近年さまざまな副業が注目されている中で、今人気を上げているのがPythonを使った副業です。今回は「スクレイピング」や「自動化」などの案件を受注するために必要なスキルをご紹介しつつ、実際にPythonで稼げるようになるまでのロードマップをご紹介したいと思います。
1. Pythonの主な副業案件
Pythonの副業案件には、大きく分けて「データサイエンス」「スクレイピング」「自動化」「Webアプリケーション開発」などの種類があります。
1.1 データサイエンス
Pythonのデータサイエンスとは、Pythonを使ってデータの分析を行うことです。
データ分析は、次のような流れで行います。
❶ 課題を決める | 答えを出したいと思っている課題を、明確にする |
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❷ データを収集する | 一般公開されている統計データや、所持しているデータベース、Webスクレイピングの結果などから、必要なデータを集める |
❸ データを処理する | データが欠損している部分の値を削除したり、平均値や中央値、最頻値などを当てはめるように設定して、データを整える |
❹ データを可視化する | MatplotlibやSeabornを利用して、グラフに描画する |
❺ データをモデル化する | 機械学習やディープラーニングに使用する場合は、データから統計モデルを作る |
データサイエンスを行う案件には、次のようなものがあります。フリーランスで週5日稼働の案件ですが、業務内容を参考までにご確認ください。
ヘルスケア業界向けの自社プロダクトについて、学習モデルを使った解析を行うデータエンジニアを募集する案件です。
詳しくは案件ページをご覧下さい。
▶ 案件情報:【SQL/R/Python/AWS】データエンジニア★自社サービス向けデータ分析支援
1.2 スクレイピング
スクレイピングとは、Webページの情報を自動で取得することです。
例えば、あるサイトのある部分の情報を毎日記録したい場合、毎回手動でサイトを表示してコピーして手元のワークシートに貼り付ける……なんて作業を日々行うのは、とても大変です。そこでPythonを使うと、「指定したサイトの指定した部分を指定した頻度で取得する」というルーチンワークを自動化することができます。それがWebスクレイピングです。
スクレイピングを行う案件には、次のようなものがあります。フリーランスで週5日稼働の案件ですが、業務内容を参考までにご確認ください。
こちらは、これまでJavaで作成されていたクローラやスクレイピングを、Pythonで書き直すことが目的の案件となっています。
詳しくは案件ページをご覧下さい。
▶ 案件情報:【Python】Webエンジニア★AIとビックデータを活用したマーケティングプラットフォームの開発
1.3 自動化
Webスクレイピング以外にも、Pythonを使えば次のような作業も簡単に自動化することができます。
- ExcelやWordの操作
- ブラウザの操作
- メールの送受信
- 画像編集
例えばExcelの一覧表からひたすら値を転記して発注書を起すなどの作業を行う場合や、たくさんの画像を同じ大きさにリサイズしていくなどの単純作業は、Pythonを使えば簡単に自動化することが可能です。またブラウザの操作を自動化することにより、SNSの操作も自動化することができます。
自動化を行う案件には、次のようなものがあります。フリーランスで週5日稼働の案件ですが、業務内容を参考までにご確認ください。
こちらは、電車に関する様々なサービスを自動化することが目的の案件となっています。
詳しくは案件ページをご覧下さい。
▶ 案件情報:【Python】Webエンジニア★電車(観光)向け販売システムの開発
1.4 Webアプリケーション開発
Webアプリケーションは大きく分けて、画面を表示する「フロントエンド」、内部処理を行う「バックエンド」、データを記録する「データベース」の3つで構成されています。
Pythonで開発を行うのは、このうちの「バックエンド」の部分です。バックエンドでは、フロントエンドで行われた操作や入力されたデータを受け取って処理を行い、フロントエンドに処理結果を返したり、データベースへの値の保存を行います。
Webアプリケーション開発を行う案件には、次のようなものがあります。フリーランスで週5日稼働の案件ですが、業務内容を参考までにご確認ください。
こちらは自社内での利用を目的として開発されている、営業支援ツールの開発を目的とした案件となっています。
詳しくは案件ページをご覧下さい。
▶ 案件情報:【Python】バックエンドエンジニア★BtoB向け自社SaaS開発
2. Pythonの副業案件で稼げる金額の目安
この項目では「データサイエンス」や「スクレイピング」など、それぞれの案件の種類別に稼げる金額の目安を、正社員とフリーランスを比較しながら、ご紹介します。
なお案件内容と報酬額の参考例は、弊社求人サイト「プロエンジニア」に掲載している求人情報を元に作成しております。
▶ 案件の参考:プロエンジニア
2.1 データサイエンス
データサイエンスを行う正社員案件での年間報酬額には、次のようなものがあります。
