「スマホアプリ開発で必要な言語やフレームワークがわからない」「スマホアプリ開発の手順が知りたい」「iOSアプリ、Androidアプリを開発したい」と悩んでいませんか。
そこで今回は、
• スマホアプリとは
• スマホアプリ開発の手順・必要なもの
• スマホアプリ開発に使う主な言語・フレームワーク・IDE
という流れで、スマホアプリ開発の方法について解説します。
スマホアプリ開発関連のおすすめ資格や求人動向も紹介しています。「スマホアプリ開発について詳しく知りたい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
1. スマホアプリとは
スマホアプリとは、スマートフォンで動作するように設計されたアプリケーションソフトウェアです。
アプリケーションソフトウェアは、目的にあった作業をする応用ソフトウェアのこと。OS上にインストールして使用します。
1.1 国内で開発された代表的なスマホアプリ
国内で開発された代表的なスマホアプリとして、「GO」があります。
GOは、全国対応のタクシー配車アプリの「JapanTaxi」と「MOV」を1つに統合したアプリです。GPS機能を利用して、乗車したい場所の近くを走行しているタクシーを簡単に呼び出せます。
また呼び出せるだけでなく、乗車位置を細かく指定することも可能です。予約すると到着時刻も表示されるので、スムーズに乗車できます。
1.2 個人開発の代表的なスマホアプリ
個人開発の代表的なスマホアプリとして、「文字数カウントメモ」があります。
文字数カウントメモは、「文字数をカウントすること」に主軸を置いたアプリです。TAKASHI ISHIGAKIさんによって開発されました。
130万ダウンロードを突破し、ストア内では4.8と高い評価を得ています。幅広い機能をカスタマイズでき、あらゆるシーンで使いやすいことが人気の理由です。
2. スマホアプリ開発の手順・必要なもの
それでは、スマホアプリ開発の手順と必要なものについて見ていきましょう。
はじめにスマホアプリ開発のおおまかな流れをおさえることで、やるべきことがイメージしやすくなります。
2.1 アイデア
スマホアプリ開発では、最初に開発したいもののアイデアをまとめることが大切です。しっかりとアイデアを整理しましょう。
初心者の場合は、シンプルなメモアプリやタスク管理アプリなどがおすすめです。複雑すぎないアイデアにすることで、開発のハードルを低くできます。
ゴールが明確でなければ、必要なことが定まりません。アイデアはできるだけ具体的にしておきましょう。
2.1.1 仕様書をまとめる
仕様書とは、アプリを開発する際に満たすべき条件や内容を明確化した書類です。
スマホアプリの開発における仕様書では、
• スマホアプリの目的
• ユーザーに提供したい価値
• OS(iOSアプリか、Androidアプリか、ハイブリッドアプリか)
• 必要な機能
などをまとめます。
また、スマホアプリ画面のイメージや画面遷移などは、ワイヤーフレームと呼ばれる設計図を作成しておくと便利です。
ワイヤーフレームは、Webページのレイアウトの設計図を意味します。ページのどこになにを配置するのかが一目でわかる図です。ページの完成イメージを視覚的に確認できるため、制作をスムーズに進めるために役立ちます。
2.2 環境構築
スマホアプリのアイデアが明確になったら、仕様書をもとにプログラムを構築します。プログラミング言語を使ってコードを書くための環境構築を始めましょう。
スマホアプリを開発するには、開発言語ごとに次のような開発環境が必要です。
iPhoneアプリ | Androidアプリ | |
---|---|---|
主なプログラミング言語(開発言語) | Swift、Objective-C、Java | Java、Kotlin、C# |
必要な開発環境 | Xcode | Android Studio |
開発したいアプリに応じて、開発環境を構築します。
2.3 コーディング
環境構築ができれば、いよいよコーディングです。開発環境上でプログラミング言語を使ってコードを書いていきます。
仕様書やワイヤーフレームをもとにコーディングをおこないましょう。コーディングでは、必要な機能を実現するためにプログラムの処理を組み合わせていきます。
もし、必要な機能から具体的な処理をイメージしにくい場合は、詳細設計をするのがおすすめです。詳細設計は、アプリの機能などをひとつひとつの処理ごとに分割して、各プログラムの動作を定義する工程になります。
たとえば、タスク管理アプリを例に考えてみましょう。タスクを登録するには、以下のような処理があるはずです。
1. タスク管理フォームに入力された値をチェックする
2. 値が問題なければ、データを登録する
3. 画面を更新して、登録されたデータを表示する
このようなプログラムの処理を組み合わせることで、タスク登録の機能が実現できます。この処理を具体的に考えることが詳細設計です。
詳細設計をしておけば、「タスク登録機能を作る」だけ考えて作り始めるよりも、作りやすいのではないでしょうか。
2.4 リリース
コーディングが完了してスマホアプリを開発できたら、テストをしたのちにアプリストアにリリースします。
iPhoneアプリは「App Store」、Androidアプリは「Google Play」に登録しましょう。
登録の手続きをすると、アプリストアからの承認を待つ必要があります。場合によっては承認までに時間がかかることや、承認が通らず戻ってくることがあるため、すぐにリリースできないことに注意してください。
アプリストアの承認が通れば、リリース完了です。誰でもそのアプリをインストールして利用できます。
3. スマホアプリ開発に使う主な言語・フレームワーク・IDE
スマホアプリ開発では、iPhoneアプリとAndroidアプリのどちらを選ぶかで必要な言語やフレームワーク、IDE(統合開発環境)などが変わります。
■ フレームワーク
開発に必要な一連の処理がまとめられたツール。開発をスムーズにできるようにする枠組み
