「Unityって何ができるの?」「Unityをインストールする方法が知りたい...」と思うことはありませんか。
Unityは人気が高いゲームエンジンの一つ。しかし、Unityによってできることやインストール方法がわからないという方もいるでしょう。
そこで今回は、
• Unityでできること
• Unityの開発事例
• Unityのインストール方法
という流れで、これからUnityで開発したい方向けの情報をまとめて解説します。
Unityの学習におすすめの本やサイトも解説しています。「記事を読んですぐにUnityの学習を始めたい」といった方は、ぜひ最後までお読みください。
1. Unityとは?
Unityは、ユニティ・テクノロジーズ社が開発・提供するゲームエンジンです。
ゲームエンジンとは、ゲームを開発するために必要な機能をまとめたもの。Unityはもっとも人気が高いゲームエンジンの1つで、全世界で100万人以上の開発者が使用しています。
• Andoroid
• iOS
• Linux
• Windows
• Nintendo Switch
など複数のプラットフォームのアプリも開発できるだけでなく、カスタマイズもできます。また素材などを利用できるオンラインストアもあり、高性能かつ拡張性の高い統合開発プラットフォームです。
スマホのゲームアプリの開発環境として高いシェアがあり、個人や小規模でゲーム開発をしたい方には適しています。
2Dゲームはもちろん、3Dゲームにも対応している点が特徴です。現在、数多くのRPGや位置情報ゲームがUnityで開発されています。
さらに、近年注目されているAR/VRの分野の開発にもUnityが採用されています。社会現象となった大人気ゲーム「ポケモンGO」もUnityで開発されました。豊富なライブラリと素材が揃い、コーディングレス開発が可能で直感的に操作できる点が魅力です。
1.1 Unityでできること
Unityでできることは主に次の3つです。
1. あらゆる環境で動くゲームを開発できる
Unityは、クロスプラットフォームに対応しており、複数の異なるプラットフォームで同一のコンテンツを提供することが可能です。そのため、Unityで開発したゲームはスマホ、Web、ゲーム機などでプレイできます。
2. 2Dゲーム、3Dゲームの両方を開発できる
Unityは、当初は主に3Dゲーム開発用として使用されましたが、現在は2Dゲームにも対応しています。
3. 直感的なゲーム開発ができる
Unityはビジュアルプログラミングツールを備えており、コーディングレス開発が可能です。高度なプログラミングスキルをもたなくでも、ゲーム開発ができます。
1.2 Unityによる開発事例
Unityは、世界中で開発に採用されているゲームエンジンです。
主にゲーム開発で有名ですが、ほかの分野でも幅広く開発に用いられています。
Unityの具体的な開発事例を見ていきましょう。
1.2.1 ゲーム
出典:高木さんがすぐ目の前に!『からかい上手の高木さんVR』を生んだ、カヤック天野清之氏に聞く|Unity for Pro
Unityを使ったゲーム開発事例として「からかい上手の高木さんVR」があります。
「からかい上手の高木さんVR」は、高木さんのからかいを疑似体験できる次世代VRアニメーションゲームです。
小学館と面白法人カヤックが共同で開発を手掛け、VR開発の中心メンバーは7名、Unityエンジニアは2.5名という少人数で開発されました。
Unityは全体的なVR開発に用いられました。「高木さん」との関わりを、VRでよるリアルな動きや空間演出で実現してます。
1.2.2 自動車
出典:BMWの自動運転の未来を可視化する|Unity Blog
自動車分野の開発事例では、BMWにおける自動運転のシミュレーション開発があります。
自動運転の開発にはテスト走行が不可欠ですが、実際にテスト車両を走らせても起こりうるすべての状況をカバーできません。
BMWでは、Unityの拡張性を生かして何百万ものバーチャルな路上運転シミュレーションを開発しました。これにより、総テスト走行距離の約95%をシミュレーションでカバーできる見込みが立ったのです。
Unityによってシミュレーションカスタムツールを開発したことで、自動運転技術を高度な水準で評価できるようになりました。
1.2.3 製造業
出典:DNPバーチャルエクスペリエンス VRショールーム|DNP
製造業では、大日本印刷(DNP)のフォトリアル表現開発があります。
これまで、モデルルームなどの建築には費用や場所など多くのコストが必要という課題がありました。
大日本印刷では、商品の販売促進に3DCGを活用する取り組みとして、
• VRショールーム
• VRモデルルーム
• VRインテリアシミュレーター
などのシステムをUnityによって開発・実用化。
リアルタイムで高品質なフォトリアル表現により、コストダウンはもちろん、「物件の広さや雰囲気を本物のように体験できる」と購入者の満足度の高さにもつながっています。
2. Unityのダウンロードとインストール方法
Unityのインストール手順は、以下の10ステップあります。
1. 公式ページからUnityをダウンロード
2. 「個人向け」タブの「Personal」プランをクリック
3. インストーラーをダウンロードするボタンをクリック
4. ライセンス契約書を確認し、同意するボタンをクリック
5. インストールボタンをクリック
6. ファイアウォールのアクセス許可画面で、「アクセスを許可する」ボタンをクリック
7. 初めてUnityを使う場合は、「Create account」をクリックしてアカウントを作成
8. ログインできたら、「Got It」ボタンをクリック
9. 「Install Unity Editor」ボタンをクリックして、Unityの開発エディタをインストール
10. ライセンスを確認し、青色の承認ボタンをクリック
インストーラーをダウンロードさえすれば、後は手順に沿ってインストールはできます。しかし日本語化したり、実際に新規プロジェクトを作成して試してみたりしたい方も多いのではないでしょうか。
画像付きのインストール手順や、新規プロジェクトを作成する方法などについては以下をご確認ください!
