CCNA・CCNPの資格取得者のインターノウス株式会社の社員・波田野さんにお話をお伺いしました!
異業種からの転職 32歳でCCNAを取得しインフラエンジニアにジョブチェンジ
【Q】CCNAを取得するまでのご経歴を教えていただけますか?
私は大学を卒業した後、しばらく仕事をしないでふらふらしていたんですが、トラックの配送業の仕事を見つけて、前から車の運転が好きだったというのとお給料もよかったので、トラックの運転手を始めました。でも、仕事をしていて、このままこの仕事を続けていくのもどうなんだろうと思っていました。
色々考える中で、元々アメリカのパンクといった洋楽が好きで、英語を理解したらもっと好きになるかもと考えていたのと、あと、海外に行ったら自分がやりたいと思うことが見つかるかもしれないと思ったので、トラックの運転手を辞めて、オーストラリアに1年間、ワーキングホリデーに行ったんです。それまでは実家暮しで一人だと生活ができないような人間だったので、新しい環境に行ったことで、だいぶ成長しましたね。
向こうでは色んな人と出会ったんですが、その中に日本人の美容師の女性がいたんです。その方は、ハサミさえあれば、世界中どこでも仕事ができると言っていたんですが、それってすごくいいなと思って。もともと人と話すことも好きだったこともあり、帰国後は美容師を目指すことに決めたんです。
帰国した後は、美容師の専門学校に行く為のお金を貯める為に、また1年間程トラックの運転手をして、そして専門学校に入って2年間勉強をしました。そこから試験を受けて合格して、26歳の時にアシスタントとして美容院で働き始めました。仕事は肉体的にも精神的にも辛かったです。店の営業時間が9時から19時までなんですが、それ以外の時間を使って掃除やミーティング、練習をしないといけなかったので、休む暇が無かったんです。3年目に研修でパリに行って、現地の約100人の髪を切った後、日本に戻ってきてスタイリストになりました。ただ、スタイリストにはなったものの、私は手の皮膚が弱かったので、仕事をしていてひどくかぶれてしまって、ずっと続けていくことができないと思ったんです。
その時33歳だったんですが、そこから新しいキャリアをと考えた時に、昔からTVゲームが好きで、自分でもゲームを作りたいな、とフワっとですが思うようなって、IT業界への就職を考えるようになりました。そこから調べていくうちに、ハローワークの職業訓練を見つけまして、Javaの3ヶ月のプログラミングコースを受けました。
コースでの勉強が終わった後、就職活動をして、とにかく未経験でも受けられる求人であればどこでもということで、50社位にエントリーをして、そこから20社書類が通過して、面接に行くことができました。そうしてそのうちの1社から運良く内定をもらうことができ、そこからエンジニアとしてのキャリアをスタートしました。
元々は、開発の仕事を希望ということで会社には入ったんですが、やっぱり未経験だと開発の仕事はなかなか決まらくて、決まったとしても、テストですとか簡単なものだけでした。そうこうしている内に営業の人から、今の年齢で開発を目指すよりも、インフラの仕事の方がいけるんじゃないかと言われたんですよね。さらに、CCNAを取得したら仕事が決まりやすくなるとも言われて、そこでCCNAの取得を目指すことにしました。
「徹底攻略シリーズ」と「Ping-t」で繰り返し勉強 鍵はシュミレーション問題
【Q】CCNAはどのように勉強したんですか?
