【初心者向け】SIerとSEの違いは?働き方やキャリアパスも解説!

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    公開日:2021年04月01日 最終更新日:2021年06月16日

    「SIerとSEって何が違うの?」 「今からSIerに入っても、将来性はあるもの?」 と思うことはありませんか? エンジニアへ転職を目指すとき、SIerやSEなど横文字が多く違いで悩んでしまう方は多いです。

    そこで今回は、
    • SIerとSEの違いとは?
    • SIerの将来性
    • SEの将来性・キャリアパス
    の流れで、SIerとSEの違いについてまとめてお伝えします。

    記事の後半で「SIerとSEの関係性についてよくある質問と回答」にもお答えしているので、ぜひ最後までお読みください。

    1. 【初心者向け】SIerとSEの違いとは?

    SIerとSEの違いを見る上で、

    • SIerの定義
    • SEの定義
    • SIerとSEの違いは「企業」か「人」か

    について解説します。

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    1.1 SIerの定義

    SIerの定義といっても、言葉の意味だけ聞いても理解しづらい方は多いでしょう。
    以下2つの定義があります。

    • 「システムインテグレーション」を行う事業者
    • IT戦略立案~開発~保守の一括請負

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    1.1.1 「システムインテグレーション」を行う事業者


    1つ目の特徴として、「システムインテグレーション」を行う事業者といった点があります。システムイングレーションとは、「既存の業務にパソコンやインターネットの仕組みを導入し、業務効率化などが実現できるシステムを作ること」です。

    たとえば電話営業を例に考えてみましょう。電話営業は以前まで、テレアポのみでした。

    しかし最近では、

    • お客様の興味を数値化し、狙った人にだけ電話する
    • まだ興味のない人に電話をかけて、興味を持ってもらうことを目的とする

    といった電話営業の方法が出てきています。

    こういった電話営業を実現するときに重要なのが、顧客リストの管理です。これを解決するためにCRMといった技術が出ています。

    このように特定の業務を効率化できるシステムを作るのが、システムインテグレーションです。では、具体的にどういった流れで仕事が進むのでしょうか。

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    1.1.2 IT戦略立案~開発~保守の一括請負


    既存の業務を「効率化」または「工数削減」などにつなげるためには、業務をヒアリングして課題を見つけることが重要です。

    そのためシステムイングレーションでは、以下の流れで開発が進みます。

    1. IT戦略立案
    2. 開発
    3. 保守

    つまり、「課題を見つける→実際に開発する→開発したシステムを保守運用する」といった流れが基本となります。

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    1.2 SEの定義

    SEはSystem Engineerの略で、簡単に言うと「システムのイメージを固める人」のこと。上流工程と呼ばれるフェーズで、以下のようなことを固めていきます。

    • システムの要件
    • 機能の一覧
    • 画面のイメージ
    • データのインプット・アウトプットのイメージ

    その後プログラミングを行い、テストを経てアプリをリリースしていきます。詳細については、以下を確認してみてくださいね。 一般的に、ベンチャーやスタートアップでは、SEという表現はあまり使いません。ベンチャーやスタートアップでは、フロントエンドやサーバーサイドのように開発工程で区切らずに担当領域別に呼び方が変わることが多いです。


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    1.3 SIerとSEの違いは「企業」か「人」か

    SIerとSEの違いは、簡単に言うと「企業」か「人」かです。といっても理解しづらいか方もいると思うので、代表的なSIerと有名なSEについて解説します。


    1.3.1 代表的なSIer

    キャリア支援NPO法人「en-courage」がまとめた「【業界研究】IT業界ランキング!人気なIT企業「SIer」を徹底比較」によると、上位3企業は以下のようになっていました。

    ・1位:富士通(3兆527億円)   *テクノロジーソリューション部門
    ・2位:NTTデータ(2兆1171億円)
    ・3位:日立製作所(2兆89億円) *情報・通信システム部門

    出典:【業界研究】IT業界ランキング!人気なIT企業「SIer」を徹底比較|en-courage

    それぞれ、詳細を表にまとめました。


    ■ 1位:富士通

    出典:富士通

    設立年数 1935年6月
    従業員数 129,071人(グローバル含む)
    売上高 3兆8,577億円
    公式サイトリンク https://www.fujitsu.com/jp/

