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AWSの資格って?資格の種類・難易度について解説します
公開日:2019年08月09日 最終更新日:2021年01月26日
アマゾン社のクラウドサービスAWS(Amazon Web Services)が提供するAWS認定資格は全11種類。
レベル別、役割別、専門分野別に用意されています。AWS認定資格は、試験対策や資格取得をすることにより、必要なAWSの知識やスキルを効率よく学べるということで関心度も人気も高まっています。
また、AWSサービスを体系的に理解できるため、幅広いサービスの全容を把握しづらいという問題も解消できるでしょう。本記事では、全11種類のAWS認定資格の概要と難易度などを解説します。それぞれの特徴をおさえてどの資格にチャレンジするかなど参考にしていただければと思います。
1. AWS認定資格とは?
参照元:AWS認定
AWS認定資格は、AWSを利用したクラウドの専門知識を証明する資格です。
2019年12月現在、全11種類の資格が提供されており、それぞれレベル別、役割別、専門知識別にわかれています。
◆ AWS認定資格への注目度高まる
2019年、AWS認定資格は注目を集め、取得を目指す人も増え、人気が急上昇しました。
その背景には、AWSを導入する企業が増加し、AWS関連知識やスキルの必要性が急速に高まった状況があります。
AWS認定は、試験対策によりAWSを効率よく学び理解でき、資格取得により関連知識や技術を証明できる、そんなメリットによりさらに注目されるようになりました。
◆ 実践で役立つ資格
AWS認定資格は、資格取得をすることで、実際の業務にすぐ役立てる知識やスキルを体得できます。
また、現在はAWSの業務に携わっていない人も、社内においても対外的にもスキルの証明になるので今後のキャリアにもつなげていくことができるでしょう。2. AWS認定資格にはどんなものがある?
参照元:AWS認定資格一覧
2.1 レベルは3種類
専門知識(5分野)以外のAWS認定資格は、設計者、運用担当、開発者などの役割別に、以下3種類のレベルに分けられます。
◆ 基礎レベル
レベルの目安としては、半年程の基礎的なAWS経験とクラウド業界の知識を持つ人になりますが、AWSにこれから取り組もうという業務未経験者も基礎レベルに該当します。【AWS認定】
・クラウドプラクティショナー(Cloud Practitioner)
◆ アソシエイトレベル
レベルの目安としては、1年程のAWS利用によるクラウド構築などの経験になりますが、AWS業務未経験者であっても、AWSの主要サービスの概要やクラウドの一般的知識などがある人であればこのレベルに該当します。【AWS認定】
・ソリューションアーキテクト(Solutions Architect associate) / 設計者向け
・SysOpsアドミニストレーター(SysOps Administrator) / 運用担当者向け
・デベロッパー(Developer)/ 開発者向け
◆ プロフェッショナルレベル
レベルの目安としては、2年程のAWSを利用したソリューション設計、運用、トラブルシューティングなどの経験者。【AWS認定】
・ソリューションアーキテクト(Solutions Architect professional)/ 設計者向け
・DevOpsエンジニア(DevOps Engineer)/ 運用担当者・開発者向け2.2 専門知識が問われる5種類の専門分野
【AWS認定】
・セキュリティ(Security)
・ビッグデータ(Big Data)
・高度なネットワーキング(Advanced Networking)
・Alexa スキルビルダー(Alexa Skill Builder)
・機械学習(Machine Learning)3. AWS認定・基礎レベルの概要と難易度
3.1 クラウドプラクティショナー
AWS 認定クラウドプラクティショナーは、AWS認定の中では基礎・入門レベルの資格です。
試験では「クラウドの概念」「セキュリティ」「テクノロジー」「請求と料金」の4つのテーマについて問われます。クラウドの概念を含んだ、AWSの主要サービスに関するテクノロジー、セキュリティなど、AWSに関する基礎的知識のスキルを証明できます。
◆ 難易度
クラウドやAWSにこれから取り組もう、もしくはあまり詳しくないという人でも、AWS公式サイトが提供している各種テキストや書籍などを利用して試験対策をすれば合格可能です。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間・問題数 90分・65問 受験料 11,000円(税別) 合格点 700~(1000点満点) 試験言語 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字) 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-cloud-practitioner/
AWS 認定クラウドプラクティショナーについては以下の記事もご参照ください。
4. AWS認定・アソシエイトレベルの概要と難易度
4.1 ソリューションアーキテクト-アソシエイト
AWS 認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトは、主に設計者向けであり、クラウドプラクティショナーの上位となる中級レベルの資格です。
試験では、AWSサービスの特徴に加え、AWS Well-Architected Framework が提唱している、システムを設計・構築・運用する上での5つの原則とベストプラクティス(AWSの最適な活用法)などに沿った問題が出題されます。
AWSのサービスを利用した効率のよいクラウド環境の設計や構築または提案ができることを証明できます。
◆ 難易度
ネットワークやクラウドの基礎知識や経験、主要なAWSサービスについて理解が必要であり、AWSの実務が未経験であっても資格取得は可能です。
逆にいえば、それらの理解がない人は厳しいため、まずクラウドプラクティショナーの取得をしてからチャレンジするといいでしょう。
また、アソシエイトレベルの中では最も広範な知識が求められます。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間・問題数 130分・65問 受験料 15,000円(税別) 合格点 720~(1000点満点) 試験言語 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字) 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-associate/
