• ネットワークエンジニアのフリーランス案件、傾向と将来性・年収やスキルを調査

    公開日:2019年11月25日 最終更新日:2021年12月23日

    ネットワークエンジニアが「フリーランス」という働き方を視野に入れた際に知っておきたい案件の傾向と将来性、年収や求められるスキル、キャリアアップの方法などをまとめました。これからネットワークエンジニアとしてフリーランスを目指そうとしている方、既にフリーランスネットワークエンジニアとして活躍している方は本記事の情報を活用してみてください。

    1. ネットワークエンジニアのフリーランス案件の傾向


    自社調べによると、フリーランスネットワークエンジニアの案件は構築・設計など上流下流に関わらず、SI系の企業よりWeb系ベンチャー企業の方が需要が多く、報酬も高く支払われる傾向にあります。

    時期的に、東京オリンピックや万博に向けた求人も多くなってきているようです。理由として、Ciscoが東京オリンピックのオフィシャルパートナーとなったことから派生したネットワークに関する強化プロジェクトに関する業務などがあるためです。

    しかし、「ネットワーク」という分野は他のITエンジニアと比べてセキュアな部分を扱うことが多いため、「お堅めな企業」例えば金融庁や官公庁などではそもそもフリーランスを受け入れない、ということも見受けられる傾向にもあります。


    ネットワークに携わる仕事では、セキュリティ上の問題から過去の実績を他のクライアントに提示できないこともあるため、Ciscoの資格である「CCENT」「CCNA」「CCNP」「CCIE」といったこれらの勉強をしていることや、資格を取得しているなど実力を証明できることは案件獲得に有効に働く材料となります。


    【ネットワークエンジニアのフリーランス案件の傾向まとめ】

    • SI系よりWebベンチャー系からの案件は単価が高い傾向
    • セキュアな部分を扱うためフリーランスを受け入れない企業もある
    • オリンピックや万博に向けた求人も多く出てきている
    • Ciscoの資格取得や実力を証明できる材料は案件獲得に有効になる

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    2. ネットワークエンジニアのフリーランス案件の単価相場

    自社が保有している案件を含めたフリーランスネットワークエンジニア案件の単価相場を、担当業務レベル別に比べました。


    担当業務 ※月額単価相場
    コンサル・PM・PMO・新人教育など作業者以外の対応が可能なレベル ~80万またはそれ以上
    ネットワーク設計や顧客折衝など上流工程からの対応が可能なレベル ~70万
    ネットワーク構築・設計ができるレベル ~60万
    ネットワーク障害対応や切り分けなど運用・保守対応ができるレベル ~45万
    ネットワーク運用・監視などのオペレーションレベル ~30万

    掲示単価はその金額を目安にした「スキル、レベル見合い」になることが一般的です。

    ※技術力や経験値、資格の有無、実績、英語可など…出来ることの有無により変動があります。

    実際のフリーランスネットワークエンジニアの案件を見る

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    3. フリーランスネットワークエンジニアの報酬(年収)を上げるポイント


    フリーランス案件は会社員の給与よりも、高報酬が設定されていることがほとんどです。フリーランスネットワークエンジニアの月額単価は、設計・構築フェーズの経験を積んだり、マネジメントの経験を積んでいくことで、更なる年収アップが見込めます。

    月額は「スキル見合い(※3桁も検討可能)」などと表現されることもあり、同じ担当業務でも「資格がある」「英語ができる」といった経験のプラス要素があれば単価は上がることもあります。例えばCiscoの資格である「CCENT」「CCNA」「CCNP」などがそれに相当します。

    更には、世界規準の資格にもなっている最上級の資格、CCIE(エキスパート)を取得することで、世界中でネットワークエンジニアのスペシャリストとして高収入でやりがいのある仕事を担当できる可能性も高まります。


    また、資格だけではなく、近年特に注目されているAWS(Amazon・アマゾン)、GCP(Google・グーグル)、Azure(Microsoft・マイクロソフト)などのクラウドインフラに関する知識・経験、セキュリティに関する知識・経験があれば尚一層収入アップへの道は開けると言えるでしょう。

    こういった事柄以外にも、弊社営業担当のヒアリングによれば、 「経験年数云々よりも、主体的に行動でき、ユーザ視点で業務を把握し最適な提案やベンダーコントロールできるネットワークエンジニアがいれば高額を支払ってでも雇いたい」という企業からの意見もあり、技術力以外の需要も高まっていることが分かります。


    【フリーランスネットワークエンジニア・報酬(年収)アップのポイントまとめ】

    • 設計・構築フェーズの経験、マネジメント経験を積むことで収入が上がる
    • 「資格がある」「英語ができる」ことは収入アップにつながる
    • 最上級の資格、CCIEの取得は世界中での評価が高く高収入が見込める
    • クラウド(AWS・GCP・Azure)の知識・経験は今後需要が増えて高収入が見込める
    • コンピテンシーやコミュニケーション力の高い人材には企業が高額を提示することも考えられる

