「Ansibleを使ってみたいかも」と感じている方も多いでしょう。今回はLinux系OSのCentOS・Ubuntu・MacにAnsibleをインストールする方法を解説します。Linux系OSへのAnsibleのインストールを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
1. 【CentOS向け】Ansibleのインストール方法
Ansibleは、Red Hat社が提供する構成管理ツールです。
Ansibleを利用することで、自動でサーバの構成や設定を管理したり、Gitホスティングサービスなどのシステム連携が行えます。
Ansibleの特徴として、管理サーバーにのみAnsibleをインストールすればよいことが挙げられます。
Chefなどの構成管理ツールは管理サーバーの他に、エージェントと呼ばれるアプリケーションを管理対象のサーバーへインストールする必要があります。しかし、Ansibleは管理サーバーにのみAnsibleをインストールするだけで利用できるため、導入工数を押さえられます。
ここではまずAnsibleをCentOSにインストールする方法を解説します。CentOSにAnsibleをインストールしようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
UbuntuやMac向けの方法は後半で解説します。
1.1 前提条件・環境
今回解説するCentOSへのインストール手順は次の環境を前提としています。
環境 | バージョン |
---|---|
CentOS | 8.0.1905 |
Python | 3.6.8 |
Ansible | 2.9.2 |
1.2 インストール方法
はじめにPython バージョン3以上を以下のコマンドでインストールします。
$ sudo dnf install python3 -y
次に以下のコマンドでPythonのパッケージ管理ツール「pip」を最新バージョンにアップデートします。
$ sudo pip3 install --upgrade pip
pipのアップデートが完了したら、最後にAnsibleを以下のコマンドでインストールします。
$ sudo pip3 install ansible
1.2.1 sshpassのインストール
Ansibleのインストールは完了しましたが、Ansibleから各管理対象のサーバーへアクセスする際にSSH接続をします。そこで、SSH接続するためのパッケージを以下のコマンドでインストールします。
$ sudo dnf install -y sshpass
ここで、sshpassが見つからないというエラーが発生した場合は、次に紹介するepel-releaseをインストールしてから、再度コマンドを実行します。
1.2.2 epel-releaseのインストール
sshpassが見つからないというエラーが発生した場合、epel-releaseというyum用のリポジトリをインストールします。エラーが発生しなかった場合は、インストール不要です。
epel-releaseをインストールするコマンドは次の通りです。
$ sudo dnf -y install python3-pip epel-release
1.2.3 Ansibleのバージョン確認
Ansibleがインストールできているか、以下のコマンドを実行します。
$ ansible --version
インストールができている場合は、次のようにAnsible のバージョンが表示されます。
ansible 2.9.2
config file = None
configured module search path = ['/home/ansible/.ansible/plugins/modules', '/usr/share/ansible/plugins/modules']
ansible python module location = /usr/local/lib/python3.6/site-packages/ansible
executable location = /usr/local/bin/ansible
python version = 3.6.8 (default, Oct 7 2019, 17:58:22) [GCC 8.2.1 20180905 (Red Hat 8.2.1-3)]
2. 【Ubuntu向け】Ansibleのインストール方法
続いてUbuntuにAnsibleをインストールする方法を紹介します。
2.1 前提条件・環境
今回解説するUbuntuへのインストール手順は次の環境を前提としています。
ツール | バージョン |
---|---|
Ubuntu | 20.04 LTS |
Python | 3.8.5 |
Ansible | 2.9.6 |
2.2 インストール方法
Ubuntuへのインストール方法を解説します。
2.2.1 パッケージ一覧の更新
以下のコマンドでインストール環境のパッケージ一覧を更新します。
$ sudo apt update
2.2.2 software-properties-commonのインストール
以下のコマンドでsoftware-properties-commonをインストールします。
$ sudo apt install software-properties-common
2.2.3 Ansibleのリポジトリの追加
以下のコマンドでAnsibleのリポジトリを追加します。
$ sudo apt-add-repository --yes --update ppa:ansible/ansible
2.2.4 Ansibleのインストール
以下のコマンドでAnsibleをインストールします。
$ sudo apt install ansible
2.2.5 Ansibleのバージョン確認
Ansibleがインストールできているか、以下のコマンドを実行します。
$ ansible --version
インストールができている場合は、次のようにAnsible のバージョンが表示されます。
ansible 2.9.6
config file = /etc/ansible/ansible.cfg
configured module search path = ['/home/skksky/.ansible/plugins/modules', '/usr/share/ansible/plugins/modules']
ansible python module location = /usr/lib/python3/dist-packages/ansible
executable location = /usr/bin/ansible
python version = 3.8.5 (default, Jul 28 2020, 12:59:40) [GCC 9.3.0]
3. 【Mac向け】Ansibleのインストール方法(Homebrew使用)
最後にHomebrewを使用して、macOSにAnsibleをインストールする方法を紹介します。
3.1 前提条件・環境
Homebrewを使用してインストールする手順は次の環境を前提としています。
ツール | バージョン |
---|---|
macOS Catalina | 10.15.6 |
Homebrew | 2.5.2 |
Ansible | 2.9.13 |
3.2 インストール方法
macOSへのインストール方法を解説します。
3.2.1 HomebrewでAnsibleのモジュール提供有無の確認
はじめにHomebrewでAnsibleのモジュールが提供されているか、以下のコマンドで確認します。
$ brew search ansible
3.2.2 Ansibleのモジュール情報の確認
Homebrewで提供されているAnsibleのモジュール情報を以下のコマンドで確認します。
$ brew info ansible
ansible: stable 2.9.13 (bottled), HEAD
http://www.ansible.com/home
Not installed
3.2.3 Ansibleのインストール
以下のコマンドでAnsibleをインストールします。
$ brew install ansible
3.2.4 Ansibleのバージョン確認
Ansibleがインストールできているか、以下のコマンドを実行します。
$ ansible --version
インストールができている場合は、次のようにAnsible のバージョンが表示されます。
ansible: stable 2.9.13 (bottled), HEAD
Automate deployment, configuration, and upgrading
https://www.ansible.com/
/usr/local/Cellar/ansible/2.9.13 (18,363 files, 226.3MB) *
Poured from bottle on 2020-10-01 at 18:25:15
From: https://github.com/Homebrew/homebrew-core/blob/HEAD/Formula/ansible.rb
License: GPL-3.0-or-later
4. まとめ
Linux系OSのCentOS・Ubuntu・macOSへAnsibleをインストールする方法を解説しました。Linux系OSにAnsibleのインストールにもOSの種類によってインストール手段が異なるため、手順も異なります。
Ansibleを学ぶには試しにインストールして、動かしてみるのが一番です。Ansibleに興味がある方は、ぜひAnsibleをインストールしてみましょう。