「Perlはどんな案件があるんだろう」「フリーランスPerlエンジニアの平均年収が知りたい」と感じていませんか。
Perlは、1987年に開発された歴史のあるプログラミング言語です。しかし、現在の案件動向や、Perlエンジニアの平均年収がわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、
• Perlとは
• フリーランスPerlエンジニアの案件例
• フリーランスPerlエンジニアの平均年収と将来性
という流れで、フリーランスPerlエンジニアに役立つ情報をまとめて解説します。
なお記事内でフリーランスPerlエンジニアに求められるスキルや、Perlの学習がおすすめな人の特徴についても解説しています。「Perlのスキルを習得し、案件を獲得したい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
1. Perlとは
Perlは、1987年にアメリカ人のラリー・ウォール氏によって開発されたプログラミング言語です。30年以上の歴史があり、多くの利用者がいて知名度の高い言語といえます。
Web開発に採用されることが多い言語ですが、最近ではその名前は少し影を潜めています。現在はPerlのほかにもWeb開発に使われるメジャーな言語が増えているためです。
しかし、現在においてもPerlは「使いやすい」と定評があります。2020年にPerl 7が発表されましたが、Perl 5との大きなコードや構文の変更はなく、非常に安定性の高い言語です。
1.1 Perlでできることの例
Perlでできることの例として次の5つをご紹介します。
• Webアプリケーション開発
• Webサービス開発
• システム管理
• UNIX/Linuxサーバー管理
• IoTシステム開発
Perlは、主にWebアプリケーション開発や、Webサービス開発に使用されています。また、システム管理やサーバー管理の現場でも重宝されています。Perlは多くのプラットフォーム上で動作する言語のため、環境による動作の違いを意識せずに記述に集中できるのです。
UNIX系のプラットフォームには標準で導入されており、限られた環境下でも能力を十分に発揮します。近年広がっているIoT分野のシステム開発にも利用できることから、安定性と将来性を兼ね備えた言語です。
1.2 Perlを実際に使っている企業・サービスの例
Perlを実際に使っている企業・サービスの例として、次の2つがあります。
• DuckDuckGo社「DuckDuckGo」
出典:DuckDuckGo
1つ目は、DuckDuckGo社の「DuckDuckGo」です。DuckDuckGoは、利用者のプライバシーの保護と、利用履歴などを記録保存しないことを掲げるインターネット検索エンジンです。
• シックス・アパート株式会社「Movable Type」
出典:Movable Type
2つ目は、シックス・アパート株式会社の「Movable Type」です。Movable Typeは、CMS(コンテンツ管理システム)プラットフォームです。ブログ形式でWebサイトを作成できます。
2. フリーランスPerlエンジニアの案件例
フリーランスPerlエンジニアの案件例について、初級と中級~上級にわけてご紹介します。
Perlの案件の参考にしてみてください。
2.1 初級Perlエンジニアの場合
プロエンジニアに掲載されている情報をもとに、初級Perlエンジニア向けの案件をご紹介します。初級の場合、改修・運用・管理系の案件が中心です。
出典:【Perl】システムエンジニア★ネットゲーム会社向け開発|プロエンジニア
ネットゲーム系企業で、ゲームの改修や機能追加をおこなう業務です。必須スキルとしてPerlでの開発経験がありますが、Perlでの開発経験が浅い場合でもスクリプト言語の経験が数年あれば検討可となっています。月額単価は60万円からです。
出典:【PHP/Perl】システムエンジニア★ECサイト改修・データ連携|プロエンジニア
自社運営の小売業向けECサイトにおける機能改修、CRMシステムとのデータ連携などをおこなう業務です。必須スキルは、PHPやPerlでのWebアプリケーション開発経験となっています。月額単価は70万円からです。
2.2 中級~上級Perlエンジニアの場合
プロエンジニアに掲載されている情報をもとに、中級~上級Perlエンジニア向けの案件をご紹介します。中級~上級の場合、上流の要件定義からプロジェクトに参画するものや、新規開発、サービス規模が大きい案件が中心です。
出典:【Perl/Ruby】Webエンジニア★漫画アプリのサーバーサイド開発|プロエンジニア
Perlに特化した受託開発企業で、ダウンロード数3000万を超えるマンガアプリのサーバーサイド開発を担当します。月額単価は70万円~80万円です。
