「セールスエンジニアって、そもそもどんな仕事なの?」
「セールスエンジニアに必要なスキルは?」
と思うことはありませんか。
そこで今回は、「セールスエンジニアの仕事内容や、求められるスキル」などについて解説します。
記事の後半で「セールスエンジニアの将来性や年収」についてもまとめているので、ぜひ最後までお読みください。
1. セールスエンジニアとは?
まずは、セールスエンジニアの定義について解説します。
1.1 セールスエンジニアの定義
セールスエンジニアとは、
- クライアントと直接やりとりしながら課題を確認
- 解決するためのシステムやソリューションを提案
などを行うエンジニアのこと。単純に開発するだけでなく、提案などを行うのが特徴です。
営業と異なり、技術を知っている強みを活かした提案などを行います。
1.1.1 セールスエンジニアとプリセールスエンジニアは同じ仕事?
セールスエンジニアと似た言葉に、プリセールスエンジニアがあります。似た名前なので混乱するかもしれませんが、基本的には同じ定義でとらえても問題ありません。
外資系などの場合、以下のようにセールスエンジニアの業務を細かく分けて定義するケースがあります。
- プリセールスエンジニア
クライアント獲得前に特化して活躍するエンジニア - セールスエンジニア
クライアント獲得後のセールスを含めて活躍するエンジニア
1.1.2 セールスエンジニアと営業の違い
セールスエンジニアと営業の違いは、技術的な観点で検討、説明、提案などができるかどうかです。
営業がお客様の課題をヒアリングして引き出せたとしても、技術を知らなければ具体的な提案ができません。
また、課題をヒアリングするときも、「クライアントが技術的な悩みを抱えている場合」は、深く質問をすることができない可能性もあります。
このとき「技術が分かるセールスエンジニア」がいれば、クライアントの課題を詳しく引き出すことはもちろん、提案などもしやすくなるでしょう。
2. セールスエンジニアの役割・仕事内容
セールスエンジニアの役割・仕事内容について、3つのポイントに分けて解説します。
「事前にプリセールスエンジニアについて詳しく知りたい!」という方は、以下記事も合わせてご一読ください。
2.1 営業担当者に同行してクライアント交渉
1つ目の役割・仕事内容は、「営業担当者に同行してクライアント交渉」です。役割としては、以下のようなことをクライアントに説明します。
- 製品そのものの技術的視点のメリット・デメリット
- 製品に関する技術的な質問への回答 など
ITサービスをを導入するとき、クライアントのITリテラシーが高いとは限りません。そのため、分からない方向けにかみ砕いて説明するスキルも求められるでしょう。
2.2 営業部門と技術部門の橋渡し
2つ目の役割・仕事内容は、「営業部門と技術部門の橋渡し」です。クライアントに提案を行って導入が決まっても、そこで全てが固まるわけではありません。
導入する前に、
- クライアントからの追加要望・質問を整理
- 開発部門から要望・質問の整理
- 実際に導入するときに必要な作業の整理・開発部門との調整
などが必要となります。このとき、技術面も理解できていないとスムーズに話を進めることが難しいです。
そこで重要となるのが、セールスエンジニア。実際にクライアントと話しているセールスエンジニアだからこそ、開発部門と連携がしやすいのです。
2.3 納品後のサポート
3つ目の役割・仕事内容は、「納品後のサポート」です。
- クライアントに製品を納品するときの説明
- 納品後に質問があった場合の回答
- バグなどの問い合わせ窓口
などを行うのも、セールスエンジニアの仕事の1つです。クライアントと開発部門の間に立って、円滑に導入が進められるように動きます。
3. セールスエンジニアに求められるスキル
セールスエンジニアに求められるスキルは、4つあります。詳しく見ていきましょう。
3.1 コミュニケーションスキル
1つ目のスキルは、「コミュニケーションスキル」です。これまでご紹介した、コミュニケーションの例を整理してみましょう。
- 営業担当者に同行し、クライアントに製品の説明・提案
- 商談成立後、クライアントや開発部門の要望・質問の整理やとりまとめ
