JavaScriptはWebサイトを動かすためなどに使われるプログラミング言語です。Webサイトに動きと機能を与えユーザー体験を向上させるために、JavaScriptは欠かせない存在となっています。
この記事ではJavaScriptの知識と技術を再確認し、キャリアアップにつながる資格について、詳しく解説します。
1. JavaScriptのおすすめ資格の選び方
現状で、JavaScriptの技術を問われる資格試験は多くありません。それでもどの試験を受けたらいいか迷った際には、次のポイントをチェックしてください。
• 認知度
• 信頼性
• 実用性
• 試験言語
• 受験費用
• 難易度
• 認知度
Webエンジニア界隈での資格認知度だけでなく、海外での仕事も視野に入れている方には、国外での認知度も重要です。
• 信頼性
試験を実施している団体の信頼性も重要です。特に就職・転職時の評価につながりやすいのは国家資格は言わずもがなですが、試験対象の提供元や開発元が実施するベンダー試験も信頼性が高いと判断されます。
• 実用性
試験に合格するためだけの知識ではなく、本当に実務で役立つ知識が問われている試験かも確認しましょう。就職や転職が目的ではなく、自分の実力アップが目的だという方には、認知度や信頼性より重要です。
• 試験言語
IT関連の資格には、英語のみで実施されているものも少なくありません。英語が苦手な方には、日本語試験が用意されているかも重要なポイントとなります。
• 受験費用
海外ベンダーが実施している試験は安くとも数万円から、高レベル試験では数十万円かかる場合もあります。高額を出すのに見合う評価を受けられるのか、チェックが必要です。
• 難易度
難易度が高いと、合格までに相応の時間をかけることになります。時間をかけるのに見合う内容なのか、チェックが必要です。
2. JavaScriptプログラマーに役立つおすすめ資格2選
2025年12月現在、純粋にJavaScriptの資格試験と言えるのは「HTML5プロフェッショナル認定試験」と「CIW JavaScriptスペシャリスト」の2つのみです。そこで今回は、汎用性が高く、かつプログラミングの知識も問われる「基本情報技術者試験」も合わせてご紹介します。
2.1 HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験は、LINUXの人気資格であるLinuCを実施していることで有名な「LPI-Japan」が提供する認定制度です。「HTML5」とありますが、その試験範囲ではJavaScriptについて詳細に問われており、広くマークアップに関する知識や技術を確認できる試験となっています。
| 運営団体 | LPI-Japan |
|---|---|
| 受験資格 | レベル1:特になし
レベル2:レベル1試験に認定済であること |
| 試験時期 | 随時 |
| 費用 | ¥16,500(税込) |
| 受験方法 | ピアソンVUEのサイトから、希望する会場と日時を指定して予約する。試験はCBT方式で行われる |
| 公式サイトURL | https://html5exam.jp/ |
■ 難易度と勉強時間の目安
経済産業省がIT関連資格の難易度を認定する仕組みとして、「ITスキル標準」というものがあります。HTML5プロフェッショナル認定試験の認定レベルは、レベル1で「エントリレベル(レベル2)」、レベル2で「ミドルレベル(レベル3)」となっています。
同レベルの有名試験を見ると分かるように、HTML5プロフェッショナル認定試験はレベル1でも基本情報技術者と同等、レベル2では応用情報技術者と同等というように、しっかりとした知識が必要な試験となっています。
| ITスキル標準 | 同レベルの主な試験 |
|---|---|
| エントリレベル
(レベル2) |
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1、
Ruby Gold、PHP準上級、基本情報技術者試験 など |
| ミドルレベル
(レベル3) |
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2、
PHP上級、応用情報技術者試験 など |
出典:ITスキル標準(ITSS)と関連資料のダウンロード|IPA
人気のIT系資格勉強サイトである「Ping-t」に寄せられている合格体験記によると、スタート時点の実務経験の有無にもよりますが、勉強にかけた時間の目安は1か月~4か月程度の方が多いようです。このサイトではHTML5の教材については現時点で有料コンテンツのみのようですが、豊富な合格体験記は無料で閲覧できますので、気になる方はのぞいてみてはいかがでしょうか。
▶ Ping-t
2.2 CIW JavaScript Specialist
CIW JavaScript Specialistは、アメリカに本社のあるCertificatio.Partner社が提供する「CIW(Certified Internet Web Professional)試験」の、21ある試験のうちの一つです。現在、試験問題は英語のみの対応です。日本語版はありませんがグローバルな人気試験であり、合格することでJavaScriptに関するスキルを世界に向けて証明できる試験となっています。
| 運営団体 | Certification Partner |
|---|---|
| 受験資格 | 特になし |
| 試験時期 | 随時 |
| 費用 | 175USD |
| 受験方法 | ピアソンVUEのサイトから、希望する会場と日時を指定して予約する。試験はCBT方式で行われる |
| 公式サイトURL | https://ciwcertified.com/courses/ciw-javascript-specialist/ |
■ 難易度と勉強時間の目安
CIW JavaScriptスペシャリストについては、「ITスキル標準」への登録はありません。しかし21種あるCIW試験の中では「中級」に位置づけられており、これは実務でJavaScriptを日々使用している方の受験が想定された難易度です。
