2015年11月17日と18日の2日間、渋谷ヒカリエにて、TechCrunch Tokyo主催の「TechCrunch Tokyo 2015」(https//jp.techcrunch.com/events/techcrunch-tokyo-2015/event-home/)が開催されました。
今年で5回目の開催となるこちらのイベントは、約30社のスタートアップ企業が出展し、またその中から選ばれた12社よるスタートアップバトルが開催されるなど、同社が言うようにまさに「スタートアップの祭典」。
弊社も今のスタートアップの実態を探るべく、本イベントに参加してきました。
目次
1. 注目企業の大物ゲストによるトークセッション
こちらのイベントの目玉は、今注目されている会社の代表といった大物ゲストによる対談。
そのゲスとトは、株式会社エウレカ代表取締役CEO赤坂優氏、株式会社メルカリ代表取締役社長山田進太郎氏、株式会社gumi代表取締役国光宏尚氏、株式会社ソラコム代表取締役社長玉川憲氏、マネックスグループ株式会社代表執行役社長CEO松本大氏、C Channel株式会社代表取締役森川亮氏などなど。そして海外からはJibo IncのCEO Steve Cambers氏、YelpのMiriam Warren氏も登壇しました。
登壇のスタートを飾ったのはJibo IncのCEOのSteve Cambers氏。スライドを使いながら、今注目のJiboについて、その実態を語ってくれました。
Jibo(https://www.jibo.com/)はボストンを本拠点に2012年にスタートしたスタートアップ企業で、これまでに約46.8億円の資金調達に成功しています。
Jiboはコミカルで愛らしい動きが特徴のソーシャルロボットで、これまでのロボットとは大きく2つの点で違いがあると言われています。
一つ目は、Jiboには顔認識機能が搭載されており、それによって一人一人を見分けることができるので、相手によって対応を変えることが可能である点。二つ目は、Jiboの方から人間に話しかけることがあるという点。
これまでは、人間側がロボットに話しかけたり要望をリクエストし、それに対してロボットが返答する、という関係が一般的でした。しかし、Jiboは従来までの人間からの一方通行のコミュニケーションではなく、双方からコミットすることで、新しいインタラクティブな関係を築いていくことになります。
現在、世界45ヶ国に出荷されているとのことですが、人気の為どこも売り切れとなっており、2016年の春に予約をしている顧客に向けた出荷が再開されるようで、残念ながらまだまだ購入するには時間がかかりそうです。ちなみに値段は749ドルとなっています。
2. 日本注目のスタートアップ企業 メルカリ
いくつかトークセッションがある中で、株式会社メルカリ代表取締役社長山田進太郎氏の登壇を聞いてきました。
メルカリ(https://www.mercari.com/jp/)は、スマホを使ってできるフリマのアプリを提供しています。テレビでコマーシャルも良く流れていたので、知っている方も多いのではないかと思います。2013年7月にローチンしたこのサービスは、わずか1年半で1000万ダウンロードを達成し、2015年7月には2000万ダウンロードを達成しています。また、この2000万ダウンロードのうち350万ダウンロードはアメリカになり、日本だけではなく、海外展開も進めています。
登壇のテーマは「2000万DL達成、連続起業家山田氏に聞くC2Cの本質」。内容は、これまでの山田さんの経緯や、どの様な思いを持ってこれまで事業を展開してきたかがメインでした。
山田さんは、学生時代に楽天で「楽オク」というネットオークションの立ち上げに参画し、卒業後はご自身でウノウ株式会社を設立し、映画情報サイト「映画生活」や写真共有サービス「フォト蔵」、ユーザー500万人を超えるソーシャルゲーム「まちつく!」といったサービスをローチン。そのウノウ株式会社をソーシャルゲーム製作会社のZyngaに数十億規模で売却。その後、約1年間をかけて世界一周の旅に出かけ、帰国後に株式会社コウゾウ(現:株式会社メルカリ)を設立しました。
ご自身の経緯とメルカリのサービスについての話をしてくださったのですが、その中で印象的だったのが、山田さんがウノウをZyngaに会社を売却した時のお話。数十億という大きな規模での売却でしたが、山田さんはお金の値段ではなく、「ミッションの為」に売却をしたのだと言います。 また、1年間世界旅行に出るわけですが、戻ってきた後に会社を設立することは考えていたけれど、どんなことをやるかは決まっていなかったとのこと。ただ、学生の頃から自分の考えたサービスを作りたくて独学でプログラミングを勉強して作ったりと、常にサービスについて考え続けてきたとのことです。やはり、昔から継続して努力をされているからこそ、今の躍進しているメルカリがあるのだと思いました。
