目次
1.1 SIMロックがかかっている端末
1.2 SIMフリーの端末
4.1 ~20,000円のローコスト型おすすめ機種
4.2 20,000~50,000円のバランス型おすすめ機種
4.3 50,000円~のハイエンド型おすすめ機種
前回記事<<MVNOとはどんな仕組み?買い方から使い方まで、格安SIM入門>>ではMVNOの仕組みからSIMの基本の選び方までをご紹介しましたが、今回は対応する端末の入手方法についてご紹介したいと思います。
1. 格安SIMで使える通信端末はどう手に入れる?
格安SIMで使える端末は、大きく分けて2種類あります。
・SIMロックがかかっている端末
・SIMフリーの端末
1.1 SIMロックがかかっている端末
大手携帯キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)で購入したスマートフォンやタブレットは、そのほとんどにSIMロックがかかっています。SIMロックとは、端末を購入したキャリアのSIMでしか通信が行えないようにかけられたキャリア制限のことです。
ただし、ドコモの通信回線を借りているMVNOはドコモで、auの回線を借りているMVNOはauで、ソフトバンクの回線を借りているMVNOはソフトバンクで、それぞれ購入したスマートフォンをロックがかかったままでも使用することができるのです。
以下に各MVNOが、それぞれどのキャリアの通信回線を借用しているかをまとめてみました。
【MVNOとキャリア回線の対応表】
回線 | MVNO事業者 |
---|---|
ドコモ | BIGLOBE b-mobile DMMモバイル DTI SIM FREETEL GMO G-Phone IIJmio NifMo OCNモバイルOne U-mobile イオンモバイル ぷらら 楽天モバイル |
ドコモ、au | mineo |
au | UQモバイル |
2014年6月に満を持してau系MVNOが登場するまで、MVNOに回線を提供していたのはドコモのみでした。そのため圧倒的にドコモ系MVNOが多く、多彩なプランがあります。一方でauは数少ないですが、通信の質の良さに定評があるようです。
なお、2016年6月時点でソフトバンク系MVNOは存在していません。ワイモバイルはMVNOだと思われがちですが、借り物ではなく自社で通信網を持っている「MNO」です。 MVNOとMNOの違いについては、前回の記事<<まだまだ進化するMVNO格安SIM入門 - はじめて編>>をご覧ください。
1.2 SIMフリーの端末
以前は海外仕様の並行輸入品などをネットで購入することが主流でしたが、現在はかなりの種類の端末をMVNO事業者から購入することができるようになりました。
(注意:日本の技適を取得していない端末をネットワークにつなげると法律違反になりますので、海外仕様品を購入する際はお気を付け下さい)
家電量販店の店頭でも購入可能な場合があり、例えば全国のイオンではSIMカードとSIMフリースマホのセット販売が行われています。
2. キャリア別SIMロックの解除方法
手持ちのスマホに利用したい事業者と適合しないSIMロックがかかっていたとしても、まだ諦める必要はありません。一定の条件を満たしていれば、SIMロック解除を行ってSIMフリー化することが可能です。
例として、携帯キャリア大手3社のSIMロック解除の条件は次の通りです。
◆ドコモ
解除条件 ※2015年5月以降に発売されたもの |
---|
・契約者本人が購入した機種であること ・利用料金の支払実績が確認できること ・端末購入日から6か月以上経過していること(例外あり) ・ドコモを解約済の場合は、解約日から3か月以内であること |
●解除方法
My docomo | PC | 無料 | ※解約済の場合は利用不可 |
---|---|---|---|
docomoショップ | 店頭 | 3000円 | |
電話サポート | 電話 | 3000 |
ドコモの場合、2015年5月以前に発売されたものでもSIMロック解除が可能な機種が多数存在します。
対象機種は以下のサイトで確認可能です。
【SIMロック解除対応機種確認サイト】
https://www.nttdocomo.co.jp/support/procedure/simcard/unlock_dcm/201104/compatible_model/index.html
◆au
解除条件 ※2015年5月以降に発売されたもの |
---|
・機種購入日から180日以上経過している機種であること |
●解除方法
お客様サポートサイト | PC | 無料 | ※解約済の場合は利用不可 |
---|---|---|---|
