IT業界は技術のトレンドの移り変わりが激しいため、活躍を続けるためには積極的なキャッチアップがとても重要です。
そこで今回は、ITエンジニアのスキルアップに役立つ2021年最新版のプログラミング言語おすすめ人気ランキングベスト10を紹介。GitHubが発表したデータに基づくランキングと、編集部おすすめの言語とITトレンドについて解説します。
これから学ぶべきプログラミング言語について、何を選ぶべきか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
1. 【2021年最新版】おすすめ人気プログラミング言語の選定基準
まず、今回のおすすめ人気プログラミング言語ランキングの選定基準について解説します。
今回のおすすめ人気プログラミング言語ランキングは、実質的なシェアがわかるGitHubリポジトリのプロジェクトベースの言語ランキングと、W3Sによる勧告やプログラミング教育における採択といったITトレンドを反映したランキングです。
以下で、それぞれの選定基準について詳しく見ていきましょう。
1.1 GitHubリポジトリのプロジェクトベースの言語ランキング
2021年の最新の情報を反映するために、おすすめ人気プログラミング言語ランキングはGitHubプログラミング言語ランキングを基にしています。
GitHubリポジトリに登録されたプロジェクトベースの言語ランキングは、各年度の実質的なプログラミング言語のシェアを反映していると考えられるためです。
参照:The 2020 State of the Octoverse|GitHub
1.1.1 各年度の実質的な言語シェアを反映
GitHubが発表しているプログラミング言語ランキングは、GitHubリポジトリで登録されているプロジェクトベースに算出されているため、それぞれの年度の実質的なシェアが反映されていると言えます。
GitHubは、世界的に高い人気を誇るソフトウェア開発プラットフォーム。そのGitHubで登録されているプロジェクトが多いということは、それだけ世界中で開発が活発に行われていると考えられます。
人気プログラミング言語ランキングとして知名度の高いTIOBEのランキングは、Web上での検索数を基に算出。そのため、初心者が調べることの多いJava・C・Pythonといったプログラミング言語が上位にランクインするという異なる結果になるのです。
そのため、ITエンジニアが実際に開発を行っている人気の高いプログラミング言語を知りたいという場合には、GitHubのランキングを基にしたものを参考にするとよいでしょう。
1.2 W3Cによる勧告やプログラミング教育での採択など注目すべきトレンド
Webで使用される技術の標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)が推奨するものやプログラミング教育における採択されているものといった、2021年に注目すべきプログラミング言語やITトレンドも編集部のおすすめとして選定しています。
例えば、2015年に発表されたWebAssembly。WebAssemblyは、HTML・CSS・JavaScriptに続くWebを進化させる技術としてW3Cが推奨。
モダンなWebブラウザーでプログラムが実行可能で、新たな機能の提供やパフォーマンス向上が期待できるとして注目が高まっています。
2. 【2021年最新版】おすすめ人気プログラミング言語ランキングベスト10
それでは、2021年最新版のおすすめ人気プログラミング言語ランキングベスト10を紹介します。前年とのシェアの比較や、プログラミング言語の概要について解説しますので、需要が高まると考えられるプログラミング言語が知りたい人や、今後学習するプログラミング言語を検討している人はぜひ参考にしてください。
※2021年3月の記事執筆時点での情報を記載しています。バージョンなどの最新情報については、公式サイトでご確認ください。
2.1 【1位】JavaScript
前年と変わらず1位を獲得したJavaScript。JavaScriptは、2014年から1位をキープしています。Webブラウザ上で動作するスクリプト言語で、動きのあるWebページを作る上で欠かせません。
2014年に勧告されたHTML5は、非常に高い柔軟性を持ちます。HTML/CSSとJavaScriptで開発が行えるWebアプリに対するニーズが上昇。JavaScriptの人気を支える要因の1つになっています。
フレームワークであるVue.js、ライブラリであるReactの人気も高いです。環境構築が必要なく始めやすいため、プログラミング入門用の言語としても人気があります。
リリース | 1995年 |
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最新バージョン | ECMAScript 2020 |
参考サイト | JavaScript ガイド|MDN |
2.2 【2位】Python
2019年にJavaを抜いて2位となったPython。AI・機械学習・データ分析といった分野において欠かせない言語として、近年では高い人気を誇っています。
Pythonはシンプルであることを重要視したスクリプト言語で、比較的学習コストが低いことが特徴です。バージョンが上がるごとに機能性が向上しており、今では初学者から熟練のITエンジニアまで、幅広い層から支持されています。
pip・six・botocoreなどのライブラリが豊富な点も人気の理由。代表的なフレームワークとして、Django・Flask・Bottleなどが挙げられます。
リリース | 1991年 |
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最新バージョン | Python 3.9.2 |
公式サイト | Python |
ダウンロード | Python Release Python 3.9.2 | Python |
2.3 【3位】Java
3位を獲得したJavaは、JavaScriptやPythonと同様に、昨年と同じ順位をキープしました。オブジェクト指向のコンパイラ言語で、OSに依存せずに動作することが特徴。
