IT業界を志したものの、エントリーシートや履歴書に書く志望動機の作成につまずく方も多いと思います。
今回は、そもそも志望動機とは何なのか、志望動機で企業が重視するポイント、および就職・転職活動でオススメの志望動機例文までをご紹介します。
目次
1.志望動機とは
志望動機は、履歴書、エントリーシートおよび面接でも必ず問われる質問です。
就職活動、転職活動においては中核とも言えるのが志望動機で、どの企業でも重要視する項目となっています。
志望動機は、応募者のカラーが最も出やすい部分であるため、企業側としては志望動機をチェックことによって、企業の採用ニーズと応募者がマッチしているかを確認していると言えます。
自分のやる気や熱意をアピールできる部分ですので、他の応募者と同じような内容を記載するだけでは、企業に自分の思いを明確に伝えることは難しくなります。
また、選考は進むものの、最終選考で不採用となるケースは、志望動機の書き方が原因で採用担当者に自分の意図があまり伝わっていないことも考えられます。
採用担当者が目を引くような、自分らしさを盛り込んだオリジナルの志望動機を作成することが大切です。
2.IT業界の志望動機で企業が重視するポイントは3つ
「興味をもった理由」「なぜその企業なのか」「どんな仕事をしたいか」
企業が志望動機をどう捉えているのか、何を重視しているかを把握することで、志望動機も作成しやすくなります。
ここではIT業界の企業が志望動機の中でチェックするポイントを3つ挙げてありますので、志望動機作成時の参考にしてください。
2.1 その企業に興味を持った理由
まずは、IT業界、もしくはその企業に興味を持った理由、きっかけです。
世の中には様々な業種があり、企業があります。その中で、なぜIT業界を選んだのか、どのようなきっかけでその企業に興味を持ったかがポイントです。
2.2 なぜその企業でなければいけないのか
次になぜ他の企業ではなく、その企業に入りたいかという理由です。
ここが曖昧だと、「他の企業でも良いのでは」と思われてしまいますので、志望動機には必ず明確に記載したい部分です。
ここを最も重視している企業がほどんどであり、自分の企業へどれほど入社を希望しているか、自分の企業へどれだけの熱意をもっているかが、企業が知りたいポイントです。
2.3 その企業でどんな仕事をしたいのか
最後に、企業は応募者を採用した後、実際にどのような戦力になってくれのるかを期待していますので、その企業に入社した後、どんな仕事をしていきたいかという自分のビジョンを伝えることがポイントです。
3.志望動機は「自己分析」と「業界研究」「企業研究」を軸に作成する
3.1 【自己分析】自分がやりたい業務を把握する
志望動機の作成では、自己分析が非常に重要になります。
志望動機とは、文字通り自分がその企業を志望した理由ですので、志望動機は「自分を軸」に作成することが大切です。
「企業に魅力を感じたから」「企業の社風に惹かれたから」という理由では少し説得力に欠けるため、自分がどのような仕事をしたいのか、自分がどのような将来のビジョンを描いているのかについて、徹底的に洗い出すことが必要です。
しっかりとした自己分析に裏付けされた志望動機は、自分の熱意をさらにアピールできるようになります。
3.2 【業界研究】IT業界と職種を把握する
志すIT業界、および職種がどのようなものであるかを把握することも大切です。
ITの業界本、雑誌、新聞、転職サイト等を参考にしながら、自己分析で得た将来のビジョンとうまく繋げられるようにすると、一貫性のある志望動機となります。
IT業界の詳細については、以下の記事にも詳しく掲載されていますので参考にしてください。
関連記事:IT業界とは
3.3 【企業研究】企業の魅力や採用ニーズを把握する
前述した、企業が重視する志望動機ポイントの「なぜその企業でなければいけないか」を作成するためには、応募する企業がどのような企業なのか、あらゆる情報を収集して企業研究することが大切です。
企業の様々な情報を元に、自分のビジョンをプラスして、「企業の××の部分が自分の〇〇という将来のビジョンと一致しているので、この企業を志望した」という書き方が望ましい志望動機となります。
情報収集の方法はいくつかありますが、以下が主な方法と言えます。
【情報収集方法】
・会社説明会
・企業のホームページ
・求人情報から採用ニーズを推測する
・インターンシップ
・OB、OG訪問
また、企業研究で押さえておく主なポイントは以下のとおりです。
【企業の概要】
・売上と利益
・社風
・企業のビジョン
・経営理念
・人事評価制度
・教育制度
・福利厚生
・所在地
【商品・サービス】
