• James Dyson Award 2016 国内表彰式セレモニー

    公開日:2016年12月10日 最終更新日:2021年12月24日

    2016年12月8日(木)、一般財団法人 ジェームズ ダイソン財団が主催する国際エンジニアリングアワード「ジェームズ ダイソン アワード 2016」が東京国際フォーラムにて開催されました。

    ジェームズ ダイソン アワード:https://www.jamesdysonaward.org/ja/

    ジェームズ ダイソン アワードは、次世代のデザインエンジニアの育成と支援を目的に毎年開催されているアワードで、「問題解決をデザインする」をテーマにアイディアの募集を行っており、今年は世界 22 ヶ国から 936 作品のエントリーがあったということです。
    審査基準として、「日常生活から見出す鋭い問題発見力」と「その問題に取組む過程及び解決案」に重きを置いているといいます。

    第11回目となる今年のジェームズ ダイソン アワード2016の国際最優秀賞は、11月17日に発表され、アイシス・シファーさん『EcoHelmet』(https://www.jamesdysonaward.org/ja/projects/ecohelmet/が選ばれました。

    

    EcoHelmet from Isis Shiffer on Vimeo.

    近年、世界各地でレンタルサイクルが広まりをみせていますが、同時に、乗車時にヘルメットを着用しない人が多く、危険であるという問題が起きています。理由は、ヘルメットをわざわざ持ち運ぶのが大変、レンタルのものは不衛生で着用したくない、などといったものだったそう。
    そこで、この問題に着目したシファーさんは、軽量かつ耐久性も優れた折り畳み式ヘルメット『EcoHelmet』を開発。このヘルメットは、どんな角度からでも着用者を衝撃から守ることができ、また耐水コーティングもされているので雨の中でも最⻑ 3 時間使用することが可能だといいます。
    シファーさんは現在、1 個あたり 5 ドルで販売する計画を立てており、商品化を目指して動いているそうです。

    そして今回は国内表彰式ということで、日本からエントリーのあった作品のうち、上位 5 作品を称えるセレモニーが行われました。
    セレモニーの初めに、4 年にわたって国内審査員を務めているお二人のスピーチが行われました。

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    フリージャーナリストでありコンサルタントの林 信行さん
    今年は幅広い分野からの応募があり、色々な課題があるのだと気づかせてくれたといいます。エントリー作品のうちのいくつかは、すぐにでも商品化できるレベルだとも感じたそうです。

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    takram 代表でありデザインエンジニアの田川 欣哉さん
    林さんと同じく、今年集まってきた今回の国内受賞作品は、とてもレベルが高かったと感じたそうです。そして、課題がとてもリアルに設定されていたという特徴があったといいます。

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    exiii 代表取締役の山浦 博志さん
    JDA2013 の国際準優勝者であり、JDA2016 オフィシャルアンバサダーを務めた exiii のみなさん。学生にアワードを知ってもらう為に、大学やイベントに行って説明をしたり、応募や作品の製作に悩んでいる学生たちにアドバイスをするなど、精力的に活動をされてきたそう。
    今回山浦さんがいけるんじゃないかと思っていたチームがアワードの受賞には至らなかったそうで、想像以上にレベルの高い作品が集まってきていたと感じたそうです。

    目次

    国内最優秀賞:『Communication Stick』 三枝 友仁さん

    三枝 友仁さん

    プロダクトデザイナーである三枝さんは、明治大学在学中、情報デザインを専門とする教授の授業を受けたことをきかっけに、今のデザインの方面にシフトしていったといいます。

    大学には、自分が何をしたいかあまり考えないまま入学したという三枝さん。でも、元々は美術や数学が好きだったそうで、大学に通いつつ、桑沢デザイン研究所の夜間部に入学。そこからダブルスクールをして、プロダクトデザインの勉強を本格的にスタートさせます。この時の夜間の学費は自分で捻出する必要があった為、朝はアルバイトをし、その後大学に行き、そして夜間の学校に行く、という生活だったそう。当時はなかなか大変だったそうですが、「デザインをやりたい」という強い気持ちしかなかったということです。

