数あるクラウドサービスの中でも、世界的シェアNo.1であるAWS(Amazon Web Services)を導入する企業は、国内においても増加の一途をたどっています。
それに伴い、AWSを利用する上での必要な知識や技術を持つ人材が求められるようになってきました。
そのため、AWSに携わる人であれば、インフラエンジニアはもちろん、システム設計者やサーバーサイドエンジニア、そして営業やマーケティング職の人も含めて、AWS全般についての理解を深めたいという人が増えています。
本記事では、AWSをいちから学びたい人をはじめ、AWSを利用したインフラの構築や運用に携わる人にまで、より深くAWSを理解して業務に活かすために役立つ書籍を紹介します。
1. AWSを理解するために読んでおきたいおすすめ書籍
1.1 ゼロからわかるAmazon Web Services超入門 はじめてのクラウド
AWSの基本が図解とともにわかりやすく説明されており、実際に手を動かしてAWSを操作しながらWebシステムの作成方法を学べます。
「AWSの使い方」、「Webサーバー作成」、「ブログサーバー作成」、「データベースの利用法」、「ドメイン名でのアクセス方法」、「暗号化と高負荷に耐える構成」これらの流れを理解しながら、AWSのシステムを運用・管理できるようになります。
【こんな人におススメ】
AWS初心者、ネットワークやクラウド関連の初学者
【目次】
CHAPTER1 Amazon Web Servicesとは何か
CHAPTER2 AWSをはじめよう
CHAPTER3 Webサイトを公開しよう
CHAPTER4 LAMPサーバーでWordPressを動かそう
CHAPTER5 データベースを活用しよう
CHAPTER6 固定IPアドレスとドメイン名を使おう
CHAPTER7 安全な通信を使おう
1.2 図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書
本書全体のカラー図解による解説により読みやすい構成になっています。
内容としては、クラウドやネットワークの基礎技術の解説に始まり、AWS関連の用語、しくみなどを一通り学ぶことができます。
また、AWSの主要サービスである、サーバーサービス、ストレージサービス、ネットワークサービス、データベースサービスなどに関しても、ひとつひとつわかりやすい説明がされています。
【こんな人におススメ】
AWSのしくみや技術について知りたい若手エンジニア、営業職、管理職など
【目次】
第1章 Amazon Web Servicesの基礎知識
第2章 AWSを知るためのクラウド&ネットワークのしくみ
第3章 AWSを使うためのツール
第4章 サーバーサービス「Amazon EC2」
第5章 ストレージサービス「Amazon S3」
第6章 仮想ネットワークサービス「Amazon VPC」
第7章 データベースサービス「Amazon RDS」
第8章 そのほかの知っておきたいAWSのサービス
本書では、オンプレミスのシステムからAWSへ移行させるのに最低限必要なシステムの構築と運用方法が解説されており、AWSクラウドの基礎を理解するのに最適な本の一つです。
具体的な解説内容としては、AWSにおける最小のシステム構成を例に、AWSにおけるネットワークの仕組みと制約、セキュリティグループとの関係、実際のシステム構築手順などが取り上げられています。
【こんな人におススメ】
既存のオンプレミスのシステムからAWSへのシステム移行に携わるAWS初心者のエンジニア
AWS初学者のネットワークエンジニア
【目次】
CHAPTER1 AWS上でのシステム構築
CHAPTER2 Amazon VPC(Virtual Private Cloud)入門
CHAPTER3 VPCのIPアドレス
CHAPTER4 パブリックIPの割り当て
CHAPTER5 セキュリティグループ
CHAPTER6 DMZを構成する
CHAPTER7 固定IPアドレスとDNSサーバーでの運用
1.4 Amazon Web Services パターン別構築・運用ガイド 改訂第2版
本書では、実際に手を動かしながら学ぶための例もたくさんあり、AWSの基礎部分を順を追って理解できるように工夫されています。
