SESで案件が決まらないエンジニアや企業には、以下のような欠点があることが多いです。
•【エンジニア側】実績やポートフォリオなどの準備、コミュニケーション能力の不足など
•【企業側】人材や営業力の不足、見積もりの問題のほか、派遣免許やPマークに問題があることも
今回は常時8000件の求人を扱うSES担当者が、SESで案件が決まらないエンジニアや企業の特徴や各種課題の解決策を解説します。
インターノウス株式会社 ITアウトソーシング事業部
コンサルタント 碓井良輔
インターノウスITアウトソーシング事業部の発足メンバーとして参画。コンサルタントとして10年以上のキャリアを持つ。高単価かつスピード感のある提案はもちろん、参画後の報酬増の戦略、IT業界の慣習についての相談など幅広くきめ細やかな対応が強みです。あなたのご経験を存分に発揮できるお仕事をご紹介致します。まずはお気軽にご相談ください。
SESで案件が決まらない「エンジニア」の特徴と解決策
SESで案件が決まらないエンジニアの特徴を、解決策を添えて解説します。
実務未経験~1年未満など「実績」や「スキル」が不足している|3年以上の実績を積む
まず「実績の不足」が挙げられます。特に実務経験が未経験から1年未満という場合、案件の受注が技術力と実績の両面で簡単ではないのが現実です。SES企業側の視点で見た際に、自社の案件を「経験豊かなSE」と「未経験者」のどちらに任せたいかを比較するとおのずとその理由は見えてきます。実務未経験~1年未満の方の求人動向などについては、ITエンジニア専門フリーランスエージェント「プロエンジニア」のキャリアアドバイザー、編集部員が担当するこちらの記事も参考にしてください。
実績が不足している場合、その不足を補填できる何か(取得資格、自己学習、考え方、成果物など)が重要になります。
この状況は、まず3年以上の実務経験を積むことで大きく変化します。3年間、どのような実務経験を積むべきか、SESの担当者と今後のキャリアパスを柔軟に話し合える環境も大事です。
経験豊富な担当者に今後のキャリアを相談してみたいという方は、ぜひプロエンジニアにお問い合わせください。SESに関するお問い合わせも受け付けています。
現在プロエンジニアでは、ご登録いただいた全ての方にPDF版「フリーランスになるための最新ロードマップ」をプレゼントしています。
プロエンジニアへの登録時間は1分程度です。すぐに相談する予定はないという場合でも、ひとまず情報収集だけしておきたい方にもおすすめです。
一つ一つの経歴が短い|次の案件先で寵姫前提の案件に入る
過去の実績で一つ一つの経歴が短いということも、案件が決まりにくい要因になります。次の案件先で長期前提の案件に入り、長めの経歴を作ることがおすすめです。
スキルシートやポートフォリオの準備が足りていない|事前の準備を行う
スキルシートやポートフォリオの準備が足りていない可能性もあります。せっかく良い経験があっても、アピールするための資料がなければ伝わりません。
まず意外に注意深く見ている企業が多いのは、誤字脱字です。また過去の経歴で業務内容や開発環境の記載に具体的な内容が欠けていると、マイナスポイントとなりえます。これらは事前準備でしっかりと防いでおくことが大切です。
ただ「大企業」や「官公庁」のサービスのバックエンドを担当したなど、案件の機密性が高くスキルシートやポートフォリオに自身の経験を書きづらいというケースもあるかもしれません。
画像出典:Qiita
こうした場合、クライアントやサービスの詳細は伏せつつ「どのようなサービス設計を意識したか」や「採用した言語やFW、ライブラリの例(※一部)」などをQiitaなどにまとめるのも一案です。当該記事のURLをポートフォリオに添えれば、採用サイドにとって「その人に仕事を頼むか」判断する助けになります。
コミュニケーション能力や協調性が不足している|面接の準備をしっかりと行う
面接においては、主にコミュニケーション能力(意思疎通のしやすさや、協調性など)をチェックされます。システム開発の現場はチームで動く場合が多いため、それらを円滑に行えるかどうかが重要となるためです。
また面接の場面では、提示したスキルの理解度の深さや、企業側の方向性やプロジェクト状況とマッチしているかも確認されます。企業側の方向性については無理に合わせる必要はありませんが、事前に確認しておくことがおすすめです。