システム開発・Web開発・アプリ開発と使える用途が多く、その汎用性の高さから根強い人気をJavaは誇っています。世界的に人気の高いゲームであるMinecraftはJavaで開発されました。また、Androidアプリの開発においても、Javaは欠かせない言語。
Javaによる開発を行う際は、JDK(Java開発環境)が含まれたJava SE(Java Platform Standard Edition)を使うことが一般的です。
リリース | 1995年 |
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最新バージョン | Java SE 16 |
公式サイト | Java | Oracle |
ダウンロード | Java SE Downloads|Oracle |
2.4 【4位】TypeScript
前年の7位から4位へとジャンプアップしたTypeScript。
マイクロソフトが開発したプログラミング言語で、静的型付けとクラスベースオブジェクト指向が追加されたJavaScriptのスーパーセットになっています。
TypeScriptで記述されたコードはコンパイルすると、JavaScriptのコードに変換されます。それにより、JavaScriptと同様の環境ですぐにプログラムを実行できます。
JavaScriptととの大きな違いは、大規模開発に適した仕様となっていること。GoogleがTypeScriptを社内の標準開発言語に採用したことで人気が高まっており、日本だけでなく世界的に将来的な需要の拡大が見込まれています。
リリース | 2012年10月1日 |
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最新バージョン | TypeScript 4.2.3 |
公式サイト | TypeScript |
ダウンロード | How to set up TypeScript|TypeScript |
2.5 【5位】C#
前年と同じ5位を獲得したC#。C#はマイクロソフトが開発したオブジェクト指向のプログラミング言語で、.NET Frameworkの一部であります。
C系の言語を影響を受けたJavaライクな言語ですが、後発であるためさまざまな改良がなされており、Javaよりも扱いやすいことが特徴。統合開発環境(IDE)である「Visual Studio」を利用すれば、環境構築もスムーズに行えるでしょう。
- Windows向けアプリ開発
- Androidアプリ開発
- Webアプリ開発
- Unityを使用したゲーム開発
など、さまざまな用途にC#は利用可能。汎用性の高さと扱いやすさ安家安さからC#の人気は近年高まっています。
リリース | 2000年 |
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最新バージョン | 8.0 |
公式サイト | C# 関連のドキュメント|Microsoft |
おすすめのコンパイラのダウンロード | ダウンロード|Microsoft |
2.6 【6位】PHP
前年の4位から6位にダウンしたPHP。PHPはWeb開発で需要のあるサーバーサイドで使用されるスクリプト言語です。
同じようにWeb開発で使用されることの多いJavaScriptがクライアントサイドに動作するのに対し、PHPはサーバーサイドでプログラムが実行されます。
HTMLの生成やデータベースとの連携といった、動的なWebページの作成する際に使用するプログラミング言語。PHPで開発された代表的なサービスはWordPressです。PHPが使用されたサービスは多く、根強い需要のあるプログラミング言語と言えるでしょう。
リリース | 1995年6月8日 |
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最新バージョン | 8.0.3 |
公式サイト | PHP |
ダウンロード | Downloads|PHP |
2.7 【7位】C++
前年に引き続き順位を1つ落とし、7位となったC++。Cを拡張したプログラミング言語で、オブジェクト指向や手続き型プログラミングなどの機能が追加されていることが特徴です。
それにより、Cのようにハードウェアを扱う低水準言語としての用途、アプリを開発する高水準言語としての用途のどちらにも利用されます。
リリース | 1983年 |
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最新バージョン | ISO/IEC 14882:2020 |
公式サイト | Standard C++ |
ダウンロード | Get Started! |Standard C++ |
2.8 【8位】C
前年から1つ順位を上げて8位となったC。Cは長い歴史を持つ、知名度の高いプログラミング言語です。上述のC++のように、Cから派生したプログラミング言語もあります。
幅広い用途に対応する汎用性の高さが特徴。機械語に近い低水準言語なので、特に組み込み・ハードウェア・IoTといった分野で利用されるケースが多いです。
C言語は、さまざまなコンパイラが対応しています。その中で、おすすめなのはマイクロソフトが開発を行っていて信頼性の高いVisual Studioです。
リリース | 1972年 |
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最新バージョン | ISO/IEC 9899:2018 |
参考サイト | C言語 |
おすすめコンパイラのダウンロード | ダウンロード|Microsoft |
2.9 【9位】Shell
前年から順位を1つ落として9位となったShell。Shell Scriptと紐づくShellは、OSを操作するためのインターフェースを提供するために開発されたスクリプト言語です。Shellの歴史は長く、Unixが登場した1970年代に一般的に認知されるようになりました。