また「Fireside Chat Booth」という別会場に設置された小さいブースにて、登壇を終えた大物ゲストのミニセッションも開催されていました。会場だと遠くから眺めるだけだったゲストを至近距離で囲んで話を聞くことができ、あと気軽に質問もできる形となっており、みなさん熱心に話を聞きつつ、積極的に質問もされていました。
3. これから期待されるスタートアップ企業が集結
大物ゲストのスピーチ以外、もう一つの目玉がこれからを期待されるスタートアップ企業の出展。会場外の通路には約30程のブースが設けられ、今まさにスタートを切ったばかりの企業が集結し、自分たちの製品やサービスについてアピールをしていました。
4. 本イベントの代名詞「スタートアップバトル」
そして、TechCrunch Tokyoイベント最大の目玉企画が、100社以上の中から選ばれたスタートアップ企業によるガチンコ勝負「スタートアップバトル」。今年は選抜された次の12の企業が熱いバトルを繰り広げました。
SmartHR(株式会社KUFU )https://smarthr.jp/
社会保険・雇用保険の手続を自動化するクラウド型ソフト。
Popcorn(クービック) https://popcorn.coubic.com/
渋谷や恵比寿、六本木をはじめ都内中心に、当日予約できるサロンが見つかるアプリ。
One Tap BUY(株式会社One Tap BUY)https://www.onetapbuy.co.jp/
4タップで有名企業の株式を買えるアプリ。日本初のスマホ専門証券会社を設立準備中。
キャスタービズ(株式会社キャスター)https://cast-er.com/
人事や経理などの事務作業をオンライン秘書に依頼できるサービス。
シェルフィー(シェルフィー株式会社)https://shelfy.jp/
店舗を出店・改装したい人と、デザイン・施工会社をつなぐプラットフォーム。
TANREN(TANREN株式会社)https://tanren.jp/
動画を主体とした研修システム。属人的になりがちな社内教育を共有化できる。
WATCHA(株式会社WATCHA)https://watcha.co.jp/company/
自分の好きな作品をもとに、オススメの映画、ドラマ、アニメを教えてくれるアプリ。
WealthNavi(ウェルスナビ株式会社)https://www.wealthnavi.com/
世界中の機関投資家や富裕層が利用する国際分散投資をサポートする資産運用サービス。
BONX(チケイ株式会社)https://bonx.co/ja/
スマホと接続して使えるウェアラブルトランシーバー。アウトドアでの利用を想定している。
SHOPCOUNTER(株式会社COUNTERWORKS)https://shopcounter.jp/
物販やイベント用のスペースを貸し借りできるマーケットプレイス。
mijin(テックビューロ株式会社)https://mijin.io/ja/
自社またはパートナー間のみ利用可能なブロックチェーン構築プラットフォーム。
VIDEO TAP(株式会社オープンエイト)https://open8.com/
延べ4000万UUの女性向けプレミアムメディアを束ねるスマホ動画アドプラットフォーム。
そして、これら12社の頂点に輝いたのは、社会保険・雇用保険の手続を自動化するクラウド型ソフト「SmartHR」の開発・販売を手掛ける株式会社KUFU。「SmartHR」は、手間のかかる労務手続きをクラウド型ソフトウェアを使って簡単にできるというサービス。一番安いプランで月額980円からとなっています。
代表取締役の宮田 昇始氏は、サラリーマン時代に数万人に1人発症するかどうかの難病にかかり、顔面左半分麻痺、聴覚障害、視覚障害が起きてしまったことから休職。回復した後は、ご自身の生き方を色々考えた末、フリーランスとして独立。受託をして仕事をしていく中で、ご自身の休職手当の申請や、奥様が産休の際の手続きを会社が行ってくれなかった為、宮田氏が代行で手続き行った時のことなどを思い、こういった手間の掛かる手続きを何とかできないかと考え、「SmartHR」を作るに至ったとのことです。
ご自身の体験から必要性を感じて生まれた「SmartHR」。気になる方は是非チェックをしてみてください。
5. おまけ:参加者全員にプレゼントVR「ハコスコ」
おまけですが、今回のイベント参加者全員に、株式会社ハコスコのVR体験ができる「ハコスコ」(https://hacosco.com/)がプレゼントされました。こちら、お値段1200円とお手頃です。
携帯で動画をダウンロードして、その携帯を組み立てた箱にセッティング。360℃のVRの世界を手軽に体験することができます。気になる方は、こちらも是非、チェックしてみてください。