コマンドプロンプトは、特殊なソフトをインストールしなくてもどのWindowsPCにも標準で搭載されているとても便利なソフトです。「ipconfig」や「ping」などのコマンドを利用すると、TCP/IPネットワークの設定や疎通の確認など、ネットワークのチェックに公私ともに役立ちます。
今回は、そんな「ipconfig」「ping」の使い方と結果の読み方(見方)、エラーの対処方法などについて、Windows10を例にとりご紹介したいと思います。
コマンドプロンプトの基本の使い方を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:
初心者のためのWindowsコマンドプロンプト使い方入門
目次
1.1 ipconfigとはネットワークの設定確認ツール
1.2 ipconfigの利用場所
1.3 ipconfigコマンドの使用方法
1.4 ipconfigコマンドの主要なオプション
1.5 結果の読み方
2.1 pingとはネットワークの疎通確認ツール
2.2 pingの利用場所
2.3 pingコマンドの使用方法
2.4 pingコマンドの主要なオプション
2.5 結果の読み方
1.ipconfigとは?
1.1 ipconfigとはネットワークの設定確認ツール
ipconfigとは、Windowsコマンドプロンプト上で動作するTCP/IPの設定などを確認できるツールであり、次のような機能があります。
・TCP/IPの設定情報確認
・ネットワークインターフェースの接続状況確認
・自分(PC)に割り当てられたIPアドレス確認
・参照しているDNSサーバの情報確認
1.2 ipconfigの利用場所
前項のような機能があることから、ネットワークにつながらないときにはipconfigを実行することで「どこに原因があるのか推定する材料」が得られるのです。
1.3 ipconfigコマンドの使用方法
コマンドライン上に半角で次のように打ち込み、Enterキーを押します。
ipconfig [オプション]
1.4 ipconfigコマンドの主要なオプション
オプションを指定することで、全ての構成情報の表示や、その他操作を行うことができます。何も指定しなかった場合、一部の構成情報が表示(簡易表示)されます。
/all | 全ての構成情報を表示(詳細表示) |
---|---|
/release [アダプタ名] | 指定したアダプタのIPv4アドレスを開放 |
/release6 [アダプタ名] | 指定したアダプタのIPv6アドレスを開放 |
/renew [アダプタ名] | 指定したアダプタのIPv4アドレスを更新 |
/renew6 [アダプタ名] | 指定したアダプタのIPv6アドレスを更新 |
/flushdns | DNSリゾルバーキャッシュを破棄 |
/displaydns | DNSリゾルバーキャッシュの内容を表示 |
/registerdns | 全てのDHCPリースを最新の情報に更新しDNS名を再登録 |
/showclassid6 | アダプターに許可された全てのIPv6 DHCPクラスIDを表示 |
/setclassid | DHCPクラスIDを変更 |
/setclassid6 | IPv6 DHCPクラスIDを変更 |
その他詳しくは「ipconfig /?」とコマンドラインに打ち込んで実行すると、ヘルプ画面を表示することができます。
1.5 結果の読み方
Window10版のipconfigの結果は日本語で表示されており、比較的分かりやすくなっています。
(1)ホスト名
自分のホスト名(コンピュータ名)
(2)プライマリDNSサフィックス
最優先のDNSサフィックス(このホストが所属するDNSドメイン)
(3)ノードタイプ
名前解決の方法
・ブロードキャスト…ブロードキャストで名前解決を行う
・ピアツーピア…WINSサーバで名前解決を行う
・混合…ブロードキャストでダメな場合はWINSサーバで名前解決を行う
・ハイブリッド…WINSサーバでダメな場合はブロードキャストで名前解決を行う
(4)IPルーティング有効
複数NICが接続されている場合、NIC間でのルーティングの有効/無効を設定
(5)WINSプロキシ有効
WINSサーバと直接通信できないホストがある場合、仲介機能の有効/無効を設定
(6)DNSサフィックス検索一覧
ネットワーク毎にDNS一覧を表示
(7)メディアの状態
メディアの接続有無
(8)接続固有のDNSサフィックス
接続されているNIC固有に指定したDNS一覧
(9)説明
アダプタの説明(型番など)
(10)物理アドレス
MACアドレス(NIC固有の番号)を表示。IPv4の識別子
(11)DHCP有効
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能の有効/無効を設定
(12)自動構成有効
APIPA(Automatic Private IP Addressing)機能の有効/無効を設定
(13)リンクローカルIPv6アドレス
IPアドレス(IPv6)を表示
(14)IPv4アドレス
IPアドレス(IPv4)を表示
(15)サブネットマスク
ホストが使用しているサブネットマスクを表示
(16)リース取得
DHCPサーバからIPをリースされた時刻
(17)リースの有効期限
DHCPサーバからのIPのリースが終了する予定時刻
(18)デフォルトゲートウェイ
デフォルトゲートウェイのIPアドレスを表示
(19)DHCPサーバー
DHCPサーバーのIPアドレスを表示
(20)DHCPv6 IAID
IAID(Identity Association ID)。IPv6の識別子
(21)DHCPv6 クライアント DUID
DUID(DHCP Unique Identifier)。IPv6の識別子
(22)DNSサーバー
DNSサーバーのIPアドレスを表示
(23)NetBIOS over TCP/IP
るNetBIOSをTCP/IPネットワーク上で利用するためのプロトコルの有効/無効を設定
2.pingとは?
