これからPHPを学習したいという方向けにPHPの基本設定とスクリプトの書き方について解説します。XAMPPを使って説明しますが、PHPのみをインストールした場合も基本の構造はそれほど変わりありません。異なる点は適宜説明いたします。
目次
1. PHPスクリプトの基本設定
1.1 php.iniの編集
「PHP」や「XAMPP」のインストールが済めば簡単なPHPの動作確認をすることが可能です。またPHPの使えるレンタルサーバーを利用する方は特に初期設定など必要なくプログラムを書くことができます。Wordpressが使えるレンタルサーバーでもPHPは使えます。 勉強を進める前にPHPの基本の設定をしておきましょう。
「XAMPP」をインストールしたフォルダー(デフォルトでは「C:\xampp」)内の「php」フォルダーを開いて下さい。「php.ini」ファイルがありますので、テキストエディターで編集します。
※「PHP7.0.12」をインストールした方はインストールフォルダー内に「php.ini」ファイルはありませんので、「php.ini-development」をコピーして「php.ini」にリネームして下さい。
●「php.ini」ファイルの編集
編集前に「php.ini」ファイルのバックアップをしておくことをおすすめします。サーバーのインストールやアプリケーションをインストールした時には「ini」ファイルというアプリケーション起動時設定用のファイルを編集することがありますが、この設定ファイルはアプリの動作に大切なファイルですので、いつでも初期状態に戻せるようにバックアップをとる習慣をつけて下さい。今回は編集前に「php.ini」をコピーして別名(php.ini.bk)保存しています。
必要最低減の設定として日本語環境に関する以下2箇所だけ編集します。ファイル内の「mbstring.language」という文字を検索して下さい。1741行目(PHP5.6.24)に
;mbstring.language = Japanese
という記述がありますので、セミコロン「;」をとって
mbstring.language = Japanese
として下さい。
次にその下辺り(1748行目)に
;mbstring.internal_encoding =
という記述がありますので、セミコロン「;」をとりUTF-8を指定し
mbstring.internal_encoding = UTF-8
とします。以上で設定ファイル(php.ini)の編集は終わりです。設定ファイルを変更時にWebサービスを起動している場合は必ず、サービスの停止と再起動をして設定を反映させて下さい。
1.2 ファイルの保存場所と保存形式
WebサーバーとHTMLについて、少し勉強した方はご存知かと思いますが、Webサーバーにはリクエストに応じてコンテンツを公開するための「ドキュメントルート」と呼ばれるフォルダー/ディレクトリーがあります。HTML文書や作成したPHPファイルは基本的にこの「ドキュメントルート」配下に保存されます。「XAMPP」の「ドキュメントルート」はデフォルトインストールをすると「C:\xampp\htdocs」になります。PHPの簡易サーバーを利用する場合は、フォルダーを指定します。作成したphpのファイルは、拡張子を「.php」にして「ドキュメントルート」以下に保存します。具体的な記述方法とファイルの保存方法はサンプルファイルを作成しながら見てゆきましょう。
2. PHPスクリプトの基本的な記述方法
●開始タグと終了タグ
PHP はファイルを解析して開始タグ「<?php」と終了タグ「?>」 を探してコードの処理を行います。このタグがある事でHTMLなどの文書中に埋め込むことが可能となっています。開始タグと終了タグで囲われているコード以外の部分をPHPは処理することはありません。以下のコードをテキストエディターで記述し「test.php」を「ドキュメントルート(C:\xampp\htdocs\)」に保存して下さい。
●test.php
<html>
<head>
<title>PHP test</title>
</head>
<body>
<?php echo '<p>Hello World!</p>'; ?>
</body>
</html>
●ブラウザーの表示(test.php)
HTML文書にphpのコードを埋め込む場合はファイルの拡張子は「.php」にすることを忘れないで下さい。
●ブラウザーの表示(test.html)
拡張子を「html」にするとPHPは開始タグと終了タグがあってもコードを処理せず意図しない表示になります。
もう少しプログラムらしい記述でPHPの動作を確認してみましょう。ここでは詳しい構文の解説は省きますが、「test2.php」のコードを保存して下さい。
●test2.php
<body>
<?php
function result($points){
if ($points > 55) {
echo "合格です。";
} else {
echo "不合格です。";
}
}
result(80);
?>
</body>
55以下を「不合格」と表示するプログラムです。「result(80);」の行で80を設定しているのでブラウザーには「合格です。」の文字が表示されます。
「result(80)」の数値を「55」以下にしてブラウザーの表示を確かめてみましょう。「不合格です。」が表示されましたでしょうか?
3. コードの記述ルール
PHPコードを記述する際の必要最低限のルールです。基本のルールですが、(セミコロン忘れなど)エラーの原因にもなりますのでしっかりと体で覚えるようにして下さい。
●コードの最後には、セミコロン「;」をつける。
先ほどのサンプルコードは1行のコードだったためセミコロンはついていませんが、コードの最後にはセミコロンをつけます。
<?php echo '<p>コードの最後には、'; echo 'セミコロン「;」をつける</p>'; ?>
●命令の間は「半角スペース」「タブ」「改行」で区切る
命令や関数の間は「半角スペース」、「タブ」、「改行」どれを使っても表示結果は同じです。ただし通常は「半角スペース」が使われます。
<?php echo '<p>・命令の間は「半角スペース」</p>';
echo '<p>「タブ」</p>';
echo
'<p>「改行」で区切る</p>';
?>
●文字列はシングルクォーテーション(’)もしくは、ダブルクォーテーション(")で囲みます。
<?php echo '<p>文字列はシングルクォーテーション</p>';
echo "<p>もしくは、ダブルクォーテーションで囲みます。</p>"; ?>
●コメントは「//~」または「/* ~ */」で囲む
コメントの書き方は二通りあります。
<?php
// 一行コメント
echo '<p>コメント行は処理されません</p>';
/* 作成日:○○年△△月◇◇日
複数行のコメントの記述方法です。 */
echo '<p>後からコードを見て分かりやすいコメントを書きます</p>';
?>