不足するIT人材の育成や確保に向けて、女性の活躍の強化が必要不可欠と言われています。そんな中キャリアチェンジを検討している女性の方へ選択肢のひとつとしておすすめなのは、未経験からでも転職できる女性エンジニアへの転身です。「エンジニアって男性の仕事?」「IT系は難しそう?」などと敬遠していませんか?「未経験だし自信がない」というあなたでもこの記事を読むことで女性がエンジニアとして働く選択肢を知ることが出来ます。エンジニアとして経験を重ね「手に職」をつけるキャリアプランを考えてみませんか。
目次
1) 理系・文系関係なく活躍できる
2) 男女関係なく管理職にキャリアアップできるチャンスがある
3) 手に職が付けられる
4) 自宅で仕事が出来る
5) 経験を身に付ければブランク後も仕事復帰しやすい
6) IT系は比較的給与が高い
4-1. 独学でプログラミングを習得し、自分で求人にエントリーする
4-2. 未経験求人があるITエンジニア専門転職エージェントを使う
4-3. 未経験OKの転職サポートがあるエンジニアスクールに通う
5-1. ワークスタイルの選び方
5.1.1 時短勤務で働く
5.1.2 在宅勤務として働く
5.1.3 フリーランスとして働く
5-2. 海外の女性エンジニアで見るキャリア例
1. 女性エンジニアは常に不足している
IT企業がエンジニア不足という悩みを抱えていると言われていますが、その中でも女性エンジニアは数少ないという現状があります。経済産業省のデータによると現在のIT人材数は約90万人、不足数は約17万人と推計されています。今後2019年をピークに人材供給は減少傾向となり、より一層不足数が拡大するとのことです。 また、その中でも女性比率については他職業と比べて低い傾向にあります。
- (参照元:経済産業省IT人材を巡る現状について)
2. 女性エンジニアが必要な理由
昨今注目されている「ウーマノミクス」は、政府が掲げる成長戦略の一つです。「女性の活躍」は日本でも年々広がっており、今後も多くの女性が活躍しやすい社会になっていくことが想定されるでしょう。そのような中、人材不足が今後より一層深刻化すると考えられるIT業界では、政府はIT系人材の育成や確保に向けて取り組むべき方策のひとつとしてより多様な人材(女性、シニア、外国人材)の活躍促進を挙げています。
女性エンジニアの活用は人材不足の緩和だけではなく様々なメリットを生み出すことが期待できると言えるでしょう。そして、女性の能力に期待がかかっているということは、キャリアアップを目指す上では各分野においてチャンスも広がります。特にIT業界ではエンジ男性エンジニアだけでなく、着実に女性エンジニアが増えることが予想されます。
3. 女性がエンジニアに転職するメリット6つ
女性は結婚・出産・子育てによって環境が変化するため、仕事を継続していくことが難しい場合があります。育児休暇後、職場復帰した際に、育児と仕事の両立が思ったようにこなせないこともあります。そのような女性にとって実はITエンジニアはライフスタイルの変化に強い働き方が出来る職種と言えます。具体的に女性がライフステージに柔軟に対応するためのエンジニアとしてのメリットを挙げてみたいと思います。
1) 理系・文系関係なく活躍できる
エンジニアというと理系のイメージを持たれる方も少なくはないと思いますが技術的スキルにおいては新たな知識を習得しようとする力が備わっていれば未経験からでも学ぶことが可能です。そのほかにもSE職に求められるスキルとして挙げられる論理的思考力やコミュニケーション能力は文系・理系といった括りではないスキルと言えるでしょう。IT業界は決して理系女子だけで動く世界ではありません。文系の女性でもエンジニアとして十分に活躍できます。
2) 男女関係なく管理職にキャリアアップできるチャンスがある
エンジニアは技術があるかないかで評価されます。そのため男性だからといって、少し高めの評価をされることはありませんし、女性だから評価されないといったことはありません。そのため女性エンジニアとしてなら管理職などへのキャリアアップができるチャンスも大いにあると言えるでしょう。
3) 手に職が付けられる
女性のキャリアにおいて最大の心配事、懸念は結婚、妊娠、出産などを経てキャリアのブランクが出来ることではないでしょうか。ライフスタイルが変化する女性にとって基本スキル(手に職)を身につければ転職、再就職に困らないというメリットがあります。次項に述べますが、手に職があるということは様々な働き方が出来ると言えるでしょう。
4) 自宅で仕事ができる