AWS 認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトについては以下の記事もご参照ください。
4.2 SysOpsアドミニストレーター
AWS 認定SysOpsアドミニストレーターは、主に運用担当者向けであり、クラウドプラクティショナーの上位となる中級レベルの資格です。
高い可用性や障害に強いシステムの開発・管理・運用を行うために、どのようなAWSのサービスや技術を用いるかについて問われます。
出題分野には、モニタリング・高可用性・分析・デプロイ・データ管理・セキュリティ・ネットワーキングなどがあります。AWS上での運用をメインとしたセキュリティ、ネットワークなどのスキルの証明になります。
◆ 難易度
ソリューションアーキテクト-アソシエイト(SAA)でAWSの全体的な知識を習得してからチャレンジする方が難易度が下がるかもしれません。
SAAと試験範囲がかぶる部分も多くありますが、より運用に重点が置かれており、可用性、モニタリング、セキュリティ、自動化などについてもより強化的に学んでおくとよいでしょう。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間 130分 受験料 15,000円(税別) 合格ライン 720~(1000点満点) 試験言語 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字) 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-sysops-admin-associate/ 4.3 デベロッパー
AWS 認定デベロッパーは、主に開発者向けであり、クラウドプラクティショナーの上位となる中級レベルの資格です。
試験では、拡張性やコストについて考慮されたシステム構築を行うにあたり、どのような手法やサービスを用いて実装するかなどについて問われます。
出題分野には、AWSサービスを用いた開発をメインに、セキュリティ、リファクタリング、モニタリングやトラブルシューティングなどがあります。AWSのサービスを利用したアプリケーション開発や保守のスキルの証明になります。
◆ 難易度
AWSの主要サービス、サーバレスアーキテクチャをはじめ、クラウドベースのデプロイツール、デバッグなどについての理解が必要です。
同じアソシエイトレベルであれば、ソリューションアーキテクト-アソシエイトよりも試験範囲は絞られています。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間・問題数 130分・65問 受験料 15,000円(税別) 合格点 720~(1000点満点) 試験言語 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字) 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-developer-associate/ 5. AWS認定・プロフェッショナルレベルの概要と難易度
5.1 ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル
AWS 認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル(SAP)は主に設計者向けであり、ソリューションアーキテクト-アソシエイトの上位となる上級レベルの資格です。
試験では、動的なスケーラビリティ、高可用性、フォールトトレランス、信頼性を備えたアプリケーションの設計およびデプロイなどの知識とスキル、そして要件にもとづくAWSサービスの選択などが問われます。AWS上での分散アプリケーションおよびシステム設計における高度なスキルと専門知識を証明できます。
◆ 難易度
AWS認定の中でも最も難しいとも言われています。
圧倒的な試験問題のボリュームに加え、試験範囲がとにかく広範であること、選択肢から複数のベストプラクティスを導き出す必要があり文章を読み解くスキルが必要です。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間・問題数 170分・75問 受験料 30,000円(税別) 合格ライン 75% 試験言語 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字) 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-professional/ 5.2 DevOpsエンジニア
AWS 認定DevOpsエンジニアは、主に運用担当や開発者向けの上級レベルの資格です。
試験では、問題文でユースケースと要件が提示され、それに対するソリューションを選ぶような問題が多くみられます。AWS上でDevOpsの手法を用い、高い可用性や自己修復機能を備えたシステムを実装できるスキルの証明になります。
◆ 難易度
SAP同様、試験問題のボリュームも多く、試験範囲も広範なため難易度は高い方です。
複数言語の開発経験、自動化されたインフラ構築経験、オペレーティングシステムの管理経験などがあれば取り組みやすい資格でもあります。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間・問題数 170分・80問 受験料 30,000円(税別) 合格ライン 75% 試験言語 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字) 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-devops-engineer-professional/ 6. AWS認定・専門知識の概要と難易度
6.1 セキュリティ(Security)
AWS 認定セキュリティ-専門知識はAWS上でのセキュリティに関する専門知識を証明する資格です。
試験では、ユーザーアクセスと暗号化キーの管理、パフォーマンスとセキュリティの最適化などをはじめとした、セキュリティ関連のAWSサービスについての理解が求められます。セキュリティのベストプラクティスも知っておいた方がよいでしょう。
◆ 難易度
