本記事では、Pythonの認定資格「Python3エンジニア認定基礎試験」、2020年春から新たに加わる「Python3エンジニア認定データ分析試験」について解説します。
Pythonはシステム開発はもちろん、AI開発や機械学習など幅広い分野で利用可能であり、近年話題のプログラム言語として人気が広がっています。Python資格に興味のある方はぜひご覧ください。
1. Python(パイソン)とは
Python(パイソン)は、AI分野の開発における必須言語として世界中で一気に知名度が高まりました。
小規模なものから大規模な業務アプリケーション開発、IoT分野、データ解析・分析など、多用途性を持ちながら、初心者からでも学びやすいプログラミング言語であることも人気の要因です。
そして近年、Pythonのスキルが活かせる仕事や求人も急増しています。
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こちらの記事ではPythonについてさらに詳しく解説しています。
2. Python3エンジニア認定試験とは
Python試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会という運営団体が実施する民間資格(国内資格)です。
2020年3月現在、資格区分は2種類。
同協会が実施する"Python3エンジニア認定基礎試験" と、2020年春より新たにリリース予定の "Python3エンジニア認定データ分析試験" があります。
2.1 Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験は開始当時から注目を集め、わずか2年ほどで約5000名が受験しています。ここ数年で急速に普及が広まったPythonへの関心度と人気の高さがうかがえます。
Python3エンジニア認定基礎試験では、Pythonの文法や基礎知識について問われます。
Python初心者でも他のプログラミング言語に対する知見やプログラミング経験があれば取り組みやすいでしょう。
プログラミング未経験者であれば、試験対策に加え、プログラミングの基礎知識も合わせて身に着けることをおすすめします。
対象試験 | Python3エンジニア認定基礎試験 |
---|---|
出題形式 | CBT方式(マウス選択問題) |
試験時間 | 60分 |
問題数 | 40問 |
合格ライン | 70% (28問) |
前提条件 | なし |
履歴書の表記 | Pythonエンジニア認定試験 Python3エンジニア認定基礎試験 取得 |
2.2 Python3エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、2020年春よりスタートの予定です。
Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う試験であり、数学やデータ解析ライブラリ「Pandas」に関する知識についても出題されます。
対象試験 | Python3エンジニア認定データ分析試験 |
---|---|
出題形式 | CBT方式(マウス選択問題) |
試験時間 | 60分 |
問題数 | 40問 |
合格ライン | 70% |
履歴書の表記 | Pythonエンジニア認定試験 Python3エンジニア認定データ分析試験 取得 |
3. 試験対策本・参考書
Ptyhon3エンジニア認定試験の対策に利用できる書籍を集めました。参考書選びのヒントになればと思います。
3.1 Pythonスタートブック [増補改訂版]
「スタートブック」というタイトル通り、Pythonの基本が丁寧に学べる書籍です。
オブジェクト指向プログラミングの考え方から、Webアプリケーション開発やデータ処理の基本まで含まれています。
イラストやサンプルにより詳しく解説されており、Python初心者はもちろんプログラミング初心者の方には特に最初の一冊としておすすめです。
3.2 みんなのPython 第4版
サンプルコードを実行しながらPythonを理解していくことができます。
Pythonの基礎から始まり、オブジェクト指向開発、モジュール、スコープ、例外処理、標準ライブラリ、データサイエンスなどを学べます。
前述した「Pythonスタートブック」よりは若干難易度が高めとなっており、「Pythonチュートリアル第3版」に入る前に読んでおきたい内容です。
3.3 Pythonチュートリアル第3版
試験公式サイトにて、Python3エンジニア認定基礎試験の認定教材(主教材)として紹介されており、Pythonの基本をおさえた後に読むと理解が深まります。
チュートリアルですのでPython初心者には難しいですが、この書籍の内容を理解し習得することが十分な試験対策としての一つの目安となります。
3.4 Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書
試験公式サイトにて、Python3エンジニア認定データ分析試験の認定教材(主教材)として紹介されており、Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法が学べます。
データ分析に用いられる数値ライブラリの概要と使い方が体系的にまとめられており、データ分析エンジニアになるための基礎が身につきます。
"Python初学者向けの入門書"を紹介しています。こちらもぜひ参考になさってください。
4. 試験に向けての勉強方法
【Python3エンジニア認定基礎試験】
事前の予備知識によっても変わりますが、プログラミングやPythonの基本的なことについて、書籍やWebで情報を収集し理解しましょう。
最終的に「Pythonチュートリアル第3版」の内容が理解できるようになれば対策としては十分だといえるでしょう。
【Python3エンジニア認定データ分析試験】
Pythonの基礎をおさえた上で、データ分析の基礎や数値ライブラリについての知識も身につけましょう。
試験内容のベースは主教材である「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」ですので、本書の内容をしっかり理解しておくとよいでしょう。
4.1 学習サイトで学ぶ
Pythonの基礎の習得にはオンライン学習サイトの利用もおすすめです。