さらに、サイトの構築、コンテンツ配信システムの構築、自動拡張構成、バックエンド処理の実装など、利用目的に応じて、どのAWSサービスを選べばよいか、そしてその導入方法についても具体的な構築手順の解説があるため、初心者にもわかりやすい内容になっています。
【こんな人におススメ】
AWSに興味を持ち、AWSについて知りたい全ての人
Webサービスや自社サイトのシステム構築にAWSの導入を検討中の人
WordPressを使ったサイトの公開を考えている人
【目次】
Chapter1 AWSの基本
Chapter2 AWSを利用する
Chapter3 パターン別構築例
Chapter4 AWSのセキュリティ
Chapter5 管理と運用
【本書で紹介されているAWSの活用例】
・EC2を利用した動的サイトの構築
・Elastic Beanstalkによる構築レスな動的サイト
・S3による静的サイトの構築
・CloudFrontによるコンテンツ配信システムの構築
・Auto Scalingを利用した自動拡張構成
・Lambdaを利用したバックエンド処理の実装
・CloudFormationによる自動構築
・SESによるメール送信サービスの構築
・Cogniteによる認証
・開発環境の構築と継続的インテグレーション
・AWSにおけるセキュリティの考え方と強化方法
・AWSのアカウントを安全に設計運用する方法
・CloudWatchを利用した運用監視
・データのバックアップやアーカイブの方法
1.5 Amazon Web Servicesインフラサービス活用大全 システム構築/自動化、データストア、高信頼化
AWSアカウントの作成からシステム規模の自動化までが網羅されており、AWSを利用したインフラの構築や管理の基礎と手法、データベースの構築などが学べます。
AWSの主要な各サービスについては簡単な説明と具体例を用いた解説により理解を深めることができます。
実利用に役立つ実践的なケースの説明やノウハウも豊富にあり、またAWS認定資格の勉強にも役立つでしょう。
【こんな人におススメ】
AWSを導入したいネットワークエンジニア・サーバーエンジニア
AWSによるインフラ構築の手法を基礎から学びたい人
【目次】
Part1 AWSの基本ひとめぐり
Part2 インフラ構築/管理の手法
Part3 データ格納の手法
Part4 高可用性/耐障害性/スケーリングの手法
1.6 Amazon Web Services 業務システム設計・移行ガイド
企業のデータやサーバをAWSへ移行するためのネットワーク設計・構築、運用・管理のノウハウが紹介されています。
AWSへの移行に必要な「サービスの選定」「ネットワーク設計・構築」「サーバとデータの移し方」「運用・監視体制の構築」などについて、考慮すべき点や注意点を挙げながら実際の手順などについてわかりやすく解説されています。
また、AWS主要サービスについての説明もあり、AWSの概要を理解するのにも役立ちます。
【こんな人におススメ】
既存のオンプレミスのシステムからAWSへのシステム移行に携わるエンジニア
システム設計・運用に携わるエンジニア
【目次】
Chapter1 AWSサービスの概要
Chapter2 全体設計(管理方針と移行計画)
Chapter3 アカウント管理と権限付与
Chapter4 ネットワーク接続の設計・構築・維持管理
Chapter5 システム設計とサービスの導入
Chapter6 移行テクニック
Chapter7 運用監視の設計・実施
2. まとめ
AWSで提供されるサービスは175以上(2020年1月現在)あり、広範囲にわたるため、どこを学習するのか、何から理解したらよいのか迷うこともあるかもしれません。
まずはAWSを全体的にざっくりと体系的に理解し、必要なサービスの概要をつかみ、実務に活かすためにも効率よく学習したいものです。
本記事で紹介した書籍の著者はどの人も、AWSに関する知見が高く、AWSの実践経験も豊富であるため、書籍の内容に関しても、読者にわかりやすく理解してもらうための構成や内容の工夫がされているものばかりです。
ご自分の目的にあった書籍があればぜひ活用してAWSの理解を深めてみてはいかがでしょうか。