プロエンジニアのフリーランス人材をご活用いただいている株式会社Housmartの取締役CPO 宮永様にインタビューをさせていただき、フリーランス活用方法や採用について幅広くお答えいただきました。
宮永 照久(みやなが・あきひさ)|株式会社Housmart 取締役CPO
一橋大学経済学部在学中に、楽天株式会社など数社でインターンプログラムに参加し、将来、社会が抱える課題をITで解決するという目標を立てる。
卒業後、エンジニアとして楽天株式会社に新卒入社。日本最大規模のマーケティングビジネス、ゴルフ場予約サービス、メンバーシップサービスなど様々な事業でプロジェクトマネジメント、開発、システム運用、最新のビッグデータ分析を行う。
2016年ハウスマート入社。エンジニアとしての経験を経て、2018年よりプロダクトマネージャーとしてBtoB SaaSの「プロポクラウド」の立ち上げを経験。2020年、CPO就任。
会社紹介文
株式会社Housmartについて
【Q】貴社のエンジニア組織について教えてください
現在の体制は「カウル」を支えるチームと、「プロポクラウド」を支えるチーム、またこの2つの事業を共通して支えるチームが2チーム(不動産のデータを扱うチーム・インフラチーム)と、計4チームあります。
エンジニアはプロダクト開発グループ全体で17名在籍しており、10名が業務委託の方です。そのうち5名はプロエンジニアさんからご紹介いただいた方です。
メンバーの傾向としては、ハウスマートの事業に共感し、個人主義ではなくチームを意識した働きをしてくれる方が多いです。また、長期で継続していただいてる方が多く、平均して2年近く継続されてます。
外部エンジニアを利用するまで
【Q】外部エンジニアを利用したきっかけについて教えてください
2021年10月の資金調達をきっかけに事業拡大のためエンジニアの採用を強化することになり、即戦力のある方をスピード感高く採用していく必要がありました。
ですが、2021年はコロナ渦真っ只中だったため、転職者が少なく、副業希望者が増加していました。
正社員の採用は難しそうだという肌感もあり、そこで外部リソースの採用に踏み切り、2018年からやり取りさせていただいてたプロエンジニアさんはじめ、各社エージェントさんにお声がけしました。
【Q】外部エンジニアの採用にあたって苦労した点はありますか?
当時、一気に15名程度の採用をすることになり、必然的に面談回数が増え、採用のための工数がかかりました。採用後は、フルリモートの状況下で多数の新規メンバーのオンボーディングを実施する必要があり、コミュニケーションの質を担保するのが大変でしたね。
人によって求めるコミュニケーション量の水準が違うので、アサイン前に私との1on1で細かくヒアリングを行い、試行錯誤を重ねていきました。
開発メンバーの1on1は全て私が対応していたので、当時は開発でなくマネジメントに徹していましたね。
プロエンジニアを利用してから
【Q】実際にプロエンジニアを利用してみていかがでしたか?
外部人材の採用では順調に契約が続かないこともありますが、プロエンジニアさんとの契約では悪い話をした記憶がないです。
我々が求める外部人材の条件として、自走でき、開発スキル、コミュニケーションスキル共に備わった即戦力のある方を求めているのですが、プロエンジニアさんからご提案いただく方は、そのような高い採用基準にもマッチしており、採用後も面談時の印象と変わらず作業してくれている方がほとんどです。
また人材の紹介を依頼してから提案までのスピード感が迅速で、とはいえ量重視ではなく質の高い人材を提供いただいているので、スムーズに面談まで繋げてくれます。
無駄のなさとスピード感、そして何よりも長期継続してくださる方が多いので、満足しないところがないです。
他にもやり取りをさせていただいているエージェントさんは何社かいらっしゃいますが、採用の際はまず最初に最速でプロエンジニアさんにお願いしています。不安がないのでお任せできるんですよね。
【Q】長期継続される方が多い理由として、採用時の見極めをしっかりされているということが関係していると思います。どういった基準で採用を行っているのですか?