    富士通では、「Hybrid IT Service」と呼ばれるサービスを展開しています。顧客の要件を確認し、最適なサービスを組み合わせてIT環境の構築、運用までをトータルで請け負うサービスです。

    参照:FUJITSU Hybrid IT Service|富士通


    ■ 2位:NTTデータ

    出典:NTTデータ

    設立年数 1988年5月23日
    従業員数 11,515名(単独/2020年3月末現在)
    133,196名(グループ全体/2020年3月末現在)
    売上高 2兆2,668億円(2020年3月期)
    公式サイトリンク https://www.nttdata.com/jp/ja/

    NTTデータでは、「システム基盤設計」といったサービスがあります。開発手順、開発環境であるフレームワークと開発支援ツール、開発をバックアップするサポートを一体としたトータルソリューションを提供しているようです。

    参照:システム基盤設計|NTTデータ


    ■ 3位:日立製作所

    出典:日立製作所

    設立年数 1920年2月1日(創業1910年)
    従業員数 33,490名(単独/2019年3月末日現在)
    295,941名(グループ全体/2019年3月末日現在)
    売上高 1,927,241百万円
    公式サイトリンク https://www.hitachi.co.jp/

    日立製作所では、「日立エンタープライズ アプリケーションサービス」といったサービスがあります。アプリケーションライフサイクル全般にわたる、さまざまな課題を解決することを目的としたサービス群のようです。

    参照:日立エンタープライズ アプリケーションサービス|日立製作所


    こういった要件をヒアリングしてサービスの導入などを行うのも、仕事の1つです。このようにSIerは「企業」である点に注意が必要です。

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    1.3.2 有名なSE(システムエンジニア)

    次に有名なSEとして知られる「まつもと ゆきひろ」さんと「金子勇」さんをご紹介します。

    まつもと ゆきひろさんは、プログラミング言語「Ruby」を開発したエンジニアです。Rubyはベンチャー企業などで利用されているだけでなく、初心者にも学びやすい言語なので知っている方も多いかもしれません。

    金子勇さんは、P2Pファイル共有ソフト「Winny」を開発したエンジニアです。通常はサーバーを介してファイル共有が必要だったものが、「Winny」を使えばサーバー不要でファイルの共有ができます。

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    2. SIerの将来性

    与信管理サービスを提供しているリスクモンスター株式会社の業界レポート(情報サービス業)によると、以下のように情報がまとめられていました。

    • 情報サービス業は、IT 業界のうち、「ソフトウェア業」と「情報処理・提供サービス業」の2つを含み、市場規模は約 17 兆円である。

    • 情報サービス業の売上高構成は、受託開発ソフトウェア業が約 50%を占め、次いで情報処理サービス業が20%超を占めている。

    • 業界の構造は、元請けとしてシステムインテグレーション(SI)を行う業者である SIer(上流工程)→下請けのベンダー・ソフト開発企業(中流工程)→孫請けのソフト開発企業(下流工程)のように、多重下請け構造となっている。

    参照:情報サービス業|リスクモンスター株式会社

    まとめると、

    • ソフトウェア業と情報処理・提供サービス業の市場規模は、約17兆円
    • SIerに関する開発が多く(70%程度)、自社開発はIT業界全体からみると一部
    • 多重下請け構造になっている点で、やや心配が残る

    といったところです。

    とはいえSIerの市場規模はまだまだ大きく、今後も仕事がいきなり途絶える可能性は低いと言えるのではないでしょうか。

    ただ、「SIerが『ヤバい』『オワコン』」といった話を聞いたことがあり、不安に思っている方もいるでしょう。その理由や背景について解説します。

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    2.1 SIerが「ヤバい」「オワコン」と言われる理由は?