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SESで案件が決まらない/求人を獲得できない「企業」の特徴と解決策
SESで案件が決まらない、または求人を獲得できない企業の特徴を、解決策を添えて解説します。
派遣免許・Pマークの認証を得ていない|認証を得るか営業先を変える
派遣免許やプライバシーマークの認証を得ていない企業の場合、そういった企業とは取引をしないというクライアントも一部ながら存在します。
認証を得るのがベストですが、これらの認証を得ることはSES企業にとって本来的に必須ではありません。そのため急ぎである場合は、シンプルに営業先を変えることも有効です。
提案に適した実績を持つ人材がいない|在籍エンジニアのスキルを把握する
提案に適した人材がいなければ、案件を決定することはできません。しかしながら本当に適した人材がいないのか、どういうエンジニアであれば提案できるのか、確認しやすいように具体的なスキルシートを作成しておくことも大切です。また、在籍エンジニアの技術領域の分布図を作成しておくと、適した人材が在籍していることの確認や提示が容易になります。
営業力に問題がある|リクルーティングアドバイザーを増員する
法人営業の進捗が遅れているというケースでは、単に営業の人員が足りないことが原因となっている場合があります。その場合、リクルーティングアドバイザーの増員が有効です。
キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーを社内で分業している場合は、体制を変更し、一名が両方を兼務する体制を取り入れてみるのも有効です。経験豊富なキャリアアドバイザーがコミュニケーション力にも技術理解にも優れており、リクルーティングアドバイザーとしても能力を発揮することは意外と多いものです。
また、各営業の理解力、全体把握能力、課題解決能力、提案力、コミュニケーション能力、レスポンス対応など、営業個人の知識量や人柄も営業力に大きく影響します。
提示している金額が高すぎる|適正な見積もりを提出する
求人者(企業)に対して、提示している金額が高すぎるという場合があります。クライアントの予算規模やエンジニアの適正な単価を把握して、ちょうどいい見積りを提出するスキルも大切です。
ただし「多少値下げをして受注する」場合は、受注後に良好な関係を築けそうなクライアントかどうかの見極めも重要です。
たとえば相手先が「外注(再委託)可」のクライアントの場合、多少値下げをして受注したとしても、オフショア開発の企業などに再委託することで自社の工数を低く抑えつつ利益を確保できるでしょう。この場合、多少値下げをしても受注する価値は十分にあります。
SESで案件が決まらないエンジニア/企業についてよくある質問
SESで案件が決まらないエンジニア/企業について、よくある質問にお答えします。
【企業側】求人をどうしても中々獲得できない場合の対処法は?
SES企業同士で連携し、人手が足りない開発現場があれば人員を融通し合うという方法も一般的です。そのため案件の不足や、逆に案件はあるけど人員が不足しているという場合は、他のSES企業と提携することも一つの方法です。
【エンジニア側】案件が未定の場合、エンジニアの処遇はどうなる?
正社員の場合、案件が未定でも給与は支払われます。ですがあまりにも長く案件が未定の場合、人員整理の対象になる可能性があります。
フリーランスの場合は、単に次の案件の発注が来ないという形になります。常に情報を収集し、個人でも積極的に案件を探しに動くことが重要です。
【エンジニア側】SESで働いても「技術力が身につかない」って本当?
SESであっても研修や現場で学ぶ環境が充実している企業は数多あり、インターネットやSNS等で言われている「技術が身につかない」という噂は根拠の薄いものです。ただし自分が希望するキャリアパスをしっかりと見据え、計画的に技術を吸収してゆくことが大切です。
ITエンジニア専門フリーランスエージェント「プロエンジニア」のキャリアアドバイザー、編集部員が担当する次の記事も参考にしてください。
まとめ
SESで案件が決まらないエンジニアや企業の特徴について、いかがでしたでしょうか。SESとして今後のキャリアパスに疑問や迷いがある方や、この機会にフリーランスエンジニアに転向してみたいという方は、ぜひ一度プロエンジニアのキャリアコンサルタントに相談してみてくださいね。