昨今の働き方改革や外出自粛の流れでフリーランスという働き方を選ぶ方が増える中、「フリーランスがうざい」という声が聞こえるようになりました。
「うざい」という印象を抱かれやすい一番の理由には、「目立つ」ことが挙げられます。年々増加しているフリーランスですが、実際に、ここ5年程度で広義のフリーランス人口は1.5倍に急増しています。これは日本の全労働人口の24%にあたり、急に増えすぎていることも「フリーランスがうざい」と思われる原因になっているようです。
出典:『新・フリーランス実態調査 2021-2022年版』発表|ランサーズ
また、増えすぎていること以外にも、個人のフリーランスの行動で「うざい」と思われてしまうケースがあります。本記事ではその事例と対策を、SNS上の声と現場の声に分けてご紹介します。
1. フリーランスがSNSで「うざい」と思われる事例4選と、その対策
SNSでフリーランスが「うざい」と思われる事例には、次のような「謙虚じゃない」と受け取られがちな4つの理由が挙げられます。
1.1 SNSのDMや広告で詐欺まがいの勧誘をしてくるから
近ごろフリーランスを「うざい」と思っている人が増えた原因は、実は業務を個人で請け負って作業しているタイプのフリーランスが原因ではない場合があります。理由は、投資その他の情報商材やマルチまがい商法への勧誘を行っている人たちが、SNSのDMや広告で「憧れのフリーランスで自由な生活を手に入れる」という表現を利用し始めたからです。
背景には、コロナ禍以降「フリーランスは自由な働き方ができる」として、憧れる人が増えたことが挙げられます。そのイメージを利用した広告の増加が、フリーランス全体に対する誤解を招いた可能性があります。
!対策
お仕事を募集する広告用のSNSを運用するなら、そういった詐欺まがいの商法と混同されないように堅実な仕事ぶり(職務経歴や業務内容を具体的に)をアピールするように心がけましょう。
1.2 自分の成功を過度に自慢するから
フリーランスとしての実績を大きくみせようとするあまり過度に成功をアピールすると、うざいと思われがちです。
!対策
特に実績が少ないうちは成功していることを大きくアピールしたいところですが、あまり華美にしすぎると、商材へ誘導するために作られた「華やかな世界への憧れを煽る」タイプの広告と混同されてしまうことがあります。
実績のアピールにはあまり華やかな装飾語を使わず、「未来のクライアントに業務内容が伝わりやすいよう、読みやすく正確にまとめる」方が、確実に次の仕事につながります。
1.3 フリーランスを持ち上げるため、会社員を見下す発言をするから
元の職場に不満があってやめた場合、つい「やめてよかった!」「フリーランス最高!」とアピールしたくなることがあります。
また前述のような広告では、見た人の感情を煽って商材へと誘導するため、意図的に強い言葉で会社員を下げ、過度にフリーランスを持ち上げる仕組みになっています。
!対策
商材への誘導にも使われる表現なので、それと混同されて警戒されないように気をつけましょう。フリーランスや会社員の他にも多様な働き方があり、どれも違った良さがあると、お互いを尊重し合うことが大切です。
もし「仕事ができるフリーランス」と自己ブランディングして依頼を増やしたいという目的があるなら、私生活よりも持っているスキルをアピールした方が有効です。
1.4 有名人やセレブとつながっているアピールをするから
有名人やセレブとパーティーや交流会で会話した等を過剰にアピールし、まるで親しい友人のように振る舞う人は、自分を大きく見せようとしていると判断され、うざく思われがちです。
!対策
フリーランス白書2024によると、フリーランスの半数以上は「人脈」で仕事を獲得しており※1、人脈はとても大事だということが分かります。しかし、有名人とのプライベートでのつながりを過剰にアピールしすぎると「うざい」と思われがちです。「信用のあるフリーランス」という自己ブランディングが目的ならば、やはり私生活よりも業務に関連するスキルや職務経歴をアピールした方が効果があります。
とはいえ「有名人や有名企業と一緒に仕事をした実績」ならば、積極的にアピールした方が信用につながることもあります。ただし内容を盛らないように事実を端的に述べることを心がけ、公表は相手の同意が取れた範囲で行いましょう。さもなければ相手の信用を失ってしまいますので、注意が必要です。
■ 参考:直近1年間で仕事獲得に繋がったことのある経路
人脈(知人の紹介含む) | 61.6% ※1 |
---|---|
過去・現在の取引先 | 58.9% |
自分自身の広告宣伝活動 ※2 | 33.2% |
エージェントサービスの利用 | 23.2% |
クラウドソーシング | 18.7% |
求人広告 ※2 | 15.9% |
シェアリングサービス | 2.2% |
その他 | 3.5% |
※2:広告の媒体は、Web・SNS・新聞・雑誌など
出典:フリーランス白書2024|一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
仕事獲得経路の上位3位までである「人脈」や「SNSなどでの広告宣伝活動」が、「難しそう」「あまり宣伝するとうざいと思われそうで心配」という方には、キャリアコンサルタントが案件探しを手伝ってくれる「エージェントサービスの利用」がおすすめです!
