インフラエンジニアを目指して就職・転職活動を始める方へ向けて、志望動機の書き方ポイントと例文をご紹介します。IT業界にチャレンジしたい、インフラエンジニアになりたいという強い気持ちはあるものの、履歴書にいざ文章としてまとめようとすると、なかなか頭に浮かんで来ないこともあるのではないでしょうか。
本コラムでご紹介する作成ポイントを参考にして、より良い志望動機を完成させてみてください。
1.志望動機とは
まずは、「志望動機」という言葉の意味について見ていきます。
Web百科事典のコトバンクでは、志望動機というワードについて、以下のように説明されています。
その職種または会社へと変わる、移ることを希望するに至ったきっかけ
(引用元URL:コトバンク「志望動機」より)
この意味から考えると、インフラエンジニアの志望動機は、「インフラエンジニアを目指すに至ったきっかけ」と言い換えることができます。
きっかけは応募者によって異なるはずですので、企業の採用担当者は志望動機を見ることによって、応募者の人物像や背景を読み取っています。
エントリーシートや面接で必ずと言っていいほど聞かれる志望動機は、他の応募者との差別化も図れる部分ですので、しっかり準備をしておきたい項目です。
2.インフラエンジニアの志望動機
インフラエンジニアの志望動機を作成するポイントを4つご紹介していきます。
ありきたりの文章になりがちな志望動機ですが、ポイントを押さえながら紐解いて行くと、自然とオリジナル性のある志望動機が作れるようになります。
2.1 ポイント1:インフラエンジニアに興味を持った理由
就職活動の志望動機だから…と堅苦しく考えるのではなく、まずは、なぜインフラエンジニアに興味を持ったのか、その理由を今一度振り返ってみましょう。
例えば・・・
・インフラエンジニアの友人から仕事の話を聞くうちに興味を持った
・情報システム部へ部署移動になり社内インフラに携わるようになった
・手に職をつけるべくITエンジニアになることを一念発起、職種を調べていてインフラエンジニアの存在を知った
インフラエンジニアに興味を持つには何かしらの理由やきっかけがあったはずですので、そこから志望動機へ繋げていきます。
2.2 ポイント2:その企業に応募したいと思った理由
続いて、その企業に応募したいと思った理由を考えていきます。
一口にインフラエンジニアと言っても、社内SEも兼ねた社内インフラ構築だったり、SIer企業で客先常駐のインフラエンジニアを募集していたり、企業によってもインフラエンジニアの業務内容は様々です。
例えば・・・
・スポーツ、医療、音楽などの自分が興味のある分野にITインフラで貢献できると感じた
・社内インフラ構築を通して社員のITサポートができると思った
・運用保守から設計まで幅広く携われる人材になれると感じた
数多くある企業の中から、その企業へ応募するに至ったわけですから、企業について感じた魅力を掘り下げていきます。企業研究を十分に行うことが大切です。
2.3 ポイント3:その企業で何をしたいのか
続いて、その企業でどんな仕事をしたいかについて考えていきます。自分の熱意を伝えるだけでなく、将来のビジョンを描いておくと良いでしょう。
例えば・・・
・設計構築や提案などの上位工程に携わりたい
・クラウド案件に携わっていきたい
・未経験から成長してリーダー・管理職まで経験したい
求人情報を細かくチェックして、いざ自分が入社した後のプランを見据えておくことで、企業が求める人材とのミスマッチも少なくなります。
2.4 ポイント4:その企業で自分は何ができるのか
最後に、その企業に入社した場合、自分は何ができるのかについてまとめていきます。
大学時代に打ち込んだこと、あるいは職務経歴書などを見返しながら、自分を存分にアピールできる部分を見つけてみてください。
例えば・・・
・運用設計の知識や経験を生かして新人メンバー育成にも携われる
・未経験だが〇〇について勉強中、成長スピードには自信あり
未経験者であれば、やる気やポテンシャルがアピール材料となりますし、経験者の場合は、これまでに培った経歴やスキルそのものが武器となります。
3.インフラエンジニアの志望動機例文
3.1 新卒:IT未経験者の場合
大学の情報リテラシーの講義があり、情報学に興味を持ちました。
そこで身の回りのITシステムを利用する側から、快適に使えるように守る側になりたい気持ちが芽生え、インフラエンジニアを志すようになりました。
貴社は若手でも着実に成長できるチーム体制を基本としていることに魅力を感じました。
現在は基本情報処理技術者試験の勉強中ですが、入社した際には、〇年以内にはチームリーダーになれるよう、業務を覚えて精進したいと思っています。
3.2 転職:IT未経験者の場合
小学校のプログラミング必修化のニュースを知り、実際に〇〇のプログラム言語の本を読んだことがきっかけでした。
これまで当たり前のように利用していたWebサイトやアプリは、どのような仕組みで動くのかを調べるうちに、システムを支えるインフラエンジニアを志すようになりました。
社内勉強会などを通して、未経験からでもチャレンジできる環境と、自社サービスも展開している点に魅力を感じました。様々なプロジェクトでスキルアップしながら、将来は社内システムのインフラ管理にも携わっていきたいと考えています。現在はITパスポートを取得しており、LinuCの取得に向けて勉強中です。
3.3 転職:IT経験者(インフラ未経験)の場合
システムエンジニアとしてシステム開発を3年経験してきましたが、部署移動で情報システム部に配属となりました。
社内インフラの仕事にも携わる中で、ネットワーク分野に興味が沸き、インフラエンジニアとしてのスキルを高めていきたいと考えるようになりました。現在はCCNAの資格取得を目指して勉強中です。
貴社は、インフラ未経験からでも挑戦可能なプロジェクトが多いこと、キャリアのロードマップ作成によってスキルアップを実感しながら成長できると感じました。前職での経験を活かし、社内のITサポートにも携わっていきたいと考えています。
4.やる気は資格取得でもアピールできる
しっかりと準備された志望動機によって、自分のやる気や情熱を伝えることも可能ですが、客観的な指標として使われるのは、やはり資格取得です。
インフラエンジニアになりたい、やる気はありますと伝えていながら、インフラエンジニアの仕事内容や資格について何も知らない…では、やはり説得力がありません。
自分の好きなこと、やりたいことがハッキリと定まっていれば、おのずと行動に表れてくるので、独学で勉強していたり資格を取得している場合は、大いにアピールしてみてください。
しかし、やみくもに資格取得に走るのではなく、目的に沿った内容と、自分のスキルレベルに合ったものを選ぶようにしましょう。
未経験者の場合であれば、基礎レベルの資格を一通り取得できていれば、充分なアピール材料となります。
5.まとめ
志望動機の書き方について解説してきましたが、これらを全て鵜呑みにするのではなく、あくまで作成するためのポイントであることを念頭に置いてみてください。
人それぞれインフラエンジニアに興味を持ったきっかけは異なり、企業が違えばまた、その企業を志望した理由も異なってきます。インフラエンジニアに興味を持ったきっかけから応募に至るまでの、自分の思いや行動にきちんとした筋が通っていることが大切です。
どのような経緯でインフラエンジニアを志したのか、そのために自分がどのような努力をしているのかを素直に伝え、面接は相互のミスマッチを防ぐ場としてリラックスして臨んでみてください。