近年注目の高まっているフリーランスという働き方ですが、VBA案件にはどのようなものがあるのでしょうか。実は同じVBA案件でも、副業向けか専業向けかで、作業内容や単価には大きな違いがあります。
今回は実在する求人をチェックしながら、今主流であるVBA案件の傾向から将来性まで、詳しくご紹介したいと思います。
1. フリーランスのVBA案件とは
まずフリーランスのVBA案件にはどんな作業があるのか、需要や将来性と合わせてご紹介します。
1.1 VBAとは?Excelマクロとの違い
「マクロ」とは、Excelなどアプリケーションの操作を自動化する機能のことです。簡単なマクロは「マクロの記録」機能で作成できます。一方で「VBA(Visual Basic for Applications)」とは、このマクロを作成・カスタマイズするためのプログラミング言語です。VBAを使うことで、より複雑な自動化やカスタマイズが可能になります。
1.2 VBAのフリーランス需要や将来性はある?
副業案件については、ツール等の作成を中心に今後も需要のある状況が続くと予想されます。VBAのフリーランス求人はこのような副業向けの案件がメインですが、中には専業向けの案件もあります。
しかし専業のフリーランスエンジニアを目指す場合、持っているスキルがVBAのみでは案件の受注が難しい状況です。データベースエンジニアやヘルプデスクなど、もう少しスキルの範囲を広げる必要があります。
1.3 VBA案件の主な仕事内容
VBA案件のよくある作業内容として、次の3つが挙げられます。
作業内容について詳しくは、後の項目で副業と専業に分けてご紹介します。
1.4 VBA案件は在宅で受注可能!
副業の場合はむしろ在宅ワークがほとんどで、完成品を納品するスタイルです。
専業の場合は現場常駐での作業が必要な案件が多いですが、一部在宅やフルリモートが可能な案件もあります。
2. フリーランスのVBA案件の獲得方法
フリーランスのVBA案件の獲得方法には、次のようなものが挙げられます。
充分な人脈があるならば、知人から紹介を受けてクライアントと直接契約して働くという方法があります。それが難しい場合は、SNSやweb広告で仕事を募集するほか、クラウドソーシングサービスやフリーランスエージェントなどの仲介業者を通してクライアントを探す方法が一般的です。
副業の場合はクラウドソーシングサービスが豊富な案件を扱っていますが、専業の場合はフリーランスエージェントの利用がおすすめです。エージェントは希望する条件やスキルに合った案件を探して紹介してくれるだけでなく、単価交渉の代理や、事務処理の一部なども代行してもらうことができます。
案件探しなどの雑務を省力化し本来の業務に集中したいという方は、ぜひエージェントの利用を検討してみてください。
2.1 副業フリーランス案件を探せるサイト
副業のフリーランス案件を探せるサイトとしておすすめなのは、クラウドソーシングサービスやスキルマーケットです。それらのサービスの中でも、特に次の3つが案件数が豊富でおすすめです。
2.2 専業フリーランス案件を探せるサイト
専業のフリーランス案件を探す場合、次のサイトがおすすめです。
• フリーランススタート(https://freelance-start.com/)
•プロエンジニア( https://proengineer.internous.co.jp/)
まずフリーランススタートは、ITエンジニア向けのフリーランス案件を複数のエージェントや求人サイトの情報からまとめて検索できるサービスです。とにかく案件数が豊富なので、自分の希望に合った案件があるかだけでなく、どの職種やスキルに需要があるかなど、業界の動向を知りたいときにも役立ちます。
一方で弊社サービス「プロエンジニア」は、フリーランスITエンジニア専門のエージェントです。フリーランスの方それぞれに専任のエージェントがつき、その方に適した案件探しだけでなく、クライアントとトラブルになった場合のフォローアップなど、きめ細やかな対応をご提供しています。
「プロエンジニア」では、フリーランスの方の独立支援のご相談も承ります。これまで支援した方の中には正社員時代のご相談から並走し、安心して独立していただいた実績もございます。
▶ 独立支援も無料で承っています。ぜひお気軽にご相談ください。
3. フリーランスVBAにはどんな案件がある?(副業編)
副業フリーランス向けにはどんなVBA案件があるのか、仕事内容や単価相場と、実在する案件例をご紹介します。
3.1 副業フリーランス向けVBA案件の仕事内容