コマンドプロンプトやターミナルといった、OSにデフォルトで搭載されているテキストで操作を行うCUI(Command Line Interface)によってShellは動作します。そのため、Shellはインストール不要ですぐに利用が可能。
ユーザーからコマンドが入力されると、Shellはリソースを管理するカーネルがわかるように解釈して実行。そして、カーネルでの処理結果をユーザーわかるように解釈して出力します。
記述が比較的簡単で、コンパイルも不要ですぐに実行できるため、初心者でも取り組みやすいプログラミング言語の1つと言えるでしょう。
2.10 【10位】Ruby
前年と変わらず10位を獲得したRuby。Rubyは、まつもとゆきひろ氏によって開発された国産のプログラミング言語です。
オブジェクト指向のスクリプト言語で、プログラムがすぐに実行可能。また、WebアプリケーションフレームワークであるRuby on RailsによってWeb開発を効率的に行えるため、初心者向けのプログラミング言語として人気があります。
リリース | 1995年 |
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最新バージョン | Ruby 3.0.0 |
公式サイト | Ruby |
ダウンロード | ダウンロード|Ruby |
3. 【2021年最新版】編集部注目のトレンドとプログラミング言語
GitHubのランキングにランクインこそしていませんが、今後の需要の拡大が見込まれる2021年に注目したいプログラミング言語は存在します。
以下で、
- WebAssembly
- Kotlin
- なでしこ
といった2021年最新版の編集部注目のITトレンドとプログラミング言語について解説します。
3.1 WebAssembly
WebAssemblyは、W3Cが推奨するWebブラウザ上で動作するバイナリーコードの新しいフォーマットです。
2015年6月にWebAssemblyは公開され、2017年11月にGoogle Chrome・Safari・Firefoxといった主要なブラウザに対応しました。Google・Apple・マイクロソフトによって仕様が策定され、開発が進められている2021年に注目したい技術の1つです。
C・C++・Rustといったプログラミング言語で記述したコードが、WebAssemblyのコードでコンパイルが行えます。JavaScriptよりもコードのサイズが小さくなるため、高速な動作が実現可能です。
ネイティブアプリに近いスピードでのWebアプリケーションの動作を可能とする、Webを進化させるHTML・CSS・JavaScriptに続く技術としてWebAssemblyは今後の普及が見込まれています。
WebAssemblyは、プログラミング言語の人気にも影響を与える可能性を持つ注目の技術です。
公式サイト | W3C WebAssembly Working Group |
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3.2 Kotlin
Kotlinは、日本国内でもさまざまな有名サービスのサーバーサイドで利用されたことで、大きな注目を集めているプログラミング言語です。
使用されているサービスの一例として、
- LINE GAME
- NewsPicks
- Retty
などが挙げられます。
Kotlinは、静的型付けのオブジェクト指向のプログラミング言語。代表的なフレームワークは、SpringやKtorです。Javaとの連携が考えられており、Java仮想マシン上で動作します。そのため、Javaと同じようにコンパイルも動作も高速であることが特徴。
また、Androidアプリの開発にも対応。Googleは、Androidアプリの開発言語としてKotlinを公式に認定しています。
ただし、Kotlinの用途はアプリ開発のみに留まらず、フロントエンドやサーバーサイドの開発にも利用可能です。
記述がシンプルで、Javaの問題点についてもケアがなされており、安全性も考慮されていることもKotlinが支持されている理由と考えられるでしょう。
リリース | 2011年 |
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最新バージョン | 1.4.31 |
公式サイト | Kotlin |
ダウンロード | Get started with Kotlin | Kotlin |
3.3 なでしこ
なでしこは、今回紹介した他のプログラミング言語とは異なり、日本語でプログラミングが行えるスクリプト言語です。
世界的なシェアは低いですが、プログラミング教育で注目される可能性があるため、番外編として紹介します。
なでしこは令和3年度の中学校の教科書に採用され、プログラミング教育で人気の高いScratchとともに掲載予定。
参照:なでしこが教科書に採用されました (2020/09/16)|なでしこ
さらに、有志による学習用に最適化された「なでしこパッド」も公開されました。
日本人が初めて触れるプログラミング言語として最適ななでしこは、2021年にプログラミング教育の分野で改めて注目を集めることが予想されます。
リリース | 2004年 |
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最新バージョン | v1.581 |
公式サイト | なでしこ |
ダウンロード | ダウンロード|なでしこ |
4. まとめ
JavaScript・Python・Javaといった安定した高い人気を誇るものは、ITエンジニアとして転職やキャリアアップを考える上で、スキルを身に付ければプラスとなるとプログラミング言語と言えるでしょう。
それだけでなく、TypeScriptやKotlinのように、今後のさらなる需要の増加が期待されるプログラミング言語を学ぶことも、最新技術へのキャッチアップが求められるITエンジニアには重要です。
効率的な学習や理想の転職を実現するために、今回のランキングを参考情報としてぜひ役立ててください。
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