「【中卒】という学歴にとらわれて、上手く就職活動が出来ない」「求人を探すと、応募資格に【高卒以上】とある」などの理由で、就職活動を諦めていませんか?求人の探し方を変えれば中卒者でも、正社員として就職できる道が開ける可能性はあります。中卒でもITエンジニアなら学歴不問で就職するチャンスがあります。ここでは、中卒者がITエンジニア正社員になる為に必要な情報をご紹介いたします。
目次
1. 中卒者の割合と就職事情
現在中卒者はどのくらい存在し、中卒者の就業状況はどのようになっているのでしょうか。
1.1 中卒者の割合
現代では、高校教育が半ば義務教育化しており、日本の高校進学率はおよそ97%となっています。そのため中卒者は3%という非常に少ない数字になります。また、高校入学後に中退してしまった人も最終学歴は中卒扱いとなります。
- (参照元: 文部科学省 高等学校教育)
1.2 中卒者の求職状況と離職率
最終学歴が「中卒」であることの就職事情はどのようになっているのでしょうか。厚生労働省がとりまとめた平成29年3月に高校・中学を卒業する生徒について平成28年7月末現在の公共職業安定所(ハローワーク)求人における求人・求職状況を調べてみました。対象は、学校やハローワークからの職業紹介を希望した生徒です。
【高校新卒者】
○ 求人数 約 32万4千人で、前年同期比 13.3%の増
○ 求職者数 約 18万5千人で、同 0.6%の減
○ 求人倍率 1.75倍で、同 0.21ポイントの増
【中学新卒者】
○ 求人数 920人で、前年同期比18.3%の増
○ 求職者数 1,006人で、同5.7%の減
○ 求人倍率 0.91倍で、同0.18ポイントの増
比較すると中学新卒者は高校新卒者と比べ、求人数、求職者数が圧倒的に少ないことが分かります。また、中卒者は6割強・高卒者は4割近くが3年以内に離職するという現状もあります。
- (参照元:文部科学省「教育と職業」を巡る現状と課題)
2. 中卒者の強みと弱み
中卒者が必ずしも就職に不利になることはありません。中卒者の場合高卒や大卒の方と同じ土俵に立たないという発想の転換も重要です。それでは実際に中卒者が一般的に就職する上ではどのような強みと弱みがあるのでしょうか。
2.1 中卒者の強みとは?
・最大の強みは若さ
中学を卒業してすぐ就職をする場合、大きな強みになるのは「若さ」です。 高校卒業・大学卒業と比べて早くから社会に出て働きますので、同年代の人と比べて多くの経験を 早いうちから積むことが出来ます。さらに、若ければ若いほど、育てて戦力にすることができると 企業は考える傾向にあることから、採用に前向きな企業もあります。
・早い段階で仕事の経験が積める
特に、職人やエンジニアなど手に職系の仕事の場合、少しでも早く就職する方 が有利になります。また、早くから勤めることで、経験を多く積むことが出来るため、大学卒業者 よりも良い勤務条件となることや、同年代の人よりも年収が高くなる可能性もあります。
2.2 中卒者の弱みとは?
