チームで作業していると、進捗管理表など皆で一つのExcelファイルを同時に開いて作業したいという場合もあるかと思います。そこで今回は、ファイルの共有と共有解除の方法について詳しくご紹介したいと思います。
■説明に使用したExcelのバージョン:Excel2013(2007、2010でも操作はほぼ同様です)
目次
1.1 Excelのファイル共有とは?
1.2 ブック共有の設定方法
1.3 誰かと同時に更新したらどうなるの?
1.4 共有中にできない操作
1.5 誰がいつどんな変更を加えたか、変更履歴を確認する
2.1 共有の解除方法
2.2 共有を解除できない(保護されている)場合の対処法
1.Excelファイルの共有
1.1 Excelのファイル共有とは?
ファイル共有とは、複数のユーザーが同時に同じファイルを開いて、同時にデータを更新することができる機能です。通常であれば、他ユーザの編集中は読み取り専用で開き、別名で保存することしかできません。しかしファイルを共有しておくと複数人のユーザが同じファイルを同時に開いて共同編集することが可能になり、作業効率のアップがはかれます。
なおExcelのアプリ上では、ファイルの共有のことを「ブックの共有」と呼びます。
1.2 ブック共有の設定方法
Excelファイル共有(Excelブック共有)の設定の流れは、次のようになります。
(1)まず、対象のファイルを共有フォルダに置きます。
言わずもがなですが、ローカルPCに置いていたらファイル共有の意味がありません。編集作業する皆が参照できる場所に、対象のファイルを配置します。
(2)上部リボンにある「ブックの共有」をクリックします。
ファイルを配置したら、上部リボンメニューから次のように「ブックの共有」ボタンを探してクリックします。
[校閲]タブ>[変更]カテゴリ>[ブックの共有]ボタン
(3)「複数のユーザによる同時編集と、ブックの結合を許可する」にチェックを入れます。
(4)「OK」ボタンをクリックします。
すると小ウィンドウが閉じますので、元の画面のタイトルバーのファイル名の隣に[- 共有]という文字が表示されたら共有完了です。
1.3 誰かと同時に更新したらどうなるの?
もし自分が何か修正を行って保存しようとした際に他の誰かも同時に変更・保存していた場合、更新箇所(セル)が異なる場合は次のようなメッセージが表示されます。
「ブックは、ほかのユーザによって保存された変更で更新されています。」
この場合、他のユーザによって変更されたセルについてはハイライトで表示されます。
もしこちらが編集開始してから保存するまでの間に同じ場所が他のユーザに変更されてしまっていたら、「競合の解決」という、どちらの変更を優先するかを選択するウィンドウが表示されるので、内容を確認して選択します。
・Excelテーブルの挿入
・セル範囲の挿入または削除(行全体や列全体はOK)
・ワークシートの削除
・グラフやピボットグラフの作成や変更
・図などオブジェクトの挿入または変更
・ハイパーリンクの挿入や変更
・ワークシートやブックの保護やその解除
・自動集計の挿入
・マクロの記録や変更(使用できない機能を使わないマクロの実行はOK)
・配列数式の変更または削除
これらの機能を使う予定がある場合は、あらかじめ作成してから共有するようにしましょう。
1.5 誰がいつどんな変更を加えたか、変更履歴を確認する
変更箇所が競合した場合はその部分だけ表示されますが、自分が使用していないときに「いつ誰がどんな変更を加えたのか」についても、履歴で確認することができます。
履歴を確認したい場合は、まず上部リボンメニューから次のように「変更箇所の表示」を探してクリックします。
[校閲]>[変更]>[変更履歴の記録]>[変更箇所の表示]
すると、次のようなウィンドウが表示されます。
「変更箇所を画面に表示する」を選択すると、競合時と同じようにハイライトで全ての変更が表示されます。
「新しいシートに変更箇所一覧を作成する」を選択すると、新規でシートが1枚作成され、変更履歴が一覧で記録されますので、用途によって使い分けてみて下さい。
2.Excelファイルの共有解除
(1)上部リボンにある「ブックの共有」をクリックします。
共有した時と同じように、上部リボンメニューから次のように「ブックの共有」ボタンを探してクリックします。
[校閲]タブ>[変更]カテゴリ>[ブックの共有]ボタン
(2)「複数のユーザによる同時編集と、ブックの結合を許可する」からチェックを外します。
(3)「OK」ボタンをクリックします。
すると確認のダイアログが表示されるので「はい」を選択すると、元の画面のタイトルバーから[共有]という文字が消えました。これで共有の解除は完了です。
なおこれまで記録されていた変更履歴は全て削除されてしまうので、必要な場合は忘れずに保存しておいて下さい。
2.2 共有を解除できない(保護されている)場合の対処法
「複数のユーザによる同時編集と、ブックの結合を許可する」のチェックボックスがグレーアウトしてしまいチェックが外せない場合は、「共有ブックの保護」が設定されている可能性があります。その場合、デフォルトでは「共有ブックの保護」になっているはずの部分が「共有ブックの保護解除」になっています。
保護を解除する場合、パスワードが設定されていれば入力を求められます。設定されていない場合はそのまま解除することができます。
逆に他のユーザが勝手に共有を解除して履歴などを削除してしまわないようにするには、この「共有ブックの保護」で管理者にしか分からないパスワードを設定しておくと安心です。
3.その他のトラブル発生時の対処法
3.1 共有中に上書き保存できない場合の原因と対処法
共有ブックを編集していざ保存…となった際に、エラーが表示されて保存できない場合があります。その原因としては、次のようなものが考えられます。
共有ファイルが置かれているフォルダにアクセス権がない
読み取り権限はあるものの書き込み権限がないという場所に保存されているファイルの場合、表示はできますが保存することはできないのでエラーになります。その場合、対象のフォルダに書き込み権限を付与してもらうことで保存できるようになると考えられます。
他の作業者が同時に保存しようとした場合
同じファイルを同時に変更し、さらに全く同時に保存処理を行った場合、上書き保存がエラーになる場合があります。その場合は少し時間を置いて保存すると、保存できる場合があります。
3.2 「編集のためロックされています」のロックを解除する方法
ブック共有をしていないファイルを開いた際に次のように表示され読み取り専用でしか開けない場合があります。
「○○○.xlsxは編集のためロックされています。
使用者は’○○○’です。」
この場合、次のような2つのケースがあります。
他の人がファイルを開いて作業している
ブックの共有を有効にしていない場合、他の人がファイルを開いて編集しているとこのエラーが表示されます。この場合にロックを解除するには、使用者として表示されているユーザを探して閉じてもらう必要があります。
自分が開いて作業していることになっている
前回の作業時に強制終了など正常でない状況でファイルを閉じた場合、作業中であるという情報がPCに消えずに残ってしまい、エラーになる場合があります。この場合にロックを解除するには、まずPCを再起動してみることが安全でおすすめです。
それでもロックが解除されない場合は、テンポラリファイル(一時ファイル)を削除することでほとんどの場合に解決します。
まず、起動中のアプリケーションをできるだけ終了します。
次に、Tempフォルダの場所を探します。「プログラムとファイルの場所(7まで)」や「検索(8.1以降)」に「%temp%」と入力し、Tempフォルダが出てきたらクリックして開きます。
Tempフォルダの中に残っているフォルダを、全て削除します。(ただしフォルダ内に「Low」というフォルダがある場合は、それだけは残すようにして下さい。消してしまうと不具合が発生する場合があるようです。)
4.まとめ
次回はExcelで実現できるいろいろな文字列抽出の方法について、詳しくご紹介したいと思います。
よければ合わせてご覧下さい。
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