2016年9月20日(火)にシンガポールのセントーサ島にあるWorld Convention Centreにて、世界のスタートアップが集まるグローバルイベントでSlush Singapore 2016が開催されました。(その時のイベントレポートの様子はこちら)
そして翌日の21日(水)、同会場にて同じく、複数のグローバルイベントが開催されました。Slushと同じように、様々な分野の第一線で活躍するキーパーソンたちによってステージが展開され、おおいに盛り上がりをみせた本イベント。その勢いを、当日の様子とともにお伝えします!
目次
1. ”WOMEN IN TECH” 世界の第一線で活躍する女性たち
イベントの一つは目は“WOMEN IN TECH”(http://womenintech.sg/)
世界から集まった、テクノロジー業界の第一線で活躍する10人以上の女性が登壇し、世界中の女性と男性をインスパイアすべく、自分たちのこれまでの活躍とこれからについてスピーチを行いました。
そのポジションは、グローバル企業のCEOやのリーダー、スタートアップ企業の創設者、投資家など。いずれも世の中を良くしたい・変えたいという熱い思いを持って、全身全霊で活躍されている女性たちでした。
『Tech First - Building companies before an idea, a team or a product exists』
Anne Marie Droste氏
Entrepreneur First(https://www.joinef.com/)のDirectorとして活躍中。同社は、ロンドンとシンガポールに拠点を構える投資会社で、これまでに300人以上の人々をサポートし、100以上の会社の設立を導いてきました。
『Q&A + Interview Session』
Rosemary Tan氏
Veredus Laboratories(https://vereduslabs.com/)の設立者でありCEOとして活躍中。同社はバイトテクノロジー事業を展開しており、Wall Street Journal Asiaによるthe Red Herring Top 100 Private Companiesにおいてthe Asian Innovation Awardを獲得するなど、躍進を続けています。
当日は、会場からの質問をその場でスマホで受けつけ、Tan氏が答えるというステージが行われました。
モデレーターを務めたのはLIVIN farms(https://www.livinfarms.com/)のKatharina Unger氏。
LIVIN Farms Hivという昆虫を200から500グラムの豊富な豊富な食材へと育てる家庭向けの巣箱を開発。
Rachelle (Ria) Lao氏
PrecisionBit(http://precisionbit.com/)の設立者であり、CEOとして活躍中。同社が提供しているのはvisual intelligenceソリューションで、ビジュアルから得られる顧客情報を活かしたマーケティングツールを展開しています。
ステージのRia氏は会場に向けて、彼女の体験に基づいた、第一線で活躍する為のアドバイスを送りました。
『Founding the first female-led millennial VC firm at 24』
Pocket Sun氏
SoGal Ventures(http://www.sogalventures.com/)の共同設立者。起業家と投資家のコミュニティを運営する同社で活躍しており、20か国以上、約5万人規模へと拡大させています。そして、スタートアップの会合やイベントを、アメリカ及びアジア圏にて精力的に開催しています。
また、同会場内にも、「VITNAMESE WOMEN IN TECH」と題して、ベトナムで活躍する女性たちがブースを出展していました。
現在、ベトナムとフィンランドはInnovation Partnership Programme(IPP)というパートナーシップを結んでいます。(http://ipp.vn/en/) これは、ベトナムのスタートアップや大学といった教育機関を成長させる為に、国がバックアップをするというプログラム。今回は、フィンランド発祥のイベントSlushにベトナムの企業が参戦したという形でした。
(中央)Kids online(https://kidsonline.edu.vn/)のHa Dau氏とHuong Do氏
民間の幼稚園向けに、アプリによるマネジメントシステムを展開。
(右)Lifestyle&Bisiness(https://lbnglobal.com/)のSelena Le氏
教育事業を行っているスタートアップで、独自プログラムでの世界クラスの人材育成を展開。
(左)Color Pencils(https://www.butchimau.vn/)のHuong Nguyen氏
4歳から11歳の子ども向けに、独自の教育教材を開発・展開。
LIVING DREAM(https://livingdream.me/)のHoa Pham氏
自分の夢を共有し、コミットし合うプラットフォームを展開。
2. 航空宇宙業界の最先端 ”300 STARTUPS GLOBALLY 2016”
もう一つのイベントがStarburst Accelerator(http://starburst.aero/)による”300 STARTUPS GLOBALLY 2016”。
Starburst Acceleratorは2012年のパリでの設立以来、航空宇宙業界に特化し、投資家とスタートアップのリサーチ及びマッチングなどを行っています。パリ、ロサンゼルス、ミュンヘン、シンガポールに拠点を持っており、シンガポールはアジアの拠点として重要な位置を占めているといいます。
