本記事では、フリーランスのサーバーエンジニアとして知っておきたい案件の動向や将来性、必要なスキルについて解説しています。
フリーランスのサーバーエンジニアは稼げるのか、将来性はあるのか、長く活躍するためにはどうしたら良いのか、といった疑問について解決したいと思っている方は是非参考にしてみてください。
1.フリーランスのサーバーエンジニアはどのくらい稼げるのか?
サーバーエンジニアにはどのような役割があり、フリーランスとしてどのくらい稼ぐことが出来るのでしょうか。 実際の求人案件を元に調べてみました。
1.1 サーバーエンジニアとは
サーバーシステムの設計・構築、運用、冗長構成、負荷分散の設計・構築・運用、障害発生時の対応・対策、セキュリティ対策など、幅広い業務を担当するサーバーエンジニア。
提供する機能やサービスによって、Webサーバ、メールサーバ、DNSサーバ、キャッシュサーバ、データベースサーバ、FTPサーバなど、様々な種類があります。
1.2 フリーランスのサーバーエンジニアの単価
「フリーランス」という立場でサーバーエンジニアを目指した場合、どのくらい稼ぐことが出来るのでしょうか。弊社の求人案件サイト”プロエンジニア”を元に、算出しました。
◆フリーランスの場合
平均月単価:56万円
データ参照元:サーバーエンジニア関連の最新フリーランス案件情報(2020年2月)/プロエンジニア
ちなみに、正社員のサーバーエンジニアの年収も見てみましょう。
◆正社員の場合
平均年収:480万円
データ参照元:サーバーエンジニア関連の最新正社員案件情報(2020年2月)/プロエンジニア
※但し、フリーランスは保険や年金などの税金面や、有給や賞与などが正社員と異なります。両者の収入を比較する際には注意しましょう。
1.3 フリーランスのクラウドサーバーエンジニアと比較した単価相場
近年急増しているクラウドサーバーエンジニアの求人案件とサーバーエンジニアの求人案件を比較してみました。
データ参照元:サーバーエンジニア関連の最新フリーランス案件情報(2020年2月)/プロエンジニアAWSなどクラウドの知識やスキルがあることで、単価相場は上がる傾向にあることが分かります。
2.サーバーエンジニアの需要と将来性
サーバーエンジニアの需要と将来性から、フリーランス案件の動向について予測してみましょう。
2.1 サーバーエンジニアの需要
クラウドが主流になりつつある現代においても、次に述べるような理由から、サーバーエンジニアの人材需要は、フリーランスや正社員を問わず、安定していると言えるでしょう。
- 費用の問題や、既存の自社システムとの連携が難しいなど、クラウド化を断念する企業がまだまだ存在する
- 金融機関のような、システムが複雑且つ膨大でクラウド化に適さない企業が多く存在する
- 1.2.のような理由から*オンプレミスで構築するケースは一定数ある
- システムの基盤となるインフラは今後もなくなることが無い
- IT環境の拡大に伴ってサーバエンジニアの求人数が増えており、慢性的な人員不足
*オンプレミスとは
サーバーやソフトウェアなどのシステム情報すべてを自社で調達し、設置し、保有し、運用すること
参考:IT人材白書2019 IT人材の“量”に対する過不足感
2.2 サーバーエンジニアの将来性
まだまだ需要があるとされるサーバーエンジニアですが、規模としてはオンプレミスの需要は縮小し、クラウドの需要は今後さらに拡大することが予想されます。
そのためオンプレミスだけの経験では、将来的には下流業務や機械下で仕事をするなど、案件は限られた数へと減ってしまうとも考えられます。
サーバーエンジニアとしての将来性を考えた場合、クラウド上でもサーバーエンジニアとして活躍できるように、クラウドまわりの知識やスキルを積極的に身に着けることでさらに仕事の選択肢も広がっていくでしょう。
参考:AWSエンジニアの需要が増えている理由3.フリーランスのサーバーエンジニアで稼ぐために必要なスキル