副業フリーランス向けの案件では、事務処理を自動化するためのツール開発を行うケースが多い傾向にあります。次のような技術を複合して、顧客が求める要件を満たすためのツール開発を行います。
3.1.1 データ取込
処理対象になるデータを取り込みます。Excelなどのセルに入力されたデータを使うだけでなく、テキストやCSVなどの外部ファイルからデータを取り込む場合もあります。
3.1.2 データ計算
取込や入力したデータに対して、自動で計算を行います。
3.1.3 データ整形
データを別のセルに転記したり、表やグラフを自動で作成します。
3.1.4 データ出力
処理が完了したデータを、CSVデータ、各種レポートなどの外部ファイルに出力します。
3.1.5 データベース連携
Accessなどのデータベース管理ソフトウェアを使い、データベースからデータを処理対象として取り込んだり、新しいデータを登録したりします。
3.1.6 データスクレイピング
Webページ上からデータを収集し、処理対象として取り込みます。
3.1.7 Web-API連携
その他、VBAにはAPIと呼ばれる様々な部品があり、処理の中に組み込んで使うことができます。メール自動送信、SNS自動投稿、ECサイト自動出品、ChatGPT自動呼出など、多彩なAPIが公開されています。
3.2 副業フリーランス向け案件の単価相場
大手クラウドソーシングサービスである「ランサーズ」の発表によると、「Excelマクロ作成・VBA開発」の1案件あたりの相場は3,000円~10,000円。「VBAを用いた業務ツール開発」の場合は、1画面あたり10万円から20万円程度です。
このように、同じVBAを用いた案件でも、マクロ作成と業務ツール作成では大きな違いがあります。
3.3 副業フリーランス向けの、実在する案件例
ここでは、実際にランサーズに登録されているVBAメインの案件例を紹介します。
出典:Excelマクロ作成・VBA開発の副業・在宅・委託・フリーランスの仕事を探す|ランサーズ
◼(2000円~3000円)指定シートを複製し、転記するマクロで業務を効率化する
🔗 指定シートを複製し、転記するマクロで業務を効率化するの仕事|ランサーズ
こちらは単価2,000円~3,000円の案件です。 タイトルそのまま指定されたシートを複製して転記する、業務効率化のためのマクロを作成します。
◼(10000円~20000円)メール一括送信が出来るエクセルVBAツールの開発
🔗 メール一括送信が出来るエクセルVBAツールの開発依頼の仕事|ランサーズ
こちらは単価10,000円~20,000円の案件です。 Excelなどに用意されたアドレスリストを取り込み、APIを使って用意したアドレスにメールを一括送信するツールを開発します。
◼(80000円~90000円)Amazon、楽天からの在庫抽出ツールの開発
🔗 Amazon、楽天からの在庫抽出ツールの開発の仕事|ランサーズ
こちらは単価80,000円~90,000円の案件です。
Amazonや楽天などのECサイトと連携するAPIを用いて、ショップの在庫データを自動で抽出して管理するツールを開発します。
4. フリーランスVBAにはどんな案件がある?(専業編)
専業のフリーランスVBAエンジニア向けの案件では、データベースと連携して行う作業や、データを操作するための業務ツール開発を行う案件などが多い傾向にあります。
特に、SQLの知識が求められるデータベースエンジニア案件や、社内SEやヘルプデスク案件などにVBAが求められる案件が多くみられます。
4.1 専業フリーランス向けのVBA案件の仕事内容
副業でも上げた7つの仕事内容のほかに、専業の場合は次のようなスキルが求められます。
• 要件定義・設計
• データベース連携(SQLなど)
• システム運用・保守
副業のフリーランスが単発でツールを開発して終わるものが多いのに対して、専業の場合は要件定義から始まり、開発を経て、その後の運用保守まで一貫して関わる案件が主流になっています。
4.2 専業フリーランス向け案件の単価相場
2023年6月時点でプロエンジニアに登録されているVBAエンジニア案件の平均単価は、月額64万円です。ただし純粋なVBAプログラミングのみではなく、他にもスキルが必要な案件も含んでいます。
比較的VBAメインの案件例を次の項目で紹介しますので、確認してみてください。
4.3 専業フリーランス向けの、実在する案件例
ここでは、実際にプロエンジニアに登録されているVBAメインの案件例を紹介します。
◼(月額40万円~)ヘルプデスクの案件
🔗 【ヘルプデスク】アパレル企業向けWeb/ECサイトマーケティング企業でのオペレーティング支援|プロエンジニア
