履歴書や職務経歴書におけるフリーランスとしての実績や期間、スキル、志望動機はどのように表現することが望ましいのでしょうか。本記事ではフリーランス経験がある人が履歴書の書き方について知っておきたい基本的な内容を解説していきたいと思います。
目次
1.フリーランス期間は即戦力をPRできる有効な情報
「書き方が分からないから書かない」「フリーランスの期間ってマイナスなのでは?」と考えてフリーランス期間を履歴書に書かなかった場合、個人事業主やフリーランスで働いてきた期間が空白期間として見られてしまうのはマイナスになってしまいます。面接を行なう企業が知りたいのは、会社勤めなのかフリーランスなのかということではなく、どんな経験やスキルを保有しているかです。フリーランスは明確なスキルと責任力、仕事力、コミュニケーション力などが求められます。よって、履歴書にフリーランスの実績を記載することは、即戦力があることを示すことになり、非常に有効な情報です。このようなことからもフリーランスとして働いた期間は履歴書に書くことを是非おすすめします。
【フリーランス期間を履歴書に書くべき理由】
・フリーランスの経験、期間は即戦力があることのアピールポイントになる。
・フリーランス期間を記載しないと空白期間と見なされマイナスとなることも。
・企業が知りたいのはどんな経験やスキルを保有しているかということ。
・最近はフリーランスという働き方にマイナスイメージは持つ人は少ない。
2.フリーランスでも履歴書が必要な場合
フリーランスは個別契約だから履歴書が必要ないと考える方もいるかもしれませんが、以下のような場合はフリーランスでも履歴書が必要になることがあります。
2.1 正社員やアルバイトなどに転職する場合
フリーランスから正社員やアルバイトに転職、兼業するような場合、一般的な就職活動同様に履歴書が必要になります。企業は履歴書以外にも職務経歴書を重視することもあります。
2.3 エージェントサービスを利用する場合
エージェントなど、一度の応募で長期的な雇用が保証されるサービスの場合、正社員と同様に履歴書が重視されることがありますので、多少時間をかけてでも職務経歴書を用意するというのも有効な手立てになるでしょう。
3.【タイプ別】フリーランス期間の履歴書の書き方
フリーランス期間は一般的に履歴書にかかれる職歴とは違う部分がありますので、書き方について悩む人も多くいるでしょう。そこで、フリーランスのタイプ別に履歴書の書き方について案内したいと思います。
3.1開業届を提出していたフリーランスの場合
税務署に開業届を出していた人は、職歴欄に開業日を記載します。フリーランスは法的には「個人事業主」ですので、「個人事業主として開業」と明記します。屋号もある場合はその場合は事務所や店舗の名前を明記し、どの仕事に従事してきたかを時系列順に記入しましょう。活動を辞めた場合の表現は「廃業」となります。
【開業届を提出していたフリーランスの履歴書記入方法】
平成22年 5月 個人事業主として開業(「屋号○○」)
Webディレクター、デザイナーとして従事
平成28年 8月 一身上の理由により廃業
3.2 開業届を提出していなかったフリーランスの場合
開業届を出していない方は「開業」ではなく「活動」や「従事」と記入します。実際に仕事を受注し始めた時期を記入することが一般的です。活動を辞めた(廃業した)場合は「活動停止」という表現になります。
【開業届を提出していなかったフリーランスの履歴書記入方法】
平成22年 5月 個人事業主として活動
Webディレクター、デザイナーとして従事
平成28年 8月 一身上の理由により活動停止
3.3 クラウドソーシングを利用していたフリーランスの場合
クラウドソーシングのサイト名、登録期間、案件名や案件数などを職歴に記入しましょう。活動履歴を明記する場合は、「登録」「退会」と表現すると良いでしょう。
【クラウドソーシングを利用していたフリーランスの履歴書記入方法】
平成22年 5月 個人事業主としてクラウドソーシング〇〇に登録
株式会社〇〇の案件を約○件受注(仕事内容:Webディレクター、デザイナー)
平成28年 8月 クラウドソーシング〇〇を退会
