フリーランスとして独立することを決断したものの、仕事の探し方で悩んだ経験のあるエンジニアは多いのではないでしょうか。フリーランスエンジニアになるということは、仕事がなければ収入もゼロになり、自ら仕事獲得のための営業をしなくてはならない、ということも忘れてはならない現実です。
この記事では、フリーランスエンジニアの基本的な仕事の探し方から、継続して収入を得るための案件獲得に必要なスキルについて紹介します。仕事の探し方を模索しているフリーランスや、エンジニアの方は是非参考にしてみてください。
1. フリーランスの仕事の探し方
フリーランスの主な案件獲得方法を調査しました。
フリーランス白書2019の調べによると、フリーランスが仕事はどのようなところから見つけますか?という問いに対して「人脈」や「過去・現在の取引先」などいわゆる縁故により仕事獲得をしている人が多く、次には「自分自身の広告宣伝活動」といった営業活動、そして昨今注目を集める業務委託型マッチングサービスで仕事に繋がった実績のある人は「エージェン トサービス」、「クラウドソーシング」からも利用が多くなってきています。
2.フリーランスエンジニアにおすすめの案件獲得方法
会社に行って仕事をしていれば報酬がもらえたサラリーマンの時とは違い、フリーランスエンジニアになると仕事を獲得してくること(営業)から自分で行わなければなりません。
ここではフリーランスエンジニアにおすすめの仕事の探し方についていくつかご紹介いたします。
2.1 知人からの紹介を受ける
フリーランスエンジニアが仕事を探す方法の大半としては、これまで在籍していた企業の上司や顧客、知人等から案件を紹介してもらう探し方があります。自分の仕事の実績を把握してもらえていることや、お互いの人となりを理解し合えている安心感もあることから、最も依頼しやすいケースと言えるでしょう。
IT業界で働き続けている以上、退職をしていたとしても、仕事で繋がりをもった顧客や同僚などは、いつどのような形でまた一緒に仕事をすることになるかわかりません。独立する前に所属していた会社や当時の顧客などから仕事を紹介してもらえれば安心です。会社を退職する際には、円満退社しておくことを心がけましょう。
2.2 エージェントを利用して案件を探す
フリーランスで働きたいエンジニアに向けて、案件情報を提供している求人情報サイトを利用する方法です。独立前の企業や知人などからの紹介が受けられない場合は、エージェントを利用した求人情報サイトからの紹介が主な受注先となるでしょう。
仕事の探し方としてエージェントを利用するメリットは、
・「自ら仕事を獲得する、探す」といった営業的な部分を手伝ってくれること
・「契約関連の手続きや単価交渉なども含めて全部を自分の代わりにやってくれてる」
・「スキルのみならず、仕事ぶりや人となりのアピールも客観的にしてもらえる」
・「企業側のより詳しい情報をもらえる可能性がある」
といった点が挙げられます。
報酬などの諸条件を企業側と交渉する役回りをエージェントへ依頼することで、トラブル回避も期待できます。自分の今のスキルに見合った最適な案件を探してくれる事以外にも、今後フリーランスエンジニアに必要とされるスキルについても積極的に教えてもらえる点も魅力です。
営業や交渉ごとの苦手な人や、自分自身のスキルを知って活かしたい、と考えている人にはおすすめのサービスです。
2.3 クラウドソーシングサイトで案件を探す
ランサーズやクラウドワークスなどのサイトが有名ですが、公開募集されている案件に対して、自分で応募します。 案件の難易度は簡単なものから本格的なものまで様々で、比較的在宅型の案件が多いですが、エンジニア向けの常駐型案件もあります。
クラウドソーシングサイトで繋がりを持った顧客の仕事を完遂して信頼を築くと、次の案件に優先的に声をかけてもらえるようになることもありますので、フリーランスが継続して案件獲得をするためにも有効な手段と言えるでしょう。
2.4 フリーランスエンジニアの勉強会(セミナー)に参加して人脈を広げる
フリーランスエンジニアになると、会社員の時以上に自分のスキルの高さが必要となります。IT業界の流れはとても早いので、各地で定期的に開催されるセミナーに参加することで、今話題の技術はどのようなものなのか、これから身に着けるべきスキルは何なのかといった、自分の市場価値を高めるきっかけになります。そこで知り合ったエンジニア同士、名刺交換等を通じて交流を深めることにより、学習面のスキルアップだけではなく、人脈を広げることにも繋がります。
人脈が広がれば、それだけ案件獲得への道も開けることになりますので、勉強会には積極的に参加したいところです。
3.フリーランスエンジニアの収入は仕事の探し方で変わる!