こちらは月額単価40万円からのヘルプデスク案件です。
ECサイトへの商品登録業務のほか、メールマガジン制作、サイト更新など、ECサイトの運用サポート全般を行います。
◼(月額50万円~60万円)データベースエンジニアの案件
🔗 【Excel VBA/SQL】データベースエンジニア★DB構築・活用業務|プロエンジニア
こちらは月額単価50万円~60万円のデータベースエンジニア案件です。
ExcelVBAやSQLを使い、データベースや他システムとの連携を行うシステムを開発します。また設計書の作成や、データ分析やレポートの作成なども行います。
◼(月額60万円~)オープン系SE・プログラマの案件
🔗 【ExcelVBA/Access/業務委託】某アパレル企業向け開発★SAPの経験者優遇!リモート可で月60万~|プロエンジニア
こちらは月額単価60万円からのプログラマー案件です。
企業の基幹システムにデータを取り込んでいるExcelマクロやAccessツールを、SAPの取り込み用に改修する作業を行います。
5. フリーランスVBA案件の受注に必要なスキル
フリーランスでVBA案件を受注するために必要なスキルを、VBAに関する専門スキルと、フリーランス全体に共通して必要なスキルに分けてご紹介します。
5.1 VBAに関する専門の知識やスキル
フリーランスVBA案件を受注するために必要な専門の知識やスキルをまとめると、次の4つが挙げられます。
5.2 フリーランスに必要なスキル
VBAに限らず、フリーランスとして案件を受注するために必要なスキルをまとめると、次の4つが挙げられます。
フリーランスは案件ごとに一緒に仕事をする相手が変わるため、初対面の相手とでもスムーズに意思疎通を図るためのコミュニケーションスキルが重要です。さらにフリーランスは自分で自分の仕事を得る必要があるため、営業や交渉のスキルも必要になります。
また確定申告のための会計処理や請求書発行などを行うための文書作成スキルや、自分で作業の進捗状況や体調を管理するための自己管理スキルについても、フリーランスにとても大切なスキルです。
6. フリーランスVBA案件を受注する流れ
副業向けのフリーランス案件を受注するまでの、ロードマップをまとめました。
まず職場・個人製作などで、VBAのスキルを磨きます。スキルがある程度習得できたら、個人でツールなどの開発を行います。こうして開発したツールやVBA開発に関連する職務経歴をまとめ、ポートフォリオサイトを作成します。
初めて受注するのは、知人から紹介された案件であれば安心です。しかし依頼を受けるような人脈がないという場合は、クラウドソーシングでの案件探しがおすすめです。
また副業でも収入が年間20万円を超える場合は、確定申告を忘れないようにしてください。
7. フリーランスVBA案件で副業を始める際の注意点
会社員が副業を始める際の注意点としては、次の3点が挙げられます。
7.1 勤務先の就業規則(副業の可否)を確認する
昨今の副業解禁の流れで許可している企業が大半ですが、今でも副業不可の企業や業種は存在します。副業を始めてから禁止だと分かると大変なので、先に就業規則を確認してから受注するように気をつけてください。
7.2 年収20万円を超えたら確定申告を忘れない
確定申告や税金の納付が遅れると、加算税や延滞税が徴収される可能性があります。20万円は超えないかなと思っていても、万一のために準備しておくことがおすすめです。
7.3 秘密保持契約など、契約内容は厳守する
案件の中には、実績公開不可のプロジェクトやクライアントもあります。公開不可の案件をうっかりポートフォリオに掲載しないように、充分注意してください。
8. フリーランス(個人事業主)の開業手続きチェックシート
専業の場合や、副業が軌道に乗って青色申告をする場合は、税務署で開業手続きを行う必要があります。その際に必要な手続きを、チェックシートにまとめました。開業する際には、ぜひこのリストをチェックしてみてください。
9. まとめ
単発のツール作成で需要があるVBAエンジニアは、副業向けの案件がとても充実しています。もしそこから専業のフリーランスエンジニアを目指す場合は、データベースの知識をつけると受注の幅が広がります。
VBA案件は簡単なものから多数募集されていますので、まずは副業から始めてみてはいかがでしょうか。
当サイトプロエンジニアのコンサルタントが厳選したおすすめのフリーランス案件特集はこちら 特集ページから案件への応募も可能です!
実際にフリーランスエンジニアとして活躍されている方のインタビューはこちら