フリーランスプログラマーや副業プログラマーの案件獲得方法として、近年ではクラウドソーシングサービスの利用が人気です。個人・法人問わずに案件を受発注できるクラウドソーシングは便利ですが、本当にプログラマーにとって適切に稼ぐことが可能な場所なのでしょうか。今回は良質な案件の探し方とその獲得方法について、ご紹介いたします。
1. クラウドソーシングで受発注が可能な主なプログラミング案件の例
クラウドソーシングで受発注できるプログラミング案件には、HTML/CSS/JavaScript のスキルがあれば対応可能な LPコーディングの案件から、WordPress などの CMS の導入とカスタマイズを行う案件などがあります。
より高度な案件をお探しであれば、Laravel や Ruby on Rails など、Webアプリケーションフレームワークを利用したシステム開発などもあります。
クラウドソーシングサービス大手である「クラウドワークス」では、それらの単価の相場を次のように挙げています。
引用元:クラウドワークスの相場一覧表
これらの具体的な案件単価や実装内容の例については、後半で詳しく解説します。
2. クラウドソーシングで案件数が多いプログラミング言語/フレームワーク等の例
それでは、クラウドワークスで募集されている、具体的な案件の例を見ていきましょう。
2.1 HTML/CSS/JavaScript
アンケートのランディングページを制作する案件です。本文のライティングや画像デザインまでのみで6万円(税抜)、それに加えてコーディングまで行える場合、報酬額は9万円(税抜)と提示されています。
このようにLPはデザインを含む案件が多いため、コーディングの技術だけでなくデザインやライティングにも対応できると、受注できる案件の幅が大きく広がるでしょう。コーディングの技術としては、レスポンシブへの対応を求められる案件がほとんどです。またクライアントとの意思疎通をスムーズに行えることも重要視されています。
2.2 PHP|WordPress、Laravelなど
企業のホームページをWordPressで作成する案件です。デザインと要件定義書がクライアントから提供され、レスポンシブに対応したコーディングを5ページ分行います。
デザインについては用意されている場合が多いですが、中にはデザインも求められる案件があります。
2.3 その他
LP開発やCMSを用いたサイト作成に比べれば少ないものの、Swift や Kotlin を用いたスマートフォンアプリ開発や、C#を用いたUnity開発の案件なども、数多く募集されています。
iPhone/Android向けスマートフォンゲームの開発を行う案件です。一本完成した時点で審査があり、長期依頼となる可能性があります。開発の範囲はプログラミングのみであり、キャラクターモデリングを行う必要はありません。
Unityでの開発経験があることや、モバイル開発の全ライフサイクルを理解していることなどを満たす場合、優遇されるようです。
3. プログラミング関連案件が多いクラウドソーシングサイトの例
プログラミング案件が豊富に登録されているクラウドソーシングサービスとして、次の3つが挙げられます。
それぞれの特徴を見て行きましょう。
3.1 クラウドワークス
出典:クラウドワークス
クラウドワークスとは、初期登録無料で誰でも利用を始めることができるクラウドソーシングサービスです。2022年現在の登録者数は480万人を超え、今でも順調に増加しています。案件を獲得して報酬が発生すると、そこから金額に応じて5~20%(税抜)のシステム利用料が差し引いて支払われる形式です。システム利用料の詳しいパーセンテージは、次のページでご確認ください。
▶ 参考:ワーカーシステム利用料|クラウドワークス
3.2 ランサーズ
出典:ランサーズ
ランサーズは、国内のオンライン仕事発注サービスとしては運営歴最長のクラウドソーシングサービスです。2020年4月~2021年3月の調査において、他サービスと比較し利用者ひとりあたりの受注額が2.5倍であると公式サイトで発表されているように、低単価の案件を戦略的に減らしているという特徴があります。
こちらも初期費用は無料であり、報酬から受注者側は16.5%、発注者側は5.5%のシステム利用料がかかります。
3.3 ココナラ
出典:ココナラ
ココナラは、ビジネスからちょっとした相談まで、個人のスキルを気軽に売買できるクラウドソーシングサービスです。クラウドワークスやランサーズとの大きな違いは、サービスの出品機能です。発注者側だけでなく、受注者側がサービスをパッケージ化して値段を付けて出品することが可能という特徴があります。