    そして専門学校を卒業後、現在はプロダクトデザイナーとしてご活躍されている三枝さん。今回のアワードに応募した作品は、仕事が終わった後の夜の時間を使い、3〜4 ヶ月かけて作成したといいます。
    そもそもアワードに応募したのは、三枝さんと同年代の方から教えてもらったことがきっかけだったそう。その方はJDA2014で国内2位を受賞しており、そこからも刺激を受け、自分も力を試したいと思ったのだといいます。

    『Communication Stick』は、高齢者の方に、安心できる外出機会を提供したいという思いから開発されたもの。三枝さんは、ある高齢者の方向けの施設を訪問した際、その中の一人の方の外出頻度が 3 ヶ月にたった 1 度だけという話を聞いて衝撃を受け、「高齢になると人間らしい生活ができなくなるのではないか。もっと外出の機会を増やすことで、生活の質を改善したい」と考えたのだといいます。

    Communication Stick

    高齢者の方が外出をしなくなるのは、「体力に自信が無い」「周りに迷惑をかけてしまうかもしれない」という外出への不安と、家族側が「怪我をさせてしまうかもしれず、それであれば外出させない方がいいのでは」という気持ちから。世の中に見守り系のシステムはありますが、監視する形式のものしか無いの が現状で、三枝さんはそうではなく、双方的なコミュニケーションによるものを作りたいと考えました。

    Dyson_06

    高齢者の方が使いやすいインターフェイスにデザインされています。

    ちなみに、プロモーション動画の中の出演者は三枝さんのお父さん。そして、ナレーションは親戚の英語教師の方ということで、家族総出で作り上げたのだそう。

    スピーチの最後に三枝さんは、「『道具一つで外出できなかった人が外出できるようになる』ということを実証したいと考えています。どんな形であれ、製品にしたい。10 本でも、100 本であってもいいので必ず製品化したいと思っています。」と力強く語りました。

    ちなみに、三枝さんに「デザインをする上で大切にしていることは何ですか?」と質問したところ、答えは『機能を追求する』ということ。機能を満たすにはどうすればいいかを考え、機能だけを残し、後はそぎ落としていく。そうやって機能的なものを作っていけば、最終的にはそれが美しいデザインになっていくのだといいます。

    そして、デザインをするにあたって影響を受けた人はディーター・ラムスさん。「モダンデザインの父」と称される方ですが、彼のデザイン集を見て好きになったのだそう。当時はその作品に衝撃を受け、三枝さんがデザインの方面に進むことになった要因のうちの一つだったといいます。
    また、クロックデザイナーの渡辺力さんの存在も大きく、今のデザイン活動の軸となっている機能を追求するという考え方は、渡辺さんからの影響もあるそうです。
    そして、もう一つお話ししてくれたのがヴィクター・パパネックさんの著書「生きのびる為のデザイン」。デザインというと、かっこいいものをイメージすることが多いですが、それは本当にごく一部の人の為だけのデザインであって、ヴィクター・パパネックさんが提唱するのはピラミッドの底辺にいる人の為のデザイン。三枝さんはこの本を桑沢に入る前から読んでおり、福祉機器のデザインをやりたいと思ったきっかになったということで、実際に学生の頃に福祉機器の会社でアルバイトを始めたのだそうです。そして、これからも福祉機器の分野でのデザインをしていきたいと考えているといいます。

    これからアワードを目指す方たちへのアドバイスとして、「作品を作っていくと、自分の専門外のことをやる必要が必ず出てきて、学生の頃だったら自分は出来ないと思ってしまったかもしれないです。でも、実際にやってみると、壁にはぶつかるけれど出来たりするんですよね。なので、まずはやってみることが 大事だと思います。」と話してくれました。

    Dyson_07

    審査員の田川さんからは「『Communication Stick』には、『コンセプト』『製品化』『その先の社会へのインパクト』という 3 つの要素がぎゅっと結合していると感じました。これからも期待しています。」とのコメントが送られました。

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    国内審査 2 位:『TasKi』 山田 泰之さん