セキュリティ分野での実装や設計の経験などが豊富であれば取り組みやすいと思います。 AWS上でのセキュリティ強化のための知識や技術を把握することで合格につながるでしょう。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間 170分 受験料 30,000円(税別) 合格ライン 750~(1000点満点) 試験言語 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字) 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-security-specialty/ 6.2 ビッグデータ(BigData)
AWS 認定ビッグデータ-専門知識は、AWSのビッグデータ関連サービスを使用した複雑なデータ分析を実行するためのスキルと専門知識を証明する資格です。
データ収集・格納・処理・分析・可視化・セキュリティなど、ビッグデータの扱いに関して問われます。※ 現在の「AWS認定ビッグデータ-専門知識」は、新しいバージョンとして「AWS認定データ分析–専門知識」という名称に変更。2020年4月より利用可能となるようです。
◆ 難易度
データ分析分野の実務経験、ビッグデータ関連知識、アーキテクチャ設計などの経験があれば取り組みやすいと思います。
ビッグデータ関連のAWSサービスを理解するのは難しいとも言われていますのでしっかり内容を把握しておく必要がありそうです。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間・問題数 170分・65問 受験料 30,000円(税別) 合格ライン 750~(1000点満点) 試験言語 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字) 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-big-data-specialty/ 6.3 高度なネットワーキング(Advanced Networking)
AWS 認定 高度なネットワーキング-専門知識は、AWSや大規模なハイブリッドITアーキテクチャの設計および実装における技術的な専門知識を証明する資格です。
試験では、AWSネットワークの設計と実装、 アプリケーションサービスとネットワークの連携、セキュリティとコンプライアンスの設計と実装などについて問われます。
◆ 難易度
ネットワークのアーキテクチャの設計や実装の実務経験が豊富であれば取り組みやすいと思います。
試験では複雑なネットワーク処理を扱うのでネットワーク技術に関する知見が少なければかなり難しく感じるでしょう。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間・問題数 170分・65問 受験料 30,000円(税別) 合格ライン 750~(1000点満点) 試験言語 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字) 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-advanced-networking-specialty/ 6.4 Alexaスキルビルダー(Alexa Skill Builder)
AWS 認定スキルビルダーは、Amazon Alexaのスキルを構築、テスト、公開に関する技術を証明する資格です。
カスタムスキルの概要について理解し、AWSサービスではAWS Lambda、AWS S3、AWS DynamoDbなどについて学んでおきましょう。
◆ 難易度
AWS認定の専門知識の中では比較的難易度が低めであると言われています。
Amazon Alexaに関する知識やAlexa Skills Kit を使用したAlexaスキルを構築した経験があればかなり取り組みやすいと思います。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間 170分 受験料 30,000円(税別) 合格ライン 750~(1000点満点) 試験言語 英語、日本語 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-alexa-skill-builder-specialty/ 6.5 機械学習(Machine Learning)
AWS 認定 機械学習-専門知識は、AWSを利用して、ビジネス上の問題に対する機械学習ソリューションを設計、実装、デプロイ、維持する能力を証明する資格です。
試験ではAmazon SageMaker、AWS Glue、AWS Lexなどの機械学習関連やデータ関連のAWSサービスをはじめ、一般的な機械学習に関する知識についても問われます。
◆ 難易度
機械学習・ディープラーニングなどの開発・設計・実行経験などがあれば取り組みやすいと思います。
機械学習は新しい分野の技術であり、今後もAWSの関連サービスをはじめ、試験問題の内容もアップデートされることが予想され、難易度も都度変わることが考えられます。◆ 試験概要
回答形式 択一選択問題、複数選択問題 試験時間 170分 受験料 30,000円(税別) 合格ライン 750~(1000点満点) 試験言語 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字) 公式サイト https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-machine-learning-specialty/ 7. まとめ
上記に挙げたように、AWS認定資格は、基礎レベルから専門知識に至るまで幅広く用意されています。
各種AWS認定試験の試験対策をすることで、AWSを効率よく体系的に理解しながら各分野の技術スキルを身につけたり、資格取得によって、AWSスキルを証明することでよりよいチーム作りの構築に活かすなど実際の業務に役立ちます。
目的やレベルに応じて、取得を目指してみてはいかがでしょうか。
なお、どの試験についてもいえることですが、AWS認定試験は内容変更や新規資格の追加など、アップデートされることがあります。
各試験の出題傾向や試験範囲などは、事前に公式サイトの各種ドキュメントやサンプル問題・模擬試験などでチェックするようにしましょう。
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