ココナラも初期費用は無料です。取引が発生すると、受注者側は契約金額の22%、発注者側は5.5%のシステム利用料がかかります。
4. クラウドソーシングのプログラミング関連案件の単価相場
クラウドソーシングのプログラミング案件には、実際には次のような単価の依頼が登録されています。
4.1 LP作成の場合|5万円~
LP作成の場合、デザインから初めてレスポンシブに対応したコーディング完了までが求められる案件が多く、契約金額のボリュームゾーンは5万円です。コーディングのみの案件であれば、1万円台から契約が成立しています。
LP作成ではコーディングの技術よりもデザインの技術が重視される傾向にあり、クライアントのイメージに合う実績やポートフォリオを提示することができれば、納期2週間の規模で20万円という案件もあります。ただしそういった案件には100件以上の応募が殺到することもあるため、受注を決めるためには実績を積む必要があります。
4.2 CMSの導入/カスタマイズなど|10万円~
報酬が固定額の場合、デザインなし、15ページ程度のコーディングのみで10万円くらいが相場です。時間単価制の場合、時給1000円から2000円程度の案件が中心です。デザイン関連のスキルもあり、導入までの全工程の実務経験がある方の場合、企業のホームページ制作を一手に行う50万円の案件を受注することも可能です。
4.3 高度な開発|5万円~
固定額で自動化ツールの開発などを単独で行う案件は、5万円~10万円程度が相場のボリュームゾーンです。対して、チームに参加して継続的な作業を行う場合は、月額50万円ほどの案件が多めです。その場合マネジメント経験などがあると、月額単価が80万円程度まで伸びるケースもあります。
5. プログラマーがクラウドソーシングで「稼ぎづらい」理由
プログラマーがクラウドソーシングで「稼ぎづらい」と感じる理由については、次の4つの要因が考えられます。もっと詳しく知りたい方は、ITエンジニア専門フリーランスエージェント「プロエンジニア」のキャリアアドバイザー、編集部員が担当する次の記事も参考にしてみてください。
5.1 下流工程の低単価案件が多い
単独で開発が完了する案件が多いため、どうしても下流工程である実装がメインになりがちです。
5.2 クラウドソーシングサイトの手数料が高い
前述の通り、クラウドソーシングサイトの手数料は20%以上です。そのため契約金額に対して実際に受け取る金額は少額になります。
5.3 長期案件が少なく単発が多い
基本的に単発で開発を請け負う案件が多いため、次の仕事に繋がりづらいという事情があります。
5.4 準委任契約の案件がほぼ存在しない
準委任契約は単価が高めで安定して収入を得られる案件が多い契約形態ですが、クラウドソーシングでは見つけることが困難です。
6. クラウドソーシングで案件を受注するために気を付けるべきこと
クラウドソーシングで良質な案件を受注するために気を付けておくべきことは、まず充実したポートフォリオを用意することです。特に実績の少ないうちは、自己PRのためのポートフォリオは必須です。また、こつこつと案件をこなしクライアントからの良い評価を積んでゆくことで、クライアントからの信頼感につながるでしょう。
7. まとめ|良質な案件を受注したい場合はエージェントも活用
良質な案件を継続して受注したいという場合には、フリーランス専門エージェントへの登録がおすすめです。例えばプロエンジニアなら、平均の月額単価は60万円から。実装だけでなく上流工程の経験を活かせる案件や、長期間の継続を見込んだ案件も多数登録されています。
プロエンジニアへの登録時間は1分程度です。すぐの案件申込や相談は希望しないという場合でも、メールで最新の案件情報だけ受け取っておきたいという方や、どんな非公開案件があるのか確認してみたいという方にもおすすめです。
プロエンジニアのバナーをクリックすると、次のような会員登録画面が表示されます。
まずSTEP1では、ご希望の内容と、氏名、生年月日、メールアドレス、電話番号を入力し「次へ」をクリックします。
次にSTEP2では、希望の職種を選択します。ほかの経験スキルや開始時期などについては、分かる範囲で記入してください。以上で、登録完了です。
副業としてではなく、本業のフリーランスエンジニアとして安定して案件を受注していきたいという方は、ぜひエージェントの利用も検討してみてくださいね。
ITエンジニア専門フリーランスエージェント「プロエンジニア」のキャリアアドバイザー、編集部員が担当する次の記事も参考にしてください。
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