■ IDE(統合開発環境)
開発に必要なソフトウェア(テキストエディタ、コンパイラ、デバッガなど)を統合してひとつの画面で操作できるようにしたもの。
iPhoneアプリ開発とAndroidアプリ開発、それぞれについて見ていきましょう。
3.1 iPhoneアプリ開発の場合
iPhoneアプリ開発で使用する主な言語・フレームワーク・IDEをご紹介します。
iPhoneアプリ開発では、Swiftが主流です。
Swiftが登場する以前には、Objective-Cが使われていました。開発したいアプリによっては、現在でもObjective-Cを使用することがあるので覚えておきましょう。
3.1.1 Swift
Swiftは、iOSで使えるアプリケーション開発のためにApple社が作った言語です。
Objective-Cとの相互運用性もあり、iOSアプリ開発言語として利用が広がっています。
言語の概要 | macOS、iOS、watchOS、tvOSのためのプログラミング言語です。簡単で直感的にコードが書けて、軽快に動作します |
---|---|
最新バージョン
(2021年11月時点) |
Swift 5.4 |
公式URL | https://developer.apple.com/jp/swift/ |
対応している主なスマホアプリ開発向けIDE | Xcode |
対応している主なフレームワーク | SwiftUI |
XcodeはSwiftの開発環境です。Mac App Storeの「開発ツール」カテゴリから無料でダウンロードして利用できます。
SwiftUIは、Swiftを利用してすべてのAppleプラットフォーム向けアプリを構築できるフレームワークです。iOSアプリを効率的に開発するのに役立ちます。
3.2 Androidアプリ開発の場合
Androidアプリ開発で使用する主な言語・フレームワーク・IDEをご紹介します。
Androidアプリ開発では、次の2つの言語が主流です。
• Java
• Kotlin
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3.2.1 Java
Javaは、世界中の基幹システム開発に採用されている言語です。優れた汎用性からあらゆる開発で用いられています。
Android自体がJavaで動作していることから、Androidアプリ開発でも積極的に採用されています。
言語の概要 | OSに依存せず、あらゆるプラットフォームで動作するプログラミング言語です。処理速度が速く、オブジェクト指向であることが特徴といえます |
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最新バージョン
(2021年11月時点) |
Java Standard Edition 17.0.1 |
公式URL | https://java.com/ja/ |
対応している主なスマホアプリ開発向けIDE | Android Studio |
対応している主なフレームワーク | Android Studio、Processing、AndEngine |
Android Studioは、Androidプラットフォームアプリ向けアプリ開発用のIDEです。Android Studioがあれば、Androidアプリ開発はほぼ完結できます。
そのため、Androidアプリ開発ではJavaとAndroid Studioを使うのが王道です。
次の記事で、Javaのインストール方法についてまとめています。よければご覧ください。
3.2.2 Kotlin
Kotlinは、Javaの統合開発環境である「IntelliJ IDEA」で有名なJetBrains社が開発した言語です。Javaとの連携を想定して開発され、Javaと相互利用できます。
Androidアプリの開発言語としてGoogle社に公式認定され、シェアが拡大しています。
言語の概要 | JVM(Java仮想マシン)上で動作する静的型付のオブジェクト指向プログラミング言語です。コードがシンプルで、NullPointerExceptionを防ぐ安全性の高さが特徴といえます |
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最新バージョン
(2021年11月時点) |
Kotlin 1.5.31 |
公式URL | https://kotlinlang.org/ |
対応している主なスマホアプリ開発向けIDE | Android Studio |
対応している主なフレームワーク | Android Studio、Kotlin Native |
Javaと比較してコードが書きやすく、初心者でも学習しやすいことが魅力です。
Androidアプリ開発者の60%以上に使用されています。Androidアプリ開発に特化したいならおすすめです。
3.3 クロスプラットフォーム開発の場合
クロスプラットフォーム開発で使用する主な言語・フレームワーク・IDEをご紹介します。
クロスプラットフォームとは、iOSとAndroidのどちらでも動作するという意味です。つまり、iPhoneとAndroid端末それぞれのアプリを同時に作れます。
クロスプラットフォーム開発では、次の2つの言語が主流です。
• JavaScript(React Native)
• C#(Xamarin)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3.3.1 JavaScript(React Native)
React Nativeは、Facebook社が開発したクロスプラットフォームのアプリ開発フレームワークです。iOSとAndroidの両プラットフォームに対応しています。
React Nativeの開発言語はJavaScriptです。JavaScriptのコードを書ければiOSとAndroidの両方で開発ができるため、魅力的なフレームワークといえます。