こちらのデータを見ると、フリーランスエンジニアの仕事の探し方によって収入の違いに大きなバラつきが生じている事が読み取れます。
フルタイムフ リーランスの大半が 400 万円以上であることを考えて、主な収入源として400万円以上稼げる仕事獲得 経路を見てみると、回答者が多い順に
- 「エージェントサービス」(年収 400 万円以上が 71.2%)
- 「過 去・現在の取引先」(58.0%)
- 「人脈」(45.8)、「自分自身の広告宣伝活動」(36.7%)
となっています。
高単価・高収入が見込める案件の割合が多い探し方としては「エージェントサービスの利用」もおすすめです。
また、仕事の取り方に違いがあっても収入を上げる方法として「複数の受注経路を持つ」ことや「単価を上げる」「働く時間を短縮する」などが有効になることもあります。
4. 継続して仕事があるフリーランスエンジニアの特徴
フリーランスエンジニアが安定した収入を得るために「継続案件」を多くとっていくことは新規顧客を開拓することと合わせて大切なポイントです。継続して仕事があるフリーランスエンジニアにはこのような特徴があります。
4.1 クライアントに信頼されていること
単価以上の価値を提供することができるればクライアントは満足するでしょう。その価値とは技術やスキルのみとは限りません。「この人なら任せられる」という信頼があれば、クライアントは継続してあなたに仕事を依頼したいと思うはず。
具体的に、仕事を通じて信頼関係を得るための技術面以外のポイントは次のようなことが挙げられます。
- 対応が早い
- 納期を守る
- 仕事が丁寧
- 気が利く
- 新たな提案をしてくれる…など
一見当たり前と思われるようなことでも実際にできているでしょうか?まずはこれらに気づくための行動を普段から心がけることも大切です。信頼されるフリーランスエンジニアは固定客を持つことができますし、そこからの人脈も増やせるといった複数の受注経路に繋がるという利点が加わることでしょう。
4.2 学習力・行動力があること
営業活動をするというような行動以外にも「自分には今何が足りないのか」を考えて常に立ち止まらず行動力があるフリーランスエンジニアであることは継続した案件獲得に繋がります。
IT業界では新しい技術がめまぐるしく進歩しています。その中で常に学習する機会を怠らないこと、先を見据えて準備をしておくことは次に繋がる仕事をするためには必要な心掛けではないでしょうか。先述しました「2.4 フリーランスのセミナー(勉強会)に参加して人脈を広げる」も具体的な行動力の一つになりますので是非実践していただきたい項目です。
4.3 伝える力があること
「伝え方が9割」ということが有名な著書の表題にもなっていますが、あなたがエンジニアとしてどんなに優秀だとしてもそれをアピールする力がなければ何も伝わりません。
実績を作り、それをアピールしている。そういった発信を継続していると、あなたの優秀な価値が伝わり自動的に仕事の依頼が入るようになります。まずは自分のスキルや実績を証明できるポートフォリオの作成をしてみるところから始めてみて、web上(SNSやブログ)やメールで発信できるように準備をしておく方法も有効です。
参考書籍)eBook:失敗しないフリーランスの働き方 堂本秋次氏
5. やってはいけないフリーランスエンジニアの仕事の探し方
フリーランスエンジニアが仕事を探す上でこんな探し方、取り方をしてはいけない、こんなフリーランスエンジニアでは案件獲得はできないといった「やってはいけない」ポイントについてまとめました。
5.1 自分の能力以上の案件を引き受けてはいけない
易しすぎる、優柔不断といった人に見られる傾向です。会社員が長い方には自己犠牲で仕事をする方が結構いると思いますが、フリーランスの場合自己犠牲の精神ではいつかだめになるということも考えられます。
