「Javaを学びたいが何から手をつけたらよいのか分からない」、もしくは「勉強を始めたばかりだけど躓いてしまった」という人向けにJavaの概要と勉強の進め方について説明します。最適な勉強方法は個人で違いがあると思いますが、Java言語の初心者向けに「Javaで出来ること」と「開発環境について」を書きましたので学習の参考にして下さい。また入門者向けの書籍もご紹介しますのでインターネット上の情報と合わせて勉強する事をおすすめします。
目次
1. Javaで何ができるのか?
Javaとは、1995年にSun Microsystems社によって開発されたオブジェクト指向プログラミング言語で、現在ではOracle社が開発・配布を引き継いでいます。「Java」という、IT関連の人でなくとも聞いた事があるのではないでしょうか?しかし、「何ができるの?」と聞かれて答えられる人はそんなに多くはないでしょう。
まず始めに、Javaで出来ることを簡単に説明してから、勉強の仕方について解説してゆきたいと思います。
1.1 Webサーバー上で使われているJava
Javaが広く使われている場所の一つです。Javaがここまで普及したのも、Webブラウザーとの親和性がよく、インターネットを介したセキュリティやデータの同期を得意とする言語です。 例えばオンラインショッピングにおける商品の検索や決済を実現するECサイトの構築、金融機関などのオンラインサービス、その他にも図書館やオンライン辞書の検索システムに社内イントラネットシステムまで多種多様なWEBサービスの実現を縁の下で支えているのが「Java」言語だったりします。ブラウザーを介してユーザーのリクエストに合わせてサーバー上の「Javaプログラム」が処理をし、その結果をブラウザーに返すという事をしています。一般的に「サーバーサイドプログラム」や「サーバーサイドJava」などと呼ばれています。
1.2 Javaでゲームを開発する
ブラウザー上で動くゲームや携帯端末で動くAndroidゲームなどを作ることができます。
ブラウザーで動くゲームはクライアントサイド(サーバーの利用者側)で動くプログラムで「Javaアプレット」で開発します。また、Javaで作ったプログラムは、PCや携帯などの機器やOSなどのプラットフォームに依存しません。Javaを動かすためのjava仮想マシン(JVM:Java virtual machine)があれば、どのような機器でも動かすことができます。「java」はPCだけでなく携帯電話のアプリとしても広く用いられている言語です。
1.3 Javaで作るパソコンソフト
java言語ではWEBアプリや携帯のアプリケーションを開発できるだけでなく、メモ帳やメールソフトといったPC上で動くアプリケーションの開発も可能です。Javaで作ったWindowsソフト!というのはあまり聞かないかもしれませんが、「OpenOffice」や「Firefox」の一部にJavaが使われています。
●「JDK」のインストールページからダウンロードできるメモ帳のデモプログラム
1.4 その他のJava
「Blu-ray Discプレイヤー」や「カーナビゲーションシステム」などいわゆる「組込み系機器」の開発言語としてJavaが使われる事もあります。
2. まずは何から勉強すればいいのか?
javaで出来ることをあげましたが、Javaをマスターするのにはどのような環境でどんなプログラムから勉強した方がよいのでしょうか?プログラムの学習をしたことのない方は、上記で挙げたWEBアプリケーションやjavaのゲームアプリを作成する前にまず、「変数とデータ型」や「演算」といったプログラミングの基礎を飽きない程度に学習することをおすすめします。もちろん「WEBアプリケーション」や「ゲームアプリ」を開発したいという明確な目標があれば、作りたいものに必要な環境を整えて学習するという方法でもいいと思います。何をするにしてもプログラムの基礎はどの言語でもどんなアプリケーションを作成するにしてもそんなに変わりません。目的に合わせて必要なものを揃えて学習してみましょう。
●Javaの開発環境について
プログラム言語を初めて学習する方や勉強して間もない初心者に一番にして欲しいことは、まず「手を動かす」という事です。書籍やインターネットの情報を眺めてなんとなく分かった気になっても実際にプログラムを書いてみると思った通りに動かなかったり、エラーがでたりすることは誰もが経験することです。本やインターネットを見て、「Javaをインストールしようとしたけどうまくできなかったから、とりあえず文章を読んで理解しよう」というのではなく、その躓きが非常に大切です。 IT業界本コラムでは、「javaをインストールしてみよう!」で"jdk"、「eclipseのダウンロードとインストール方法」で"eclipse"、「XAMPPをインストールしてみよう!」で"XAMPP"という3つの開発環境のを紹介しています。どの方法でもJavaの開発はできますが、そのインストール段階でうまく動作しないこともあるでしょう。その場合はあまり深く考えずにもう一度手順をよーく見直してみて下さい。スペルミスなど意外と単純な原因だったりします。
また、どの環境をインストールすればよいのかという事ですが、まずは「jdk」のインストールをして簡単なプログラムを書いてみることをおすすめします。「eclipse」は統合開発環境で、便利な機能がたくさんありますが、「Java」だけでなく「eclipse」の使い方も一緒に勉強しないと使えません。また便利なだけにJavaの基本は知らなくても動かせるということもあります。まずは地味かもしれませんが、メモ帳とコマンドプロンプトを使って「Javaとは何か?」、「どうやってプログラムが動くのか?」など基本的な部分だけでも把握してからIDE(統合開発環境)の「eclipse」、「XAMPP」に手をつけるという手順がよいかと思います。
3. おすすめのJava書籍
Javaに関する書籍やホームページは非常にたくさんありますが、学習教材として初心者におすすめの書籍を3冊紹介します。
『スッキリわかるJava入門 第2版』はイラストが豊富で初心者が躓きやすいエラーに関する解説も分かりやすく説明されています。『やさしいJava 第5版』は定番のJava入門書で2016年8月に第6版が出版されました。入門者でも体系的に学習したい方には、『オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Bronze SE 7/8』をおすすめします。
『スッキリわかるJava入門 第2版』
インプレスブックス(2014) 中山 清喬著//国本 大悟著 ¥2,600+税
『やさしいJava 第6版』
SBクリエイティブ(2013)高橋 麻奈著 2580円+税
『オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Bronze SE 7/8』
翔泳社(2015) 有限会社ナレッジデザイン著/山本 道子著 3,200円+税