JavaScriptはフロントエンド開発で主要な言語です。そのため、Webエンジニアがスマホアプリ開発をするための学習コストをおさえられます。
言語の概要 | クライアント側で実行されるオブジェクト指向プログラミング言語です。React Nativeと組み合わせることで、クロスプラットフォームアプリ開発が可能となります |
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最新バージョン
(2021年11月時点) |
ECMAScript 2021 |
公式URL | https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/JavaScript |
対応している主なスマホアプリ開発向けIDE | Xcode(iOSアプリ)、Android Studio(Androidアプリ) |
対応している主なフレームワーク | React Native |
3.3.2 C#(Xamarin)
Xamarinは、Microsoft社が発表したクロスプラットフォームのアプリ開発フレームワークです。
あらゆる種類のアプリを開発するためのプラットフォーム「.Net」を使用してアプリを作成できます。
Xamarinがサポートしている開発言語はC#です。そのため、C#のコードを書ければWindows向けアプリだけでなく、Mac OSやiOS、Android向けのアプリも開発できます。
言語の概要 | オブジェクト指向プログラミング言語です。Xamarinと組み合わせることで、クロスプラットフォームアプリ開発が可能となります |
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最新バージョン
(2021年11月時点) |
C# 9.0 |
公式URL | https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/csharp/programming-guide/ |
対応している主なスマホアプリ開発向けIDE | Visual Studio for Mac(Mac)、Visual Studio(Windows) |
対応している主なフレームワーク | Xamarin |
4. スマホアプリ開発関連のおすすめ資格
スマホアプリ開発に関連するおすすめの資格をご紹介します。
資格取得でスキルを身につければ、アプリ開発がスムーズに進むはずです。
ここでは、SwiftとJavaの資格について見ていきましょう。
4.1 App Development with Swift
App Development with Swiftは、株式会社オデッセイコミュニケーションズが主催する資格です。
資格名 | App Development with Swift |
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試験の言語 | 英語
※日本語版の試験実施は未定 |
所要時間 | 50分 |
受験方式 | CBT方式 |
試験日程 | 通年 |
受験料 | 一般:10,780円(税込)
学割:8,580円(税込) |
公式URL | https://www.odyssey-com.co.jp/app-dev-with-swift/ |
4.2 Oracle認定Javaプログラマ
Oracle認定Javaプログラマは、日本Oracle社が主催する民間資格です。
難易度別の資格区分はBronze・Silver・Goldの3種類があります。Silver以上は全世界共通のグローバル資格で、現在実施されているJava関連資格の中では最も人気です。
資格名 | Oracle認定Javaプログラマ(Oracle Certified Java Programmer:OCJP) |
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試験の言語 | 日本語、英語 |
所要時間 | Bronze:65分
Silver:180分 Gold:180分 |
受験方式 | 監督付き試験:試験会場またはオンラインのCBT方式
監督なし試験:オンラインのCBT方式 |
試験日程 | 随時実施 |
受験料 | Bronze:14,630円(税込)
Silver、Gold:37,730円(税込) |
公式URL | https://www.oracle.com/jp/education/certification/allcertification-172551-ja.html |
5. スマホアプリ開発関連の求人動向
SwiftやJavaを使ってiOSアプリ、Androidアプリを実装する案件です。受託会社のため、あらゆるアプリ開発に携わる業務です。月額単価から想定年収は840万円〜960万円となります。
▸ 案件情報:アプリ開発エンジニア★受託会社でのスマートフォンアプリ開発
JavaでAndroidアプリを開発する案件です。アプリ開発から組み込みなどが業務内容となっています。月額単価から想定年収は840万円~1200万円です。
▸ 案件情報:Androidアプリ開発エンジニア★本人確認プラットフォームの開発
JavaとKotlinを使ってAndroidアプリを開発する案件です。アプリ設計の見直しや新規機能の実装など、幅広い業務となります。月額単価から想定年収は1200万円以上です。
▸ 案件情報:Androidアプリ開発エンジニア★保育園支援プラットフォームの開発
6. まとめ
今回は、
• スマホアプリとは
• スマホアプリ開発の手順・必要なもの
• スマホアプリ開発に使う主な言語・フレームワーク・IDE
の流れで、スマホアプリ開発の方法についてお伝えしました。
スマホアプリ開発は、iPhoneとAndroidというプラットフォームごとに必要な言語が異なります。自分がどんなスマホアプリを開発したいのかを明確にして、必要なものを準備しましょう。
今回ご紹介した内容を参考に、スマホアプリ開発にぜひチャレンジしてみてくださいね。