IT業界の人材不足の中、働き方改革の後押しも受け、フリーランスエンジニアの需要も人気も高まっています。
ではIT実務未経験からフリーランスエンジニアを目指す方はどのようなルートをたどれば良いのでしょうか?本記事では未経験者がフリーランスエンジニアになるために知っておきたいポイントや実務経験について解説します。
1. フリーランスエンジニアになるためにクリアしておきたい条件
IT実務未経験からいきなりフリーランスエンジニアになることは不可能ではありませんが、実際にはあまり現実的とは言えません。
案件ごとの契約であるフリーランスエンジニアには即戦力が求められます。
実務未経験OKのフリーランス案件の中にはエンジニアとはかけ離れた業務内容であったり、単価がかなり低い案件の場合もあるので注意しましょう。
これらをふまえ、次に、実務未経験からフリーランスエンジニアになるための条件について説明します。
1.1 最低1年間の実務経験を積む
Web系エンジニアであれば、Webサービスの開発を経験できる企業で1年間程度の実務経験を積むことをおすすめします。
近年のIT人材不足もあり、エンジニアとしての実務経験が1年程度と浅めであっても、案件はたくさんあります。
実際、多くのフリーランスエージェントが「実務経験1年程度」を目安に案件の紹介を行っています。
1.2 エンジニアとしての技術スキルを身に着ける
エンジニアに技術的スキルは欠かせませんが、実務経験がないのであればそれをカバーするくらいの勉強が必要になります。
近年のITエンジニアの数や需要の増加とともに、プログラミングスクールやオンライン学習、書籍などが充実し、様々な方法でのスキル磨きが可能です。
自分が強みとしたい技術や不足している技術などを、自分にあった方法で習得していきましょう。
1.3 エンジニアとしてのキャリアパスをイメージしておく
フリーランスエンジニアになるということは、働き方の自由度が高い点はメリットでもありますが、同時にすべて自分で選択する必要があります。
エンジニアはひとたび業務が始まると目の前のことをこなすことに精いっぱいになりがちで、その流れでなんとなく次の仕事へ・・・などということも起こりえます。
常にエンジニアとしてのキャリアの方向性を意識しながら案件を選んだり、仕事をしつつスキルも身に着けていくこと。これらは、移り変わりの激しいIT業界で自分の望む仕事を続けていく上で非常に大切なポイントです。
フリーランスになる前に、エンジニアとしての自身のキャリアパスについて再考しておくと案件選びにも役立つでしょう。
2.未経験からフリーランスエンジニアになるまでのルート例
次に、未経験からフリーランスエンジニアになるまでのルートの一例を挙げます。
2.1 ① 技術スキルを磨く
前述したように、フリーランスエンジニアに欠かせない技術スキルは自分で身に着けるしかありません。独学でも可能ですが、プログラミングスクールやオンライン学習などを積極的に取り入れて効率よく学びましょう。
最近では現役エンジニアによる技術記事やブログなども多くみられます。それらを参考にするのもいいでしょう。
2.2 ② ポートフォリオを作成する
エンジニアとしてのポートフォリオとは、「自分が手を動かして作成した成果物」であり、それらを見せることでスキルや実績を証明できます。
Webサービスやアプリ作成など、自分のエンジニアとしての力量を示すものを作ります。量よりも質の良いものを作りましょう。
2.3 ③ 企業に転職・就職する
前項で未経験からフリーランスエンジニアになる条件として「最低1年間の実務経験を積む」と述べました。
転職や就職時の雇用形態は必ずしも正社員でなくてもかまいません。派遣でもアルバイトであっても、大切なのは実際に手を動かしてエンジニアとしてのスキルがどれだけ身に着けられるかということです。先輩のエンジニアから教わったり、開発のひととおりの流れを実際の現場で経験することがフリーランスになる上でも役立ちます。
2.4 ④ フリーランス向けのエージェント経由で仕事を獲得する
フリーランスエンジニアになることを決めたら、最初はフリーランス向けのエージェントに登録し、豊富な案件の中から希望する条件と自分のスキルがマッチする仕事を獲得しましょう。
エージェント経由の案件はほぼ準委任契約のため、月額ベースで単価が決まっています。請負契約のように成果物を完成させる義務もありませんので、契約によるトラブルも避けられるでしょう。
また多くのエージェントでは、フリーランスならではの悩みにはじまり、書類作成や税金関連などの様々なサポートが充実しています。
フリーランスとしての経験が浅いうちは、心強いでしょう。
3.何歳からでも未経験からフリーランスエンジニアを目指せるのか?
実務未経験からフリーランスエンジニアを目指す場合、"年齢"によって難易度が変わってきます。
【20代】
まず問題ありません。
20代には"若さ"という強みがあり、未経験で企業へ就職し実務経験を積んでからフリーランスになるのも比較的簡単です。
また20代前半だとポテンシャル採用の枠も多いのでさらに有利でしょう。
企業での経験が浅くてもスキルがあれば、フリーランスになる道も開かれています。
【30代】
現在はITエンジニア不足ということもあり30代未経験者からでも目指すことは可能ですが、やはり少し難しくなってきます。
就職支援があるプログラミングスクールのほとんどが、受講対象者は30歳未満という条件つきです。
また30代になると即戦力を求められる傾向にあるため、未経験ならしっかりと基礎的な技術スキルは身に着けておく必要があります。
さらに技術スキル以外にもコミュニケーション力などのヒューマンスキルでもアピールする必要があります。
【40代以降】
30代よりもさらに難易度が上がります。
技術スキルを身に着けることはもちろん、自分のスキルを証明できるしっかりとしたポートフォリオ(Webページ・アプリなど)を準備します。
そしてクラウドソーシングなどを活用して小さな案件から受注し、こつこつと実績を積み上げていくことからはじめるのもひとつの方法です。
4.まとめ
フリーランスエンジニアといっても、エンジニアの種類も仕事内容も幅広く、報酬や働き方の自由度にも人によって大きな差があります。
まさに実力次第で、どこまでも高みを目指せる、そんなフリーランスエンジニアはIT実務未経験からでも十分に目指すことが可能です。
本記事を参考にまず自分に足りないポイントをチェックし、普段から意識してひとつずつクリアしていきましょう。