フリーランスになるには?ITエンジニアとして開業するまでの5つのステップ | サービス | プロエンジニア

    フリーランスになるには?ITエンジニアとして開業するまでの5つのステップ

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    公開日:2016年11月30日 最終更新日:2019年10月08日

    エンジニアなら一度は憧れる方の多いフリーランスという働き方ですが、実は「フリーランス」として業務を受注するだけなら、特別な届け出は必要ありません。しかし、フリーランスとして働いていくうえで「個人事業主」として開業しておくと、大きなメリットがあります。今回は、フリーランスのエンジニアが個人事業主になるために必要な準備と公的手続きについてご紹介します。

    目次

    1.フリーランスと個人事業主

    インターネットの出現により、リモートワークや在宅勤務など、エンジニアの働き方の多様化も進んでいます。
    中でも、働く時間や場所の自由度が高いフリーランスという働き方ですが、フリーランスエンジニアとして「開業していることを行政機関に届出ている人」のことを個人事業主と呼んでいます。

    ■フリーランスとは

    フリーランスとは、企業には属さない働き方をしている人のことを言います。
    案件ごとに契約を結んで、受注から納品までの一連の業務を遂行することで、 プログラマーやシステムエンジニアなど、ITエンジニアは比較的フリーランスとして働ける可能性が高い職種です。

    ■個人事業主とは

    個人事業主とは、企業に属していないけれど、有限会社や株式会社などの「法人」を設立せずに、個人で事業を営む人のことです。
    ITエンジニアが個人事業主として働く場合、「自分のITスキルを提供し個人で事業を営む人」と言えます。

    個人事業主と法人との違いは、法人には必要な法的手続きが個人事業主には必要でなく、また個人事業主の方が会計手続きが簡単なもので大丈夫であるという点です。また個人事業主には個人事業の名前として「屋号」を設定することができますが、その屋号には「○○法人」や「○○会社」といった名称は使用できないという制限があります。

    2.フリーランスが個人事業主として開業するメリットとデメリット

    ■メリットは「青色申告」が利用できること

    個人事業主として開業しなくてもフリーランスとして働くことは可能ですが、開業しておくと税制面での大きなメリットがあります。
    具体的には、確定申告をする際に申告が複雑な代わりに、経費として認められる範囲がかなり広がる「青色申告」を選択できるようになります。

    また開業すると設定できる「屋号」で口座を開設することができ、個人口座と分けることができるというメリットもあります。

    ■デメリットは「失業保険」が無くなること

    一方のデメリットとして、いったん開業届を出してしまうと「失業」という概念がなくなってしまうことが挙げられます。つまり仕事がなくても失業保険がもらえなくなりますので、受注できることがある程度確定できてから開業した方が無難な場合もあります。

    3.個人事業主として開業するまでの5つのステップ

    個人事業主として開業するには、主に5つのステップがあります。

    1.開業届を出す
    2.確定申告の方法を決める
    3.社会保険の手続きを行う
    4.取引書類の雛形を用意する
    5.事務用品を用意する

    開業届などの「手続き」には以下のものがあり、それぞれ期限が決められていますので忘れないように注意しましょう。

    種別 内容 提出先 提出期限
    必須 個人事業の開業・廃業等届出書 税務署 1か月以内
    必須 事業開始(廃止)等申告書 都道府県税事務所 自治体により異なる(東京都は15日以内)
    任意 所得税の青色申告承認申請書 税務署 2か月以内
    必須 健康保険の切り替え 市町村役所 14日以内
    必須 国民年金への切替え 市町村役所 14日以内

    3.1 開業届を提出

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    個人事業主として開業するためには、以下の行政機関にそれぞれ開業届を提出します。

    ・税務署
    ・都道府県税事務所

    税務署は、所得税などの国税の管轄であり、都道府県税務署は住民税などの地方税の管轄となるため、両方に申請が必要です。

    3.1.1 個人事業の開業・廃業等届出書

    税務署に提出する開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。

    事業を始めてから1か月以内に、事業所の所在地を所轄する税務署に提出する必要があります。法人とは異なり、登記費用などの費用は発生しません。

    3.1.2 事業開始(廃止)等申告書

    都道府県税事務所に提出する開業届の正式名称は、自治体により異なりますが、「事業開始(廃止)等申告書(東京都の場合)」です。

    事業所の所在地を所轄する都道府県税事務所への届け出となり、書式や提出期限も自治体により異なりますので、事前に確認しておくと安心です。

    3.2 確定申告の方法を決める

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    個人事業主の場合、1月1日~12月31日までの年間収入額を国に申請することによって、その金額に応じた納税額を国に納める必要があります。これを確定申告と言います。

