• Oracle認定Javaプログラマの難易度は?試験の種類やおすすめ参考書を紹介

    公開日:2021年02月18日 最終更新日:2023年02月17日

    先日の記事「Javaのおすすめ資格はどれ?試験の種類と難易度一覧 」では、3つのJava関連資格を比較致しました。今回はその中で現時点一番のおすすめである「Oracle認定Javaプログラマ」について、詳細にご紹介したいと思います。

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    1. Oracle 認定Javaプログラマとは?


    1.1 Javaの開発元が実施する世界共通ベンダー試験

    「Oracle 認定Javaプログラマ(Oracle Certified Java Programmer)」は、日本Oracle社が主催する、Javaの知識と技能をレベル別に認定するベンダー試験です。かつてはJavaの開発元であったSun MicroSystems社が「Sun認定Javaプログラマ」の名称で運営していましたが、2010年に同社がOracle社に吸収合併されたことを受け、Oracle認定試験として引き継がれました。

    Silver以上は全世界で通用する共通資格となっており、現在実施されているJava関連資格の中では最も人気の資格となっています。

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    1.2 試験のバージョンが重要

    「Oracle 認定Javaプログラマ」に有効期限はありませんが、Javaのバージョンに合わせて試験もバージョンアップが行われます。
    そのため新バージョンがリリースされると旧バージョンは比較的古い資格となってしまうため、最新バージョンの受験が人気となっています。

    現行最新の試験に対応するバージョンである「Java SE 11」は2018年9月にリリースされ、翌年の2019年6月から対応する認定試験が始まりました。

    なおGold以上で古いバージョンの試験に合格している場合は、出題数が本試験より若干少ない移行試験「Upgrade OCJP Java 6, 7 & 8 to Java SE 11 Developer」の受験資格を得ることができます。

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    2. 試験の種類(グレード)と難易度

    Oracle認定Javaプログラマの難易度は?試験の種類やおすすめ参考書を紹介【フリーランスエンジニア案件情報|プロエンジニア】

    「Oracle 認定Javaプログラマ」のグレードは、簡単な方から「Bronze」「Silver」「Gold」の三種類があります。

    「SE 6試験」までのグレードも同じく三種類で「アソシエイツ」、「プログラマ」、「ディベロッパ」という区分でしたが、移行試験が設けられているのは「旧プログラマ」⇒「新Gold」となっています。つまり「新Gold」の難易度は「旧プログラマ」相当と考えられ、現時点ではそれより上のディベロッパ相当試験は実施されていないようです。

    「新Silver」はJavaによるオブジェクト指向プログラミングを理解できているかどうかが問われる内容で、新人プログラマー向けだった「旧アソシエイツ」相当の難易度と考えられます。

    なお「新Bronze」は現役プログラマー向けではなく、完全なJava初学者向けの難易度となっています。

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    3. 各グレードの試験時間・出題数・合格ライン

    エンジニアであれば、自宅でのオンライン受験も可能な「Bronze」では履歴書上の評価対象にはならないのが現状です。さらにSilver、Goldは海外でも有効ですが、Bronzeは日本国内でのみ有効とされています。

    少しでも実務経験のあるエンジニアならば、Silverからの受験がおすすめです。

    なおGoldはSilverに合格していることが前提条件となるため、いきなりGoldを受験することはできないようになっています。

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    3.1 Oracle Certified Java Programmer, Bronze SE

    試験番号 1Z0-818-JPN
    試験名 Java SE Bronze 試験
    試験時間 65分
    出題数 60問
    出題形式 CBT(選択問題)
    合格ライン 60%
    前提条件 特になし
    履歴書の表記例 Oracle認定Javaプログラマ Bronze SE 取得

    低難度の資格であり、SE 11からはJava のバージョン指定も廃止になりました。Java言語の基本文法(宣言、制御)やオブジェクト指向プログラミングの基本など、Javaの初学者が理解するべき基礎項目について問われます。実務経験があれば無勉強で合格できる程度の内容であり、初心者でも机上の勉強で対応できる範囲の内容です。

    前項ではエンジニアにとっては物足りない資格であると述べましたが、初心者にとってはオブジェクト指向の基本をきちんと学習する良い機会になります。試験対策をやること自体が有意義ですので、これからJavaを学ぶという場合はぜひ挑戦してみて下さい。

    Bronze出題範囲

    1・Java言語のプログラムの流れ

    2・データの宣言と使用

    3・演算子と分岐文

    4・ループ文

    5・オブジェクト指向コンセプト

    6・クラス定義とオブジェクトの生成、使用

    7・継承とポリモーフィズム

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    3.2 Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11

    試験番号 1Z0-815-JPN
    試験名 Java SE 11 Programmer I 試験
    試験時間 180分
    出題数 80問
    出題形式 CBT(選択問題)
    合格ライン 63%
    前提条件 特になし
    履歴書の表記例 Oracle認定Javaプログラマ Silver SE 11 取得

    このグレードは、上級者の指導のもとで実装が可能なレベルの、「初級Javaプログラマ」を対象としています。

    Java言語の基本文法だけでなく、オブジェクト指向プログラミング(カプセル化・継承・抽象化・例外処理など)を理解しているかが問われます。
    さらにモジュールの基礎など、プログラミングのために必要とされる仕様がきちんと理解できているかが問われる内容となっています。

    Silver出題範囲

    1・Javaテクノロジと開発環境についての理解

    2・簡単なJavaプログラムの作成

    3・Javaの基本データ型と文字列の操作

    4・演算子と制御構造

    5・配列の操作

    6・クラスの宣言とインスタンスの使用

    7・メソッドの作成と使用

    8・カプセル化の適用

    9・継承による実装の再利用

    10・インタフェースによる抽象化

    11・例外処理

    12・モジュール・システム

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    3.3 Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 8