    山田 泰之さん

    三重県出身の山田さんは小さい頃から車が大好きで、中学校を卒業後は車の整備工になろうと思っていたそうです。でも、ご両親からは絶対に高校に行けと言われて高校に進学、更に大学にも行けと言われて大学にも進学。ただ、大学 4 年間はあまり勉強をしないまま卒業。企業からも内定をもらっていたそうですが、このまま大学を卒業するのもと考え、修士に進学。ここで初めて本腰を入れて勉強を始めたそうで、大学院では誰も知らないことを研究するので楽しく、博士号を取得するに至ります。その後、日産自動車に就職したそうですが、自動車は工程が細分化されていてやることが局所的であり、全体を見てもっと良くしていきたいと考える山田さんは満足いくことができず、会社を 1 年半で辞め、また大学に戻ったそうです。 現在は、中央大学 理工学部 精密機械工学科で助教授を務めている山田さん。機構学、ロボット工学、ソフトロボティックスの研究に取組まれており、随時、5〜6 個の研究に並行して取組んでいるそうです。
    そのうちの一つは月面探査機を作成するもの。現在、日本ではロボットを作るのに 1 億円程かかっており、壊れてしまった場合には自分たちで責任を負わないといけないので、誰も使いたがらないのだそう。そこで、カメラしか付いていない簡易的なロボットを 1 個数万円程で大量に作ることを考案。そのうちの一つでも月に行けばという発想の元、プロジェクトを進めているそうです。
    また、別のプロジェクトはロケットの燃料を作成するというもの。ロケットの燃料は、液体よりも固体の方が元自体は安いのですが、固体燃料は火薬を練って作るという危険な作業の為、それを行う作業員の人件費がとても高くつき、結果として全体の費用が高くなってしまうという課題があるそうです。そこで、 この費用を抑えるべく、人に代わって火薬を作れるロボットを作成しているといいます。
    あわせて、学生 22 人の研究もみているので、30 個くらいの研究を同時並行で抱えているそうですが、議論するのが好きなので、苦にはならないと明るく答えてくれました。

    TasKi

    山田さんの出身である三重県は、田んぼばかりで農業をやっている家が多く、山田さんのご実家も農家。おじいさんはなんと 95 歳まで現役だったそうで、その「モノを作って生きていく」という姿にすごく共感してきたといいます。
    昔は農業をやっている人の数は多く、若い人もやっていましたが、その数は年々減っており、今では半分以上が45歳以上になっているそう。そして、体力的にはまだまだいけるのに、老化に伴ってできる作業が少なくなってしまっているという現状があるのだといいます。
    山田さんは、農作業の中の、収穫する時の上向き作業に注目。肩が上がらない為に作業ができないという人が多いことを知り、この問題を解決する製品の開発に取り組みました。

    TasKi from Bal a Design on Vimeo.

    Dyson_10

    TasKi は装着すると、どの角度にしても約 2 キロの力で押してくれるので、腕が無重力状態になり、作業時の腕への負担が無くなるようになっています。製品自体も従来のロボットの 5 分の 1 の重さで作られており、重さがない分簡単に、かつ安く作ることができるそうです。そして、バッテリーが無いので半永久的に使うことができます。
    また、着るだけで機能するので操作方法を覚える必要が無く、「将来的にはジャンパーを着るように使ってもらいたい」と考えているとのこと。

    そして最後に、「モノづくりをしてきた人間としては、1 万円以下で作るのは至難の業だとわかっているんですが、実現したいと考えています。昨年のハイヒール(※)とあわせて、皆さんに商品としてお届けします。」と熱く語られました。 ※山田さんは昨年の第 10 回ジェームズ ダイソン アワードでも、「疲れないハイヒール」というコンセプトの製品『YaCHAIKA(ヤチャイカ)』で国内準優勝を受賞しています。

    人間工学の世界的権威や NASA のフェロー、ディーゼルエンジンの分野で第一線をいく方など、名だたる教授陣の中で切磋琢磨してきた山田さん。今後について質問したところ、これからはこのような先生たちを自分の研究で驚かせたいそう。また、「何の専門家ですか?」と聞かれた時に、「○○の専門家です。」と答えるのは、ある意味では対応できる範囲が狭いということになるのでそうではなく、「何かすごい問題解決ができます。」と答えられるようになりたいと話してくれました。

