• これまでのスポーツを拡張する ~新たなスポーツ『超人スポーツゲームズ』~

    公開日:2016年11月24日 最終更新日:2021年12月27日

    2016年11月23日(水・祝日)に東京タワーメディアスタジオにて、新しい可能性を開こうと活動をする、ある団体初の大会が開催されました。

    その名も「超人スポーツゲームズ」

    はじめて聞くと、何か特殊な能力を持ったアスリートたちが競い合うスポーツバトルをイメージしそうですが、実際にイベント当日にゲームに参加していたのはごくごく一般の人々。

    では、「超人」とは一体何を意味するのか。そして「超人スポーツ」とはどんなスポーツなのか。まだ耳慣れないこちらの言葉ですが、開催されたイベントの様子とともに、その実体をお伝えしていきます!

    目次

    1. 現代のテクノロジーで、”スポーツを再発明”する

    そもそも、今回の超人スポーツゲームズを開催したのはどこなのでしょうか。
    イベントの主催者は「超人スポーツ協会」。こちらは2015年の春に設立された団体で(発足自体は2014年10月)、東京大学・先端科学技術研究センター教授であり慶應義塾大学大学院・メディアデザイン研究科客員教授の稲見昌彦氏、慶應義塾大学大学院・メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉氏、東京大学大学院情報学環教授でありソニーコンピュータサイエンス研究所副所長、そしてISIDスポーツ&ライフテクノロジーラボ シニアリサーチフェローでもある暦本 純一氏の3名が代表を務めています。

     超人スポーツ協会:https://superhuman-sports.org/

    彼らが目指すのは、”現代のテクノロジーでスポーツを再発明する”こと。
    テクノロジーによって、これまでの身体能力を超える力を人に身につけさせたり、あるいは年齢や障碍を克服し、身体差というバリアを克服することを目指すといいます。また、それだけではなく、テクノロジーによる新しいスポーツの発明にも取り組んでおり、新しい時代に対応した新競技を生み出すことで、スポーツの分野そのものも拡張していくといいます。

    「得意不得意、年齢、障碍、資格を問わず、誰もが楽しくスポーツをする未来を創りたい」
    それが彼らの想いだといいます。

    中村伊知哉氏

    イベントの開催にあたって意気込みを語る中村伊知哉氏。

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    2. 人間拡張工学によって生み出された新スポーツ

    では、現代のテクノロジーによって生み出された新スポーツとはどの様なものなのでしょうか。イベント当日は、発明された競技のうち4つが行われました。

    2.1 超人スポーツ1:HADO

    HADO

    HADOは、株式会社meleapが開発したスポーツで、頭にヘッドマウントディスプレイ、腕にアームセンサーを装着し、フィールド内で自由自在に体を動かしてスキルを発動させ、仲間と連携しながら3対3で競い合うチームバトルです。バリアで相手の攻撃を防ぎつつ、エナジーボールで相手を攻撃していきます。

    HADO:https://meleap.com/

    超人スポーツ_04

    プレイヤーたちは自分の陣地であるフィールド内をアクティブに動き回ります。

    超人スポーツ_05

    仲間と連携することが大事なこのゲーム。こちらのチームは独自の連携プレイを繰り出し、会場を沸かせていました!

    超人スポーツ_06 超人スポーツ_07

    フィールド内を駆け回るので、体力はもちろん、相手を狙って技を出したり、攻撃をうまくかわしたりと、テクニックも求められるようです。

    超人スポーツ_08

    優勝チームのみなさん。左から、佐々木淳平さん、ぴよひなさん、奇道ぱーぷるさん

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    2.2 超人スポーツ2:キャリオット

    超人スポーツ_09

    小型モーターデバイスを手綱で操作して走行する「キャリオット」に乗って、複数人で競い合うレースです。人と機械をあえて切り離したというキャリオットは、デバイスに引っ張られながら走行し、手綱を左右の手さばきでコントロールしながら進行方向を調整します。
    早稲田大学、筑波大学、慶応義塾大学のそれぞれの大学院の共同チームによって開発されました。

    CarryOtto:https://dtks49.wixsite.com/carryotto

    超人スポーツ_10 超人スポーツ_11

    キャリオットは身体能力差をカーバーすることができるので、3歳から80歳代の方と幅広い年代の方が利用することができ、また、車イスの方も楽しむことができるといいます。
    アイディアによって乗り物を工夫することもできるので、イベント当日は独自のキャリオットで参戦する選手もいらっしゃいました。

    超人スポーツ_12

    こちらの方は普段は車いすを利用されていますが、舌で速度操作ができる無線コントローラを口にくわえて調整することで、滑らかに走行をされていました

    超人スポーツ_13

    そして、レースを勝ち上がってきた上位3名によるファイナルレースが行われました。

    超人スポーツ_14

    3名とも素晴らしい走行で、最後の最後まで目が離せない競り合いの好勝負に!