auショップ | 店頭 | 3000円 |
auには、端末の製造番号(IMEI)を入力すると、SIMロック解除の可否を判定できるサイトが用意されています。
【SIMロック解除の可否判定サイト】
https://au-cs0.kddi.com/au-support/sui/SUI001W001/SUI0010001BL.do
◆ソフトバンク
解除条件 |
---|
・端末購入日から180日経過していること(181日目以降に解除可能) ・解約済の場合は、解約日から90日以内であること ・解約済み機種のSIMロック解除の手続きは契約していた本人のみ可能 |
●解除方法
My Softbank | PC | 無料 | ※解約済の場合は利用不可 |
---|---|---|---|
My Softbank | スマートフォン | 無料 | ※解約済の場合は利用不可 |
Softbankショップ | 店頭 | 3000円 |
My Softbankからの手続きは無料ですが、解除後に利用予定のSIMカードを用意しておく必要があります。
3. 2台持ち等で、中古や型落ちもでいい!という方は
メインは従来型携帯電話だけどちょっと使ってみたいという方へ、中古端末を手に入れるという方法があります。
一番手軽な方法は、家族や友人から古い端末を譲り受けるという方法です。壊れていないけど2年しばりが終わったから機種変更して使わなくなった端末などがあればめっけものです。初期費用が3000円程度かかりますが、月額数百円からデータ通信端末としてお試し運用ができます。
他には家電等の中古品を扱っている店舗の店頭や通販、オークションなどで購入する方法がありますが、注意する必要があるのは「赤ロム」と呼ばれる「ネットワーク利用制限」や「おまかせロック」がかかった端末です。
ネットワーク利用制限は、割賦販売で購入した端末の支払いが滞った端末などに。おまかせロックは、紛失や盗難にあった端末などに。それぞれ遠隔操作でネットワークに接続できないようロックをかける措置です。この措置を受けた端末は、MVNOでも使用することはできません。
以下のウェブサイトで端末の製造番号(IMEI)を入力すると、ネットワーク利用制限の状況をチェックすることができます。
・ドコモ
http://nw-restriction.nttdocomo.co.jp/top.php
・au https://au-cs0.kddi.com/FtHome
・ソフトバンク https://ct11.my.softbank.jp/WBF/icv
これらのサイトで「○」になっているものは、「代金を一括払いで購入した端末」か「分割払いで支払が完了している端末」です。「△」になっているものは分割払いの支払いがまだ残っており、「×」のものはネットワーク利用制限がかかっている端末です。
「×」のものは言わずもがなですが、「△」のものも元の持ち主が支払い続けてくれるとは限らないため、避けることが賢明です。また購入時には「○」になっていても未届けの盗品だったなどの理由で、後から「×」に変わる可能性はぬぐいきれません。
中古ショップの中には、「赤ロム保証」としてネットワーク利用制限が「×」になった際には返品や交換等の対応を行っているお店もありますが、慣れないうちは信頼できる知人や家族からゆずってもらったり、新品の端末を自分で購入することがおすすめです。
4. 【予算別】国内で新品が手に入るSIMフリー端末
2016年秋時点で新品が購入可能なSIMフリー端末について、予算別にまとめました。
4.1 ~20,000円のローコスト型おすすめ機種
◆FREETEL Priori3 LTE
(公式価格:12,800円)
とにかく安く購入して試してみたい方へ。1万円台前半から購入可能です。
FREETELはプラスワン・マーケティング株式会社という日本のベンチャー企業が運営しており、Made by Japanをうたっています。(ただしMade in~ではなく、端末本体は海外製です)同社は本体だけではなく格安SIMも販売しており、家電量販店などで見かけたことのある方もいるのではないでしょうか。
スマホとは思えない驚きの安さですが、スペックはお値段相応となっています。あくまでも試しに使ってみたい場合にご利用下さい。
カラー | ブラック/ホワイト/ヌーディーベージュ/ ビビットオレンジ/ルビーレッド/ミントブルー |
---|---|
サイズ | 高さ:132mm/幅:65mm/厚さ:8.9mm |
重量 | 約120g |
OS | Android5.1 |
ディスプレイ | サイズ:4.5inch 解像度:854×480 |
CPU | MT6735M 1.0GHz 64bit(クアッドコア) |
ストレージ容量 | 8GB |