出典:【PHP/Perl/Phython/Ruby/Java】サーバーサイドエンジニア★スマホ向け恋愛ゲームアプリ|プロエンジニア
自社運営している、スマートフォン向け恋愛ゲームアプリの開発を担当します。新機能やサービス、イベントの要件定義から、開発、テスト、リリースまで幅広い業務です。月額単価は80万円からとなっています。
3. フリーランスPerlエンジニアの平均年収と将来性
フリーランスPerlエンジニアの、平均年収と将来性について解説します。
フリーランスPerlエンジニアの現状について知ることで、今後のキャリアを考える参考になるはずです。
3.1 フリーランスPerlエンジニアの平均年収
フリーランスITエンジニア専門の案件紹介・転職支援エージェント【プロエンジニア】の登録案件によると、月平均単価はおよそ73万円でした。年収に換算すると、平均単価は876万円です。(2023年6月時点で、月額の下限および上限が公開されている17件のPerl案件より平均額を算出)
月額単価の最高値は120万円以上で、プロジェクトマネジメント業務に携わる案件、最低値は40万円~60万円で、Webアプリケーションの開発支援を行う案件でした。月額単価の幅がそれほど広くなく、安定して収入を得られます。
※データ参照元:Perl言語関連の最新フリーランス案件情報|プロエンジニア
3.2 フリーランスPerlエンジニアの求人動向・案件動向
Perlで作られた、既存Webサービスの運用・管理・改修案件が多いです。
Perlは歴史が長く、言語仕様の大きな変更も少なく、AIやブロックチェーンといった近年注目されている分野での採用例も少ないため「枯れた言語」と言われることがあります。事実として、2020年に発表されたPerl 7もPerl 5から大きな変更はありませんでした。
しかし「安定性」は「強み」でもあります。Perlで開発されたサービスは、言語仕様の変更などに基づくアップデートや改修がそれほど必要ないことを意味するためです。よって今日でもPerlで安定した運用を続けているサービスは多いです。
また新規開発の案件数は少ないながらも、安定性を高く評価して開発言語として採用されるケースもあります。
出典:【Perl】Webアプリ開発エンジニア★自己管理アプリ|プロエンジニア
PerlによるWebシステム開発の案件です。スキルに応じて要件定義、設計、開発、運用まで担当できます。月額単価は70万円からです。
ちなみにPerlはRubyなど他の動的言語に強い影響を与えており、Perlに精通したエンジニアなら簡単に乗り換え可能です。Perlエンジニア向けの、ほかの動的言語の求人もあります。
出典:【Ruby/Perl/Java/Scala】Webアプリ開発エンジニア★広告システム・アドテク|プロエンジニア
Perlのほか、Ruby、Java、Scalaでも可能なWebアプリケーション開発案件です。参画当初は改修や新機能の追加が中心で、その後新規案件を要件定義から携われます。乗り換えしやすい案件といえるでしょう。
3.3 フリーランスPerlエンジニアの将来性
PerlはMovable Typeにも採用されるなど、数多くの有名サービスに使われていてソフトウェア資産が非常に大きいです。ソフトウェアの運用・管理・回収案件が中長期にわたって発生し続けているため、急激にPerl案件がなくなることは考えづらいでしょう。
ただし、新規開発にPerlが採用されるケースは減りつつあります。
背景として、
• PythonやRubyなど、より使い勝手の良い動的言語が台頭した
• マイクロサービスが広がり、Goの人気が高まった
などがあります。
Perlフリーランス案件の募集状況をより詳しく知りたい方は、下のページもあわせてご覧ください。募集中の案件一覧のほか、市場動向や平均・最低・最高単価、必要とされるスキルなども、現役コンサルタントがご紹介しています。
▶ プロエンジニアのフリーランスエンジニア向けPerl案件一覧はこちら
4. フリーランスPerlエンジニアに求められるスキル
フリーランスPerlエンジニアに求められるスキルは、次の4つです。
• Web開発
• サーバーサイド開発
• マネジメントスキル
• 設計スキル
特にフリーランスPerlエンジニアとして稼ぎたいなら、マネジメントスキルや設計スキルは重要です。
Perl案件では、自社のWebサービスを開発するケースが多い傾向にあります。ビジネス視点を持ち、ニーズに合わせて開発をマネジメントできるエンジニアは重宝されるでしょう。
また、高単価の案件ほど設計から運用まで一気通貫して担当するものが多いです。要件定義や基本設計などの上流工程から請け負えると、高単価の案件受注が期待できます。
5. Perlに関するよくある質問
Perlに関するよくある質問とその回答について、2つご紹介します。
• PerlとRuby、PHPの違いは?