在宅勤務可とするIT企業は年々増えている傾向にあります。結婚後の家事、出産後の育児と女性は毎日仕事以外にもやることがたくさんあります。そんな中、通勤時間を短縮し、時には育児をしながら自宅で仕事ができることは、女性にとって大きなメリットとなります。
5) 経験を身に付ければブランク後も仕事復帰しやすい
女性の人生の中で大きなライフイベントである結婚後の出産や育児には、数ヶ月~2年ほどの休暇を取得することになります。出産育児後の職場復帰は、ブランクや、残業などを含めた勤務時間の制限による影響で、希望する部署や、職種に就けない場合もあります。ITエンジニアとしてのスキルがあることで、同じ会社でも転職する上でも、スキルをベースに適材適所してもらえる可能性が高まります。
6) IT系は比較的給与が高い
特に都心のインターネットを主軸としたIT業界では、SE職の仕事は給与水準が高いことが多く、例えばITエンジニアの個人事業主(フリーランス)の時給は、時給3000円前後と薬剤師などの国家資格職と同等に高給です。また、経験を活かすことで必ずしも正社員という形態にとらわれずとも、十分な収入を得ることが可能ということもあります。
- (参照元:平成27年 資格別 平均年収&平均時給ランキング)
4.未経験から女性エンジニアに転職する方法
転職をするにあたり、未経験の女性がエンジニアになるためにはどのような方法があるのでしょうか。SE職にキャリアチェンジする方法としての3つの方法を挙げてみましょう。
4-1.独学でプログラミングを習得し、自分で求人にエントリーする
エンジニアに関する書籍は数多くあります。また、プログラミングスクールに通う、プログラミング学習サイト等で勉強する方法もあります。 自分で求人に応募するためには、実際のプログラミンング実績が分かるポートフォリオを準備しておきましょう。「未経験OK、独学可能」などのSE職求人を見つけて作品とともに応募してみるという方法もあるでしょう。
4-2.未経験求人があるITエンジニア専門転職エージェントを使う
未経験から女性エンジニアを目指す場合、ITエンジニア専門の転職エージェントを利用する方法もあります。IT業界に詳しい専門のコンサルタントは、その知識に加え対応にスピード感があることもメリットです。また、求人の紹介だけではなく、未経験者に必要な履歴書、職務経歴書の添削や、転職に関する各種セミナーが開催されることもあり、専門のキャリアコンサルタントから、的確なアドバイスをもらうことが可能です。
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4-3.未経験OKの転職支援制度があるエンジニアスクールに通う
転職支援制度があるエンジニアスクールでは、プログラミングやサーバー知識など、実践的なエンジニアとしてのスキルを身につけることが出来ることがポイントです。スクール卒業後は、企業への転職支援も行ってくれるので、未経験から女性エンジニアとして転職する上で、効率的に転職活動を進めることが可能です。
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5. 結婚・出産後もエンジニアを続ける方法
女性は、独身時代に描いたキャリアプランがライフイベント後に変化する可能性があります。結婚や出産などのイベントを機に引退する女性エンジニアもいますが、時代の変化とともに働き方の多様性が認められてきています。「手に職」を活かすことが出来るエンジニアは、様々な女性のライフステージに合わせたワークスタイルを選択できる可能性は、他業界より高いかもしれません。結婚・出産後も仕事を続ける女性エンジニアのワークスタイルにはどのようなものがあるでしょうか。ここでは海外で実際に活躍している女性エンジニアの例も交えて紹介します。
5-1. ワークスタイルの選び方
5.1.1. 時短勤務で働く
エンジニアとしてのスキルがあれば、時短勤務で働く選択肢も生まれます。時短勤務を選択することで、次のような悩みが解決できる場合があります。 ・ 家庭と仕事の両立をあきらめたくない ・ 子供が小さいうちは育児の時間も確保したい ・ 出産・育児でブランクがあるけれど徐々に仕事復帰したい ・ 育児の合間に少しでも働きたい 近年はスキルのある育児中ママたちの労働力を活用しようという国全体の方針※から、多くの企業が、時間などに制限はありながらも働く意欲を持っているママたちを積極的に受け入れている傾向があります。週3日だけ、10時~16時などの時短勤務者の雇用形態はパートだけに限らず、時短派遣、短時間正社員など様々です。