    これからアワードを目指す方へのメッセージとして、「漠然と新しいことをするのは大変だと思います。でも、僕は前回の作品のハイヒールをは作るのに 100 万円かかったんですが、100 万円かければ作れるんです。何かやろと思って時間が過ぎたら、もう時間は取り戻せない。なので、ちょっとくらい損してもいいので、ぱぱっとやるのが大事だと思います。何も物が無い状態で説明しても相手には伝わらないので、まずはモノを作ることだと思います。」と話してくれました。

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    国内審査 3 位:『OTON GLASS』 島影 圭佑さん

    島影 圭佑さん

    小さい頃から絵や漫画を描いていて、デザインすることが好きだったという島影さん。大学進学の際は、建築かデザインかで迷ったそうですが、首都大学に入学してデザインを勉強することに。在学中は、グラフィックデザインに始まり、カメラや椅子、空間などの3次元のデザイン制作に取り組んだそうです。そ の間、メーカーにインターンにも行きますが、そこで、「これは自分がやりたいこととは違う」と感じたそう。「もっと社会的な問題を解決できる力が、プロダクトにはある」そう考えたのだそうです。

    そしてOTON GLASS の始まりは、今から3年前に遡ります。2012年、島影さんのお父さんが脳梗塞となり、その影響で言語障害が起きてしまいます。会話をするのには問題ないのですが、文字を読む際の読解力が低下してしまうという失読症という障害でした。
    お父さんが抱えてしまった問題を前に、島影さんはその現状をサポートするデバイスを開発しようと動き始めます。

    OTON GLASS from OTON GLASS on Vimeo.

    内側に設置されたカメラがユーザーの視線を取得し、外側に設置されたカメラがユーザーが読みたい文字を撮影。ユーザーはイヤホンを通して、読みたかった文字を音声として聞くことができます。

    OTON GLASS

    「公共的な文字」と「特殊な文字」に対応しています。

    制作を進めていくと、プログラミングや電子工作など、自分ではわからない分野がたくさん出てきたそうで、その度に周りの友達に頼み、これまで協力しながら開発に取り組んできたといいます。今では全体で20 名くらいの緩やかな共同体になっているそうです。

    現在、お父さんはリハビリによってほとんど完治しているそうです。開発を進めるうちに、文字を読むことが困難なディスクレシアの方や弱視の方など、先天的に文字を読むことが困難な方が多く存在することを知り、今はそのような人たちに向けて開発・製品化を進めています。

    今でもわからないことがたくさん出てきて、その都度勉強をするので大変だと話してくれた島影さん。これまで 20 個以上の試作品を作ってきましたが、まだまだやりたいことが色々あるということで、高い完成度を目指し、日々、OTON GLASS に向き合っています。OTON GLASS はシーンが特定されず、様々な日常で使うことができるウェアラブルデバイスなので、その時々のシチュエーションに合った、最適な使い方をしてもらえるよう改善していきたいそうです。

    2014 年には株式会社 OTON GLASS として法人化。資金調達もして、研究開発に取り組みながら、実際に、ユーザーの手元に OTON GLASS を届けることを目指しています。

    ちなみに、島影さんがデザインをする上で影響を受けたのは、三枝さんと同じくヴィクター・パパネックさんの著書「生きのびる為のデザイン」!本を通して、本当にデザインを必要としている人に対してデザインが届いていないということを知り、そこから自分は世間一般でいわれるような、所謂デザイナーにはならなったのだと思う、と話してくれました。

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    国内審査4位:『Design for Sound -Sound Microscope』 川島 直己さん

     川島 直己 さん

    小さい頃から楽器を弾けると楽しそうだなと思っていたという川島さん。高校生の時にギターを始め、そこから本格的に音楽が好きになっていきます。
    大学は東京造形大学造形学部デザイン学科に進学。そして、卒業研究に取組むことになった際、人よりも何か特筆したもので研究に独自性を持たせようと考えた川島さんは、自分が好きなのは音楽で、普段から音に愛情を持って接したいと考えていたことから「音の為のデザイン」をしようと考えます。
    それが、今回の作品である『Design for Sound -Sound Microscope』で、これは将来の音の活用の可能性を示唆するものだといいます。

    人の感覚は五感に分けられますが、情報量という点でみると、一番が「視覚」で、次が「聴覚」。ただ割合でみると、視覚が 87%で、聴覚はわずか 10%と、圧倒的に視覚が占めています。このことを大学の授業で知った川島さんは、「聴覚はまだまだいけるのに視覚に負けている!」と危機感を持ったのだそう。
    今回の作品は、これまで感じていたこの危機感を問題提起するという意味もあったのだといいます。