• Perlを学習すべき人と他の言語の習得を優先すべき人は?
それでは、順番に見ていきましょう。
5.1 PerlとRuby、PHPの違いは?
PerlとRuby、PHPの違いは次の通りです。
Perl
• 歴史がある
• 安定性が高い(言語仕様の変更が少ない。古いアプリでも安定して動く)
• 習得難易度が少し高め
• 運用保守の案件が中心
Ruby
• オブジェクト指向
• 汎用性が高く、Web開発以外の用途でも使える
• 習得難易度が低め
• 新規開発が中心
PHP
• 簡易なWebアプリ開発に適している
• 安定性が低い(時間が経つと動かなくなるコードも多い)
• 習得難易度が3つのうち最も低い
• 新規開発が中心
歴史のあるコードを活かしたいならPerl、オブジェクト指向で書きたいならRuby、簡易的な動的Webページ作成ならPHPが適しています。
5.2 Perlを学習すべき人と他の言語の習得を優先すべき人は?
Perlを学習すべき人と、ほかの言語の習得を優先すべき人について解説します。
「自分はPerlを学習すべきだろうか」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
5.2.1 Perlの学習がおすすめの人
次のような人には、Perlの学習がおすすめです。
• 動的言語の中でも歴史が長く、安定性がある言語を覚えたい人
• RubyやPHPなどほかの動的言語の経験がある人
• 古いWebサービスの安定した改修などを受注したい人
時間が経っても変わらず動作する安定性に魅力を感じる方は、ぜひPerlを学習してみてください。RubyやPHPなどほかの動的言語の経験がある人なら、Perlをより学びやすいでしょう。
新規開発よりも、古いWebサービスの改修を案件として受注したいという方にもおすすめです。
5.2.2 Perl以外の学習を優先するのがおすすめの人
より最新の技術を身につけてモダンな開発をしたい人は、 Perl以外の学習を優先するのがおすすめです。
Perlは30年以上の歴史がある古い言語で、安定性は高いです。しかし、新規開発ではRubyやPHPなどの言語を採用されるケースも多く、将来的に案件数が減っていく可能性があります。
また2020年にPerl 7が発表されましたが、そこまで大きな変更はありませんでした。そのため、今後アップデートされて最新の技術として返り咲く可能性も考えにくいでしょう。
最新技術に興味がある人は、Python、Go、C#の習得をおすすめします。Pythonは近年注目を集めているAI分野で採用されている言語です。Goはマイクロサービス開発に適しています。VR技術ではC#が主流です。
どんな最新技術に携わりたいのかによって、適した開発言語を選びましょう。
6. まとめ
今回は、
• Perlとは
• フリーランスPerlエンジニアの案件例
• フリーランスPerlエンジニアの平均年収と将来性
の流れで、Perlについてお伝えしました。
Perlは、歴史のある古くて堅牢なプログラミング言語です。
Perlの求人や案件はやや現象傾向にありますが、需要がすぐになくなることはなく、安定しているといえるでしょう。
今回ご紹介した内容を参考に、Perlでできることや特徴を理解して、今後のキャリアに活かしてくださいね。
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