    日本最大の電子掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」の設立者であるひろゆき氏は、次のようにSIerについて語っています。

    はっきり言って、SIerで働いているエンジニアは今すぐ逃げた方がいい。

    他社にものを納品するビジネスモデルの会社は、同じような企業がたくさんある中での競争になるから、その競争に勝つためにはどうしたってコストを削減せざるを得ない。コストを削減すれば、当然給料も安くなる。それをしなければ競争に負けて潰れるだけ。

    自社でものを作っている会社にはまれに「当たる」ということがある。すると「社員にもボーナス出すわ」ってことにもなりますよね。でも、他社の仕事を請け負っているだけのSIerは、受注する仕事を増やして会社の規模が大きくなることはあるかもしれないけど、一件あたりの利益の幅が上がることは基本的にはない。だからひたすらに疲弊していくということです。

    出典:SIerって本当にヤバいの? ひろゆきが語る、業界ごと沈まないためのキャリア戦略|エンジニアtype

    まとめると、

    1. 同じ業態の企業が多く、差別化ポイントが「コスト」に集中しやすい
    2. コスト削減ばかりが恒常化しやすく、実作業を行うコーダーが疲弊しやすい

    といった流れで、疲弊していく可能性が高いことを懸念されています。

    また上流工程にいくほどプログラミング以外の仕事が増えるため、技術力アップのきっかけが少ないといったデメリットも。

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    2.1.1 SIerに入ると「プログラミングできない」


    SIerでプログラミングができないといわれる理由は、開発手法と上流工程の仕事がある点が主な理由です。

    具体的に言うと、SIerではウォーターフォールと呼ばれる開発手法で開発を行います。

    出典:【前提】SIerはウォーターフォール開発が一般的/Slerでプログラミングができないと危険?問題点・キャリアパス解説|プロエンジニア

    • 顧客と打ち合わせして要件を決める「要件定義」
    • 要件から具体的な機能や画面イメージを決める「設計」

    などの上流工程ではプログラミングをしません。「実装」のフェーズでプログラミングをしますが、コーダーやプログラマーなどがプログラミングを行うことも多いです。

    こういった背景から、SIerはプログラミングができないといわれることも。詳細は、以下をご一読ください。

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    3. SEの将来性・キャリアパス

    SEの将来性・キャリアパスについて解説します。

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    3.1 有効求人倍率

    求人サイト「doda」がまとめた、「転職求人倍率レポート(2021年1月)」のデータを見てみましょう。

    出典:転職求人倍率レポート(2021年1月)|doda

    転職求人倍率の定義は、以下の通りです。

    「転職求人倍率」は、dodaエージェントサービスの登録者1名に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値です(小数第三位を四捨五入)。
    出典:転職求人倍率レポート|doda

    つまり、dodaエージェントサービスの登録者1名に対し、求人案件が5,6件あるような状態です。このことから、SEを含めたIT・通信系の求人倍率が他と比べて高いことが分かります。

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    3.2 求められるスキルセット

    SEに求められるスキルセットは、企業によってさまざま。具体的に言うと、以下によって大きく変わります。

    • ベンチャー・スタートアップで自社開発
    • SIerで大企業や官公庁の案件を担当

    自社開発の企業の場合は、アジャイル開発で開発を進めます。最新技術を含めて技術寄りにスキルを獲得する必要も出て来るでしょう。

    一方SIerの場合はウォーターフォール開発となり、要件定義や設計などの上流工程を担当することも。そのため技術よりも、顧客やチームとのコミュニケーション力、ドキュメント作成力などが必要となります。

    また、以下のようにエンジニアの種類(役割)によってもスキルセットは変わります。

    • フロントエンドエンジニア
    • サーバーサイドエンジニア

    それぞれの特徴については、以下をご確認ください。

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    3.3 年収

    求人情報を扱う「求人ボックス」がまとめた「ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報」によると、以下のように年収がまとめられていました。

    出典:ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報|求人ボックス 給料ナビ

    dodaがまとめた「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】」では、全体平均年収が409万円となっていたため、SEの年収は平均よりも高くなっています。