350~700万円 | データサイエンティストとして、ECサイトのユーザ行動履歴や、実店舗で取得されるデータを集計して分析を行う |
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400~800万円 | Eコマース関連事業で取得するデータを分析し、データの可視化から課題発見、改善施策の実行を行う |
400~600万円 | 大量の医療データを活用して、データ解析プラットフォームの開発、ウェブサービスの構築支援を行う |
データサイエンスを行うフリーランス案件での月額報酬額には、次のようなものがあります。
70~90万円 | AIやビッグデータを活用したプラットフォームの開発を行っている現場で、クローラやスクレイピングでデータを収集するパートを担当する |
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80~100万円 | AIやビッグデータを活用したプラットフォームの開発を行っている現場で、データを活用したマーケティングツールを開発するパートを担当する |
100万円~ | ビッグデータを投資判断に応用するために、前処理、EDA、モデリング、評価といった、データ分析を行う |
このように「データサイエンス」の案件では、正社員であれば年額350~800万円程度、フリーランスであれば月額70~100万円程度の報酬が企業より提示されています。
2.2 スクレイピング
スクレイピングを行うフリーランス案件での月額報酬額には、次のようなものがあります。
70~100万円 | 官公庁・自治体等の入札・落札情報を一喝で探せる「入札情報速報サービス」のリプレイスを担当する |
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70~90万円 | AIやビッグデータを活用したプラットフォームの開発を行っている現場で、クローラやスクレイピングでデータを収集するパートを担当する |
スクレイピングを行うクラウドソーシング案件での固定報酬額には、次のようなものがあります。
10~30万円 | 擬似的にサイトにアクセスし、LINEやtiktokで出現する広告URLを自動的に取得してスプレッドシートに一覧で出力し、サムネイルを表示するクローラーを作成する |
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1~5万円 | クライアントが運営するFacebookグループにおける全ての投稿やコメントに押された「いいね」の数を集計するクローラ―を作成する |
5~10万円 | ECサイトで販売した商品の発送先を自動で取得し、かつ自動で印刷するためのプログラムを作成する |
「スクレイピング」をメインとして行う案件では、正社員の求人情報はあまり見つけることができません。
フリーランスであれば月額70~100万円程度の報酬が提示されることが多いようです。
クラウドソーシングは案件ごとの固定報酬型のため、その金額は作成するものの規模により様々です。予算は数千円から数十万円といった規模の案件が多いようです。
2.3 自動化
自動化を行う正社員案件での年間報酬額には、次のようなものがあります。
500~750万円 | クラウドインフラの変更や運用、復元を、自動化するツールを開発する |
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450~600万円 | メール送信の自動化を含む、メールサービス全般に関する開発を行う |
自動化を行うフリーランス案件での月額報酬額には、次のようなものがあります。
60~70万円 | 販売システムのほか、電車(観光)に関する様々なサービスのIoT、自動化を、在宅勤務で行う |
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60~100万円 | AIとビッグデータの分析技術を活用した電力系企業向けのサービスについて、自動化、省力化などを行う |
このように「自動化」の案件では、正社員であれば年額450~750万円程度、フリーランスであれば月額60~100万円程度の報酬が企業より提示されています。
2.4 Webアプリケーション開発
Webアプリケーション開発を行う正社員案件での年間報酬額には、次のようなものがあります。
400~800万円 | 大手放送局をはじめとしたクライアント企業の、オンデマンドサービス開発を行う |
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400~800万円 | 自社開発の、マーケティングソリューション開発を行う |
250~350万円 | 自社のECサイト(マンガ閲覧サイト)の開発を行う
実務経験問わず積極的に採用を行っている |
Webアプリケーション開発を行うフリーランス案件での月額報酬額には、次のようなものがあります。
70万円~ | 自社で運営しているサブスクリプションサービスの管理を行う、SaaSの開発を行う |
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80~100万円 | 建設業界向けのリスク管理システムの開発を行う |
