Googleが開発したプログラミング言語であるGo言語。パフォーマンスが高く活躍の幅も広いこの言語は、近年さまざまなプロジェクトで採用されつつあります。
そこで、本記事では、Go言語の求人でよくみられる案件の業務内容や相場単価、必要スキル、今後の動向などについて調査してみました。
1. Go言語の強み
Go言語には以下のような強みがあります。
それぞれ詳しく解説します。
■ 不具合の少ないシステム開発ができる静的型付け言語
プログラミング言語には、『型』と呼ばれるデータの種類を表す概念があります。『型』を安全に扱える『静的型付け言語』であるGo言語は、バグを抑えながらのシステム開発が可能です。
■ 言語構造がシンプルで可読性が高くエンジニアにも人気が高い
シンプルで可読性の高いGo言語は、既存コードの読解にかかる時間を減らして、スムーズに新機能を追加可能です。
■ 軽量かつ高速なハイパフォーマンス言語
Go言語はさまざまなOSのバイナリに直接変換でき、軽量かつ高速に動作します。そのため、レスポンスの早さが必要なシステムでも活躍可能です。
■ APIサーバー開発、Webアプリケーション開発、マイクロサービス、コンテナなど幅広い分野で使われている
Go言語は、分野を問わず活躍できる汎用的な言語です。業務を小規模なサービス単位で分割実装する『マイクロサービス』や、開発者を支援するDockerコンテナなど、さまざまなプロダクトがGo言語で作られています。
■ Googleが開発した言語のため、Androidアプリ開発なども多い
Go言語の開発元は、Androidと同じGoogleです。そのためGo言語は、Android上での動作が公式にサポートされています。
※データ参照元:Frequently Asked Questions(FAQ)
2. Go言語案件 ~主な業務内容は?~
ではGo言語の求人には、どのような案件があるのでしょうか。実際の案件によく見られる業務内容を挙げながら、説明します。
2.1 APIサーバー開発案件
大量のアクセスによる負荷がかかりがちなAPIサーバーには、並行処理に長け、短時間に大量の処理をこなせるGo言語が向いています。
とくに近年ではIoT製品と連携するAPIサーバーの開発案件に、Go言語が多く採用されています。
また、Go言語のAPIサーバー開発案件では、Dockerコンテナのような比較的新しい技術の経験や知識を求められることがあります。
◆ 参考案件
【GO】サーバーサイドエンジニア★アスリート応援プラットフォーム開発/APIサーバの開発
2.2 サーバーサイド開発案件
さまざまな機能が標準で組み込まれているGo言語は、Http通信やルーティング、データベース操作などサーバーサイド開発において欠かせない処理を素早く実装できます。
とくにスタートアップ企業が新しいサービスを立ち上げるにあたっては、サーバーサイド開発でGo言語を採用することが多くみられます。柔軟性と拡張性の高さからサービス拡大や機能の追加をしやすいGo言語は、新規サービスのスケール拡大を狙うスタートアップ企業にとって採用メリットの大きい言語なのです。
◆ 参考案件
【Go】サーバーサイドエンジニア★施工管理アプリの開発
【Go】サーバーサイドエンジニア ★eスポーツアプリの開発
2.3 Webアプリケーション開発案件
Go言語ならではの可読性の高さから、『高度で複雑なロジックを要するWebアプリケーション』の開発案件ではGo言語が採用されている案件が多くみられます。
◆ 参考案件
【Go】Webエンジニア ★集客支援マーケティングツールの開発
【Go/SQL】Webエンジニア★クラウド型サービスのバックエンド開発
ITエンジニア専門フリーランスエージェント「プロエンジニア」のキャリアアドバイザー、編集部員が担当する次の記事も参考にしてください。
2.4 モバイルアプリ開発案件
Go言語には、モバイルアプリ開発用に『Go mobile』パッケージが用意されています。Go mobileを使えば、スマホ向けのアプリをサーバーサイド開発のスキルを応用しながら効率よく開発できます。
Go言語のモバイルアプリ開発案件には、『モバイルオーダーサービス』や『モバイル決済サービス』など決済の生じる取引に関する案件があります。
◆ 参考案件
【Go】Webエンジニア★本人確認モバイルサービスの機能追加開発
【JavaScript/Go】アプリ開発エンジニア★eスポーツアプリの開発
3. Go言語案件の相場単価は高め
Go言語の案件数は年々増加しており、Pythonなどの人気言語に迫る数の求人が出されています。しかし比較的新しい言語であるGo言語は扱えるエンジニアの数がまだ少ないため、フリーランスITエンジニア専門の案件紹介エージェントである「プロエンジニア」の登録案件によると、月平均単価はおよそ82万円、月額最高単価は150万円と、高めの相場となっています。(2023年6月時点で、月額の下限および上限が公開されている157件のGo案件より平均額を算出)