2.1 pingとはネットワークの疎通確認ツール
pingとは、ネットワークの疎通を確認したいホストに向けてIPパケットを送信し、そのパケットが正常に相手に届き、かつ返答があるかをチェックするためのコマンドです。
2.2 pingの利用場所
pingを打つことで相手のホストが正常に稼働しているか、また相手までのネットワークの道筋が正しく設定されているかを確認することができます。
pingの疎通が問題ないのにアプリケーションが使用できないという場合は、ネットワークではなくアプリケーション側に問題があるということが分かります。
2.3 pingコマンドの使用方法
コマンドライン上に半角で次のように打ち込み、Enterキーを押します。
ping [オプション] [IPアドレス]
2.4 pingコマンドの主要なオプション
オプションを指定することで、全ての構成情報の表示や、その他操作を行うことができます。何も指定しなかった場合、一部の構成情報が表示(簡易表示)されます。
-T | 中断されるまでパケットを送信し続ける 「Ctrl+C」…送信を中断 「Ctrl+Break」…統計情報を表示して続行 |
---|---|
-a | アドレスをホスト名に解決する |
-N[要求数] | 送信する要求の数を指定する(デフォルトは4つ) |
-L[サイズ] | 送信するパケットのサイズを指定する(デフォルトは32バイト) |
-f | パケット内のDon't Fragmentフラグを設定する(IPv4のみ) |
-r[ホップ数] | 指定したホップ数のルートを記録する(IPv4のみ) |
-s[ホップ数] | 指定したホップ数のタイムスタンプを表示する(IPv4のみ) |
-w[ミリ秒数] | 応答待ちのタイムアウト時間を指定する(デフォルトは1000ms) |
-R | ルーティングヘッダーを使用して逆ルートもテストする(IPv6のみ) |
-4 | IPv4の使用を強制する |
-6 | IPv6の使用を強制する |
その他詳しくは「ping /?」とコマンドラインに打ち込んで実行すると、ヘルプ画面を表示することができます。
(1)コマンドの対象ホストと、送信されるパケットのサイズが表示される。
(2)コマンドの途中経過(送信したパケットのバイト数、応答にかかった時間、TTL(Time To Live、生存時間))が表示される。指定した要求の数(指定していない場合は4回)だけ繰り返される。
(3)送信・受信したパケット数や損失率など、最終結果が表示される。
3.実行結果が表示されない(エラーになる)場合
■現象
ipconfigやpingを実行しても「‘ipconfig'は、内部コマンドまたは外部コマンド、 操作可能なプログラムまたはバッチファイルとして認識されてません。」とエラーメッセージが表示され、結果が表示されない。
■原因
環境変数の設定に問題がある(パスが通っていない)可能性があります。
■解決方法
(1)C:\WINDOWS\system32配下でipconfigを実行する
まず「C:\WINDOWS\system32」へ、cdコマンドを使用してカレントディレクトリを移動します。
ipconfig本体である「ipconfig.exe」や「ping.exe」は、「C:\WINDOWS\system32」にあります。そのためパスが通っていなくても、直接使用することができます。
(2)環境変数のパス(Path)を修正する
まず、コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行します。
echo %path%
上記の実行結果の中に「C:\WINDOWS\system32」がない場合や、文法が誤った状態で登録されている場合は、実行すべきプログラムを探し当てることができずエラーになります。文法誤りの場合は適宜修正を行い、削除されている場合は追加することで、エラーを回避することができます。環境変数の編集は、Windows10の場合「システム>システムの詳細設定>環境変数」から行うことができます。修正対象は、「システム環境変数」の中の「Path」です。
Windows10における環境変数の詳しい修正方法については、次の記事をご覧下さい。
関連記事:
Windows10でTempやPathなどの環境変数を設定する方法
4.cmdは最もベーシックなネットワーク確認ツール
ipconfigやpingは全てのWindowsにデフォルトで装備されており、新たにソフトをインストールしなくても、誰でもネットワーク状況のチェックを行える便利なツールです。機会があれば、ぜひ使ってみて下さいね。
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