・肩書きと闘わなければならない
企業は、求人応募者が中卒である理由について知りたいと思っています。 就職活動の時は高校へ行かなかった理由をしっかり伝えることが大切です。
・中卒での求人募集が少ない
多くの一般求人の応募資格が高卒以上になっているため、求人数が少なくなります。
3. 中卒者がITエンジニア正社員を目指したほうが良い理由
中卒者が就職する上で最も気になることは学歴や知識の問題ではないでしょうか。 ITエンジニアという職種には中卒者でも正社員になれるチャンスがあります。具体的な例とともにそ の理由について挙げてみましょう。
・ITエンジニアの求人には「学歴不問」が多い
ITエンジニアの採用は基本的には他の業界と比べて学歴は重視されない傾向にあります。 学歴より経験値を優遇してくれる傾向にもあるITエンジニア職。例えば中卒でIT業界に入に入った場合は、 10年経験を積んでもまだ26歳前後です。同世代の大学院卒業者はこの時点で経験が約2年となります。このキャリアの差は大きな武器となります。一般の求人の応募資格は「高卒以上」が多数ですが、その中でもITエンジニアの求人には学歴不問、未経験OKという求人が存在しますので、中卒者がITエンジニアとして正社員を目指すチャンスがある職種なのではないでしょうか。
・中卒の知識でもプログラミングが学べる
「プログラミングには数学の知識が必要」というようなイメージを持たれる方もいるでしょう。大手企業の研究職、人工知能や機械学習などの分野では高度な数学知識を使ったプログラミングが必要になるかもしれません。しかし、一般的なプログラマーがそこまで求められることは滅多にありません。もちろん、四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)などは必要な時がありますが、プログラミングは数学というより『文章』に近い論理的な文章を書いてくイメージで考えると良いでしょう。 日本語を話すのが苦手という人はいません。生まれたばかりの赤ちゃんは全く言葉がわかりませんが、お父さんお母さんが話しているのを聞いて真似しているうちに身につきます。プログラミングも同じで、初めはプログラミングのお手本を真似して書き写していきます。そのうちにだんだんと知識が増えて、自分で作りたいものを作れるようになります。ですので、ITエンジニアとして正社員になる為には特別高度な教育を受けている必要はなく、中卒者でも目指せる職種と言えるでしょう。
4.中卒者でも簡単に取得できる!ITエンジニア正社員になる為におススメの資格
中卒者が就職するためには資格を必ず取らなければならない、ということではありません。ここで 言うおススメの資格とは、ITエンジニアを目指す上で習得すると知識上有利になる、またはアピールの材料になると いう意味を示しています。例えば、中卒という学歴は不問、応募条件として資格保有者である、などという場合には 取得しておいて損はありませんし、資格を取得しておくことで業務の基礎知識が身につくので、全くの未経験者に比 べて、知見があると企業に判断されるケースもあります。学歴がなくとも、資格があるから採用される、又は資格を 取る姿勢が評価されて採用された、資格を持っていたおかげで年収が上がった、などの例はあると言えるでしょう。
4-1. LPIC(Linux技術認定)
世界150カ国以上でも取得されており、非常に利用性が高い資格の一つであるLPIC。 中卒でIT業界に転職したいという方や、初心者でも取得する事が出来る、就職に有利な資格として注目さ れているLPIC(Linux技術認定)は、IT関連企業の中でも、とりわけ取得しているエンジニアが少ない資格です。 今後も成長を遂げるであろうLPIC(Linux技術認定)は、中卒者の就職や転職にはとても重宝する資格であると言えるでしょう。
- (参考URL:LPICとはどんな資格?難易度から勉強方法までまとめました)
4-2. Javaプログラミング能力認定
Javaプログラミング認定とは、Javaに関する様々な基本知識を持ち、アプリケーションプログラム等を作 成する事が出来る事を証明する資格です。受験資格に制限が無い為、エンジニアを目指す中卒の方にお勧めの資格です。IT資格 の中でも、特にJavaを自在に駆使する事が出来るスキルがあるという事はとても重要視されています。 Javaプログラマーの求 人はとても多く、通信会社やWebコンテンツ制作会社など、様々な就職先を選ぶ事が出来るので、IT業界への就職を考えている 中卒の方は、ぜひ取得しておきたい資格の一つです。実務経験が無い方は、2級以上の取得がベストと言えるでしょう。
- (参考URL:Javaのおすすめ資格はどれ?試験の種類と難易度一覧)
- (参考URL:JAVA初心者へ!おすすめの勉強方法)
