Java Silver資格は、Javaの開発元であるOracle社が提供しているベンダー資格です。今回は、そんなJava Silver資格の試験概要や受験日、合格する方法、取得のメリットや資格を活かす求人動向などまで、詳しく解説します。
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1. Java Silverの試験概要
Java Silver資格は、正式には「Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11 認定資格」という名称であり、Javaの開発元であるOracle社(合併前はSun Microsystems社)が提供しているベンダー資格です。取得することにより、Javaプログラミングに関するスキルを有することが証明されます。特にSilverグレードに合格することにより、Javaアプリケーションの開発に必要とされる基本的な知識を一通り習得したと言える状態になります。
なおJava Silverの難易度や他グレードとの比較について知りたい方には、次の記事もおすすめです。
1.1 試験時間と問題数、出題形式
Java Silverの試験時間や問題の出題数、出題形式は次の通りです。
認定資格名 | Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11 |
---|---|
試験時間 | 180分 |
出題数 | 80問 |
出題形式 | CBT方式による選択問題 |
1.2 Java Silverの受験料
2025年8月現在、Java Silverの受験料は 37,730円(税込)です。
1.3 受験の日程に決まりはない
Java Silver認定資格は、テストセンターで受験するCBT方式で実施されています。そのため試験は基本的に毎日実施されており、テストセンターが開いている日であれば自由に受験したい日程を選べるようになっています。
1.4 Java Silverの申し込み方法
Java Silverの申し込みの流れは、次の通りです。
• Oracleアカウントを作成する
• ピアソンVUEのアカウントを作成する
• ピアソンVUEで日時と会場を指定して予約する
• 受験料の支払いを行う
あとは指定した日にテストセンターへ向かい、試験を受けてください。
※Oracleアカウントは作成なしでも受験自体は可能ですが、合否の結果確認や認定証のダウンロードにはログインが必要です。
※受験料の支払いは、選択したテストセンター指定の支払い方法、または事前に購入したバウチャーチケットを使うことが可能です。
2. Java Silverの難易度:合格率と勉強時間の目安
Java Silverの難易度は、他のIT資格と比べて「簡単」といえます。その理由を、合格率や勉強時間からご紹介します。
2.1 Java Silverの合格率の目安は?
合格率は非公開ですが、合格ラインは「63%以上の正解で合格」と公表されています。
なお経済産業省が定める「ITスキル標準(ITSS)※」によると、Java Silverの認定レベルは「エントリレベル(レベル1)」です。
同じレベル1であるPHP技術者認定試験の初級は合格率70%程度のため、Java Silverも同じぐらいの、比較的簡単な試験と言えそうです。
※ITスキル標準とは:経済産業省が定めるIT関連能力を体系化したスキル指標
ITスキル標準 | 同レベルの主な試験 |
---|---|
レベル0 | Java Bronze、Microsoft Technology Associate(MTA)など |
エントリレベル
(レベル1) |
Java Silver、ITパスポート試験、Ruby Silver、PHP初級、ORACLE MASTER Bronze など |
エントリレベル
(レベル2) |
Java Gold、基本情報技術者試験、Ruby Gold、PHP準上級、ORACLE MASTER Silver など |
2.2 Java Silverの勉強時間の目安は?
情報系学科出身の筆者がJava未経験(C言語の学習経験あり)からJava Silverに合格した際の勉強時間は、SEの新入社員研修の時間内と定時後の自主学習(1日1~2時間程度)で約1か月弱でした。
さらにJavaの実務経験がある方は、Silverは模擬試験の勉強のみで通る方も多いようです。しかしプログラミング経験が全くない方はプログラミングの基礎を学ぶ必要があるため、その分の時間も必要になります。
3. Java Silverを取得するメリット
それではJava Silverを取得することによってどんなメリットがあるのか、ご紹介します。
3.1 Javaの開発スキルの証明になる
Java SilverはJavaの提供元であるOracle社が運営するベンダー資格であるため、その知名度と信頼性には定評があります。特にIT関連企業における信頼度はとても高く、実際に筆者もSEの新人研修中に基本情報技術者試験と合わせて職場の指示で取得しました。
なお通常のJavaアプリケーション開発案件であれば、Java Silverレベルを習得しておくと安心して参画できるでしょう。
実際に、異業種からJava Silverに合格して、エンジニアへの転職に成功した方も数多くいらっしゃいます。
▶ 参考:【卒業生の声:太田さん】工場勤務からプログラマへキャリアチェンジ。仕事と両立しながら自分のペースで勉強し、就職も資格取得も達成しました|プログラマカレッジ
3.2 Java Goldの取得への足掛かりになる
さらにJava Silverを取得することは、Java Gold取得への足掛かりにもなります。Java GoldはすでにJavaプログラマーとして働いている方にも、次のようなメリットがあります。
• 転職やフリーランス案件受注の際に、スキルのアピールポイントになる
• 企業によっては、資格手当を出しているところもある
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4. Java Silverに合格するためのおすすめ勉強法
Java Silverに合格するまでの、一般的な学習ロードマップは次の通りです。
4.1 プログラミング未経験の場合