    超人スポーツ_15

    そして、この激戦を制したのは上 勇之輔さん。

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    2.3 ぶつかり合う圧巻のステージ 岩手発!ロックハンドバトル

    超人スポーツ_16

    そして、競技の合間に、岩手発のステージパフォーマンスが行われました。

    『ロックハンドバトル』と称されたこちらは、岩手県盛岡市にある三ツ石神社の伝説をモチーフに考え出されたそうです。三ツ石伝説でこの地から追い払われたとされる悪鬼・ラセツが怨霊となって現在に甦り、人々に取りついてしまいます。
    ラセツに取りつかれた人は憑鬼人(ツキビト)となり、ラセツ浄化の儀式である「ロックハンドバトル」に挑まなくてはならないことに!

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    憑鬼人同士のロックハンドバトルがスタート!

    超人スポーツ_18

    利き腕に装着した大きな『ロックハンド』同士をぶつけ合い、制限時間内にロックハンド上腕部に付いたロックを全て落とす、あるいはより多くのロックを落とした方が勝者となります。

    超人スポーツ_19

    激しいぶつかり合いの結果、勝者決定!!

    超人スポーツ_20

    『ロックハンドバトル』は岩手大学の学生の皆さんによって考え出されたスポーツ。今回会場で熱いパフォーマンスをみせてくれたのも岩手大学の学生さんたちでした。

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    2.4 超人スポーツ3:ホバークロス

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    こちらは体重移動のみで操縦できる電動スクータ「HoverTrax」を使った競技。HoverTraxに乗った2人のプレイヤーが攻めと守りにそれぞれ分かれ、フィールド内の3つのゴールにボールを入れて得点を競い合います。
    また、攻めの時にはボールを入れた2つのお玉を使い、守りのに時は攻撃を防ぐ為の棒を使います。

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    フェイントをかけたり、スピードで振り切ってゴールしたりと、色んな技を繰り出せるので、奥が深いスポーツだと感じました。ちなみに、一つのゴールには一つのボールしか入れることができません。

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    そして、ファイナルバトル!
    ちなみにこちらは子弟バトルで、既に清水さんが勝ち残り、優勝が決まっていたのですが、大学の教授である稲見さんに挑むことに。実は、稲見さんはこれまで誰にも負けたことがないということで、最強の選手だと言われてきたそうです。

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    果たして、最強と言われる稲見さんを破ることができるのか…!

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    ゲームの結果、清水さんが稲見教授を破り、正真正銘の勝利を勝ち取りました!

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    2.5 超人スポーツ4:バブルジャンパー

    バブルジャンパー

    こちらは、脚にバネでできた脚部強化器具を付け、さらに頭から衝撃を吸収するという透明な半球体をかぶった選手同士が、お互いに激しくぶつかり合うスポーツです。
    ちなみに、脚にバネを付けていると弾力で跳ね、止まっていることができないので、常に足を動かしているか、あるいは上の写真のように半球体に体を預けて固定する必要があります。

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    見た目はとても不思議。装備を身にまとった選手同士の戦いが、いよいよスタート!

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    ぶつかり合う時に「よいしょ~!!!」と大きな声を出す選手も。選手の方いわく、声を出す方が力が出るんだそうです。

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    全身を使ってぶつかり合うので、近くで見るとすごい迫力でした。会場の盛り上がりもひときわ大きくなりました。

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    そしてこちらは女性の部。男性に比べると少しコンパクトな印象です。

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    でも、見た目はコンパクトでも本気のぶつかり合いは男性と一緒。激しいぶつかり合いと攻めぎ合いが繰り広げられました。

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    そして、この激しいスポーツを制したのは、安藤晃弘さんと助川直子さん。

    全てのスポーツが無事に終わった後、改めて最後に選手の皆さんの表彰式が行われました。

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    順位とは別に、キャリオットにて素晴らしい走行を見せたお2人の選手に、その素晴らしさを称える特別賞が送られました。

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    いかがでしたでしょうか?
    これまでのスポーツの概念を変え、新しい可能性を生み出そうとしている超人スポーツ協会。

    これまでに無かった新しいスポーツができるという楽しさはもちろんですが、身体差や年齢・性別など、どうしても制約がかかりやすいスポーツという分野そのものを変える可能性があると感じました。

    これまで起きていた壁を取り払い、誰もがスポーツを楽しめる世の中になるかもしれない。そんなワクワクを与えてくれた彼らの取り組みはまだまだ始まったばかり。これからもその活動に注目し、みなさんにお伝えしていきます!

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