設立者の1人でありCOOであるVan Espahbodi氏
そして、業界人や投資家が集まる会場のステージにて、革新的な技術を展開していると期待される12のスタートアップによるピッチが行われました。
Spire(https://spire.com/)
衛星から取得した地球のデータを収集・分析し、運送業や製造業や漁業などといった組織に有益なソリューションを提供。
Natilus(https://www.natilus.co/#main)
貨物船よりも17x速く、コストを飛行機の50%の抑えることのできる無人航空機を開発。
Looxid(http://www.looxidlabs.com/)
世界初となる、目の動きや脳波によって、アクティビティをコントロールできるデバイスを開発。
Ursa Space Systems(https://ursaspace.com/)
衛星から取得できるデータ画像をビジネスに活用するサポートをしており、例えばオイル供給量や船舶位置情報の取得の簡易化を実現。
Innovative Binaries(http://www.innovativebinaries.com/)
ビッグデータとAIによって、航空機のメンテナンスを行うプラットフォームを展開。早急に不具合を検出して安全性を高め、メンテナンスコストの削減も実現。
ALE(http://star-ale.com/)
宇宙空間に飛ばした衛星から流星群を放出させ、夜空に自在に流れ星を出現させる人口流星を開発中。
(左)H3 Dynamics(https://www.h3dynamics.com/)
ロボットを生活に広げることを目指しており、水素燃料電池によるドローンを開発。
(右)WinMS(https://www.win-ms.com/)
ケーブル診断のエキスパートであるフランスを拠点とする同社は、ケーブルネットワークによって航空機のメンテナンスを実現。
Gilmour Space Technologies(https://www.gspacetech.com/)
宇宙技術に特化した同社は、シンガポールとオーストラリアにチームがあり、ローコストでの宇宙船のシュミレイターやレプリカのデザイン及び製造などを行っています。
3. スタートアップ向けラボ@シンガポール
幅広い分野における、第一線で活躍する人々やスタートアップが世界中から集まり、多様な盛り上がりをみせたSlushのイベント。
今回のSlus Singaporeは、「SWITCH=Singapore Week of Innovation & Technology」(https://www.switchsg.org/)というシンガポールのテクノロジーを盛り上げることを目的として開かれたイベントとの、パートナーシップによって実現したのだそうです。
そこでイベントの最後の最後に、このSWITCHのパートナーたちが集まった、フィナーレのイベントに参加してきました。
場所はシンガポールのone-northエリアに位置する「JTC LaunchPad」(https://www.jtc.gov.sg/industrial-land-and-space/pages/jtc-launchpad-one-north.aspx)。ここはシンガポールの産業興行のエージェントであるJTCが運営する、スタートアップの為に開かれた施設で、科学、エンジニアリング、バイオ、電子工学、情報通信・メディアといった分野における700以上のスタートアップと40以上の企業が現在利用をしているそうです。
会場には40以上のスタートアップがブースを出しており、彼らが開発した製品やサービスを見て体験することができるようになっていました。
・Paper Plane Co(https://www.paperplaneco.com/)
言葉とアート、テクノロジーを駆使するクリエイティブエージェンシー
・Qavar(https://www.qavar.com/#/)
日々の業務を簡単かつ効率化するツールを展開
・Ecosoft(http://ecosoftt.org/)
水にまつわる問題を解決し安全な水の供給と自然環境を守る、ITによる水のマネジメントシステム
を開発
・PigeonLab(https://www.pigeonholelive.com/)
会議やイベントの際に利用できるコミュニケーションツールを開発
・Tware(http://mytware.com/)
体の健康状態をチェックし、痛みやストレスを解消するウェアラブルを開発
・Dimension 5 Tech(https://www.iffs.com.sg/exhibitor/dimension-5-techs-pte-ltd/)
インテリアデザイナー向けにVR/AR製品を開発
・Neeuro(https://www.neeuro.com/)
脳をトレーニングすることで、脳を活性化させ、メンタルを健康に保つ、アプリ及びヘッドバンドを開発
スタートアップによるプレゼンが行われるとともに、会場はイベントに参加した人々同士が交流する場にもなっていました。名刺交換をしている人たちも多く、自分たちのビジネスについて熱心に話している姿を色んな場所で目にすることができました。
いかがでしたでしょうか?
Slushの2日目に開催された、いくつかのイベントをご紹介してきましたが、いずれのイベントでも、「もっと世の中を良くしたい」「新しい物を生み出したい」といった高いモチベーションを持った人たちのパワーを感じることができました。
これからも、日本に留まることなく世界に目を向けて、スアートアップや業界の最先端に注目し、その動向をみなさんにお伝えしていきます。