プログラミング未経験の方の場合は、このロードマップのステップ1から始めてください。
まずは入門書を一冊買って一通り読み、Javaの基礎を知ってから試験対策の参考書へ進むことがおすすめです。
■ スッキリわかるJava入門 第4版(スッキリシリーズ)
【著者名】中山 清喬、国本 大悟(著)
株式会社フレアリンク(監修)
【出版元】インプレス
【出版日】2023年11月6日
【サイズ】A5
【ページ】760P
【価 格】2,970円(税込)
出典:インプレスブックス
いきなり試験の参考書を読んでも、Javaやプログラミングの用語が分からないという状況になりがちです。そんなときにおすすめなのが、「スッキリわかるJava入門」です。
これはシリーズ累計90万部のJavaの定番入門書であり、300を超える図解で初めの一歩から丁寧に解説されています。読者の「なぜ?」に答えてくれる構成で、入門から中級者へのステップアップまでおすすめの一冊です。
4.2 Javaの実務未経験の場合
Javaの学習経験はあるけど実務経験はないという方は、ステップ2から始めてください。ステップ2では、参考書と問題集が一体となった通称「紫本」がおすすめです。ただ「実務経験はないけどJavaの知識は充分ある」という方は、ステップ3へ進んでください。
■ オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Silver SE11(試験番号1Z0-815)
各章の詳しいテキストの後、各章末に豊富な練習問題が収録されています。さらに模擬試験も2回ぶん収録されているので、これだけでも合格できる一冊です。
4.3 Javaの実務経験がある場合
実務経験があるなどJavaの知識は充分あるという方は、ステップ3から始めてください。ステップ3では、Java Silver対策で一番人気の通称「黒本」がおすすめです。
■ 徹底攻略Java SE 11 Silver問題集[1Z0-815]対応
通称『黒本』と呼ばれる「徹底攻略Java SE 11 Silver問題集」は、この資格では最も定番の参考書です。筆者もこの黒本の受験当時のバージョンで合格しました。とても詳しい解説でこれ一冊あれば十分な内容ですが、ただJavaの基本用語については説明なしで登場します。そのためJavaが全くの未経験という方の場合は、先にJavaの入門書を一冊読んでから黒本へ進むことがおすすめです。
■「とにかく黒本を解く(目安は3周以上)」のが対策の基本
とにかくこの黒本をしっかりと理解することが合格への確実な道です。目安としては、3周以上は解いて自分の苦手分野をはっきりとさせておけば安心です。
なおJavaの実務経験が十分にあるという方は、2回分付属している模擬試験からいきなり始めてみるという方法もあります。模擬試験を解いて初見の内容が出てきたら、その分野から重点的に学習していくという手順になります。
5. その他のJava関連のおすすめ資格
Javaに関するスキルを証明する資格としては、Oracle社の認定資格以外に次の2つの資格があります。
• Javaプログラミング能力認定試験
• Android 技術者認定試験
■ Javaプログラミング能力認定試験
ビジネス能力認定で有名な「サーティファイ」が運営する、民間資格です。Java入門者を対象とした筆記試験の3級から始まり、より高い実務能力を問われる1級では筆記試験に加えて実技試験も実施されるという特徴があります。
■ Android 技術者認定試験
一般社団法人である「IT職業能力支援機構 Android技術者認定試験制度委員会」が運営する、民間資格です。Androidアプリ開発に特化した内容ではありますが、実質はJavaのスキルを問う内容となっています。Androidアプリ開発にJavaを利用している方や、これからAndroidアプリ開発をやってみたいという方におすすめです。
「Javaプログラミング能力認定試験」「Android 技術者認定試験」についてさらに詳しく知りたい方は、次の記事をご覧下さい。
6. Java関連の求人動向
プロエンジニアに掲載されている、フリーランスエンジニア向けのJavaおすすめ案件を3つピックアップしてみました。 なお現在の求人動向としては、やはりJavaを用いたWebアプリケーション開発の求人が多いという状況です。中にはAndroidアプリ開発や、Javaのスキルを持ったSEを募集する案件も見られます。
また、近年の出社率を抑制する施策により、特にフリーランスは完全在宅で行える案件の割合が高まっていることも特徴として挙げられます。
■ Java(Android)の案件
Javaを用いて、Androidアプリを開発するエンジニアを募集する案件です。詳しくは案件情報ページをご覧下さい。
▸ 案件情報:Androidアプリ開発エンジニア★本人確認プラットフォームの開発
■ Java(Spring boot)の案件
Javaを用いて、人材情報活用システムのバックエンド開発を行うエンジニアを募集する案件です。詳しくは案件情報ページをご覧下さい。
▸ 案件情報:バックエンドエンジニア★人材情報活用システムの開発
■ Java/SQLの案件
Java/SQLを用いて、サイトリニューアルに伴う設計を行うシステムエンジニアを募集する案件です。詳しくは案件情報ページをご覧下さい。
▸ 案件情報:システムエンジニア★サイトリニューアルに関わる決済・返金処理のWebAPI及びバッチ設計
Javaのフリーランス案件の最新動向や実際の単価相場、将来性、現在のリモート対応状況などについて詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
7. まとめ
今回はJava Silver認定資格についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
資格を取得するとスキルの証明になるだけでなく、その試験勉強を通して自分の知識や技術の整理や再確認に役立つという側面もあります。
実際に受験せずとも知識の整理だけなら試験範囲のチェックで行えるので、一度参考書などめくってみてはいかがでしょうか。
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