【Progate】
サイトURL:Progate - Pythonコース一覧
オンラインプログラミング学習サイトとして有名なProgateでは、可愛らしいイラストと見やすいスライド形式で実際に自分でコードを書きながら、プログラミング初学者にも無理なく学習を進めることができます。
Pythonのコースは基礎から応用まで全5レッスン。最初の基礎部分は無料。以降は月額980円(税別)で全てのレッスンを受講できます。
■ 模擬問題β版
サイトURL:https://diver.diveintocode.jp/exam
Pythonエンジニア認定基礎試験の模擬問題β版が無料で公開されています。
Python試験の認定スクール「株式会社Dive into Code」から提供されており、会員登録(無料)をすると全部で80問の模擬試験に取り組むことができます。試験対策の総仕上げにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
他にも、"Python入門者必見の学習サイト" をこちらで紹介しています。
5. 受験料
資格区分による違いはなく、学生は学割が利用できます。(2020年3月現在)
レベル | 受験料(一般) | 受験料(学割) |
---|---|---|
基礎試験 | 10,000円(税別) | 5,000円(税別) |
データ分析試験 | 10,000円(税別) | 5,000円(税別) |
6. 試験範囲
6.1 Python3エンジニア認定基礎試験
試験範囲は、主教材の「Pythonチュートリアル第3版」に沿った内容となっています。
それぞれの章に対しての出題数が決まっているので学習を進める際に参考にしてください。
項目 | 出題数 |
---|---|
1章 食欲をそそってみようか | 1 |
2章 Pythonインタープリタの使い方 | 1 |
3章 気楽な入門編 | 6 |
4章 制御構造ツール | 9 |
5章 データ構造 | 7 |
6章 モジュール | 2 |
7章 入出力 | 1 |
8章 エラーと例外 | 4 |
9章 クラス | 2 |
10章 標準ライブラリめぐり | 4 |
11章 標準ライブラリめぐり PartII | 1 |
12章 仮想環境とパッケージ | 1 |
13章 次は何? | 0 |
14章 対話環境での入力行編集とヒストリ置換 | 1 |
Pythonの基礎的な内容に加え、文字列やリストなどのデータ型、if文やfor文といった文法などプログラミングの基礎も含まれています。
6.2 Python3エンジニア認定データ分析試験
試験範囲は、主教材の「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」に沿った内容となっています。
章 | 項目 | 出題数 |
---|---|---|
1章 | データエンジニアの役割 | 2 |
2章 | Pythonと環境 | |
2章 - 1 | 実行環境構築 | 1 |
2章 - 2 | Pythonの基礎 | 3 |
2章 - 3 | Jupyter Notebook | 1 |
3章 | 数学の基礎 | |
3章 - 1 | 数式を読むための基礎知識 | 1 |
3章 - 2 | 線形代数 | 2 |
3章 - 3 | 基礎解析 | 1 |
3章 - 4 | 確率と統計 | 2 |
4章 | ライブラリによる分析実践 | |
4章 - 1 | NumPy | 6 |
4章 - 2 | pandas | 7 |
4章 - 3 | Matplotlib | 6 |
4章 - 4 | scikit-learn | 8 |
5章 | 応用:データ収集と加工 | 0 |
数値計算・機械学習ライブラリ関連の基礎的な知識も問われますのでおさえておきましょう。
7. 受験スケジュール
Python3エンジニア認定試験の受験スケジュールは以下のとおりです。試験は通年行っており、自分の都合の良い日に受験することができます。
申し込み受付期間 | 随時 |
---|---|
試験日 | 通年 |
試験会場 | 全国のオデッセイコミュニケーションズ テストセンター |
合格発表 | 即日 / 認定証は試験日の約4か月後に郵送 |
7.1 申し込み方法
1. まず申し込みサイトからOdyssey IDを取得します。
(サイトURL:https://cbt.odyssey-com.co.jp/cbt/registration/index.action)

2. 試験会場を指定します。
試験会場は、全国のオデッセイコミュニケーションズ テストセンターです。
毎日受験できる会場もあれば、土曜日だけ実施している場合もあります。テストセンターによって受験できる日が設定されていますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
【全国のオデッセイコミュニケーションズ テストセンターはこちらから】
7.2 受験料の支払い方法
クレジットカード払い、銀行振込などがありますが、テストセンターによって異なります。 申し込みをしたテストセンター指定の方法で支払いとなりますので、こちらも試験会場に確認が必要です。
7.3 試験当日に持参するもの
試験当日は、以下の3点を持参します。
・Odyssey IDとパスワード
・受験票(試験会場によってはない場合もあり)
・写真付き身分証明証
(運転免許証、パスポート、住民基本台帳カード、個人番号カード、社員証、学生証など)
8. まとめ
今日の機械学習やAI分野の発展は目覚ましく、扱うデータは増える一方で今後も分析を必要とするシステムは増加の一途をたどるでしょう。
AI分野がどんどん業務システムへ導入がされる中、そのメインとなっている開発言語はPythonです。
Pythonを扱えるエンジニアはまだまだ少なく今後の需要も見込まれるとなれば、Pythonはエンジニアであれば学ぶに値する言語だといえるでしょう。
試験対策をすることはPythonを学ぶきっかけにもなったりPythonへの理解を深めることにも役立ちます。さらに資格取得をすれば対外的なスキルの証明にもなります。
これからPythonを始める人もキャリアアップが目的の人も、Python3エンジニア認定試験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。