また2025年12月現在、対応する言語は「英語」のみです。その上で90分間で55問という数の問題を解き、70.9%以上正解する必要があります。そのため問題文をスラスラ読めなければ厳しい試験であり、英語が苦手な方にとっては難度が跳ね上がる可能性もあります。
2.3 基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門とされている試験です。受験費用は安価ながら特に信頼性の高い国家資格であり、ITエンジニアに必要な基礎知識を広く体系的に学ぶことができます。
ITエンジニアを目指す方なら、一度は勉強しておいて損のない試験です。
| 運営団体 | 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) |
|---|---|
| 受験資格 | 特になし |
| 試験時期 | 随時 |
| 費用 | 7,500円(税込) |
| 受験方法 | 受験者マイページより申し込む |
| 公式サイトURL | https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html |
かつて午後試験で出題されていたプログラミング問題は、現在のCBT方式に移行してから疑似プログラミング言語で出題されるようになりました。JavaScriptそのものの出題ではありませんが、アルゴリズムを学ぶ機会としておすすめです。
基本情報技術者試験について詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
3. 資格取得以外の方法でJavaScriptを学ぶには
資格を取得する意外にも、JavaScriptを学び習得したことを示すには、様々な方法があります。ここでは受講証明書が発行されるCourseraを受講する方法と、ポートフォリオを作成する方法をご紹介します。
3.1 Courseraの受講
Courseraという無料オンライン講座を受講してJavaScriptを学ぶことで、世界的に有効かつ信頼性の高い修了証明書を得ることができます。例えばJavaScriptの入門講座であればカリフォルニア大学デービス校から提供されているほか、様々な教育機関から質の高い講座が無料で提供されています。
▶ JavaScrip for Beginners専門講座|Coursera
この講座では、JavaScriptを使ったデータ操作やアニメーションなどを学べるほか、jQueryについても学ぶことができます。JavaScript未経験の初心者からが対象となっており、週4時間の受講で4か月が受講の目安となっています。
こちらも英語のみの対応ですが、英語に抵抗がない、またはついでに学びたいという方には、とてもおすすめです。
3.2 ポートフォリオの作成
未経験の方が独学で習得したスキルを示すには、ポートフォリオの作成が有効です。
JavaScriptおよびHTML/CSSに加えて、「Node.js」などを活用したプロトタイプを1つ作成し紹介できる状態にしておくことで、JavaScriptを利用した職歴が浅いエンジニアでも「経験者相当のスキルがある」と評価されることもあるのです。
フリーランスエンジニアのポートフォリオの作り方について詳しくは、次の記事をご覧ください。
4.【プロが解説】JavaScriptエンジニアの市場価値とキャリアパス
JavaScriptには、フリーランスエンジニア向けの案件(求人)が非常に多いという特徴があります。ITエンジニア専門フリーランスエージェント「プロエンジニア」のキャリアコンサルタントに、JavaScriptの市場価値とキャリアパスについて詳しい話を聞きました。
【Q】実際の話、JavaScriptエンジニアに需要はありますか?
【A】非常に多いです。ほとんどのWebフロントエンドにJavaScriptが使われていると言っても過言ではないと思います。また最近では静的型付け版JavaScriptである「TypeScript」を採用する企業も、増えてきています。
【Q】どのフレームワークやライブラリを扱う案件が多いですか?
【A】ここ近年のVue.jsやReactはもちろんのこと、Vue.jsベースの「Nuxt.js」やReactベースの「Next.js」を採用するケースも増加傾向にあります。
【Q】JavaScriptは将来性が期待される言語でしょうか?
【A】期待ができる言語です。JavaScriptは、Web開発言語の中で、一番動きが活発な開発言語と言えます。
【Q】JavaScript案件の単価相場はどのくらいですか?
【A】JavaScriptエンジニアの相場観はとても幅広く、
• マークアップエンジニア:50-60万円
• jQueryを用いたフロントエンド:50-70万程度
• モダンなライブラリやフレームワークを使用したフロントエンド:70-90万
• TypeScript x モダンなライブラリ、フレームワークを使用したフロントエンド:70-100万越え
となっています。
JavaScriptエンジニアのエキスパート方面でのキャリアパスは、この単価相場の上昇が分かりやすく表しています。その他のよくあるキャリアパスとしては、バックエンドの技術を取得してフルスタックエンジニアを目指すルートや、マネジメント方面を目指すルートがあります。
JavaScriptエンジニアの市場動向や将来性についてさらに詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
5. まとめ
資格試験を受験することによって、その試験範囲の知識やスキルが証明されるだけでなく、試験勉強を通して自分の得意な分野や、逆に今まで知らなかった知識に気付くという側面もあります。
これまでの経験を整理することにもつながりますので、興味のある方は一度試験範囲のチェックなどしてみてはいかがでしょうか。
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