- 製品導入後のフォローとして、使い方の説明やバグ問い合わせの対応窓口
総じて
- 悩みを引き出して話すスキル
- 技術が分からない人向けに丁寧に説明するスキル
- 開発部門とクライアントが話しやすくするための調整スキル
などが必要です。
3.2 幅広い専門知識
2つ目のスキルは、「幅広い専門知識」です。Androidエンジニアのように、特定のアプリを開発するエンジニアであれば学ぶべき情報がある程度絞られます。
しかしセールスエンジニアは、「クライアントの悩みを解決する技術」に長けている必要があり、幅広い専門知識が求められることも。少なくとも、クライアントの課題解決につながりそうな技術については、知っておく必要があるでしょう。
たとえば「オンプレミス」や「クラウド」などのシステムの構築方法まで関わってくると、インフラ関連の知識も必要となります。
3.3 プログラミングスキル
3つ目のスキルは、「プログラミングスキル」です。セールスエンジニアは、自分でプログラムを組んで実装する機会はほぼ無いでしょう。
しかし提案するときには、別の技術やサービスとの比較が必要不可欠です。
このときプログラミングスキルがなければ「どんなシステムを構築するか」イメージできないまま顧客に提案する形となります。
たとえば自社製品と同等の機能を持つオープンソースソフトウェアと比較した際に、自社製品が技術的にどのような優位性があるかを解説できず、説得力のない提案に終始してしまうでしょう。
また、規模に合わせた、
- 開発言語、フレームワークの違いや選定
- インフラの違い(AWS,GCP,Azureなど)や選定
などもできなくなってしまうため、話が前に進まなくなってしまうのです。
スムーズに話を進める意味でも、プログラミングスキルは重要です。
3.4 先々の展開を予測して動く能力
4つ目のスキルは、「先々の展開を予測して動く能力」です。セールスエンジニアは、クライアントの課題をヒアリングしたり、技術や提案を説明したりする仕事です。
そのため、クライアントの課題やニーズから逆算して、必要なライブラリやオープンソースをリサーチする必要があります。その上で、実装可能な提案資料を作成します。
ただセールスエンジニアだけが資料をまとめるのではなく、技術的に実装可能か開発部門に確認することも重要です。それをしないと開発が始まってから実装できず、代替え案の調査や実装に時間がかかってしまうからです。
これらの起こりうる想定を考慮し、事前に社内で稟議を通してリソースを確保しつつ動くことが求められます。
4. セールスエンジニアはきつい?
「セールスエンジニアはきつい......」といった言葉を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
実際のところどうなのか気になる方も多いかと思いますので、3つに分けて解説します。
4.1 技術に関する勉強やトレンドへのキャッチアップがきつい
1つ目のセールスエンジニアはきついといわれている理由は、「技術に関する勉強やトレンドへのキャッチアップがきつい」からです。
「クライアントとのやり取りもある」といった理由で、営業出身からセールスエンジニアに転職する方もいます。しかし、
- IT知識全般の習得
- プログラミングスキルの習得
- クライアントの技術的課題への理解
- 技術的課題への解決に繋がる技術知識(OSSやクラウドなど)の習得
などなど、これまで全く技術に知見がない場合は「思っていたよりも技術知識が必要で、つらい......」と思ってしまうことも。
「勉強して解決しようと思っても、仕事が忙しくなかなか勉強の時間を取れない......」といった人も多いです。
逆に言うと、技術的な知識を学ぶことに抵抗がなく、かつどんどん自分で時間をかけて学んでいけるような人だと向いているのではないでしょうか。
4.2 営業ノルマがきつい
2つ目のセールスエンジニアはきついといわれている理由は、「営業ノルマがきつい」です。
セールスエンジニアは営業担当者に同行するため、どうしても営業ノルマがついてまわります。特に商談の場では、「セールスエンジニアの技術的な説明が商談成立の決め手」となることも多いため、重圧を感じることも。
さらに、これまでお伝えしたような「クライアントの課題解決に必要な技術の勉強」をしながらノルマもこなしていく必要がもあります。
