ランサーズとは、オンライン仕事発注サービスとして運営歴最長のクラウドソーシングサイトです。公式サイトの発表によると、他のクラウドソーシングと比較して利用者ひとりあたりの受注額が2.5倍であるとされています。(※2020年4月~2021年3月において報酬を得たユーザー一人あたりの受注金額を比較)
出典:ランサーズ
ランサーズが行ったプレスリリースによると、2018年4月時点でランサーズでの依頼総額は2,000億円を突破しています。その後も近年の副業人口の増加に伴い、依頼総額も年々増加を続けています。
出典:フリーランスへの依頼総額が2000億円を突破|Lancers PRESS RELEASE
数あるクラウドソーシングサービスの中でもランサーズが抜きんでて成長をとげられた理由として、「2016~17年頃から、低単価の案件を戦略的に減らしていった」という点が挙げられます。
当時主流だった「低価格」の案件から徐々に、バックオフィス業務やシステム開発などの高単価・高品質の案件を手がけるようシフト。不特定多数ではなく特定のフリーランスに仕事を依頼するモデルへと転換することで、信頼できるフリーランスを定着・増加させる仕組みを整えました。その結果、業績のさらなる拡大に成功しています。
現在ではクラウドソーシングサービス本体である「LANCERS」だけでなく、直接雇用案件を紹介する「Lancers Agency」や、いつでもメンターに相談できる「MENTA」など、サービスの範囲もさらに拡大。今回は、そんなランサーズの「良い評判」「悪い評判」や、案件探しのコツを解説します。
1. ランサーズにはどんな案件があるの?
ランサーズで獲得できる案件のうちシステム開発やデザインを行うものには、次のような案件があります。
案件の種類 | 依頼内容 | 単価相場 |
---|---|---|
Webシステム開発 | サイトの機能改修、Webベースの業務ツール開発など | 3,500
~7,000円 (1時間につき) |
データベース設計・構築 | データベース設計・改修、Access設計、管理マスタ作成など | 300,000
~800,000円 |
iPhone・iPadアプリ開発 | アプリ開発、アプリ改修、社内向けアプリ開発など | 300,000
~2,000,000円 |
Webデザイン | ホームページデザイン、メディアサイトデザインなど | 150,000
~200,000円 (6ページにつき) |
ホームページ作成 | ホームページ新規制作、ホームページ改修など | 50,000
~400,000円 (1-10ページにつき) |
1.1 案件の単価相場が特徴|「プログラミング」案件のクラウドワークス/ランサーズ比較
ランサーズとクラウドワークスで募集中の案件数について、2022年8月時点の総案件数を比較してみましょう。なお括弧の中の数字は、終了分を含めたこれまでの総件数です。
• ランサーズ:9,826件(1,963,101件)
• クラウドワークス:10,366件(389,876件)
次に、これを「プログラミング」というキーワードで絞ってみましょう。
• ランサーズ:131件(12,259件)
• クラウドワークス:102件(2,872件)
このことから、終了分を含めた履歴の件数については、ランサーズはクラウドワークスの5倍近くあることが分かります。しかし現在募集中の案件数は拮抗していることから、ランサーズの勢いが弱まったかのようにも見えます。しかしこれは、ランサーズが低単価案件を減らし、1件の案件の質を高める方向に舵を切った結果のようです。例えばWebシステム開発・プログラミングの案件であれば、時給あたり3,500~7,000円程度の単価が期待されます。
出典:ランサーズ
2. ランサーズ利用時にかかる手数料の目安
ランサーズへの登録や依頼にかかる費用は、無料です。ただしランサーとして案件を獲得し報酬が発生すると、次のシステム利用料がかかります。
• 受注者(ランサー)側:契約金額の16.5%(税込)
• 発注者(クライアント)側:契約金額の5.5%(税込)
契約金額からクライアントの支払い額やランサーの手取り額をシミュレーションしたいという方は、公式が提供している下の計算ツールを利用すると便利です。
3. ランサーズの悪い評判|相場よりも安価な案件が多い
ランサーズの良くない評判としては、一般的な業務委託の相場よりも安価な案件が多いという点が挙げられます。高単価の案件を増やす方向へサイト全体がシフトしているものの、やはり認定ランサーになったり、高い専門性がない限りは単価が低い案件の受注が中心となります。
それでもコーディングやWebデザインなどの案件は専門性が必要となるため、他の職種よりも平均単価が高めです。しかし難易度や作業量が同程度の案件が、専門のフリーランス向けエージェント経由であれば、より高い単価で紹介されているケースも数多くあります。特にエンジニアやデザイナーといった専門職の方は、クラウドソーシングだけに絞らずエージェントの案件と比較してみることもおすすめです。