3. Unityを学ぶメリットとは?
複数のゲームが開発できるUnityですが、実際のところUnityを学ぶメリットとしては何があるのでしょうか。ここでは、Unityを学ぶ3つのメリットをご紹介します。
さっそく見ていきましょう。
3.1 豊富なアセットを活用した効率的な開発
Unityでは、アセットを活用することでゲーム開発を効率的に進められます。
アセットとは、ゲームの一部、素材、部品です。具体的には、3Dモデルやサウンドデータ、ゲームオブジェクトなどがあります。
Unityのサービスにはアセットを入手できる「 AssetStore(アセットストア)」があり、他人が作成したアセットを無償あるいは有償で利用可能です。
有名な無料の素材で言うと、「Unityちゃん」がいます。
出典:Unity-Chan! Model|Unity Asset Store
とてもクオリティの高いキャラなので、3Dゲームを作ろうと思っている方におすすめです。アセットストアには、ゲーム開発で使用できるオブジェクトなどの素材から、ゲームプロジェクトのサンプルまであらゆるアセットが揃っています。
3.2 無料で使い始めることができる
Unityは個人の使用なら無料で使い始められます。
無料プランは、
• Student(学生向け)
• Personal
の2つがあるので、自分に合ったほうを選びましょう。
ただし、個人の使用でも過去12ヶ月の収益や調達した資金が10万米ドルを超える場合は有料になるので、注意が必要です。
有料プランには、
• Plus
• Pro
• Enterprise
の3つがあります。
Unity初心者がゲーム開発を始めるには無料プランで十分ですが、いつかプロとしてUnity開発をするときには有料プランを検討してもいいでしょう。
3.3 多様なプラットフォームに対応している
ほかのゲームエンジンにはないUnityの大きな魅力は、多様なプラットフォームに対応している点です。すでに述べたとおり、Unityで開発したコンテンツはあらゆるプラットフォームで実行できます。
プラットフォームの枠を超えたゲーム開発を可能にし、開発コストをおさえられるのは大きなメリットといえるでしょう。「複数のプラットフォームでプレイできるゲームを開発したい」という場合には最適です。
4. Unityの学習に役立つおすすめ本3選
「さっそくUnityの学習を始めたい」という方に向けて、学習に役立つおすすめの本をまとめました。
本の学習は、Unityの情報を体系的に学べます。自分に合った本を選び、学習を始めましょう。
4.1 Unityの教科書
Unityの入門書として人気が高いのが『Unityの教科書』です。
本書は、Unityのインストール方法からゲームの制作手順までわかりやすく解説しています。手順に沿って進めることで、Unityによるゲーム制作を体験できる内容です。
サンプルゲームの制作を通して、Unityの基礎知識とゲーム制作の流れが身につきます。C#の基本的な内容も解説されており、プログラミング未経験者でも安心です。
画像も豊富で繰り返し説明があるため、「わからなくて途中でつまづく」ということもありません。
この本を学び終える頃には、Unityを使った2D・3Dゲームを開発する力が身についているでしょう。
出版社:SBクリエイティブ
著者:北村 愛実
サンプルコード:あり
価格:定価2,970円(税込)
出典:Amazon
4.2 3D/2Dゲーム開発実践入門
より実践的に学びたい方におすすめなのが『3D/2Dゲーム開発実践入門』です。
本書では、4つのサンプルプログラムをダウンロードして実際にゲーム開発をおこないながら、Unityによるスマホゲーム開発を学べます。
ゲームを開発するだけでなく「スマートフォンゲームとしてきちんと遊べるものを作って公開する」ことを前提に進んでいくため、Unityを利用したモバイルゲーム開発の具体的な流れを体感できる内容です。
実機へのビルド方法やストアへ公開するための設定方法なども解説しています。「自分で開発したスマホゲームをリリースしたい」という方に最適です。
入門の一歩先をいく内容なので、入門書を1冊終えたタイミングで読んでみてはいかがでしょうか。
出版社:ソシム
著者:吉谷 幹人
サンプルコード:あり
価格:定価2,860円(税込)
出典:Amazon
4.3 たのしい2Dゲームの作り方 Unityではじめるゲーム開発入門
2Dゲームに特化して学びたいなら『たのしい2Dゲームの作り方 Unityではじめるゲーム開発入門』がおすすめです。
本書では、シンプルな次の2つの2Dゲーム開発を通して、Unityの操作方法やゲーム開発を学べます。