しかし元々営業であれば、営業ノルマにはなれている方も多いでしょう。そのため、「技術の勉強時間をどうやって確保するか」に注力して進めやすいかもしれません。
4.3 顧客対応がきつい
3つ目のセールスエンジニアはきついといわれている理由は、「顧客対応がきつい」です。
セールスエンジニアは商談成立して終わりではなく、製品の導入後のサポートも行います。
特に導入初月は、技術的な質問がたくさん来ることが予想されます。場合によっては、クライアントの企業に問い合わせ窓口となる人を設けないと、さばききれないようなケースも。
また、技術的な質問は内容が高度な場合も多いです。そのため、開発部門とミーティングを重ねながら、実現可否などを検討する必要があります。
逆に言うと、
- 顧客対応のような突発的に来る質問への対応
- 難易度の高い技術的な質問を解決に導くスキル
は実務を通して身につけやすいでしょう。
5. セールスエンジニアの年収の目安
セールスエンジニアの年収、正社員の場合は521万円。派遣社員の場合、平均時給は1993円前後です。
参照:セールスエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報|求人ボックス 給料ナビ
転職サービス「doda(デューダ)」がまとめた「平均年収ランキング2020」では、全体の平均年収が「409万円」になっていたことを考えると、高年収といえるのではないでしょうか。
6. セールスエンジニアに役立つ資格
セールスエンジニアに役立つ資格は、主に2つあります。詳しく見ていきましょう。
6.1 ITパスポート試験
1つ目の資格は、ITパスポート試験です。ITパスポートとは、ITの基礎的なスキルを身につけられる国家資格のこと。
- セールスエンジニアとして転職を考えている人
- セールスエンジニアになって技術を学びたい人
どちらにもおすすめの資格です。
詳細については、以下をご確認ください。
試験名 | ITパスポート試験 |
---|---|
2021年のスケジュール | 全国の試験会場で、コンピューターを活用した試験が随時実施されている
基本的には試験会場と実施日を予約すれば、すぐに受けられる |
料金 | 5,700円 |
開催場所 | 全国の試験会場 |
6.2 基本情報技術者試験
出典:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験(CBT方式)|IPA
2つ目の資格は、基本情報技術者試験です。基本情報技術者試験とは、IT系の基本的な知識・技能を問う国家資格のこと。
ITパスポートよりも難易度が高く、2019年のデータでは、いずれも合格率が30%となっています。
出典:令和元年度秋期情報処理技術者試験(情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験)の合格者を発表(2019年11月20日)|IPA
「難しいなら受けたくないな……」と思った人もいるかもしれません。でも逆に考えてみると、難しいからこそ取っておくとスキルを証明しやすい資格になると思いませんか。
ITパスポート試験よりも深い技術知識を学びたい方は、基本情報技術者試験がおすすめです。詳細については、以下をご確認ください。
試験名 | 基本情報技術者試験 |
---|---|
2021年のスケジュール | 春期:2021年5月1日(土)~2021年6月27日(日)
秋期:2021年10月頃 |
料金 | 5,700円 |
開催場所 | 全国の試験会場 |
7. まとめ
今回は、セールスエンジニアの仕事内容や、求められるスキル、年収などについて解説しました。
セールスエンジニアは、クライアントと直接話して製品導入に貢献できる仕事です。技術的な側面でバックアップをするだけでなく、自ら表に立ってクライアントや開発部門とやりとりします。
コミュニケーション能力、技術的な知識どちらも求められるので大変ではありますが、その分やりがいも多いでしょう。今回の記事が、セールスエンジニアを目指す人のためになれば幸いです。
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