    確定申告の方法には「白色申告」と「青色申告」があります。
    前述の通り個人事業主として開設する最大のメリットは青色申告ができることですので、できれば青色申告を選択することがおすすめです。

    なお青色申告を行うには、開業から2か月以内、または申告しようとする年の3月15日までに、「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。初年度から青色申告する方は開業届と同時の提出がおすすめです。確定申告に慣れてきたので白色から青色に変更したいという方は、3月15日までに提出することを忘れないようにしましょう。

    申告方法を決めたら、会計ソフトなど準備します。
    特に会計知識ゼロから青色申告を行う場合、会計ソフトを使うと帳簿付けがとても楽になります。最近ではウェブ上からどこでも入力できるクラウド型のサービスが人気となっているようです。

    3.3 社会保険(健康保険と国民年金)の手続き

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    個人事業主に限らず会社を辞めた場合、それまで給料から天引きされていた各種社会保険料を自分で支払う必要があります。

    3.3.1 健康保険の手続き

    健康保険については、次の3つの加入方法があります。

    ・国民健康保険に加入する
    ・任意継続する
    ・家族の扶養に入る

    ■国民健康保険に加入する

    国民健康保険とは、会社の健康保険組合に加入している方以外の全ての方が加入する保険です。「退職日から14日以内」に「住民票のある市区町村の役場」で加入の手続きを行う必要があります。退職後にバタバタしていると2週間はあっという間に過ぎてしまいますので、注意して下さい。

    保険料は収入額や市区町村によって異なりますので、事前に確認しておくことがおすすめです。

    ■任意継続する

    任意継続とは、それまで所属していた会社に2か月以上継続して在籍していた(被保険者だった)場合、同じ健康保険組合に再加入できるという制度です。完全な継続ではなく再加入になるため、元の健康保険組合に個人で申請する必要があります。再加入した場合、健康保険証は新しいものになります。

    保険料は社員時より高くなります。国民健康保険の保険料を確認しておき、どちらがお得かしっかりとチェックすることがおすすめです。なおどちらも病院等での負担額は3割で、内容に変わりはありません。

    ■家族の扶養に入る

    扶養に入るのは、個人事業主として開業しても年収130万円を超える予定がない場合の手段です。それを超えると一気に多額の保険料を支払うことにもなりかねませんので、選択する場合は注意して下さい。なお個人事業主でも扶養に入れるか否かは、世帯主である家族が加入している健康保険組合によって異なりますので、あらかじめチェックしておいて下さい。

    3.3.2 国民年金の手続き

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    年金には「厚生年金」と「国民年金」の2種類があり、会社員が加入するのが厚生年金、その他の方が加入するのが国民年金です。個人事業主が加入するのは、「国民年金」の方になります。

    国民年金の定額保険料は一律「16,340円」(平成30年度時点)ですが、一括払いすれば割引される制度もあります。ただし基本料金だけでは、実際にもらえる受給額はおよそ「月額50,000円」です。これは厚生年金と比べてもとても少ない金額なので、多くの方は「定額保険料16,340円」に加えて「付加保険料400円」を支払っています。この付加年金に加入すると、「年額96,000円」が追加で支給されます。

    それでもまだ少ないという方のため、「国民年金基金」があります。月あたりの掛け金は、選択した給付プランや加入時の年齢などにより異なっており、掛け金の上限は「月額68,000円」(平成30年現在)です。

    3.4 取引書類の雛形準備

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    開業や保険の手続きが終わったら、実際の業務で使用する必需品をそろえる必要があります。 特に重要となってくるのが、各種帳票の雛形(フォーマット)の準備です。

    厳密には帳票は必要ではなく、口約束でも法的には問題ありません。しかし書類がなければ言った言わないで揉めたりと、トラブルのもととなります。

    具体的に用意しておくと便利なのは、次の3点です。

    ・見積書
    ・納品書
    ・請求書

    ■見積書

    見積書は、こちらから金額を提示する際に使用します。フォーマットは内容により異なりますが、「この作業がこれだけ必要なので金額はこのくらいです」というのを記入した書類です。見積書で報酬額を明確にせず作業を始めてしまうと、後から金額のトラブルになる可能性があります。

    ■納品書

    顧客に作業結果を納品する際に使用します。納品書があれば検収作業がスムーズになります。

    ■請求書

    作業報酬を顧客に請求する際に使用します。内容は作業内容と金額、振込先などで構成されます。請求書は申告の際に必要になりますので、請求書がなければ支払えないという事業者もあります。