5.1.2. 在宅勤務として働く
共働きが多くなってきている現代、女性が出産後仕事を続ける場合は、育児と両立することが迫られます。しかし、在宅勤務という選択肢があることで、両立する環境が作りやすくなります。「自宅で仕事ができる」「家族との時間がもてる」という点は女性としては理想の働き方と考える方も多いのではないでしょうか。通勤時間を短縮できるのも大きな魅力です。もちろん自由だからこそ、自身で時間の管理が出来ることは必須になります。
5.1.3. フリーランスとして働く
女性エンジニアとして会社に属することなく、仕事を請け報酬を得るフリーランスは、自分で納得した仕事を選ぶことや、評価がそのまま報酬に反映されるため高収入を得ることも可能です。アメリカのフリーランスのための労働組合「Freelancer Union」の2015年の発表によると、就業人口の約3人に1人がフリーランスとして生活していると言われていますが、日本では現在は50人に1人程度。(※2016年1月総務省統計局調べおよび2015年リクルートワークス研究所調べ) インターネットが普及し、シェアオフィスが増加し、クラウドソーシングも活況と言われている現在は、フリーランスが増加するのに十分な市場環境と言えるかもしれません。このようなこれからの時代に伴ってフリーランス人口はさらに増加していくことが予想されるでしょう。
5-2. 海外の女性エンジニアで見るキャリア例
ここでは世界的にも有名なIT業界で活躍する女性をご紹介します。皆共通して結婚、出産後も活躍しています。
シェリル・サンドバーグ
フェイスブックのCOO(最高執行責任者)
アメリカでもまだ少ないIT企業の取締役として、2人の子どもを育てながら活躍を続ける彼女の成功の秘訣はフェイスブック社の壁に貼ってあるポスターにあります。そこにあるのは、「怖がらなければ何ができる?」「完璧を目指すより、まず終わらせろ」の文字。彼女の姿勢からは家事に仕事に多忙なワーキングマザー達の心をすっと軽くしてくれる考え方を学ぶことができます。
スーザン・ウォジスキ
アメリカ有数のIT企業グーグルの傘下、YouTubeのCEO(最高経営責任者)
1990年代の終盤に入社後、グーグルの急成長に貢献、2014年2月に現職に就任。急成長企業のトップでありつつ、46歳で5人目の子どもを出産するために産休を取得。
子育て支援の前例がない会社の中でいかにして家庭と仕事を両立させ、困難をどう乗り越えてきたのか、などを積極的に語る機会を作りながら、働く女性達を温かく見守る姿勢が好感を集めています。
マリッサ・アン・メイヤー
アメリカのIT業界の実業家。Yahoo!の元CEO、Googleの元副社長
1999年に従業員数20人程度の規模だったGoogleに数少ない女性エンジニアとして入社。2012年7月にYahoo! CEOに就任し 同年9月30日に男児を出産しました。ヤフーの就業制度について、従業員の在宅勤務をオフィス勤務に転換する方針や、育児休暇制度を変更して育児休暇期間の延長と育児休暇に伴う賞与を与える、などの制度改革を実行。2015年には双子の女児も出産しています。
6. 女性エンジニアの声
様々な業界で活躍する女性エンジニアに焦点を当て、エンジニアになるための就職活動方法、アドバイスなどについて記事を集めてみました。これからエンジニアを目指す女性へのメッセージとして是非参考にしてみてください。
・研修は実践形式のカリキュラムになっていたので技術をしっかりと身に付けることができ、実際に就職した今、カレッジで学んだことを仕事に活かせる事が多いと感じています。
・事前対策を万全に 専属キャリアコンサルタントのサポートで、スムーズに就活ができた。
・「IT業界は誇れるものが何も無くても、頑張り次第でどんな風にでもなれる世界」大学を中退、挽回できるのはエンジニアだと思った。
7 まとめ
女性が、結婚・出産・子育てというライフステージと仕事を両立するための理解は、近年深まってきている傾向があります。IT業界は慢性的にエンジニアが不足していると言われており、女性のITエンジニアの能力を活用したいと考えるIT企業は、積極的にワーキングマザー支援取り組みを進めているという傾向も見られます。女性エンジニアという職種は様々な働き方の選択肢もあります。女性としての理想のライフワークバランスを実現するためにも、キャリアチェンジの際に、エンジニアへの転職を選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。