※データ参照元:Go言語関連の最新フリーランス案件情報|プロエンジニア
4. Go言語案件は未経験だと難しい!?
2023年現在、Go言語の案件数はかなりの増加傾向にありますが、そもそもGo言語を扱えるエンジニアはまだまだ少なく需要に対して足りていません。そのため、プログラミング未経験者が受注できるフリーランス案件はほぼないというのが現状です。
しかしGo言語の実務経験がない場合であっても、RubyやPython、PHP、Java、Scalaなどのサーバーサイド言語によるWebアプリケーション開発案件の実務経験やRDBに関する知識と技術が豊富な場合には、案件を獲得できるケースもあります。
※データ参照元:Go言語関連の最新フリーランス案件情報|プロエンジニア
5. Go言語の高単価案件を狙うために必要なスキルとは
Go言語は比較的新しい言語であるため、今後もフレームワークの充実や言語がアップデートされていくと考えられます。
クラウドサービスの抽象化をもたらす新しいパッケージ『Go Cloud』や、モバイルアプリ開発用のツールセット『Go mobile』など、Go言語に関する最新情報をキャッチアップしつつ、下記のようなスキルを伸ばしていくことで、更なる単価アップを狙うことができます。
※データ参照元:go-cloud(GitHub)/Gomobile(GitHub)
5.1 大規模開発での経験
Go言語は大規模な業務アプリケーションの開発でも多く使われます。そのため、チームでの業務を円滑に進めるためのコミュニケーションスキルや、プロジェクト全体の能力を底上げするフォロワーシップスキルなども評価されます。
こういった事情からGo言語案件で単価アップを狙いたい人は、さまざまな言語の開発案件で、チームリーダーやそれに類するポジションの経験と実績を積むのがおすすめです。
5.2 Go言語のフレームワークスキル
Go言語のWebフレームワークはそれぞれに特徴があり、必要に応じて利用されています。BeegoやRevelなどのフルスタックフレームワーク、GinやEchoなどの軽量フレームワークを扱えるスキルは『開発を効率よく進めることができる技術者』として評価されます。
また、フレームワークの『扱い方』だけではなく『内部でどう実装されているか』についての知識を身に着けることができれば、更なる単価アップを狙うことができます。フレームワークの内部実装に詳しければ、突発的なバグ対応や、システムに合わせたフレームワークの調整で優れた活躍をすることができます。
5.3 マネジメントや上流工程の経験
Go言語で高単価を狙うためには、他のプログラミング言語と同様に、マネジメントや上流工程の経験が必要です。プロジェクトをスムーズに進行させるマネジメントスキルや、要件定義・設計スキル、レビュアーとしての経験があれば、プロジェクト全体に大きな利益をもたらすことができます。
これらの技術はGo言語に限ったものではありません。マネジメントや上流工程を担う案件を積極的に経験して、更なる単価アップを目指しましょう。
6. Go言語案件の需要と今後の動向は
Go言語の需要と将来性について、常時8000件以上の案件を保有するプロエンジニアのキャリアコンサルタントに聞いてみました。
Goは高速かつ汎用性の高い言語にも関わらず、構文がシンプルで学習しやすいという特徴があります。そのためGoogleを始めとした大手Web系企業での導入も拡大し、フリーランスの求人数も右肩上がりとなっています。
特にIoT開発やビッグデータ解析分野で年々ニーズが高まっており、今後もIoTやデータ解析の需要と共に、Goの需要も伸びていくことが予想されます。
さらにGoはWebサーバー構築も可能であるため、Web系言語とセットでスキルを求められる案件も。API開発も、これから増えていく可能性が高い案件です。
Goフリーランス案件の募集状況を具体的に知りたい方は、下のページもぜひご覧ください。募集中の案件一覧のほか、市場動向や平均・最低・最高単価、必要とされるスキルなども、現役コンサルタントがご紹介しています。
▶ プロエンジニアのフリーランスエンジニア向けGo案件一覧はこちら
さらに開発者側の人気も高く、米HackerRank社による「2023 HackerRank Developer Skills Report」(2023年版 開発者のスキル調査)内の「Languages preferred by developers when they have multiple options(複数の選択肢がある場合に開発者が好む言語ランキング)」では、Goは前年度より190%増加して9位と、高い成長率を示しています。
出典:2023 HackerRank Developer Skills Report
7. まとめ
Go言語の案件数は年々増加しており、かつ相場単価も高く、幅広い分野での活用が期待されています。とくにその汎用性やパフォーマンスの高さなどから、将来的には現在のJavaのように、多くのプロジェクトで採用される可能性もあります。
その需要の高さにも関わらず、Go言語を扱えるエンジニアの数は不足しているのが現状です。
今後のさらなる需要拡大を考えると、今のうちからGo言語に積極的に取り組んで、Go言語を扱うスキルを習得するのがおすすめです。
当サイトプロエンジニアのコンサルタントが厳選したおすすめのフリーランス案件特集はこちら
特集ページから案件への応募も可能です!
実際にフリーランスエンジニアとして活躍されている方のインタビューはこちら