    3.5 名刺などの事務用品準備

    ビジネスシーン

    フリーランスになると意外に作っておけばよかったと思うのが名刺です。これまで社内で作業することが多いエンジニアだったという方は、会社員時代よりも名刺交換をする機会が多くなる可能性が高いです。100枚3,000円程度で作成できますので、いざという時のために持っておくと便利です。

    また各種書類を送るための封筒や、その他事務用品を購入します。業務用に購入した際には、最終的に経費として申告できるようレシートや領収書を大事に保管しておきましょう。

    4.フリーランスになる前に済ませておきたいこと

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    フリーランスにかかわらず、自営業になると安定収入がないとみなされ、お金関係の手続きが難しくなる場面が多いです。例えば特に深刻になるのが、次の2点です。

    ・クレジットカードの作成
    ・ローンを組む

    クレジットカードを一枚も持っていない場合は、今後必要になった際に困るので何でもいいので一枚作っておくことがおすすめです。また家や車などの大きな買い物を予定している場合は、先に購入してローンを開始しておくことがおすすめです。会社員時代より年収が高くなっていても「収入が不安定」とみなされてしまうため、ローンの通りやすさは「会社員>個人事業主」なのです。

    5.個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)の書き方

    5.1 開業届のダウンロード

    「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」は、国税庁のホームページからダウンロードできます。提出先や受付時間の詳細については、次のページで確認することができます。

    【国税庁 -[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続】
    https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

    なお同時に青色申告を始める方は、次のページから「所得税の青色申告承認申請書」をダウンロードして、開業届と一緒に税務署に提出して下さい。

    【国税庁 -[手続名]所得税の青色申告承認申請手続】
    https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

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    5.2 開業届の記入方法

    「個人事業の開業・廃業等届出書」は廃業届も兼ねているため、開業する場合は開業に必要な項目のみをすべて埋めるようにします。

    「納税地」の項目に書く住所は、「住所地」「居所地」「事業所等」から選択することができます。レンタルオフィスなどを借りて事業所とした場合、住んでいる場所と税務署の所轄が異なる際には、提出先に注意して下さい。

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    5.3 職業欄の書き方

    基本的に書く内容に迷いそうな項目はあまりありませんが、迷うとしたら「職業」欄ではないでしょうか。

    ■異なる複数の職業で開業したい場合

    例えば「プログラマ」と「イラストレーター」の2種類の仕事を行う場合でも、開業届は1つで問題ありません。職業欄には2つ併記するのではなく、メインとなる方を1つ記入します。

    ■どう書いていいかわからない場合

    自分がやろうとしていることがどの職業にあたるのか分からない場合は、次の表を参考にしてみて下さい。なお厳密に合っていなくても、意味が通れば受理はされるようです。

    【総務省 - 日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定)】
    https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/shokgyou/kou_h21.htm

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    5.4 開業届の提出

    開業届は、「納税地」の項目に記入した住所に該当する所轄の税務署に直接提出します。

    所轄の税務署は、以下のページで確認することができます。

    【国税庁 - 国税局の所在地及び管轄区域】
    https://www.nta.go.jp/soshiki/kokuzeikyoku/kankatsukuiki/syozaiti.htm

    直接提出する場合、税務署の受付時間は朝8時30分から17時00分までとなっています。閉庁日(土・日曜日・祝日)は受け付けていませんが、郵送や時間外収受箱に投函することでも提出可能です。ただし郵送等の場合、不備があってもその場で教えてもらって修正することができません。ぎりぎりにならないよう、余裕をもって提出することがおすすめです。

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    6.フリーランスの営業

    人と関わるのが苦手で一人で作業したいから、という考えでフリーランスになると苦労します。その理由は、自分の力で新規案件を取ってくる、つまり「営業」が必要だからです。

    フリーランスとして新規案件を受注する際には、まず次のような準備が必要になります。

    ・自分の技術レベルを相手にわかりやすく提示できるようにする
    ・自分が作業する場合に必要な工数を見積もれるようにする
    ・工数から作業に見合った報酬額を算出できるようにする

    特に下請け作業でない=顧客がその分野の専門家でない場合、必要な技術と対価を正しく把握できていないケースもあります。受注のために安くしすぎて赤字を出してしまわないためにも、要件を満たすためにどのくらい作業が必要なのか、見積もれるようにしておくことが重要です。

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    7.面倒でも開業するとスイッチが入る

    個人事業主として開業しなくてもフリーランサーとして仕事を受けることはできますが、税制上のメリットだけでなく、これから独立してやっていこうという気持ちの切り替えにもなります。フリーランスになる際には、ぜひ開業を検討してみて下さいね。

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