私は2段階の方法で受けました。というのが、CCNAの取得は、前半のICND1(別名:CCENT)を取得後に後半のICND2を取得するという2回に分ける方法と、一度でCCNA(ICND1とICND2の二つの範囲まとめて)を取得する二つがあるんです。私は未経験でしたので、いきなりICND1とICND2をまとめて取るのは難しいと思ったので、まずはCCENTを取得してから、という方法を選びました。
勉強のやり方ですが、「徹底攻略シリーズ」通称黒本という株式会社ソキウス・ジャパンが出している参考書を使いました。教科書と問題集がそれぞれあるんですが、まずは教科書を何度も何度も繰り返し読み返しました。そしてその後に、問題集で実際に問題を解いていきました。あとは、Ping-tという学習サイトがあるのでそれもあわせて利用して、問題をひたすら解きましたね。
CCENTは、仕事をしながら勉強したんですが、平日は2時間、土日のどちらかは1日図書館に籠って勉強をして、約2ヶ月かけて取得しました。1週間に20時間、1ヶ月100時間なので、2ヶ月だとトータルで200時間ですかね。CCENTは一発で合格することができました。参考書とPing-tでの勉強だけで、問題なく取得できると思います。
CCNAは、取得するまでに2回落ちてしまっています。というのが、CCNAは参考書の内容をただ覚えるだけではなくて、何でこうなるのか、という深い理解がないと解けない問題だからです。CCNAは取得するまでに3~4ヶ月かかりましたね。
問題の中に、シュミレーション問題というのがあるんですが、これは、自分で考えながらネットワークの構成を作る、といった知識と理解度が求めらてきます。ですので、問題集やPing-tの中の問題をやりつつ、解説もしっかりと読んで、理解を深めることが大事だと思います。
可能なのであれば、ルータとスイッチの実機を買って勉強するのがオススメです。その方がイメージがわき、理解が深まると思います。中古だと、ネットで4,000~5,000円程で買えますので。
【Q】CCNAを取得したは、どんな仕事をされましたか?
CCNA取得後は、まずは、全国の郵便局にある、プリンターに設置されているスイッチのポートの変更というプロジェクトを担当しました。ポートがわかった時点で、MacアドレスやVLANの設定を入れたりですとか、日々のトラブルシューティングを行いました。トラブルシューティングでは、毎回違う事象が上がってくるので、面白かったですね。例えば、ネットワークがうまく繋がらないということで、原因を分析していくと、ネットワークの間にプリントサーバーがあって、それが問題を起こしていたりですと、スイッチが別のところにささっていたりですとか…。自分で試行錯誤をして取組むということが楽しかったです。
その後は、倉庫を無線で管理するシステムのルーターの一括管理を担当しました。この時の管理業務の半分は、ほぼ私一人で行っていましたね。アドレスの変更であったり、新しく無線を作った際に、スイッチやルーターの設定といったことをしていました。
ですので、CCNAを取得すると、スイッチ・ルーターを触ることができると見てもらえて、実際の現場で構築の仕事ができるようになると思います。
【Q】CCNPはどのように勉強したんですか?
CCNPは、「T-shoot」「switch」「Route」という3つを取得する必要があるんですが、取得する順番は「switch→Route→T-shoot」がオススメだと言われていて、私もこの順番で取得しました。
ここでもCCNAの時と同じく、「徹底攻略シリーズ」の教科書を読みこんで、終わったら問題集を解いて、そしてPing-tでも問題を解く、というやり方で勉強しました。
私は、ネットワークエンジニアとして本格的に仕事をするようになってから、約2年後にチャレンジしたんですが、取得するまで3回落ちてしまいました。取得するまでには、トータルで1年間くらい掛かりました。
【Q】CCNPを取得した後は、どんな仕事をされましたか?
CCNP取得後は、某航空会社の情報システム部門に入って、全国の空港や提携している会社のスイッチ・ルーターの設計・構築業務を行っています。スイッチ・ルーターの変更作業であったり、新しいVPNを作ったり、古い物の撤去をしたりなどです。
サーバーやアプリ担当といった他のチームからも、日々色んな依頼が来るので、それに対応するといった折衝業務もしています。
CCNPを取得すると、設計もできるとみなされるので、構築や設定をする為の内容自体を考える業務を任せてもらえるようになると思います。
資格取得で満足しない 常に勉強する努力を
【Q】資格取得を目指している方に、アドバイスをお願いします!
CCNA以上の資格を取得すると、まずはネットワークエンジニアとして仕事をすることができるようになると思います。
ただ、CCNAを取得、CCNPを取得、で終わってしまうのではなくて、常に勉強していくことが大事だと思います。というのが、これからインフラはどんどんクラウド化されていき、下流の工程は人の手がいらなくなっていくと言われていて、上流の人にだけ仕事とお金が集中していくと予想されています。また、Iot化が進むなど、時代も変化していくので、その都度、時代にあった対応と変化も求められてきます。
ですので、資格取得そのものを目的とするのではなく、常に勉強をして、エンジニアとして上を目指すよう努力していってください!
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