• サイドビューゲーム:横スクロールで左右移動とジャンプをしながらゴールを目指す
• トップビューゲーム:真上から見た視点でマップを移動してクリアを目指す
小さなゲーム画面に少しずつ機能を追加していくため、できることが増えていく実感を持って学習を進められます。
素材も充実しており、かわいいキャラクターを動かせて、ゲーム開発の楽しさを感じられるでしょう。
プログラミング経験がない方には、入門書の次に選ぶ本としておすすめです。
出版社:翔泳社
著者:STUDIO SHIN
サンプルコード:あり
価格:定価2,948円(税込)
出典:Amazon
5. Unityの学習に役立つおすすめサイト5選
Unityはサイトを活用することで、より実践的に学習できます。
サイトでは動画でよりわかりやすく学べたり、疑問点を質問できたり、実際にコードを入力できたりといった点がメリットです。
Unityを学べるサイトは数多くあるため、ここではおすすめをご紹介します。
5.1 Unity 公式
出典:Unity
Unityでは、公式サイトでUnityの活用事例やゲーム開発の背景などのコラムが掲載されています。役に立つ情報が多く、理解を深めるのに最適です。
Unityブログでは、ある程度知識があるユーザー向けに情報を発信しています。記事の更新頻度は高く、最新情報から積極的にUnityを学びたい方にはおすすめです。
さらに、ゲーム初心者のために5つのビデオチュートリアルを紹介しています。ゲーム開発のツールとマインドセットを理解するのに活用してはいかがでしょうか。
日本語対応はされていませんが、Unity公式によるチュートリアルもあります。英語が問題なく読める方は、チェックしてみましょう。
学習形態 | テキスト、動画 |
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料金 | 無料 |
公式サイト | Unity |
5.2 ドットインストール Unity入門
スモールステップで学習を進めるなら、ドットインストールのUnity入門がおすすめです。
ドットインストールなら1つの内容を3分未満の動画で学習できます。Unity入門なら、全26章(約1時間半)でUnityの基本知識からゲームの書き出しまでを学習可能です。
スマホでスキマ時間に観ることもでき、忙しくて時間がない方でも学習時間の確保ができます。
Unity入門はすべて無料で動画を観られるので、「まずは気軽に学びたい」という方にも最適です。
有料プランにアップデートすれば、質問と回答も閲覧できるようになります。疑問点の解消に役立つでしょう。
テキストで学ぶのが苦手という方は、動画学習のほうが向いているかもしれません。
学習形態 | 動画 |
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料金 | 無料 |
公式サイト | ドットインストール |
5.3 フレームシンセシス
フレームシンセシスは、VRデバイスを用いたUnity開発のノウハウを学べるサイトです。
VRデバイスは、
• Oculus Quest2
• SteamVR
• WebXR
など、バーチャルリアリティを実行できる機器です。
UnityによるVRデバイスごとの対応アプリ開発方法やTipsをまとめています。
著者は現役のUnityエンジニアでVR開発が専門です。こまかいポイントにも丁寧に触れ、実践的でわかりやすく解説しています。
また、手順通りに進めても想定通りに動作しないときの対処法もまとめられており、かゆいところに手が届く内容です。
公式サイトや関連する内容にもすぐにアクセスできるようリンクがあり、横断的に学べる点が魅力といえます。
学習形態 | テキスト、動画 |
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料金 | 無料 |
公式サイト | FRAME SYNTHESIS |
5.4 おもちゃラボ
出典:おもちゃラボ
おもちゃラボは、Unity開発者が個人で運営しているUnity学習の基礎がまとめられたサイトです。 運営者の「ちくわ」さんは、おすすめ本でもご紹介した書籍『Unityの教科書』を出版している方。
本と比べると、「Unityで使えるTips100選」や「iOSにアプリをインストールするときのエラー対処法」など、開発者のブログならではの実践的な内容が満載です。
『Unityの教科書』で学んだ方は、ぜひおもちゃラボのサイトも参考にしてみましょう。時間があるときに眺めるだけで、Unity開発に役立つ情報を学べます。
