公開日:2019年4月5日
インフラエンジニアのフリーランス求人案件や、応募においてどのようなスキルが必要とされるかについて解説します。 同じ企業に定年まで勤めるスタイルが一般的だった昔に比べ、現在では個人のライフスタイルに合わせて柔軟な働き方が選べる時代になりつつあります。
1.インフラエンジニアとは
インフラエンジニアとは、IT社会を支える基盤を設計・構築・運用保守するエンジニアです。
社内システムをはじめ、ショッピングサイト、旅行やチケットの予約サイト、クレジットカード決済など、ITサービスは私たちの生活の至るところで活用されており、電気や水道と同じように生活インフラの一部となっています。
システム開発を行うシステムエンジニアやプログラマーに対し、インフラエンジニアは、ITシステムを安全に、快適に利用することができるよう、システム基盤を支えるのが仕事です。
システム基盤は、Webサーバー等の各種サーバー、OSやミドルウェア、ネットワーク、セキュリティなど多岐にわたるため、幅広い知識が必要となります。
インフラエンジニアの仕事内容や資格については以下の記事でも紹介しています。こちらも合わせて参考にしてください。
2.フリーランスという働き方
フリーランスという働き方には、ケガや病気をした時の傷病手当や、年末調整などの税金関係の手続き代行してもらえるといった、企業に勤めていれば受けられる恩恵が一切ありません。そのため、「なんとなく不安」「いざという時に…」と言った理由で、なかなかフリーランスへの一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
しかし、終身雇用が破綻しているとも言われる現在では、もはや正社員であっても絶対安心とは言い難い時代です。むしろ、フリーランスという身分であるがゆえ、自分のスキルや体調管理により敏感になり、市場価値を高められると捉えることもできます。
■ フリーランスのメリット
・案件を自由に選べる
・案件次第では、働く時間や場所に縛られない
・スキル次第で年収アップが見込める
・より自分の市場価値に対して敏感でいられる
など
■ フリーランスのデメリット
・収入が不安定になる場合がある
・社会保険(労災保険、雇用保険、厚生年金、健康保険)に加入できない
など
3.インフラエンジニアのフリーランス案件・求人情報
インフラエンジニアのフリーランスの案件概要です。
インフラの運用経験や構築経験など、業務経験を有する人材の募集が多数を占めています。
3.1 年収は1000万越えも
本サイトProengineerで公開されているフリーランスインフラエンジニアの案件を調査したところ、2019年4月時点で月額単価50万円台が30%と最も多い結果となりました。
Proengineerフリーランスインフラ案件の年収分布
設計構築業務やプロジェクトリーダーなどの上流工程へ上がるにつれて単価はアップする傾向にあり、中には月額90万で年収1000万を超える案件も存在しています。
フリーランスでは案件毎の契約となるため、会社員時代によく見られる、年齢や就労年数による年収差がありません。自分のスキル次第で、若手であっても年収アップの可能性が見込めます。
3.2 クラウド関連スキルが必須
インフラのクラウド化が進む現在、仮想化技術やクラウドに関する知見や経験があれば、単価も高くなる傾向があります。
3.3 リモート案件は少なめ
在宅やフレックスで、時間や場所に縛られずに働きたいという希望から、フリーランスを目指す人もいると思います。
ITインフラのクラウド移行が進むにつれ、インフラの物理環境を持たない企業が増えるとすると、インフラエンジニアの業務形態も変化していくのかもしれません。しかし、在宅案件として業務が完結しやすいWebデザイナーやコーダーなどと比べると、現在のインフラエンジニアのフリーランス案件は、常駐の方がはるかに多いのが実情です。
しかし常駐案件であっても、リモート対応可能な企業であれば、業務に慣れるまでは出社して、お互いの信頼関係が築ければ、週の2~3日は常駐し、残りの1~2日はリモート対応という働き方ができることも考えられます。
■ インフラエンジニアのフリーランス転身
独学の未経験からいきなりフリーランスを目指すというよりは、運用設計を含む運用業務やサーバ構築、設計業務など、数年は業務経験を積んで自分の得意分野を磨いておくと、案件の選択肢が広がります。
スキルを培ったうえで、自分の希望するキャリアパスやライフスタイルの実現のために、フリーランスへ転身する人が多いと言えるでしょう。
4.フリーランスのインフラエンジニアに必要なスキルは?
フリーランスのインフラエンジニアに必要とされるスキルについてまとめました。
4.1 営業のスキル
フリーランスの最初のミッションは、まず案件を獲得することから始まりますので営業スキルが欠かせません。前職で培った人脈を通して紹介してもらったり、twitter、ブログなどを通して自ら情報を発信していく方法などが考えられます。
しかし、「技術だけにコミットしたい」「どうしても営業は苦手…」といった方は、フリーランスのエージェントに登録するのもおすすめです。
希望する案件を紹介してもらえるだけではなく、スキルシートの書き方、税金などの手続き関係に対する相談など、何かと不安になりがちなフリーランスに嬉しいフォローを受けることができます。
4.2 コミュニケーションスキル
案件毎に現場が異なるフリーランスは、人間関係の構築もその都度ゼロから行う必要があります。
営業力もさることながら、顧客との調整や、問題点の洗い出し、メンバーとの意思疎通など、日々の作業を円滑に進めるためにはコミュニケーションスキルも必要となります。
4.3 セルフマネジメントスキル
フリーランスの業務は、案件の獲得に始まり、課題解決や納期の調整、納品に至るまで全て自分の責任において遂行する必要があります。客先常駐型が大半を占めるインフラエンジニアのフリーランスは、チーム体制が多いため、納品までの業務全てを一人で完結させることはあまりないとも言えます。
しかし、会社員のように資格取得やキャリパスの実現をバックアップする研修制度等はありませんので、常に自分のスキルを意識した自己マネジメントが必要です。
4.4 クラウドのスキル
インフラのクラウド化によって、クラウドの知識は将来的に、インフラエンジニアが当然備えておくべき基礎スキルとなることも予想できます。
サーバーやネットワーク、データベースの知識に加え、クラウド関連スキルも見据えたキャリアパスを形成していくと良いでしょう。
■ +αのスキルで市場価値up
多分野に精通し、インフラも開発も熟知しているようなフルスタックエンジニアは、企業からも引く手あまたです。
プログラミング言語を習得して開発経験も積むなど、インフラ+αの知識と経験によって、自分の市場価値を高めることもできます。
5.まとめ
フリーランスと会社員には、それぞれのメリット、デメリットがあります。
ITエンジニアであれば、一度はフリーランスという働き方を考えたことがあるのではないでしょうか。キャリアパスの多様性が認められつつある現在は、自分がどのように働いていきたいのか、何に重きを置くのかによって、働き方を比較的自由に選べるようになりつつあります。
フリーランスはその自由度がより高いことが魅力です。フリーランスエンジニアに最終的に必要なものは、フリーランスに踏み出すための、最初の一歩なのかもしれません。