自分のスキル以上の案件を探してしまうことや、対価以上に仕事をしたり業務負担を負うことは避けた方が良いでしょう。例えば、当初の話と違うけど契約してしまってるからなども危険です。 そうならないためには、自分自身のスキルと実績を見極めて判断する力が必要です。そのことについては次の章「6. フリーランスエンジニアとして仕事を探す前に知っておきたいこと」でも述べていますので参考にしてみてください。
5.2 クライアントから信頼を失うような言動をしてはならない
クライアントからの信頼を失うような言動は具体的にはこのような内容です。
- 時間を守らない
- 人付き合いが悪い
- 連絡無精
- アピール力がない
- 自分から動かない…など
会社員であれば担当変更依頼などできたとしても、フリーランスエンジニアは万が一「この人とはもう仕事をしたくない」と思われたら取引中止になり兼ねない事態となります。また最近では日常的に使用するSNSなどの使い方でも信頼を失うことが多く発生していますので気を付けたいポイントです。
5.3 決まっていない仕事をあてにしない
イメージしていない仕事を引き受けてしまうなど、明確なミッションがないまま仕事を受けてしまうと後でトラブルにもなります。そのようにならないためには情報が曖昧なまま仕事を引き受けることは避け、どこまでやるのかを最初の段階ではっきりとさせてから仕事を引き受けることが大切です。
参考書籍)出版社:まんがびと フリーランスで失敗する人の残念な8つの特徴 江戸しおり
参考書籍)販売:Amazon 現役フリーランサーが語る「フリーランスは辞めておきなさい」ch4cO
6.フリーランスエンジニアとして仕事を探す前に知っておきたいこと
これからエンジニアとしてフリーランスを目指す前に、最低限やっておきたいことを挙げています。ぜひ参考にしてください。
6.1 フリーランスエンジニアに必要なスキルを知る
フリーランスから想像するイメージは、通勤がなく、好きな場所で好きな時間に、好きな仕事ができるといった、比較的「自由」であることが大半だと思います。しかし自由であるということは、言い換えれば全ての責任が自分にあるいうことになります。
フリーランスとしてやっていくには、
- ITの高いスキル
- 自分を律することができるセルフマネジメント力
- 案件を得るための営業力
- 確定申告や社会保険(健康保険・国民年金)等の公的手続き
など、サラリーマン時代とはまた違った能力やタスクが必要となります。
また、収入をアップさせたい、プログラミングを極めたいなど、なぜフリーエンジニアになりたいのかという理由についても今一度確認しておくと、今後もし大変なことや予期せぬことがあったとしても、ブレないだけの確固たる軸を持つことができます。
6.2 自分の経験やスキルの強みは何かを整理する
前述しましたが、フリーランスは自分の特化したスキルを生かした働き方であるため、自分の強みとなる経験やスキルを整理しておくことで、求人を探す際もスムーズに進みやすくなります。
その際、自分にしかないであろうプラスαのスキルを持っていると、他の人材と差別化を図りやすくなります。
例えばプログラマーの場合だと、「Java言語を用いてコーディングできる人材」だけで絞ると多くのエンジニアが対象になると思いますが、「Javaでコーデイングができて、英語もできる」となると、前者よりは対象者が絞られます。
強みとなるスキルを多くもつことは、より多くの案件獲得の可能性を高めてくれます。
7.まとめ
フリーランスエンジニアとして仕事を探そうとした場合、営業が苦手だったり、現時点では案件を紹介してもらえる知人等がいなくても、今後信頼できるエージェントが見つかれば、それも一つの立派な人脈となっていくでしょう。
経験や実績を積むことで、「この人だから仕事を任せたい」「受注したい」という信頼関係がお互いに築ければ、フリーランスエンジニアの仕事探しの道はおのずと開けてくると思います。
フリーランスエンジニアとして活躍していくためには、スキルアップと並行して、仕事の探し方についても目を向けていただき、安定と成長が両立する案件獲得への道を目指して頑張りましょう!
当社のフリーランス案件を覗いていただき、少しでも気になる案件があれば、是非一度お気軽にお問い合わせください。