最近何かと人気で就活も有利と言われている理系女子。「リケジョ」と呼ばれる理系女子の業界での活躍が近年目立ち理工系を志望する女子学生も増えてきているようです。人気の理由の一つに理系女子の将来性や就職事情が挙げられます。一方、理系女子本人は、実は就職先の選択肢が幅広いのに、その情報を知らないというケースが多いこともあるようです。では実際、理系女子の就職事情はどのようになっているのでしょうか。ここでは理系女子に人気の企業やおすすめの職種、リケジョが就活に有利と言われる理由や将来像などについて知っておいて欲しい情報をまとめました。
1.理系女子はなぜ人気?その魅力とは?
「理系女子」が「就職事情」において人気・有利となる理由はどこにあるのでしょうか? まずは理系女子の特徴と魅力を知り、人気の理由を探ってみました。
1.1 理系女子の特徴と魅力
【理系女子10の特徴】
1. 学問だけでなく、何事にも探求心が旺盛、知識が豊富
2. 論理的な思考ができ、分かりやすい説明が得意、「頭脳明晰」
3. 人生における明確な目的を持っている
4. なんでも真面目に取り組むタイプ、地道な努力ができる
5. いつも冷静に対処することができる、感情的にならない
6. ヒマが苦手!いつでも時間を有効活用
7. 自分なりの世界観を大切にしている
8. ものごとは白黒ハッキリつける、曖昧なことが苦手
9. 基本的には自立しているタイプが多い
10. 興味を示してしまう話題を提供してくれる
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(参照元: TABI LABOリケジョこと
「理系女子」10の特徴)
(参照元: TUNA GARI 男性から見た理系女子=リケジョの魅力9つ)
1.2 理系女子が人気の理由
リケジョは異性からは「モテる」存在、
同性からも「カッコイイ」と羨ましがられる人気の存在
「リケジョ」はその「専門性の高さ」から、これから大学を目指している女子学生にも人気が出てきています。また、文系に比べ理系の方が「自分が何をしたいのか?」ということに繋がる専門的な知識を学んできているため、将来像が明確になりやすい点もカッコイイと思われているようです。さらに、理系職として会社に就職する女性が増えて、活躍の場が広がっていることなども女子学生からの人気を惹きつけています。男性の中に混ざってバリバリと研究をし、論文を発表して自分の成果を周囲に公表できるような理系の仕事は、キャリアウーマンを目指す女性にとってとても魅力的に映るようです。
また、勉強ができて知的で頭の回転が速くて、それでいて自立している・・というイメージがあることから、異性からは「モテる」存在になることもあるようです。
- (参照元: もてもて理系女子、広がる活躍の場(日経スタイル))
2. リケジョの就活は有利ってホント?!
近年の就活市場で理系女子の人気が高まっています。 理系女子を採用したいとする企業は多くあるようで、理系の学生が足りないとまで言われています。 では、なぜ企業は理系女子を採用するのでしょうか。就活においてリケジョが有利と言われる情報についてまとめてみました。
2.1 社会も大学も理系女子を就活支援する傾向
2016年に女性活躍推進法という法律が制定されたことにより、多くの企業が女性の活躍ができるような取り組みを行っています。特に今まで女性の進出が少なかった工業系の技術職分野でも理系女子(リケジョ)を増やそうと動いたり、経済産業省では「理系女性活躍促進支援事業」の立ち上げをするなど政府や企業も様々な対策を講じています。そのひとつとして、理工系の仕事に就く女性の活躍を後押しする輪を広げていきたいとする海外発の団体「Women In Technology International(WITI)」の日本支部を立ち上げる動きがあります。また、日本オラクルなどの外資系企業やガールズ・イン・テック(女性技術者や女性起業家を支援する米国の団体)、ヤフーなど理系の女性を支援する理工系の団体や企業が増えてきています。 そして理系女子を増やすための人材供給源は大学であることから、大学側も理系をめざす若い女性を増やすことが今後の大学経営としての重要課題になっていると言われています。
参考記事
2.2 理系女子が企業にモテる理由
理系女子が就職に有利で企業からもモテる理由があるのでしょうか。 企業が欲しい人物像と理系女子の特徴から照らし合わせ考えてみたいと思います。
2.2.1 企業が欲しい人物像
経済メディア「President Online」が調査している「企業が欲しい人物像」によると、その上位には理系女子の魅力と一致する項目が存在していることが分かります。これはリケジョが企業にモテる=就活に有利という理由のひとつと言えるのではないでしょうか。
