順
データベース管理ツール「SSMS」のインストール手順を紹介します。
SSMSのダウンロードページにアクセスします。
SQL Server Management Studio (SSMS) のダウンロードリンクをクリックします。
「SSMS-Setup-JPN.exe」をクリックします。インストール開始画面が表示されるので、インストール場所を任意に設定し、「インストール」ボタンをクリックします。
インストールが完了した旨を伝える画面が表示されますので、「閉じる」ボタンをクリックします。
6. SQL Server関連の求人動向・案件について
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データベース構築や社内勤怠管理システムの構築など、サーバーエンジニアやシステムエンジニア・プログラマにニーズがあることがわかりました。特にC#やAccess VBA・Javaの開発エンジニアの案件が多い傾向があります。
今後もSQL Serverを利用する企業が多いことが想定されるため、堅調なニーズが見込まれるでしょう。
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7. まとめ
今回はSQL Server 2019について紹介しました。SQL Server 2019ではビックデータ分析向けの機能を強化していることが特徴です。
この記事を参考にして、SQL Server 2019をインストールして、動作を確認してみてください。