カメラ | メイン :800万画素 サブ :200万画素 |
バッテリー | 容量 :2,100mAh 取り外し:可 |
連続通話時間 | 約650分 |
連続待受時間 | 約216時間 |
対応SIM | 標準/micro |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n (2.4/5GHz) |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 LE |
NFC | × |
テザリング | Wi-Fi/Bluetooth/USB |
センサー | 加速度センサー/近接センサー/光センサー/e-compass |
4.2 20,000~50,000円のバランス型おすすめ機種
◆Apple iPhone SE 16GB
(公式価格:49,800円)
この価格帯では少し高価な部類に入りますが、iPhone 7の発表により廉価モデルSEの16GB版が5万円を切りました。格安スマホといえばAndroidが主流ですが、iOSが気になっている方には少し予算を上げてでも入手することがおすすめです。
カラー | シルバー/ゴールド/スペースグレイ/ローズゴールド |
---|---|
サイズ | 高さ:123.8mm/幅:58.6mm/厚さ:7.6mm |
重量 | 113g |
OS | iOS 10 |
ディスプレイ | サイズ:4.0inch 解像度:1136×640 |
チップ | 64ビットアーキテクチャ搭載A9チップ 組み込み型M9モーションコプロセッサ |
ストレージ容量 | 16GB |
カメラ | メイン:1200万画素 サブ:120万画素 |
連続通話時間 | 3Gで最大14時間 |
連続待受時間 | 最大10日間 |
対応SIM | nano-SIM |
Wi-Fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 4.2 |
NFC | ○ |
テザリング | Wi-Fi/Bluetooth/USB |
センサー | 3軸ジャイロ/加速度センサー/近接センサー/環境光センサー |
4.3 50,000円~のハイエンド型おすすめ機種
◆Google Nexus 6P 32GB
(公式価格:74,800円)
2015年秋の発売で少し古く感じますが、発売元がOSの開発元であるGoogleであるNexusシリーズはやはり抜群の安定感です。5.7インチとスマートフォンとしてはかなり大きめですが、薄さで持ちやすさをカバーしています。
カラー | アルミニウム/グラファイト |
---|---|
サイズ | 高さ:159.3mm/幅:77.8mm/厚さ:7.3mm |
重量 | 178g |
OS | Android 6.0 |
ディスプレイ | サイズ:5.7inch 解像度:2560×1440 |
CPU | MSM8994 2.0GHz + 1.5GHz(オクタコア) |
ストレージ容量 | 32GB |
カメラ | メイン:1230万画素 サブ:800万画素 |
連続通話時間 | 4G LTE:約1200分/3G:約 1380分/GSM:約 1200分 |
連続待受時間 | 4G LTE:約400時間/4G:約 440時間/3G:約 500時間/GSM:約 450時間 |
対応SIM | nano-SIM |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 4.2 |
NFC | ○ |
テザリング | Wi-Fi/Bluetooth/USB |
センサー | 指紋センサー/Android センサーハブ/加速度計/気圧計 近接センサー/周囲光センサー/ホールセンサー/ジャイロスコープ |
なお、国産メーカーのSIMフリー対応端末も販売されていますが、実はキャリア販売版と微妙にスペックが違っている(対応バンドなど)ことがあります。筆者個人の見解ですが、MVNO初めての方が国産メーカー機種を使用したい場合は、SIMフリー版を買うより何らかの形でドコモ版を入手する方がおすすめです。
このように格安SIMに対応している通信端末の入手方法はたくさんありますが、特に初めて使う方は用途により次の方法がおすすめです。
・メインとして使い、機種にはこだわらない → MVNOが販売しているSIMフリー端末
・メインとして使い、希望の機種がある → 今までのキャリアで購入しSIMフリー化を待つ
・サブ機として、お試しで使う → おさがりの端末をもらう
次回はMVNO事業者各社が2016年現在提供している主要なプランをご紹介したいと思いますので、興味を持たれた方はそちらもご覧になってみて下さいね。