70~80万円 | 自社で利用している、GoogleやZoomと連携する営業支援ツールの開発を行う |
このように「Webアプリケーション開発」の案件では、正社員の場合の年収額はスキルに大きな影響を受けます。その代わり求人は多く、未経験からでも積極的に採用を行っている企業もあります。
フリーランスであれば月額70~100万円程度の報酬が、企業より提示されています。
3. Pythonの副業案件の受注方法
この項目では、実際にPythonの副業案件を受注する方法をご紹介します。
3.1 クラウドソーシング
初心者が最も簡単に副業案件を見つける方法として、クラウドソーシングの利用が挙げられます。
代表的なクラウドソーシングサイトとしては、「ランサーズ」「クラウドワークス」の2つが挙げられます。
■ クラウドワークス( https://crowdworks.jp/ )
2022年6月に発表された時点でフリーランス登録者数480万人と、日本最大規模を誇るクラウドソーシングサービスです。(後述するランサーズは、2021年3月時点で129万人)
初心者でも受注できる案件が豊富に登録されており、気軽に始めることができます。逆に一流のスキルを持った会社員やフリーランスなどで「ラウドワークスの案件では物足りない」という方には、同社の「クラウドリンクス」というハイクラスの副業案件を紹介するサイトもおすすめです。
■ ランサーズ( https://www.lancers.jp/ )
ランサーズを使う利点として挙げられるのは、その報酬の支払い方法です。ランサーズでは「仮払い」という方式を採用しており、作業を開始する前の段階でクライアントから報酬がランサーズに入金されます。作業中はランサーズが報酬を預かり、作業完了の時点で支払われることから「せっかく作業したのにクライアントから報酬が支払われなかった」というトラブルを防いでいます。
これらのクラウドソーシングを利用するメリットとデメリットには、次のようなものが挙げられます。
■ メリット
初心者でも気軽に登録して、即日から利用可能です。基本的に在宅・リモートでの業務が中心となっています。さらに契約や支払いをサービスが仲介してくれるので、初心者でも安全です。
■ デメリット
発注主にとっても気軽に登録できるプラットフォームであるため、つまり信頼性の高いクライアントばかりではありません。また案件の仲介料として、次のシステム手数料がかかります。
• 受注者(ランサー)側:契約金額の16.5%(税込)
• 発注者(クライアント)側:契約金額の5.5%(税込)
3.2 個人で営業する
副業案件を受注する方法として、個人で営業をかけるという方法もあります。
ただしこの方法が有効なのは伝手がある場合などに限られ、そうでない場合に安定的な受注を確保するには、かなりの営業努力が必要となるでしょう。
3.3 フリーランスのエージェントを利用する
フリーランス案件を受注する場合、エージェントの利用が有効です。個人で行うのが難しい営業を、エージェントが代わりに行ってくれます。
ITエンジニア向けの転職情報サイト「プロエンジニア」では、社員としての転職のサポートだけでなく、フリーランスエンジニア向けのエージェントサービスも行っています。
案件の継続的な紹介やマネジメントを探しているフリーランスの方にもおすすめです。
■ プロエンジニア( https://proengineer.internous.co.jp/ )
▶ こちらの記事も要チェック
フリーランスエンジニア向けエージェントおすすめ10選|HRtable
4. Pythonの副業案件の受注に最低限必要なスキル
この項目では、実際にPythonの副業案件を受注するために必要なスキルをご紹介します。
4.1 Webアプリケーション開発の基礎
PythonでWebアプリケーション開発を行うためには、フロントエンドおよびサーバーサイドのプログラミングに関する基礎的なスキルを習得しておく必要があります。
フロントエンドとは、Webサービスの見た目に関わる部分のことで、サーバーサイドとはサーバー側で行う内部処理にあたる部分のことです。
詳しくは、次の記事も参考にしてみて下さい。
4.2 スクレイピング
Pythonはデータ分析や機械学習に用いられる機会が多いため、分析対象となるデータの収集にスクレイピングが必要になる場面が多々あります。
そのためPythonを学ぶ場合は、基礎スキルとしてスクレイピングの習得がおすすめです。
詳しくは、次の記事も参考にしてみて下さい。
4.3 WebAPI活用の知識
WebAPIとは、他者が提供してくれている便利なサービスを利用するためのインターフェースです。
例えばアプリケーションに決済サービスを実装する場合、自分でクレジット決済機能を一から作成するのと、クレジット決済サービスのAPIを利用するのとでは、そのプログラミングに要する労力は雲泥の差となります。
他にも、例えば天気情報サービスのAPIを利用することにより、無料で日本全国142ヵ所の天気予報を「今日・明日・明後日」まで取得する事が出来ます。
このようにWebAPIを活用することで、外部サービスと連携し、安全に手早く機能を実装することができます。