3.1 案件の質が悪い|大手企業等からの案件受注は難しい
クラウドソーシングサービスは個人が依頼を出すことも可能であり、バリエーションに富んだ案件を気軽に受発注できることが利点です。その代わり発注者が不慣れである場合、完成品に求める仕様を完全につかめておらず、製造の難易度や規模感を正しく見積もりきれていない案件も存在するのが実情です。
一方で実績のある企業はクラウドソーシングを利用することはほとんどありませんが、ランサーズには「Lancers Agent」というエージェント経由の案件も掲載されています。「Lancers Agent」の案件を見て興味を持った方は、他のエージェントと条件を比較しつつ、上手に利用することがおすすめです。
3.2 手数料が高い|ランサーズより安いエージェントもある
ランサーズでは、契約金額が安いほど手数料が高額です。20万円を超えたぶんの手数料は5%ですが、10~20万円の範囲では10%、さらに10万円以下の案件については20%がシステム利用料として報酬から差し引かれます。このように受注する案件によってはシステム利用料が高額になり、エージェント経由の方が利用手数料を抑えられるケースも多々あります。
4. ランサーズの良い評判|認定ランサーになると案件の相談数が安定する
ランサーズの良い評判として、認定ランサー制度の存在が挙げられます。
認定ランサーになると、次のようなメリットがあります。
• クライアントから名指しで依頼の相談が来る件数が増える
• プロジェクトへ提案した際の採用率が上がる
このようにクラウドソーシングサービスでありながら、エンジニアとしての信用を積み、安定した働き方ができるのが特徴です。
4.1 クラウドワークスとランサーズはどちらがおすすめ?
クラウドワークスと比較して、ランサーズには認定ランサー制度やエージェント案件の存在というメリットがあります。それに対して、高単価案件を強化したことから、クラウドワークスに比べて総案件数が少なめというデメリットがあります。
とはいえ両サイトはサービス面でも案件数の面でもほとんど拮抗した状態であるため、あとは個人の使いやすさ次第です。まずはクラウドワークスとランサーズの両方に登録し、使いやすさを比べてみるのもおすすめです。
また単発で軽めの案件を受注したい等の理由でクラウドソーシングにこだわりがある方以外は、フリーランス向けのエージェントにも登録し、比較してみることがおすすめです。
クラウドワークスについて詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
5. ランサーズの利用がおすすめの人|「認定ランサー」というメリットを受けたい人
ランサーズの利用をおすすめしたい人には、次のようなタイプが挙げられます。
このように、自由な働き方の中でも認定ランサーという信用を得た働き方をしたい人におすすめです。
■ 働く場所や時間を自由に決めたい人
フリーランスになると、働く場所や時間を自由に決められるようになります。
■ 人間関係のストレスから自由になりたい人
同じメンバーとずっと働き続けることがほぼないため、人間関係のストレスが少なめです。
■ 認定ランサーとして信用ある仕事をしたい人
フリーランス全体ではなくランサーズ独自の利点として、認定ランサー制度の存在が挙げられます。自由に働きつつ、信用も積んでいきたい方におすすめです。
5.1 案件探しのコツ|発注者情報をしっかりチェックする
作業の内容や報酬、スケジュールなど以外の案件探しのコツとして、発注者の情報を全てチェックすることが挙げられます。発注者のプロフィールがきちんと書かれているか、過去の発注に対するランサーからの評価は良いかなどを確認しておくと、トラブル回避につながりますのでおすすめです。
6. ランサーズ以外のサービスがおすすめの人|高い専門性があり高単価案件の受注が見込める人
充分な専門性があり、かつまとまった量の作業を行いたいという方の場合は、エージェントの利用がおすすめです。ランサーズも高難度かつ高単価の案件へとシフトしていますが、エージェント経由の案件は元から高単価の案件紹介がメインです。
例えばプログラミングなどIT業界向けのスキルを持つ方には、プロエンジニアがおすすめです。プロエンジニアは、フリーランスITエンジニアを専門とする人材エージェントです。自らもプログラミング研修を受けた専門性の高いキャリアコンサルタントが、最適な案件へのマッチングをお手伝いしています。
またプログラミングは未経験だったり、フリーランスとしても初心者だという方でも、これからフリーランスエンジニアを目指す方法があります。ご興味のある方は、次の記事を参考にしてみてください。
7. まとめ
働き方改革や近年のリモートワークを推奨する環境から、フリーランスという働き方を選ぶ方は年々増加しています。すでにフリーランスである方だけでなく、まずは隙間時間に始めようという方も、一度ランサーズやプロエンジニアをのぞいてみてはいかがでしょうか。
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