60分でUnityによるシューティングゲームの作り方が学べる全6回の記事も人気です。
学習形態 | テキスト |
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料金 | 無料 |
公式サイト | おもちゃラボ |
5.5 Udemy
出典:Udemy
Udemyは、世界中の講師の講座を動画で観られる学習サイトです。幅広い講座内容があり、好きな講座を購入して学習できます。
UdemyのUnity講座は、初心者から上級者までにおすすめできる内容です。レベルや目的ごとに講座があるので、自分に合ったものを選びましょう。
パソコンとスマホの両方から利用でき、場所を選ばずに動画で学べます。一度購入した講座は繰り返し視聴できるので、反復学習にも最適です。
講座は有料ですが、頻繁にセールを実施しています。気になる講座があったら、セールのタイミングで購入するとお得です。
Udemyは講座の品質が高いことで人気があります。学習教材に迷ったら、一度学習に活用してみてはいかがでしょうか。
学習形態 | 動画 |
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料金 | 有料 |
公式サイト | Udemy |
6. Unity関連のおすすめ資格
Unityが公式で提供している資格は次の6つがあります。
資格名 | 概要 |
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認定アソシエイト | Unityとゲーム開発を学習するための認定試験 |
認定プログラマー | Unity開発者としての資質を示せる認定試験 |
認定3Dアーティスト | あらゆる産業において美術面で質の高い仕事をする能力を示せる認定試験 |
エキスパート ゲームプレイプログラマー | ゲームプレイプログラミングの技術を認定する唯一のプロフェッショナルな認定試験 |
エキスパート テクニカルアーティスト:リギング&アニメーション | リギング&アニメーションで作業するテクニカルアーティスト向けの唯一のプロフェッショナルな認定試験 |
エキスパート テクニカルアーティスト:シェーディング&エフェクト | シェーディング&エフェクトで作業するテクニカルアーティスト向けの唯一のプロフェッショナルな認定試験 |
それぞれの詳細については、以下をご確認ください!
▸ 参考:認定試験|Unity
7. Unity関連の求人動向
プロエンジニアに掲載されているUnityのフリーランスの求人情報についてご紹介します。
▸ 案件情報:【Unity】ゲームエンジニア★PC・スマホ向けゲームクライアント開発
Unityを用いた2Dや3D周りの設計、開発、テストを実施する案件です。
Unityを活用した設計・開発経験と、Unity以外を含めた開発経験3年以上が応募の条件となっています。
月額単価は70万円~80万円となっており、高単価を目指せるのではないでしょうか。
▸ 案件情報:【Unity】エフェクトデザイナー★エフェクト作成業務
Unityのエフェクトなどを作る、Webデザイナー・UI/UXデザイナーとしての案件です。
エフェクトの実務経験1年とポートフォリオ、Unityの利用経験があれば応募できます。
月額単価は60万円~70万円です。
▸ 案件情報:【Unity】ゲームエンジニア★スマホアプリゲームのクライアント開発
Unityでクライアントサイドの開発を担当する、開発案件です。外部システムとの連携に関わる設計から、データベースの設計など上流工程から開発に携わります。
Unityを用いたゲームや、スマホ向けアプリのクライアント開発経験が求められます。
月額単価は、70万円~80万円です。
業務内容はゲーム開発が多く、月額単価は60万円以上が多いです。
プロエンジニアでは、他にも多くのUnity関連の求人を紹介しておりますので、気になる方はぜひ以下からチェックしてみてください。
▸ Unity関連の案件情報|プロエンジニア
8. まとめ
今回は、
• Unityでできること
• Unityの開発事例
• Unityのインストール方法
の流れで、Unityの概要についてお伝えしました。
Unityは、ゲーム開発やAR/VRを専門とするなら必須のスキルです。
ゲームを開発するだけでなく、実機へのビルド方法やストアへ公開するための設定方法も身につけることで、より実践的なスキルとなります。
今回ご紹介した方法を参考にUnity開発を始めてみてくださいね。