    試験番号 新規:1Z0-816-JPN
    移行:1Z0-817-JPN
    試験名

    新規:Java SE 11 Programmer II 試験

    移行:Upgrade OCJP Java 6, 7 & 8 to Java SE 11 Developer試験

    試験時間 180分
    出題数 80問
    出題形式 CBT(選択問題)
    合格ライン 1Z0-816-JPN:63%
    1Z0-817-JPN:61%
    前提条件

    次のいずれかを取得済であること

    ・Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11

    ・Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 8

    ・Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 7

    履歴書の表記例 Oracle認定Javaプログラマ Gold SE 11 取得

    このグレードは、仕様(設計者の意図)を正しく理解し、独力で機能実装ができるレベルのプログラマーを対象としています。

    各種インタフェースの作成および使用方法やデータベースの利用に加え、Java SE 8からの新機能である「ラムダ式」などを理解できているかが問われる内容となっています。
    また SE 11からはセキュアコーディングなども問われるようになり、設計から実装までのトータルな技術が身につけられているかが問われます。

    Gold出題範囲

    1・Javaの基礎

    2・例外処理とアサーション

    3・Javaのインタフェース

    4・汎用とコレクション

    5・関数型インタフェースとラムダ式

    6・JavaストリームAPI

    7・組込み関数型インタフェース

    8・ストリームに対するラムダ演算

    9・モジュール型アプリケーションに移行する

    10・モジュール型アプリケーションにおけるサービス

    11・並列処理

    12・並列ストリーム

    13・I/O(基本およびNIO2)

    14・Java SEアプリケーションにおけるセキュア・コーディング

    15・JDBCによるデータベース・アプリケーション

    16・ローカライズ

    17・アノテーション

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    4. 試験の申し込み・日程・会場・受験料

    「オラクル認定Javaプログラマ」は試験日程や試験会場の指定はなく、自分にとって「都合のいい日」に「都合のいい場所」で、いつでも受験することが可能です。(ただし選択した会場が営業日でなければ指定不可)


    4.1 試験日・試験会場・合格発表

    申し込み受付期間 試験の数か月前~当日
    ※選択した試験会場による
    試験日 随時
    ※選択した試験会場による
    試験会場

    1・会場試験:全国のピアソンVUE公認試験会場
    【試験会場(テストセンター)一覧】

    2・オンライン試験:自宅(Bronzeのみ)

    合格発表 試験終了後、即時

    Oracle認定Javaプログラマ試験の申し込み方法やテスト会場の詳細については、同じOracle社が実施する「オラクルマスター試験」と同じですので、よければそちらも合わせてご覧ください。

    オラクルマスターとはどんな資格?難易度から受験料までまとめました
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    4.2 受験料(受験チケット料金)

    受験料は以下の通りで、試験形態別にオラクルマスターなど他のOracle認定試験と共通のチケットになっています。

    試験形態 チケット料金 有効期限
    監督なし試験用 13,300円(税抜) 6か月間
    監督付き試験用 34,300円(税抜) 6か月間

    Oracle認定Javaプログラマについては、Bronzeのみ「監督なし試験」を選択可能です。
    なお「監督付き試験」用チケットは、「監督なし試験」の受験にも利用可能です。購入するチケットの種類を間違えないようご注意ください。

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    5. 試験対策におすすめの参考書&問題集


    5.1 初心者が問題集を解き始める前に読んでおきたい参考書

    『スッキリわかるJava入門』

    著者:中山清喬、国本大悟
    発売日:2019年11月15日
    価格:2,860円(税込)
    出典:Amazon

    「はじめてのプログラミング」から、プログラミングにおける考え方の基礎がしっかりと解説されています。
    特に挫折しやすいオブジェクト指向についてはとても丁寧に分かりやすく解説されており、Javaはなんとなく使っているけどオブジェクト指向がよく分かっていないという方にも、読めば再理解につながる本になっています。

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    5.2 Java経験者におすすめの参考書

    『オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Silver SE 11』

    著者:山本道子
    発売日:2019年11月18日
    価格:4,180円(税込)
    出典:Amazon

    Oracle認定Javaプログラマ試験定番の教科書です。
    この参考書を一通り理解すると、実試験でも合格ラインを優に超える、80%程度が取得できる内容となっています。
    本文で登場するソースコードをWeb上からダウンロードできるようになっているため、実際に動かしながら体得することが可能です。Javaの経験に自信のある方も、試験前にはチェックしておいて損はない一冊です。

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    5.3 おすすめの問題集

    『徹底攻略 Java SE 11 Silver問題集[1Z0-815]対応』

    著者:志賀澄人
    発売日:2019年10月18日
    価格:3,740円(税込)
    出典:Amazon

    資格対策の「黒本」として有名な問題集です。
    内容は非常に定評があり、ある程度の知識や実務経験がある人なら、この問題集1冊のみで合格できたという方も多いようです。
    解説が丁寧で、試験対策のみならず、Javaについての知識を深めたい場合にも一読の価値があります。

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    6. なんとなくで流していたオブジェクト指向の復習にも

    Oracle認定Javaプログラマの難易度は?試験の種類やおすすめ参考書を紹介【フリーランスエンジニア案件情報|プロエンジニア】

    いかがでしたでしょうか。ベンダー系資格は受験料が高額であるため気軽に力試しとはいきにくい存在ですが、実務の中で身に着けた技術から基本に立ち返ってみると、新たな発見や長年の疑問の解決にもつながるかもしれません。
    今すぐ試験を受ける予定はない方も、ぜひ一度例題などチェックしてみて下さいね。

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