• RPAツール導入の流れや検討すべき導入時の課題・失敗例【目的明確化が必須】

    公開日:2021年07月28日 最終更新日:2021年12月16日

    近年注目を集めているRPA。
    日々の作業を効率化してくれる技術ですが、利用目的をきちんと洗い出さずに導入すると、様々な課題が発生してしまう場合もあります。今回はその発生しやすい課題やデメリット、それらの回避のためにあらかじめ検討しておくべきポイントなどをご紹介します。

    1. RPA導入の失敗例・発生しやすい課題の例

    RPAツール導入の流れや検討すべき導入時の課題・失敗例【目的明確化が必須】【フリーランスエンジニア案件情報 | プロエンジニア】

    RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、機械的に行える作業をロボットに任せて業務の効率化を行うためのツールです。
    しかし検討不足の状態で導入だけを急いでしまうと様々な課題が発生し、時には失敗と感じられてしまうこともあります。
    そんなRPA導入によって顕在化する課題としては、次のようなものが挙げられます。

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    1.1 導入目的が不明確

    RPAを効率よく活用するには「何のために導入するのか」という、目的の明確化が重要です。よって導入前にまず「解決しようとする課題」がRPAと相性がいいかどうか、慎重に見積もる必要があります。

    RPAは、たとえば「Excelにまとめられたデータを社用システムに転記する」といった一定のルールに沿って処理が可能な定型業務に適した技術です。

    目的を明確化したら、考えられる全てのイレギュラーな事態を洗い出します。そのイレギュラーにRPAで対応できない部分は、最終的に人力でやるのか、システムを作り込み完全自動化するのかを検討することが必要です。

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    1.2 業務プロセスの可視化が不十分

    RPAは「単純作業」の繰り返しを得意としています。それに対してイレギュラーが頻発する作業については、RPAの威力を十分に発揮することができません。業務プロセスの可視化が不十分な場合、イレギュラー発生のたびにその対応で逆に手間が取られてしまうという問題につながります。
    あらかじめどの業務をどこまで自動化の対象とすれば効率が良いのか、しっかりと業務プロセスを可視化して洗い出し、対応範囲を十分に検討しておくことが重要です。

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    1.3 野良ロボットの発生

    RPAは誰でも手軽に扱える反面、現場の作業者など複数の人が自由に追加できる状態にした場合、きちんとアフターフォローされていない「野良ロボット」が発生するというリスクがあります。

    さらに誤作動を起すロボットが気付かれないままバックグラウンドで作業を続けていると、誤ったデータが作られ続け、なおかつそれらをチェックする人員がいないという問題が起きる可能性があります。RPAを導入する際には必ずRPAに関する業務体制を新たに定め、一元管理することが重要です。

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    1.4 導入効果の可視化が進まない

    導入目的が明確でなく業務プロセスの洗い出しも不十分であった場合、せっかく高いコストを支払って導入したRPAも、その効果を分かりやすく可視化して示し、検証することができません。後から本当に必要だったのかと問われる事態とならないためにも、業務プロセス洗い出しの段階から、諸々をしっかりと可視化しておくことが重要です。

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    2. RPA導入のデメリット

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    十分な検討が行われないままRPAを導入すると、思わぬデメリットが発生する場合もあります。そこで発生しがちなデメリットには、次のようなものが挙げられます。

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    2.1 業務内容の変更への対応

    業務内容の変更が頻繁に行われる作業については、そのたびにRPAのプログラムも変更点に合わせて書き換える必要があります。プログラムの変更を行うということは、テストも行うということです。そのたびにメンテナンスの手間がかかり、コストが多くかかってしまうのです。

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    2.2 費用対効果が高いとは限らない

    例外が多く発生する業務では、「想定よりも業務効率がアップしない」「メンテナンスや改修で逆に業務が増える」という事態になることも。結果として、人力で業務を行った方が生産性や費用対効果が高かったというケースもあります。

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    2.3 業務の停止リスク

    業務内容の洗い出しが不十分だった場合、処理ルールの設定ミスや設定漏れなどによって、ロボットにエラーが生じる場合があります。その結果業務が停止してしまうケースや、深刻な場合には誤った処理を行い続けてしまうというケースも発生します。

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    2.4 業務のブラックボックス化のリスク

    RPAロボットを作成した担当者が異動・退職してしまうと、属人化してしまったRPAが対応できない処理に直面した際、誰もその問題に対応できなくなってしまう場合があります。RPAが担っている業務を誰も把握していない状態では、誤処理が起こっていても誰もそのことに気づくことができません。業務フローやマニュアルを整備せず、計画性なくRPAを導入してしまうと、業務がブラックボックス化してしまうリスクもあるのです。

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    3. RPA導入の前に事前に見積もるべきポイント

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    これらの問題の発生をあらかじめ防いでおくために、RPAの導入前に見積もっておくべきポイントにはどのようなものがあるか、いくつかご紹介します。

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    3.1 RPA以外の手段で課題を解決できる方法がないか