【人事部の告白! 有力企業が欲しい人材「6つの能力」】
① チャレンジ精神(変革する力、バイタリティ)
② チームワーク力(共感力、チーム志向)
③ コミュニケーション力(論理的思考、伝える力)
④ リーダーシップ力(周囲を巻き込む力、主導力)
⑤ 主体的行動力(自律的アクティビィティ、やりぬく力)
⑥ グローバル素養(異文化受容力、語学力)
- (参照元:President Online)
2.2.2 即戦力として役立つ理系女子は就活に有利
理系学生の圧倒的な強みとなる「専門性」を持っていることは企業にとって魅力的です。 理系女子は数字に強いとされるため、論理的に考える傾向にあり、何があろうと達成するという意気込みが強いと言える点や、辛抱強く研究を重ねることからも理系女子は結果を残しやすいと捉えられています。そのようなことから、理系女子は柔軟性が高く、適応能力が高いという傾向にあることが考えられることも人気の理由となるのではないでしょうか。ビジネス上において適応能力が高いということは非常に有利です。「適応能力が高い」=「即戦力」として使えるわけですから、短時間で企業にとって役立つ人材と考えられるのが理系女子だと言われています。即戦力として会社の役に立つのですから、理系女子が多くの企業から好まれる(モテる)=「就活に有利」なのは納得できる話と言えるのではないでしょうか。
3. 理系女子に人気の業界と職種
多くの学生が就活の際に「どの企業にエントリーすれば良いかわからない」「とりあえず知っている企業にエントリーする」という状況になることがあります。特に理系学生は実験や観察、研究、レポートといった学業に割く時間が多く、文系学生と比べて就活に専念できる時間が少ない現状もあります。そのため、情報収集不足で就職すると、社会人になってから、「もっと早く業界研究、企業研究をしておけば良かった」と後悔してしまうこともあるようです。 ここでは理系女子が就活について今のうちに知っておきたい人気の業界や企業、職種などの情報を述べたいと思いますので是非参考にして研究してみてください。
3.1 理系女子の人気就職先ランキング
【就職人気企業ランキング2017【理系女子】ベスト50(TOP10抜粋)】
1位 東京海上日動火災保険
2位 サントリーグループ
3位 明治グループ
4位 伊藤忠商事
5位 三井物産
6位 森ビル
7位 三菱東京UFJ銀行
8位 損害保険ジャパン日本興亜
9位 三菱商事
10位 森永製菓
理系女子の人気就職先ランキングは食品メーカーは、従来通りTOP10入りしていますが、例年とは異なる結果として非メーカーが理系女子1位となるのは本調査開始以来、初めてのことのようです。これは、女性の働きやすい制度が用意されていることや、制度の活用実績が多くあることを重視する傾向が強まったためと考えられています。長く働くことを前提として検討しているなど、女性の働き方への関心の変化が伴っているということも注目すべき点ではないでしょうか。
3.2 理系女子に人気・おすすめの業界・職種は?
① 食品業界
理系女子に人気がある業界として、食品業界が挙げられます。食というテーマは毎日の生活には欠かせないテーマであり生活に身近だということ、新商品の開発に興味があるからなど、食品業界が人気である理由はさまざまです。これまで大学で専門的な勉強を行ってきた理系女子の多くは「自分の専門分野を活かして働きたい」という気持ちを持つことが多いようです。そのため食品業界であれば、これまで学んできた基礎研究などを活かしつつ、商品開発や研究職などというやりがいのある仕事に携われるのではないかと考えているようです。また、食品業界は「安定している業界」というイメージを持っている方も多く、その点も人気の理由になっています。
② 化粧品業界
理系女子に人気の業界として、化粧品業界も挙げられます。女性にとっては日常的に身近な業界であり、化粧品は女性にとっての必需品であるとともに化学系の研究要素が高いことから、多くの理系女子に人気であることがわかります。研究開発などにおいては専門的な知識が必要となり、理系の人材に需要がある分野と言えるでしょう。化粧品業界の就職先は大手企業なら資生堂、カネボウ、コーセーなどの主に化粧品メーカーとなる会社ですが、近年では、製薬業界と提携してサプリメントなどを扱うこともあるため食品メーカーや化学製品メーカーからの参入も相次ぎ、化粧品業界を目指す理系女子の就職先の幅が広がっているというデータがあります。また、化粧品開発においては、研究室で技術職の人とだけ交流するのではなく、広告分野等のマーケティング担当者、営業担当者など他の関連スタッフとも多く連携をとっていくことも必要になってくるため、専門知識のみならずコミュニケーション能力や適応能力も必要となることでしょう。