平成28年 8月 一身上の理由により活動停止
3.4 クライアントから案件を受注し、社名を明かせる場合・明かせない場合
クライアントから仕事を請け負った場合、社名を書いた方が信用度が上がりますが守秘義務で社名を書けない場合は「某●●業界の◯◯業務に従事」など履歴書には簡単な仕事内容を明記します。どちらの場合も詳しい業務内容は履歴書でなく職務経歴書に記載すると良いでしょう。
【社名を明かせる場合】
平成22年5月 個人事業主として○○○株式会社の案件を請け負う
【社名を明かせない場合】
平成22年5月 個人事業主として某人材会社のWebディレクター業務に従事
4.フリーランスの志望動機の書き方のコツ
履歴書の志望動機は採用側にとって非常に重要な項目です。それぞれの採用先に求められることを見極め、自分自身の志望動機が明確に伝わるように履歴書に書く必要があります。ご自身の志望動機に不安がある方には、プロの力を借りながら魅力的な志望動機を作り上げられることが出来る転職エージェントを利用することもおすすめです。
・転職エージェントに履歴書・志望動機の書き方をアドバイスしてもらう
4.1 企業へ転職する場合
会社勤めから個人事業主やフリーランスに転身するのが一般的ですが、その逆となる、「なぜフリーランスから企業への転職を決めたのか」は企業が知りたいポイントの1つです。企業への転職を希望する内容がネガティブにならない内容にしましょう。また、採用者が転職者に求める一番の志望動機は「どうしてうちの会社に応募したのか」です。書籍やネットにあるような例文を囲繞するのではなく、オリジナリティを活かした志望理由を伝えられるようにしましょう。
【企業へ転職する場合の志望動機のポイント】
・収入や生活の安定を志望動機として書かない。
・自営やフリーランスではできないことが企業では実現できるという事を志望動機のベースにする。
・どこの会社にも当てはまる一般的な志望動機ではなく、この企業だからこそできることを志望動機として書く。
4.2 案件受注・業務請負の場合
新たな仕事を受注する場合の志望動機は、仕事を貰うクライアントと自分のスキルがマッチすることで、どのような成果をあげられるのか具体的にアピールすることが大切です。これをアピールすることができれば、クライアントの目を引くことができるでしょう。
【案件受注・業務請負の場合の志望動機のポイント】
・自身のスキルが直接案件に対してメリットとなる点をアピールする。
・具体的な数字や実績を分かりやすく記載する。
・過剰に書きすぎてしまうと信用性を失うことになる恐れもあるので避ける。
5.フリーランスにおすすめの履歴書フォーマット
転職活動に必要な履歴書や職務経歴書をインターネット上からダウンロードして利用できます。転職hacksのサイトでは経歴に自信のある人、ない人に分けてテンプレートを公開しています。リクナビNEXTの「かんたん作成」機能を使えば、Webで入力した内容で履歴書と職務経歴書が自動作成できます。これまでの経験を振り返ってアピールしやすいものを使ってみてはいかがでしょうか。
・【転職Hacks】 経歴に自信のある人、ない人別履歴書テンプレートの無料ダウンロード
6.まとめ
フリーランスとして働いてきた実績は、会社の後ろ盾なく自身のスキル1本で生きてきた即戦力の証です。それは応募した会社でも即戦力になる可能性を多分に秘めています。つまり、フリーランス経験は履歴書では有効なアピールポイントにもなるということ。現役フリーランスの方は、プロジェクトが終了したらその都度「自分はこの業務でどのような経験をしたのか」「どのようなスキルを使って何を提供できたのか」など、業務詳細を普段から記録としてまとめておくと良いかもしれません。本記事を参考にしていただきフリーランスとしての経験を履歴書で積極的にアピールしてみませんか。
履歴書で重要な志望動機の書き方については弊社が運営する「プログラマカレッジ(無料プログラミングスクール)」の講師やキャリアアドバイザー、編集部員が担当する以下の記事でも解説しています。
■ 【例文あり・未経験者向け】ITエンジニアの志望動機の書き方を解説|プログラマカレッジ