    RPA以外の手段で課題を解決できる方法があるならば、必ずしもRPAの導入にこだわることはありません。RPAありきではなく、課題ありきで最適な解決策を検討することが重要です。有償のRPAツールを導入せずとも、簡単なExcelなどのマクロやSelenium等を使って十分に対応できたというケースも多いのです。

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    3.2 他の業務ツールやシステムとの連携が可能か

    既に導入している業務ツールや、Pythonなどを用いた自動化プログラムがあれば、それらと連携できるかも検討しておくとよいでしょう。連携できる場合、社内のコード資産を有効活用しつつ、より効率的な自動化にも着手することが可能となります。

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    3.3 スモールスタート

    いざRPAを導入しようとした場合、1回につき数時間かかる作業と、1回数分で終わる作業があれば「数時間かかる作業の方を優先的に自動化したい」と考える方は多いのではないでしょうか。しかし「より労力のかかる作業」とは「より難しい作業」であることが多く、複雑な処理を要したり、複数人の手を経由する作業である場合が多くなります。すると業務プロセスの洗い出しが難しくなり、初めてのRPA導入ではトラブルにつながってしまうことも。初めは簡単で小さな処理からスタートし、慣れるにつれて徐々に対応範囲を広げていくことがおすすめです。

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    3.4 コストパフォーマンス

    スモールスタートとして事前に無料ツールなどを用いて簡単なRPAを導入してみてから、本格的に自動化したい業務を見積もります。するとメインを自動化した場合の費用対効果をより見極めやすくなり、経験を積むことで見積もりの作成も容易になります。そうして総合的にコストパフォーマンスを見積もるという方法も、有効です。

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    4. RPAに適した業務の基準

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    RPAに適した業務であるかの見極めを行う基準には、大きく分けて「単位時間」「従事者数」「実施サイクル」の3つがあります。業務において「単位時間」と「従事者数」が多くかかり、「実施サイクル」の頻度が高い業務にRPAを導入すると、その効果を存分に発揮します。ただし業務内容の変更が多いものは、そのたびにRPAのプログラムを書き換える必要があり、メンテナンスのコストが多くかかる場合がありますので、注意が必要です。

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    5. RPAツールの選定時に検討すべきポイント

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    目的の明確化と業務プロセスの洗い出しが完了したところで、次に重要になるのはRPAツールの選定です。ツールにはそれぞれ利用条件や得意とする業務の分野があり、最適なツールの選定も問題発生を防ぐために重要な要素となります。

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    5.1 無償ツールか有償ツールか

    最も重要なポイントは、無償ツールを使うか、有償ツールを使うかという点です。自動化の内容によっては無償ツールでも十分な場合と、有償ツールを導入した方が結果として効率的だったという場合があります。もし有償ツールの利用を検討する場合はトライアル版を提供しているツールも多くあるので、簡単なもので試してから導入を検討することがおすすめです。

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    5.2 主なRPAツール

    現在人気のRPAツールとしては、「Power Automate Desktop」と「UiPath Community Cloud」の2つが挙げられます。

    Power Automate Desktop」は、Microsoftが提供するRPAツールです。Windows10のユーザーであれば誰でも無料で利用でき、また提供元がMicrosoftという点も知名度を上げている理由です。ロボットの作成で難しいと感じやすいポイントが直感的な操作でカバーされているという点が特徴で、初心者でも分かりやすい作りになっています。

    UiPath Community Cloud」は、UiPathというルーマニア創業の企業が提供するRPAツールです。しかしUiPath日本法人が存在するほど日本への対応に力を入れており、サポートの日本語化もしっかりと行われているます。小規模事業者や個人であれば、無償で使うことができるという点もおすすめです。

    RPAツールの詳しい紹介や導入方法については、次の記事も参考にして下さい。

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    5.3 サポートの手厚さ

    専門の導入業者を利用せず自分たちで導入する場合、導入時のサポートの有無はとても重要です。特に有償ツールを利用する場合、そのサポートの手厚さを売りにしているものもあります。担当者が英語に不慣れな場合は、操作やマニュアルが日本語にどこまで対応しているかも重要なポイントになるでしょう。また運用開始後に問題が発生した際の問い合わせへの対応のスピーディーさなども、事前に調べておくと安心です。

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    6. 【参考】RPAエンジニアの仕事内容

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    RPAエンジニアとは、顧客に代わりRPAの導入を専門的に行うエンジニアのことです。ロボットの構築や運用保守の代行だけでなく、必要な業務プロセスを余さず洗い出すためのサポート(RPAコンサルティング)を行う場合もあります。近年の世界的なRPAの需要の高まりにより、このRPAの導入に特化したエンジニアの需要も急速に高まっています。

    RPAエンジニアの仕事内容について詳しくは、次の記事を参考にして下さい。

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    7. まとめ

    RPAの導入によって問題が発生しやすいのは、やはり、本当の目的がよくわからないままRPAの導入自体が目的となってしまっていた場合です。RPAが本当に必要なのか、どこにどれだけ必要なのかを明確に洗い出しておくことによって、問題の発生は事前に防ぐことが可能です。RPA導入を失敗しないためにも、事前の調査と検討はとても重要なポイントです。RPAの安全な導入のために、この記事が参考になれば幸いです。

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