なおPythonで人気のAI案件も、自力でゼロから機械学習やディープラーニングを行うのではなく、IBM Watsonなどの学習済み人工知能をAPI経由で実装するというケースも少なくありません。WebAPI活用の知識を付けることで、結果的に対応できる案件の幅が広がるのです。
4.4 機械学習
データ分析系の案件を受注する場合、機械学習に関するスキルがあることで高額報酬につながります。
4.5 コミュニケーションスキル
ディレクター、デザイナー、マーケターなど、開発の場面では異なる職種の方と関わる場面も多くあります。
そのため、円滑にコミュニケーションが取れる能力も重要です。
5. Pythonの副業案件を受注するためのロードマップ
この項目では、実際にPythonの副業案件を受注するまでのロードマップをご紹介します。
5.1 月5万~10万
プログラミングが未経験の方でも、独学で副業案件の受注に至ることは可能です。
ただしいきなりスクレイピングや自動化の案件を受注することはハードルも高く、はじめのうちはLP制作など簡単な案件の受注を目指すと良いでしょう。
まずはプログラミングの無料学習サイトで一通り勉強し、初めは模写からでもOKなので、自分が実際に作業した実績をクライアントに示すことができるポートフォリオを作成します。それを使って、LP制作などの簡単な案件をクラウドソーシングで受注することをまず目指します。
この簡単な案件の受注を繰り返すことによって実績を増やしていくことで、月5万~10万円の収入を得ることにつながります。
LP制作以外に初心者におすすめの案件にどのようなものがあるかなどは、次の記事も参考にしてみて下さい。
5.2 10万円以上~
仕事に慣れてきたら、案件の受注数をさらに増やし、なおかつ技術の幅を広げていきましょう。
契約数を増やしていくにあたって気を付けたいのは、「発注元の企業・個人の評判を事前に調べること」です。
発注元が不慣れであるケースでは仕様の決定や作業の見積もりがきちんと行われていなかったという場合もあり、トラブルにつながる場合もあります。「修正の依頼は明らかなエラー以外は各工程につき1回まで」とするなど、あらかじめ取り決めておくことが重要です。
そういった案件の見極めが難しかったり面倒に感じる場合、フリーランス向けのエージェントを利用する方法があります。エージェントを経由する案件はほとんどのケースで見積もりがしっかりと行われており、安心して受注することができます。
■ プロエンジニア( https://proengineer.internous.co.jp/ )
6. Pythonの副業案件についてよくある質問
この項目では、Pythonの副業案件を受注する上でのよくある質問をご紹介します。
6.1 Pythonの副業案件は在宅・リモートでも受注可能?
フリーランス向けの案件には、完全リモートで受注可能なものも多数存在しています。
しかしデータとして顧客の個人情報を扱うために高いセキュリティが要求される案件や、金融業界で使用されるシステムなどで高い堅牢性が求められる案件では、出社しての作業が必要なものもあります。
6.2 機械学習・AI関連の案件の受注には大学レベルの数学知識が必須?
独自アルゴリズムの設計・実装が求められる案件などでは、高額報酬の代わりに大学レベル以上の数学が必須となります。
一方でWatson APIなどAPI経由で学習済みAIを活用する場合には、必ずしも高度な数学的知識が求められるとは限りません。
Pythonを用いて高度な実装を行いたいという方でも、はじめはAPI活用から始め、必要に応じて徐々にアルゴリズムを学んでいくという方法もあります。
6.3 副業案件を複数受注するためのコツは?
■ これまでの開発実績や今勉強している内容をアピールする
Pythonでの開発実績がある場合は、それをいつでもクライアントに見せられるように、ポートフォリオにまとめておくことがおすすめです。
ただしクライアントとの契約によっては作成物をそのままの形で他人に公開することができない場合もありますから、注意が必要です。
また過去の実績にはなくても、普段から勉強して向上心が高い事をアピールするのもおすすめです。まだ実績がない場合は、その勉強内容を活かしたオリジナルのWebアプリケーションを一本作成しておくと、ポートフォリオとして大きなアピールになります。
■ 円滑なコミュニケーションが可能なことをアピールする
円滑なコミュニケーションとはいっても、フレンドリーである必要はありません。
一緒に仕事をする仲間として、必要な業務連絡を素早く丁寧にやりとりできるということを示すことができれば、次回の受注につながります。
7. まとめ
プログラミングを用いた副業と言うと高度な専門知識が必要かと思われがちですが、Pythonを用いた副業には簡単なものから始められる案件が多数あり、実は初心者にもおすすめの副業となっています。
また普段からPythonを使って一線で業務をこなしている方にとっても、腕の見せ所となるような案件も多数見つけられるかと思います。
選択肢を拡げるという意味でも、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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