ITコンサルタントは、ITを切り口にクライアントや企業の経営課題を解決するプロフェッショナルです。
自分自身の行動次第で、企業の利益にどうつなげて結果が出せるかが試される責任感の大きい仕事ですが、非常にやりがいの感じられる仕事でもあり、高い人気を誇る職種です。
本記事では、そんなITコンサルタントへの転職を考えた際にまずは気になる、経験や年齢、年収などについて解説していきます。
目次
1.1 未経験からITコンサルタントへ
1.2 SEからITコンサルタントへ
2.1 【20代】若さゆえの体力やITコンサルタントへの熱意が強み
2.2 【30代】即戦力を期待される
2.3 【40代】豊富な経験や専門性を問われる
1. ITコンサルタントへの転職に経験は必要?
ITコンサルタントはITや経営に関する広範な知識のみならず、マネジメント力、問題解決能力、論理的思考力、またコミュニケーション力やリーダーシップ力などのヒューマンスキルに至るまで多くのスキルが求められます。
ITコンサルタントへの転職において、これらのスキルを持ち合わせているのは理想ですが、コンサル未経験やIT業界未経験であっても目指すことは可能です。
ITコンサルタントの仕事内容・必要なスキルなどについては下記の記事で詳しく述べています。
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ITコンサルタントになるために知っておきたいこと
1.1 未経験からITコンサルタントへ
IT業界未経験者の場合は、現在の業務に関する知識や理解をさらに深め、専門性を高めていくことが重要です。
ITコンサルタントの役割・業務・必要スキルなどもしっかりと理解しておきましょう。その上で、どんなITコンサルタントになりたいかを明確にしていき、不足するスキルや知識は何かを把握することも大切です。
未経験であっても、ITコンサルタントとしての熱意や潜在能力を認められるとポテンシャル採用となり、ITコンサルタントへの道も開けていけます。実際に多くのコンサルティングファームやSIer企業などでポテンシャル採用による求人がありますが、年齢的には遅くとも30代前半までに検討するのが現実的です。
1.2 SEからITコンサルタントへ
SEとしてのシステム開発経験、培ってきたIT関連スキルはITコンサルタント業に活かせることも多く、SEからのキャリアパスとしてITコンサルタントを目指して転職を検討するケースも多くみられます。
ITコンサルタントの求人でも、SEとして得た業務知識は歓迎される傾向にありますが、さらに大きな強みとなるのが、クライアントとの折衝経験や、要件定義や設計などの上流工程の経験です。対人関係を円滑にし、物事をスムーズに進めていくヒューマンスキルはコンサルティング業に欠かせないポイントであり、クライアントからの要求を形にしていく工程はITコンサルタントの重要な仕事と重なる部分があるからです。
普段から、ITスキルだけでなく、対人関係能力や、物事の全体を俯瞰しながら本質にある問題を見つけていく”問題発見・解決力”を磨いていくことはITコンサルタントへの転職にも大いに役立つでしょう。
2. 年齢別によるITコンサルタントへの転職
2.1 【20代】若さゆえの体力やITコンサルタントへの熱意が強み
経験は浅くても、ITコンサルタントへの熱意をはじめ、コミュニケーション力や論理的思考力などの人間性に成長が見込まれるポテンシャル採用なども多くはこの年代が対象です。
20代後半になれば、それまでの業務経験や実績が考慮され、コンサルタント業務をしっかり理解していることや、企業の調査や分析力を示す資料作成スキルなども必要とされます。
2.2 【30代】即戦力を期待される
これまでに培ってきた経験や専門性を活かして即戦力を期待される年代です。業務経験や専門性以外にも、コミュニケーション力やマネジメント力などのヒューマンスキルに加えて、経営に関する知識や視点を持っていることも大きなアピールポイントになります。
2.3 【40代】 豊富な経験や専門性を問われる
この年代になると、即戦力を期待されるのはもちろんのこと、どれだけ ”企業側の要求” と ”自身の持つスキルと経験” がマッチしているかがポイントになってきます。これまでの業界経験とスキルがいかに転職先の二―ズに合っているかをしっかり把握して、アピールしていくことが重要です。
40代のITコンサルタントは、クライアント企業の幹部や経営陣とパートナーとして経営課題の解決相談を求められるような立場になってきます。そのため、クライアントからの信頼を得て課題の本質を見極める力、プロジェクト全体を俯瞰して管理しつつ課題解決のために行動してきた経験などが重視されます。
3. コンサルタントの年収ってどれくらい?