    また年齢別、企業規模別にみると次のようになっています。

    出典:ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報|求人ボックス 給料ナビ

    このことから、

    • 全体平均年収と比べると、高い傾向にある
    • 経験を積んでいけば、年収600万以上も可能

    といったことがわかります。年収面で言うと、大きな心配はなさそうですね。

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    3.4 キャリアパス

    キャリアパスは、大きく分けて4つの方向性があります。

    1. 技術のスペシャリスト
    2. マネジメント・ビジネスサイド
    3. フリーランス
    4. 別職種への転向

    以前までマネジメント職を目指すのが一般的でしたが、

    • ITスペシャリストやフルスタックエンジニアなど技術を突き詰めていくキャリア
    • ITコンサルタントなどの技術を活かしたキャリア

    など、選択肢が増えているのが特徴です。詳細については、以下をご一読ください。

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    4. SIerとSEの関係性についてよくある3つの質問

    SIerとSEの関係性について、以下のような疑問を持つことも。

    • SEとは「SIerで働いている人」のこと?
    • SEには「SIerで働く」以外にどのようなキャリアがある?
    • SIerは本当に「ヤバい」?

    事前に悩みを解消しておくと、転職を考える際などにもスムーズになるのでおすすめです。

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    4.1 SEとは「SIerで働いている人」のこと?

    結論から言うと、SEは「SIerで働いている人」だけではありません。SIer以外にも「受託開発」や「SES」などもあるため、それらを含めてITシステムを開発する「人」がSEです。

    またSIer企業の中には、SE以外のポジションもあります。たとえば、以下のような職種です。

    • ITコンサルタント(IT戦略を練る・主導する人)
    • プログラマー(プログラムを書く人)
    • テスター(テストをする人)

    そのためSEはあくまでもポジションの1つである点に注意しましょう。

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    4.2 SEには「SIerで働く」以外にどのようなキャリアがある?

    SIer以外にも、キャリアはいろいろあります。たとえば、次の3つ。

    • ベンチャー・スタートアップでの自社開発
    • フリーランスとしての独立
    • SES

    自社開発を行なっている代表的な企業は、フリマアプリ「メルカリ」の株式会社メルカリや、クラウド会計ソフト「freee」のfreee株式会社などです。

    また、スキルを積んでフリーランスに転向する方法もあります。フリーランスの場合は企業に常駐する働き方だけでなく、個人で仕事を請け負う働き方も可能です。

    そしてSESと呼ばれる、顧客の企業に常駐して働く勤務体系もあります。さまざまな経験を得られることもあり、若いうちはSESを目指した方が良い時もあります。

    それぞれ以下でご紹介しているので、ご確認ください。

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    4.3 SIerは本当に「ヤバい」?

    「ヤバい」の定義にもよりますが、2つの視点で解説します。

    1つ目は、「案件数」についてです。SIerはIT企業の中で売上高が大きく、官公庁や大企業の案件は継続的に発生します。

    そのため、「案件数が少なくて仕事がない!」といった心配は少ないでしょう。ただ、堅牢性が高く、セキュアなコーディングが求められる案件は多い傾向にあります。

    2つ目は、「技術力を鍛えられる環境か」についてです。この点で言えば、SIerは技術に特化して鍛えることが難しいかもしれません。

    なぜなら要件定義や設計などの上流工程では、コミュニケーション能力やドキュメント作成能力などが大半を占めるから。

    そのため、

    • 技術のスペシャリストを目指したい人
    • スピーディーな開発スタイルを好む人
    • 自由度が高い開発がしたい人
    • SES

    の場合は、SIerではなく受託開発などができる企業を目指した方が良いかもしれません。

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    5. まとめ

    今回は、
    • SIerとSEの違いとは?
    • SIerの将来性
    • SEの将来性・キャリアパス
    • SIerとSEの関係性についてよくある質問と回答
    などについて解説しました。

    これまでお伝えしたようにSIerは「企業」で、SEは「人」です。大手企業や官公庁などの堅牢性の高いシステム開発に携わりたい場合は、SIerのSEを目指すと良いでしょう。

    一方で開発スピードを求めたり、技術に特化して極めていきたい場合は受託開発などを目指すのも1つの手です。

    ぜひ、自分の目的に合わせて転職活動を進めてみてくださいね。

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