今の案件はクラウドインフラを経験できることが魅力で選んだのですが、私自身クラウドは未経験でしたので、案件探しには難航しました。経験値のあるオンプレ案件であれば単価も高いし、案件の選択肢も広がります。ですが、これまでと同じ案件を請け続けていては、将来的に案件選びに苦労する可能性が高くなるので、妥協せずキャリアコンサルタントの尾﨑さんにも協力を仰ぎながら、今の案件にたどり着きました。
出典:未経験でもフリーランスになれた秘訣は自己学習と資格取得!オンプレを熟知した上で、クラウドにも特化したインフラのスペシャリストに
2. フリーランスが顧客から「うざい」と思われる事例7選と、その対策
フリーランスが顧客(クライアント)から「うざい」と思われる事例には、次のようなコミュニケーション不足で起こりがちな7つの理由が挙げられます。
2.1 SNSにクライアントの愚痴を投稿したから
SNSに投稿した愚痴をクライアントに見られると、名指ししていなくても「もしかして自分のこと?」と思われて、不快な気分にさせてしまうケースがあります。
!対策
SNSは全て見られていることを前提として、営業用のアカウントにはネガティブなことは書かないように気をつけましょう。クライアントへの愚痴だけでなく、プライベートへの愚痴も避けた方が無難です。仕事用とプライベート用のアカウントは、それぞれ別個に運用することがおすすめです。
2.2 クライアントに無許可で実績等を公開したから
プロジェクトの内容だけでなく開始や終了の時期ですら、公開すると問題になる場合があります。例えば株価に影響を与えるプロジェクトの動向をSNSで漏らしてしまうと、インサイダー取引にあたる可能性があります。
!対策
固有名詞を名言していなくても推測できるように匂わせただけで問題になったケースがありますので、よく注意してください。実績として公開したい場合は、必ずクライアントに公開できる範囲を確認しましょう。
なおSNSで公表する場合だけでなく、職務経歴書などへの記載でも、取引先名や作業内容の公開には許可を取る必要があります。作業内容は書いてもいいが社名はNGとか、逆に名称の公開は大丈夫だけど詳細な作業内容はNGとか、案件によって公開できる範囲が違います。公開予定の内容を先方に確認してもらえたらベストです。
なお同じクライアントでも案件によって公開可能範囲が異なる場合があるので、案件ごとに都度確認することを忘れないようにしましょう。
2.3 全体としてはチームで作業しているのに、協調性がないから
フリーランスは常に一人で作業していると思われがちですが、チームの一員としてプロジェクトに参画して働くこともあります。そこで協調性がないと、うざいと思われてしまいます。
!対策
人の話にはよく耳をかたむけ、コミュニケーションを密に取ることを心がけてください。
2.4 クライアントの意見や要望を聞き入れないから
自分のやり方にこだわり、クライアントの意見や要望を聞き入れない場合、うざいと思われがちです。
!対策
自分のやり方にこだわりすぎず、意見や要望があれば柔軟に対応しましょう。
2.5 予定していた納期を守らないから
納期までに仕事が終わらないフリーランスは、うざがられてしまいます。
!対策
自由とは自分で律する必要があるということです。体調面も含めて、フリーランスには自己管理が重要です。とはいえ、気をつけていても不運なことに問題が発生するケースもあります。その場合は、分かった時点ですぐにクライアントへ対応策を相談することが大事です。
2.6 報連相を軽視するから
上3つと共通することですが、全体的に報告・連絡・相談をしないフリーランスは「うざい」と思われてしまいます。
!対策
クライアントとの認識のずれを防ぐためにも、こまめなコミュニケーションを心がけることがおすすめです。
2.7 料金設定が不透明で、終わってから想定を超える料金を請求されたから
フリーランスに仕事を依頼したけど見積もりや追加料金の説明が不十分だったため、終わってから予想をこえた高い料金が請求されたから「うざい」と感じたという意見があります。
!対策
スキルに対して正当な対価なら、高くても問題はありません。ただし事前に契約時に、料金体系を明確にしておくことが大切です。料金に対する作業範囲を明確にしておくことで、想定外のリテイクの繰り返しなどでフリーランス側の作業が過剰にならないように、自分を守ることにもつながります。
3. クライアント・顧客から「うざい」と思われずに良好な関係を築く方法
では、どうすればクライアントから「うざい」と思われずに良好な関係を築くことができるのでしょうか。まとめると、次の4つが挙げられます。
3.1 クライアントとの約束を守る
最初の契約内容を守るのはもちろんのこと、打ち合わせや雑談などの中で出てきた追加の約束ごともできるだけ記録に残し、きちんと守るようにしましょう。
特に雑談で出た口約束は双方が忘れがちなので、早め(できれば当日中)にメールなどで追加・変更点を再確認し、議事録とは言わないまでも何らかの形に残しておくと安心です。
3.2 こまめなコミュニケーションを心がける