③ IT業界
理系学生は学部・学科に関わらず全般的にはITへの親和性が高いとされ、また採用意欲の強い業界でもあるため、理系女子にとってIT業界とIT関連職はおススメの職種と言えます。情報系やコンピュータサイエンスの専門でなくとも、近年での理系女子の就職先として多いのは、IT開発やソフトウェア系です。ITの職種は比較的平均年収も高めということもあり人気があります。その中でも特にSEの需要は高いと言えるでしょう。IT系は自宅で仕事が出来るなどリモートでの勤務環境もあるため、結婚後も出産や育児などのライフイベントがある女性にとっては働き方の選択肢が広がるとされています。エンジニアとして一人前になれば、独立してフリーランスになることや、週3日勤務契約、在宅勤務などの柔軟な働き方も選択でき、理系女子が結婚や出産後もスキルを活かして生きていける職業となるのがメリットです。
4.理系女子のキャリアと将来像
理系女子が就職に関して抱える不安や理想の将来像、キャリアについて気になる本音を探ってみましょう。
4-1. 理系女子が抱える将来への不安
現在の日本では、まだまだ社会で活躍する女性技術者やエンジニア、研究者など理系女子先輩のロールモデルを学ぶ機会は少ないかもしれません。理系女子は研究や実験など学業に費やす時間も多くあることからも特にキャリアについてじっくり考える機会が少ないという現状があります。また、自分の将来を考えたときに、キャリアや働き方についての不安を感じるというのは理系女子だけに限ったことではないでしょう。変化のスピードが速く、正解のない時代に、就活準備をする女子学生が、将来を不安に思うのはごく普通のことかもしれません。実際に就職を控えた現役理系大学生たちの本音の一部を見てみましょう。
【講談社 Rikejoによる現役理系大学生たちの本音の一部 その①】
『自分の研究が社会に役立つと感じられる仕事がしたいです』
『産休や育休の後にすぐに戻ってこられる社風かどうかも気になりますね』
- (参照元: 講談社 Rikejo)
将来、自身が大学で学んだ専門性がどんな企業でどんな仕事に活かされるのか、自分がまだ知らずにいる可能性があるのなら積極的に参考にしていきたい、という声も挙がっているようです。そして女性としては「結婚」「出産」「育児」といったライフステージの変化と将来においてのライフワークバランスは、多くの理系女子が気になっている不安と言えるのではないでしょうか。
参考記事
4-2. 理系女子のキャリアと理想の将来像
理系の女性にとっては、育休・産休取得後も専門的な仕事に携われるかという点も気になるポイントです。近年社会では理系女性の大幅な増加を目指し、女性研究者が出産・育児等と研究を両立できるようにするための支援をする動きもすでに始まっています。また、出産や育児を経てキャリアアップしていくことを目指す場合、長期的な視点に立って、キャリアプランを見据えたものとする必要があります。理系女子の強みともいえる「専門性」は大切な「理系の武器」ですが、理系女子だからと就活の選択肢を研究職だけに絞るのではなく、すべての学生に切り開かれている総合職や事務職への道に目を向けることも就活や転職活動の成功には欠かせないでしょう。まずはやりたいことを見極め、自分の性格や特徴を見つめ直し、じっくり検討していきましょう。
【講談社 Rikejoによる現役理系大学生たちの本音の一部 その②】
『自分が気づいていない適職があるなら客観的なアドバイスがあると嬉しい』
『自分の研究内容と企業での仕事が必ずしも直結しなくてもいいと思う』
- (参照元: 理系女性大幅増プラン(仮称)【文部科学省】)
参考記事
・未経験でも大丈夫!女性エンジニアに転職する方法と6つのメリット
・未経験から「手に職」を目指す時代に|2020年に向けた女性の働き方とキャリア需要の変化とは
5. まとめ
ここ最近就職市場での人気が非常に高まってきている理系女子。理系女子を雇いたいと考えている企業は多く、引く手数多といっても過言ではないかもしれません。理系学生の圧倒的な強みが「専門性」を持っていることに加え柔軟性が高く、適応能力が高いことは就活で有利となり人気の理由とも言えるでしょう。リケジョがキャリアを描く上で理系女子としての強みを活かしつつ、自身のキャリアについて真剣に考え、そして女性として将来「どんなキャリアを描きたいか」を早めに考えることも重要です。 ここで述べた理系女子の就職事情を参考にしていいただき、これから充実した就職活動を進めていけるようにしましょう。