ITコンサルタントの年収は高いというイメージから目指す人も多いのではないでしょうか。ITコンサルタントの業務は広範囲に及び、高度なIT知識、論理的思考力や問題解決力など幅広いスキルを求められるため、年収も高めの傾向があります。
3.1 年代別の平均値
【ITコンサルタントの年代別の平均年収】
20代前半:430万
20代後半:524万
30代:681万
40代以上:904万
参照元記事:ITコンサルタントの年収まとめ
プログラマーの場合、20代前半377万、20代後半で474万です。他のIT関連業種と比較してもITコンサルタントの年収は高いと言えるでしょう。
年代が上がるごとに年収が増えていく理由は、ITコンサルタントとしての経験が積み重なりより良い条件での転職に成功することや、社内での役職が昇進することで給与が上がることが考えられます。
3.2 大手コンサル会社や外資系コンサル企業は高め
一般的に、ITコンサルタントの年収が高いというイメージは、大手や外資系コンサル企業の総じて高めの傾向にある年収からきているでしょう。
特に外資系コンサル企業は、20代でも600万くらいからスタートし、3年目では1000万を超え、さらにインセンティブ給の割合が大きいことから、同じ役職でも給与には大きく差があり30代では2000万くらいに達する人もいるようです。
給与面だけで見るとかなり魅力的ではありますが、膨大な仕事量をこなしながら、スキル・経験を高めて求められる結果を出していく必要があります。キャリア意識の高い人たちが多く集まる中で、ふるいにかけられるように実力差がはっきり出る世界でもあるので、精神的・肉体的にタフであることが求められます。
4. ITコンサルタントの転職に有利な資格
ITコンサルタントに資格は必須ではありませんが、資格取得を通して幅広い知識を得ながらスキルを磨くITコンサルタントも多くみられます。
広範なスキルが求められる職種のため、現在の自分の経験やスキルに不足している部分を資格で補うことも、転職時には有利に働くでしょう。
【ITコンサルタントに役立つ資格一覧】
◆ ITコーディネータ
◆ プロジェクトマネージャー
◆ ITストラテジスト
◆ 中小企業診断士
◆ PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)
ITコンサルタントの転職にも役立つ資格については下記の記事で詳しく述べています。
関連記事:
ITコンサルタントに役立つ資格と求められるスキルとは?
5. 求人からみるITコンサルタントへの転職事情
ITコンサルタントの求人を見ると、SEとしての経験を活かせる求人案件が多くみられます。
下記に挙げた実際の求人例を見てみましょう。
参照元: プロエンジニアフリーランス求人情報
上記はECサイト構築案件にて、発注者側のITコンサル業務を行う求人です。
要件定義の経験や、プロジェクトの予算管理経験、プロジェクトリーダーの経験、課題解決経験など、受注者側のSEとして積んだ経験を活かして、発注者側部門でのITコンサル業務を行います。
このようにSEやPMの延長線上にある案件から、ITコンサルタントへと進んでいく道もあります。
次は、大手転職サイトでITコンサルタントの求人を検索した結果です。
【事業内容】コンサルティング事業
【ポジション】ITコンサルタント
【必須スキル】システム開発経験者(設計フェーズ以上) もしくは、インフラ設計、構築開発経験者
【歓迎スキル】プロジェクトマネジメント経験者・ITコンサルティング経験者
【年収】600万円~1,500万円(残業手当:有)
【事業内容】コンサルティング事業
【ポジション】ITコンサルタント候補
【必須スキル】システム開発経験のある方(言語不問)
【歓迎スキル】SAP認定コンサルタント資格保持者
【年収】400万円~600万円
上記のように、SEとしての経験が活かせる求人は多くみられます。上流工程の経験があればさらに優遇されるでしょう。
また、ITコンサルタント業の中にはSAPコンサルタントのようなパッケージ導入コンサルタントも非常に需要があります。
関連記事:
2.1 企業の業務改善を実現するERPコンサルタント
6. まとめ
急速に技術革新が進むIT業界では、様々な変化に対応しながら企業の経営課題に取り組むITコンサルタントの需要は今後ますます増えていくと言われています。
ITコンサルタントはIT業界未経験者にもSE経験者にも目指すことができますが、どんなITコンサルタントとして活躍したいかを明確にすることをおすすめします。
本記事を参考に、ご自身の経験やスキル・年齢などをふまえつつ、足りない部分は経験を積み、資格や勉強も取り入れてスキルを磨いていくと、ITコンサルタントへの転職も成功につながっていくでしょう。
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