「何度も連絡しすぎるとうざいと思われそう」と考えてしまいますが、業務については認識がずれたまま作業を進めた方が「うざい」と思われる結果になりがちです。遠慮せずにこまめな連絡を心がけることがおすすめです。
3.3 体調管理や自己管理はきっちり行う
フリーランスが体調不良になると、納期の遅れや収入減少に直結するので特に注意が必要です。収入と信用を同時に失ってしまうので、何よりも自分の身体を大事にしてください。
3.4 作業のクオリティを保つ
クライアントからの信用を得るために重要なのは、「常に安定した品質を保つ」ことです。無理をして実力以上に品質を高める必要はないので、作業の品質にはムラがないように心がけることが大切です。
4. フリーランスと会社員、それぞれの働き方のメリット
この項目では、フリーランスと会社員がお互いを尊重するために、それぞれのメリットやデメリットを確認します。フリーランスと会社員それぞれのメリットとして、次のことが挙げられます。
まずフリーランスのメリットとして、やはり「自由度が高い」ことが挙げられます。仕事の内容や相手だけでなく、働く場所や時間を自分で選びやすいという利点があります。さらにフリーランスは会社員のように部署の業績などに給与が左右されないので、自分のスキルや経験次第で高収入を目指すことができます。
対する会社員のメリットには、何よりも「安定」が挙げられます。体調不良などで働けなくなると収入が激減する可能性のあるフリーランスに対して、会社員には雇用保険などの各種の社会保障が充実しています。さらに会社員は労働基準法に守られているので、働きすぎを止めてもらえるというメリットがあります。
それぞれに異なるメリットがありますので、より自分に合う働き方を探してみてください。
5. フリーランスとして本当の意味で成功するには|インタビューを紹介します
フリーランスとして本当の意味での成功は、無理なく長く続けていくこと。それには「会社員ではなくフリーランスという働き方を選択する目的」を、明確にすることが大切です。
実際にフリーランスを無理なく続けている人にはどんな目的があったのか、インタビューしてみました。自分にとって何が本当の成功なのか、考える参考にしてみてください。
5.1 家族と過ごす時間を増やすためにフリーランスへ。案件を選ぶ上で大切にしていることとは?
【Q】フリーランス歴が長い笹原さんですが、案件を選ぶうえで大切にしていることはありますか?
【A】全ての業界に共通していることだと思いますが、企業風土、社風を見極めることを大切にしています。私は子供を持つ父親なので、案件に参画する場合は基本的に長い目でお世話になりたいと思っています。
結局どれだけ契約条件や働き方が自分に合ってようと、企業風土、社風が自分に合っていなければ継続するのは難しいと思ってます。例えば、自分の主張がどこまで汲み取ってもらえるのかとか、逆に「自分で考えて作業してね」と極端な投げっ放しの指示なのかなど。
また、そもそも社内の人間関係がぎすぎすしていないかなど、人間関係の部分はすごく重視しています。
5.2 夢と両立するためフリーランスへ。専属のコンサルタントと共に、勤務時間の調整を最優先に案件を選択
【Q】現在の案件について教えてください
【A】建設会社のシステム保守の案件に入っています。一番気にしていた勤務時間は非常に安定していて、在宅時は勤務時間を自由に調整させていただける現場です。おかげでボクシングの練習時間を十分に確保でき、プロライセンスも無事取得できました。
最初の契約から1年半が経過し、任せてもらえる業務も増え、現在の仕事に満足しています。
5.3 最先端のスキルに携わるためフリーランスへ。未経験から最新技術へのスキルチェンジに成功したコツとは?
【Q】中村さんの面接のコツを教えてください
【A】実は今、案件先の採用活動にも携わっているのですが、実際に採用する側の立場になってみて、面談には愛想と誠実さが大切だと感じています。特化した技術があればいいですが、私のように未経験の技術に挑戦する場合は人間性で勝負する必要があるので、笑顔を忘れないこと。そして、アピールすることも大切ですが、できないことをできないと素直に伝える誠実さもいい印象を与えると思います。
また、未経験でやりたいという気持ちがどれだけ強くても、言葉だけでは伝わりきらないので、資格を取得しようとする姿勢や自己学習の詳細を話せるよう準備し、行動で示す事が大切です。
6. まとめ
フリーランスは個人事業主のため、信用第一という場面の多い仕事です。とはいえ、クライアントへの誠実な対応とこまめな意思疎通を心がけていれば、「うざい」と思われることを過度に心配しなくても大丈夫です。本記事が、フリーランスという働き方を考える一助になれば幸いです。
弊社が運営するフリーランスエージェント「プロエンジニア」のキャリアアドバイザーが、あなたに最適な案件探しを全力でサポートいたします。これからフリーランスへ転身したいと考えている方も、ぜひ一度プロエンジニアにご相談ください。
当サイトプロエンジニアのコンサルタントが厳選したおすすめのフリーランス案件特集はこちら
特集ページから案件への応募も可能です!
実際にフリーランスエンジニアとして活躍されている方のインタビューはこちら