前回の記事:応用情報技術者試験の合格率は?難易度と勉強時間の目安まとめ【2022年版】では応用情報技術者試験の合格率や難易度についてご説明しました。今回は勉強方法について、おすすめの参考書から独学での勉強の進め方まで詳しくご紹介していきたいと思います。
1. 独学で受かるための試験対策
1.1「暗記」ではなく「理解」が必要
午前試験については、試験範囲が基本情報技術者と全く同じで驚かれるかも知れません。しかし同じなのはテーマだけで、それぞれのテーマでより深く掘り下げた内容が問われます。
午前試験はマーク式で過去問そのままの問題が再度出題されることも多々ありますが、午後試験はそのまま再出題されたことはありません。しかし午後試験の問題は、午前試験で習得した知識の応用となっています。
午前はマーク式だからと適当な暗記で流さずに、「ひとつひとつ理解して先に進むこと」が重要となってきます。特にテクノロジ系は、ITの専門家たるだけの正しい理解が問われます。
1.2 午後対策には短文の作成練習が有効
マネジメント系やストラテジ系については基本情報とあまり変わらず用語の説明などが中心ですが、午後の記述式試験では意外に「国語力」が問われます。問題文の意図を汲んだ上で、自分の回答を短い文章で上手く相手に伝える必要があります。
短文で要点を伝えることが苦手という方には、参考書の長い説明部分を短く要約する練習をすることがおすすめです。
2. おすすめの参考書
2.1 応用情報技術者 合格教本
試験範囲がとにかく網羅されており、初見では情報量が多すぎてパンクすると感じるかもしれませんが、疑問を残さないようひとつひとつ丁寧に解説されています。基本情報の試験範囲を完全習得していなくても、これ一冊から合格を目指せる作りとなっています。
さらにスマホやPCからアクセスできるWebアプリ「DEKIDAS-WEB」には最新17回分の午前問題が収録されており、スキマ時間に気軽に勉強するという利用法も可能です。
2.2 キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者
イラストベースの解説で「取っつきやすさ」を重視した参考書です。文字よりもイラストの方が頭に入りやすいという方には、この参考書で試験範囲を一通り把握してからすぐに過去問演習へと進むという方法もオススメです。
2.3 要点早わかり 応用情報技術者 ポケット攻略本
通勤電車の中で立ったまま片手で読めるサイズの参考書です。コンパクトなサイズながらも、分かり難いところは図を用いて説明されています。小さい分網羅性は低めですが、本当に重要なポイントだけがしっかりとまとめられています。
3. 過去問と解説をしっかりと理解しよう
応用情報技術者試験の対策には、過去問とその解説を反復学習することがとても有効です。特に午前試験は過去問から多く再出題されています。
過去問はIPA公式サイトで全て公開されていますが、他にも学習しやすいよう様々な形で公開されていますので、ご紹介致します。
3.1 IPA公式配布の過去問題PDFで学ぶ
試験を運営する情報処理推進機構(IPA)の公式サイトで、情報処理技術者試験の過去問は全て公開されています。形式はPDFで、無料でダウンロード可能です。回答だけでなく簡単な解説も付属しています。
▶ 過去問題(問題冊子・配点割合・解答例・採点講評)|IPA
3.2 無料勉強サイトで学ぶ
◆ 応用情報技術者過去問道場(応用情報技術者試験ドットコム)
サイトURL:https://www.ap-siken.com/apkakomon.php
応用情報技術者試験の2640問におよぶ過去問題からランダムに問題を表示し、答えをクリックすると解答と解説が表示されるWebアプリが無料で公開されています。試験回や分野を指定したり、「最初から解説を表示する」「選択肢をランダムに並べ替える」などのオプション指定まで可能となっています。
3.3 無料アプリで学ぶ
スマートフォン用の無料過去問アプリもいくつか提供されています。
◆ iPhone用「全問解説付 応用情報技術者 午前 一問一答問題集」
出典:App Store
詳細な解説付き、かつオフラインでも動作する、iPhoneアプリです。無料版は30問収録されています。さらに有料版は、860円の支払いで問題数が390問に増加し、ランダム出題機能が利用可能になります。一見すると問題数がかなり少なく感じられますが頻出問題ばかりがピックアップされているため、要点に絞って勉強したい場合に便利です。
◆ Android「応用情報技術者試験問題集Lite(全問解説付)」
出典:Google Play
平成28年度秋期から令和3年秋期までの過去問題、800題が収録されています。全問収録、かつ全問解説付きで、正解以外の選択肢についても、丁寧に解説されている特徴があります。有料版は0.99$の支払いで、広告非表示、かつ完全オフラインでの利用が可能になります。
3.4 本で学ぶ
『応用情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集』
上記3つの方法は無料で提供されていますが、有料の書籍を購入する利点は、なんといってもとても丁寧な解説が添えられているという点です。また本番さながらの回答用紙なども付属しており、本番の雰囲気を掴みたい方にもおすすめです。
4. 午後試験対策
4.1 応用情報技術者 午後問題の重点対策
問題文の読み方や、回答記述のコツまで教えてくれる午後試験専門の対策本です。解答も充実しており、別解なども含め、とても丁寧に解説されています。午後試験に不安のある方は、この本で一通り学習してみてはいかがでしょうか。
5. 鈍器のような参考書を便利に使うコツ
744ページもある合格教本など、応用情報技術者の参考書はどれも分厚い上に重く、持ち運びに適していないものばかりです。さらに厚みのある参考書はページを開いたまま置いておくのも難しく、ふと手を放したら閉じてしまって困ったことはないでしょうか。また自宅だと集中して勉強できないタイプで、外で勉強したいという方もいるのではないかと思います。
そんな方にお勧めなのは、「参考書の分解」です。
表紙と裏表紙をつかんで背表紙と一緒に剥がした後、丈夫なカッターをページの間に差し込むようにして、本文を章ごとなどお好きな単位で切り分けます。切断面が気になるという方は、マスキングテープなどでささくれを覆ってしまうと分野別に薄い本の出来上がりです。
その他、背表紙の糊の部分を完全に切り落として全てのページをバラバラにし、パンチで穴をあけて紐で綴じるという方法もあります。こちらは専用のカッターがなければ難しい作業ではありますが、押さえておかなくてもページが閉じてしまわないという利点があるようです。
これらの方法でテーマ別に分解しておけば、今日勉強したい部分だけを持ち歩くことができます。持ち運びについて気になっていた方は、よければ一度試してみて下さいね。