4-3. 基本情報技術者
基本情報技術者とは、経済産業省が管轄する国家資格の一つです。最も有名なIT系の資格な為、 IT系企業への就職やプログラマー、システムエンジニアを目指す方にピッタリの資格です。IT企業に就職を希望 している方にとっては是非取得しておきたい資格ですが、取得はそこまで難しくはありません。知識がある方にお いては、2~3ヶ月程度で取得出来る事も多い資格である為、中卒でIT系の職種に就職を希望している方でも、比較 的安易に取得する事が出来るでしょう。資格保持者には、就職試験が優遇されたり、キャリアアップの為に取得し た方には一時金等の報奨金制度を設けている企業が多いのも特徴です。情報化社会において、非常に有利になる資 格と言えるでしょう。
- (参考URL:基本情報技術者試験の合格率は?難易度と勉強時間の目安まとめ )
4-4. ITパスポート
ITパスポートとは「情報処理技術者試験」のうち最も簡単なエントリーレベルの資格であり、 「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家資格です。ITエンジニアだけでなく幅広い層にITに関する正しい知 識が必要であるという認識が広がってきたことから、平成21年4月に新設されました。平成27年の時点で早くも総応 募者数は69万人を超える、人気資格となっています。
5. 中卒者がITスキルを身に付けてITエンジニアになる方法
それではどのようにして中卒者はITスキルを身に付ければITエンジニアになることが出来るのでしょうか。そのための方法をご紹介します。
5-1.独学で学ぶ
現在は無料プログラミング入門サイトなど独学でも学べるネット講座や書籍が多くあります。但し、独学で学ぶには時間の使い方や、取り組み方、途中で投げ出さないことはもちろん、わからないことを質問する環境も必要であることからも、自分だけで続けることはなかなか難しく、学習を続ける強い意志が必要です。実際にはどのようなものがあるか気になる方へ、中卒者でも独学で学びやすい入門サイトやプログラミングに関する初心者向けの参考記事をいくつかご紹介いたします。
・2020年度から必修化?小学生から学べるプログラミング入門
・【2017年版】ゲーム感覚でプログラミングを学べる日本語対応サイト10選
5-2.学歴不問、未経験OKの企業に入り、一から研修を受けて身に付ける
知識ゼロで入社して社内研修で学ぶという方法もあります。プログラミングスキルは入社後、会社の研修で学べます。実際に求人を探す場合は「ITエンジニア」の職種を選び、「未経験」「独学可」「学歴不問」「経験問わず」などという表記がある求人を選びましょう。下記のような求人サイトから直接エントリーすることも出来ますし、質問などがあればまずは問い合わせをしてみると良いでしょう。
・直接エントリーできる「学歴不問」「未経験OK」のITエンジニア求人サイト
【未経験積極採用】独学OK システム・スマホアプリ開発
【ITサポート業務】未経験者OK!安心の研修有・IT知識不要
【Java/PHP】プログラマー|未経験★充実した社内教育
【未経験歓迎】テスター・評価業務★大手SIer
5-3. 転職サポートがあるエンジニアスクール・プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールに通えば、分からないことは講師に質問できます。また、ご自身のレベルに応じた学習をすることができます。プログラミングは独学でも学べますが、講師から教わったほうが速く楽に学べますし、質問も出来ますのでおすすめの学習方法です。 スクール卒業後は、無料で正社員としての就職先サポートしてもらえます。また、ITエンジニアとしての技術習得だけではなく、就職活動の方法や、面接の練習、基本的な社会人としてのマナーなど就職に役立つサポートも行ってくれますので社会的経験の少ない中卒者も安心してサポートを受けられるというメリットもあります。中卒者が利用する上でITエンジニアとして就業する道が近いともいえるでしょう。
・無料の実践型就職支援講座『プログラマカレッジ』で求人を探すならこちら
6 まとめ
高学歴至上主義とも言われる日本での就職市場ですが、 力をつければ一流企業に入ったり、キャリアを切り開ける手法が昔より格段に増えている今、中卒者でも「ITエンジニアなら学歴に関係なく就職するチャンス」があります。本当に必要なのは、企業に入ることではなく、社会に必要とされるスキルを身につけられるかどうかと、その会社で働き続け活躍すること。中卒という学歴だけで諦めずに中卒者でもチャンスがあるITエンジニアとして正社員を目指してみるのはいかがでしょうか。
中卒者でもチャンスがあるITエンジニアとして正社員を目指してみる