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    これまで、聴覚情報を視覚として認識するシステムはありましたが、聴覚情報をそのまま聴覚情報として認識するものはなかったそう。その様な状況の中、この「音の顕微鏡」は、全ての聴覚情報を聴覚情報として知覚することを可能にするといいます。

    構成は「骨伝導イヤホン」「本体」「マイクレンズ」の 3 つのパートから。2 種類のマイクを使って気体と固体から音を取り入れることができます。取り入れた音は、大小、高低、倍音の含有率の多少によって、画面に表示されるようになっており、そこから画面をタッチして聞きたい音を選んでいきます。

    現在、まだ製品としてのモデルは出来ていないとのこと。今後はこれを形にしていくということと、実際にどの様に利用していくかを考えていくことが課題だといいます。

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    国内審査5位:『color2vibs』 篠田 幸雄さん

    篠田 幸雄さん

    元々は三菱電機で⻑年エンジニアとして仕事をしてこられた篠田さん。親戚の方の事故をきっかけに福祉機器に興味を持つようになり、情報科学芸術大学院大学に入学。今は大学院の 2 年生なのだそうです。大学院では、周りは自分よりも若い生徒さんばかりで、かつ勉強することも新しいことばかりだそうですが、また新たに色んなことができるようになることが楽しいと、笑顔で話してくれました。

    福祉機器からスタートした篠田さんでしたが、そのうちに福祉学校の先生をサポートすることに、より興味を持つようになっていきます。そして、今回の製品のような、先生たちをサポートする製品開発の方にシフトしていったのだそうです。

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    まずは、先生方に興味を持ってもらう為に試作品を作り、興味を持ってくれた先生たちと一緒にワークショップを開催。その活動を「教材自作部」と名付け、これまでに岐阜県内の 5 校で実施されています。

    視覚障害者の方が、バイブレーターからの振動を指先で感じることで、色を認識することを可能にします。光センサーによって、色を赤・緑・⻘の三原色に分解し、三色それぞれに対応した振動を発信するようになっています。

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    color2vibs 以外にも教材の開発に取り組んでおり、こちらは視覚に障害がある生徒さんたちに向けて作成した手で触ってわかる「音符カード」と「分数カード」。
    実際に、生徒さんたちはこれを使って文化祭でバンド演奏ができるようになったり、勉強がわかりやすく理解できるようになったといいます。
    篠田さんは、開発した製品を使って教育をサポートするこの活動を、もっと周りの先生たちに伝播していくことを目指しているといいます。

    「これまでの活動の中で一番嬉しかったことは何ですか?」と質問したところ、「専門学校の生徒さんが製品を使うことですごく良い笑顔になってくれるんですよね。それを見るのが本当に嬉しいです。」と答えてくれた篠田さん。卒業後も教材自作部としての活動を精力的に続けていくそうです。

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    いかがでしたでしょうか?

    日々の生活の中にある問題に向き合い、それを解決したい・世の中を良くしていきたいと真剣に取組んで活動している方々の姿は、元気と勇気を与えてくれるものでした。彼らのこれからの活躍や、これからジェームズ ダイソン アワードにエントリーをしてくるであろう次世代の人材に期待せずにいられません。

    一般財団法人ジェームズ ダイソン財団は、このアワードを「将来、デザイナーやエンジニアなどクリエイティブの仕事を目指す若い人たちに勇気を与え、より広い視野で自身の制作物や考え方が見られるようになってほしい」という思いを込めて、毎年開催しているそうです。
    また、「参加することで世界のステージを体験でき、そして他の国でエンジニアを目指す人たちがどんな視点を持ち、考えるかなども学べる」といいます。

    自分の力を試したい、世界の人たちと切磋琢磨したい、といった気持ちをお持ちの方は、是非一度、ジェームズ ダイソン アワードにチャレンジしてみてはいかがでしょうか!

    これからも、一般財団法人ジェームズ ダイソン財団の活動や、次世代を担う若手の方たちに注目し、みなさんにワクワクするような情報をお届けしていきます

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