・強みとする商品、またはサービス
・取り扱っている商品、サービス
・品質方針
4.履歴書の志望動機作成のコツは「具体的な経験」
志望動機の作成においては、自分の経験をもとに具体的な内容を記載することが大切です。
単に「ITが好きだから」や、「経営理念に共感したから」だけですと、他の応募者と同じような内容となりがちです。
応募に至るきっかけとなった具体的な経験談を踏まえると、説得力のある志望動機となります。
学生であればインターンシップに参加した経験や、OB・OG訪問の経験を踏まえて感じたこと、サークル活動の経験を通して実感したこと、転職の方はこれまでの業務経験で得たもの、それによって達成できた事、などが挙げられると思います。
5.面接での志望動機の話し方
面接は、企業と応募者のマッチングの場ですので、身振りや話し方から応募者の人柄や雰囲気を汲み取っています。面接での話し方としては、以下の点に気を配ると良いと思います。
・明るくハキハキと話す
コミュニケーションを図る場ですので、はっきりと大きな声でハキハキと話すことで、相手に良い印象を与えることができます。
・「なぜその企業なのか」は面接でも明確に伝える
志望動機で最も重要なのは、「なぜその企業なのか」ですので、面接でもその理由を明確に伝えるようにします。履歴書やエントリーシートには記載していない、自分のバックボーン、経験談などがあれば、それも踏まえながら伝えると良いと思います。
・「御社」と「貴社」は異なる
応募する企業を指す言葉として「御社」と「貴社」がありますが、使い方が異なりますので注意が必要です。
履歴書やエントリーシートに記載する時は「貴社」、面接などの口頭で示す場合は「御社」となりますので、面接では「御社」と表現するようにします。
6.IT業界の就職、転職におすすめの志望動機例文
実際に就職活動や転職活動で使える志望動機の例文を挙げていますので、志望動機を作成される際、是非参考にしてみてください。
6.1 文系からIT業界への就職する場合
小学校でプログラミングが必修化されるという話から、プログラミングについて調べるようになりました。(きっかけ)
自分で〇〇言語の書籍を買って実際にやってみるととても面白く興味が沸き、仕事として〇〇言語に携わりたいと思うようになりました。(自己分析、体験談)
貴社が展開する自社開発パッケージは〇〇言語で作成されていること、貴社の特徴でもある100%自社内開発という点が(企業研究)、〇〇の知識を活かして、じっくりと腰を据えて全工程に携わりたいという自分の思いと重なり(なぜその企業なのか)、応募いたしました。
→きっかけ×体験談×企業研究×なぜその企業なのか、が盛り込まれています。
6.2 未経験からIT業界への就職する場合
就職活動をするにあたり、自分の専門以外の業界も調べてみることにしました。(きっかけ)
IT業界を調べていくうち、IT技術が××分野にも導入され始めていることを知り、大学の専攻でもある××の専門分野からITに携わりたいという気持ちが強くなりました。(業界研究)
貴社のサービスは××の分野で国内のみならず、今後海外進出も視野に入れて成長を続けている企業であることを知りました。(企業研究)
大学専攻の××の知識を活かして、××分野とITの融合の発展に貢献し、IT技術を身に着けて成長していきたいという自分の思いと、貴社のビジョンが一致していたため、今回の応募に至りました。(なぜその企業なのか)
→ きっかけ×業界研究×企業研究×なぜその企業なのか、が盛り込まれています。
6.3 経験者がIT業界で転職する場合
既に多くのお客様に導入されている貴社の××システムは、私も実際に利用したことがあります(きっかけ)。これまでにない画期的なアイディアの商品であり、商品の開発に携わりながら、この商品の良さを多くの人々に広めていきたいと思うようになりました(企業研究、なぜその企業なのか)。
前職のマネジメント、および開発経験を活かして、将来的に新機能の実現に貢献し、貴社の××システムの可能性を広げていきたいとの思いがあり、応募させていただきました。(どんな仕事をしたいか)
→ きっかけ×企業研究×なぜその企業なのか×どんな仕事をしたいか、が盛り込まれています。
7.まとめ
志望動機は重要な要素ですが、何十社と応募するともなると、企業のそれぞれに対して志望動機を作成するのは大変かもしれません。
しかし、本記事のポイントを考慮してみると、企業が異なれば企業のビジョンや社風も異なるはずですので、おのずと違った志望動機が作成できると思います。
自分に合った企業、志望した企業に就職するため、志望動機の内容を今一度見直してみることをお勧めします。ぜひIT業界へチャレンジしてみてください。