フリーランスのサーバーエンジニアとして安定して高単価を稼ぐためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。
3.1 サーバーエンジニアに必要なスキル
まずはサーバーエンジニアに必要とされる基本的なスキルを確認しましょう。
- サーバー設計・構築の知識
- サーバー運用・保守知識
- コンピューターアーキテクトの知識
- OSの知識やネットワークセキュリティの知識
- グループウェアの知識
- クライアント/サーバシステムの場合にはアプリケーション開発の知識
3.2 より単価を上げるために必要なスキル
サーバーエンジニアとしての基本的なスキルに加えて、次のようなスキルを持ち合わせていると高単価を狙える可能性が高まります。
- 設計・構築などの上流工程のスキル
- リーダーやプロジェクトマネージャーなどの「マネジメントスキル」や「コミュニケーションスキル」
- 仮想化の知識、高負荷分散、大規模プロジェクトの経験等、需要に見合った新しい高度なスキル
- AWSなどのクラウドに関するスキル
- 「*MCSE」や「*LPIC、LinuC」などの資格の取得
*MCSE:マイクロソフト認定資格の名称
*LPIC、LinuC:Linux技術者認定資格の名称
3.3 フリーランスとしての需要を高め、多くの案件を獲得するスキル
一時的に高単価案件を獲得できたとしても、継続して案件を得ることが出来なければ、フリーランスエンジニアとして高収入を得ることは難しくなります。
1つのスキルに特化することなく様々な案件に参画してスキルの幅を広げることは、フリーランスエンジニアとしての需要も高まり、単価も上がることが期待出来るでしょう。
そのためにおすすめしたい手段のひとつが、フリーランス向けのエージェントサービスの活用です。仕事を獲得すること(営業)が苦手な人にはもちろん、エージェントの様々なサポートを受けながら自分の条件にあうものを見つけやすく、就業中であっても次の案件候補を紹介してもらえる可能性も高く、忙しいエンジニアにもぴったりでしょう。
>>フリーランス向けのエージェントサービスを利用する
4.フリーランスのサーバーエンジニアとして長く活躍するために
フリーランスのサーバーエンジニアとして長く活躍するために、知っておきたい2つの内容について述べたいと思います。
4.1 フリーランスのサーバーエンジニアの魅力
サーバー系の案件は長期のものが多く、正社員の場合は腰を据えて長くひとつの案件に入るケースが多いようです。
正社員に比べフットワークが軽く、"新しい技術を学んでスキルアップできる案件へ移りたい" といったケースにも対応しやすいところはフリーランスならではの魅力ではないでしょうか。
4.2 フリーランスのサーバーエンジニアとしての心構え
AWSの登場や、オリンピックなどの影響で高騰しているフリーランスへの支払い単価も、時間が経つことで落ち着き、正社員と同様に「仕事の質」を求められる時代が来るでしょう。
表面上の経歴だけにこだわりすぎてしっかりとスキルを身に付けていなかったり、今もらえる額に甘んじて向上心を持たないでいると、将来的にはフリーランスとして案件を獲得することが出来ない可能性もある、ということも肝に銘じておかなければなりません。
5.まとめ
今後も需要が続くとされるフリーランスのサーバーエンジニアの仕事。
クラウド化によってサーバーエンジニアの仕事が激減することはありませんが、自分が持つ現状のスキルだけで満足しているようでは、時代の変化に弱いサーバーエンジニアになってしまうでしょう。即戦力を求められるフリーランスであればなおさらのことです。
クラウド時代に求められる知識やスキルを中心に、前章で述べた"より単価を上げるために必要なスキル"などに目を向け習得・実践に努めましょう。それによって、案件の選択肢が広がり、収入アップも期待でき、長く活躍できるフリーランスのサーバーエンジニアとしての道につながっていくでしょう。