参画後に互いにミスマッチがないよう、面談では業務内容の説明だけでなく、ハウスマートの事業について入念に説明し『事業への共感を持ってくれているか』を必ず確認します。
過去採用した方で事業への共感のみ欠けている人がいたのですが、半年程で契約が終了してしまいました。反対にスキルが満たなくとも、事業への共感がある方の場合は、前提としてハウスマートがやっていることに興味があるので、日々少しずつドメインの知識も深くなりますし、ユーザー側の立場に立つことができるので、事細かに要件の確認を行うこともなく無駄がない開発ができるようになります。
ですので採用基準は事業への共感があることが第一ですね。
その他、業務委託の方と長期で契約する秘訣として、プロのエンジニアですのでプロとして接することです。定期的に会社として新たに期待することの擦り合わせを行い、それに対しパフォーマンスへの評価を口頭でお伝えするに然り、報酬としてお返しするのも然り、対プロのエンジニアへの対応・コミュニケーションをとるよう心がけています。
【Q】実際に事業への共感の条件を満たし、プロエンジニアから採用いただいた方はいかがでしたか?
最も長期でご契約いただいてる方は、積極的に意見を伝えてくださるので本当に助かっています。外部のエンジニアとしてパフォーマンスを発揮する域を超えていて「どういうモノを作っていくか?」という上流の段階から、改善の提案まで、幅広く意見を下さります。
組織的な局面でも「こういう状態の方がいいのではと私は思います」と個人の意見を下さり、マネージャークラスの人間が物事を推進させる際に参考になる情報をくれます。
本音を話してくれる傾向のエンジニアさんは少ないので貴重ですよね。
リモートになればなるほど、組織のマネジメントは難しくなりますが、そういったエンジニアが本音を話せなくなっている状況は、組織の危機を表すシグナルだと思っているので、組織の現状を捉えるのにも役立っています。
【Q】企業によって外部人材からの意見の受け取り方は様々だと思いますが、ハウスマート社ではウェルカムなのですか?
業務委託の方は企業にどれぐらい足を踏み入れるかというところで距離感を保っている方が多いですが、ハウスマートでは組織に対してや開発状況への意見は大歓迎です。
もちろん、不平不満ではなくチームが良くなるための意見がほしいです。
バリューの中にワンチームを掲げているので、個人主義ではなくチームとしてのアウトプットや生産性を考えられる方であればウェルカムですね。
【Q】ハウスマート社でのお仕事を主軸に副業を行われている方も多いとお聞きしました
現在、一つの勤め先に軸足を置いて、副業を始める方が多いですが、当社は推奨しています。私自身も一時期副業を行っていましたし、プロダクト開発メンバーの半数が副業を行っています。ハウスマートから提供できる開発経験も限られているため、強制ではないですが体力のあるうちは副業で多くの現場を経験してみるべきだと、1on1でも積極的に進めています。
副業を行っている開発メンバーの中には、社外の現場で得た開発ノウハウを元に、ハウスマートのデリバリーフローの見直しを提案してくれる方がいました。
実際その方にはプロジェクトマネジメントを担当してもらっており、副業での経験を間接的に自社に活かしてくれています。
今後について
【Q】今後の目標について教えてください
近年、不動産業界全体を見渡すと、この数年でIT化やDX化が活発になったため、興味を持ちコミュニケーションをとってくださる企業様も多くいらっしゃいます。
我々含め同業他社各社、様々な取り組みを行っていますが、不動産業界全体的に遅れがあるため、とてつもなく古いシステムと、世に展開されている流行りのSaaSが、どう組み合わさればDX化が成立するのかを考えるのが、他の業界と比べ難しい状態になっています。
その他にも不動産売買という専門性高い領域の中では少子高齢化も相まって人材不足が加速しています。
そういった状況下において、我々ハウスマートがITという軸で微力ながら支援することで、最終的には「家を買いたい人」「売りたい人」の体験にストレートに繋がっていきます。
今後はビジョン実現に向かってより深い価値提供をしていかなければならないので、現在当社が提供しているプロダクトの領域に留まらず、引き続き優秀なエンジニアさんと新しいプロダクトを作っていきたいと思っています。
事業に共感し、チームを意識した働き方を尊重してくれる方、お待ちしております!
まとめ
取材を通してHousmaert社は、事業への共感を第一に採用を行い、採用後のフォローもCPO宮永さん自らが取りまとめることで、外部の人材が働きやすい環境が生まれ、長期継続者が続出されていることがわかりました。
また外部のエンジニアからの意見や副業というワークスタイルを積極的に受け入れ、業務委託を100%有効活用されている点も同社の特徴と言えます。
Housmart社の詳細が気になる方は、ProEngineerにお問い合わせください。
今後も各社に取材し、成功要因を探っていきます。どうぞお楽しみに。