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    4. ネットワークエンジニアのフリーランス案件に多いポジションと応募条件

    実際の自社保有案件から一部の情報を抜粋しました。

    フリーランスネットワークエンジニア案件にはこのような担当業務と、応募条件があります。

    担当業務 応募条件
    運用・監視・保守 ・未経験可有
    ・CCNA程度のネットワークの知識
    ・ネットワーク、サーバーの基礎知識
    ・ネットワーク運用、障害対応経験など
    ・Windows、Linuxのコマンド操作が出来る方
    ・24時間365日対応可能な方
    ・Webサイト障害対応に関わる実務経験…など
    設計・構築 ・NWにおける設計、構築経験
    ・サーバー運用経験
    ・顧客とのスケジュール調整
    ・ネットワーク設計実務経験
    ・ネットワーク、サーバーの基礎知識
    ・CCNA等の資格保有者
    ・仮想化(クラウド環境)の構築、運用経験
    ・ネットワーク、サーバーに関する知見
    ・インフラの障害対応、切り分けの経験
    ・構築経験がなくとも勉強意欲がある方
    ・LPIC Lv.1 CCNA程度の知識
    ・オブジェクト指向言語の理解…など
    コンサルタント ・ネットワーク基本設計、業務分析経験…など

    監視などの下流工程では「未経験可」の応募条件もあります。設計・構築など上流工程になるほど技術力、経験値への期待は高く、ネットワーク技術以外の交渉力や調整力といった条件も加わってくることが特長です。

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    5. フリーランスネットワークエンジニアに求められるスキル


    フリーランスネットワークエンジニアは「ネットワークエンジニア」として求められるIT系のスキルの他に「フリーランサー」として生きていくために必要なスキルもプラスされることを知っておきましょう。

    下の表ではそれぞれに必要なスキルについてまとめてみました。

    ネットワークエンジニア フリーランサー
    必要なスキル ・ネットワーク機器の専門知識、スキル、通信技術
    ・ITに関する十分な業務知識、情報収集力
    ・コミュニケーション能力
    ・論理的に考えるスキル
    ・Ciscoの資格
    ・営業力、交渉力
    ・セルフマネジメント力
    ・確定申告・社会保険の知識
    ・情報収集力

    ネットワークエンジニアとしてのIT系技術力は会社員、フリーランスを問わず必要ですが、仕事を獲得しなければならないという点にフリーランスとしての会社員との大きな違いがあります。

    また、会社員は社会保険や税金などの手続きを自らする必要はありませんが、フリーランスでは自分自身で行う必要があります。

    ネットワークエンジニアとフリーランスそれぞれに必要なスキルの詳細については下記の2つの記事を参考にしてみてください。

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    6. フリーランスネットワークエンジニアの需要と将来性


    フリーランスネットワークエンジニアの需要と将来性についてはどうでしょうか。

    IT人材白書2019によると、調査対象企業の多くが近年IT人材の量だけではなく「質」の不足感も強く感じているという結果が出ています。

    すなわち、「企業からのIT人材への要求レベルが高くなっている」ことを表しているのです。

    フリーランスネットワークエンジニアは、ネットワークのみではなくサーバーの経験も求めている企業が増えてきているという事実があるため、あなたがもしも「ネットワークの知識と経験しかない、今後もそれだけを続けたい」といった場合、将来性は低いと言えるでしょう。

    近年では、各企業が自前で用意したサーバを自身で保守・監視していたのに対し、クラウドに移行することでコストが抑えられることからクラウドの需要が増えています。さらには、日進月歩で技術が進化するのに伴いより複雑化し、外部からの攻撃やセキュリティ事故への対策も強化されている現状があるため、セキュリティの知識や技術も求められています。

    今後はAWSやAzure、GCPといったクラウドやセキュリティの知識と経験も必要不可欠となっていくでしょう。

    これらの技術力を身につけられれば、自分の市場価値は更に上がり需要も増えます。

    世の中の需要を知り、自身の知識や経験の幅を広げることがフリーランスネットワークエンジニアとしての将来性を広げるポイントになるでしょう。

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    7. フリーランスネットワークエンジニアの年齢

    フリーランスネットワークエンジニアとして働く場合、年齢による違いはあるのでしょうか。

    年代別のメリット、デメリットという形で比較してみました。


    年代 メリット デメリット
    20代 ・若さなりのコミュニケーション力
    ・体力がある
    ・コストの安さ(企業側から見たメリット)
    ・経験値が浅い
    ・信用度が低い
    ・単価が低くなる
    30代 ・経験値があり若い
    ・体力がある
    ・(場合によっては)経験値が浅い
    40代 ・経験が豊富
    ・マネジメント力の期待ができる
    ・技術力が高い
    ・ベテランが故の扱いにくさがある
    ・単価が高い(企業側から見たデメリット)
    ・現場の人間より年上になると指示が出しにくい
    ・体力が低下する
    50代 ・経験が豊富
    ・マネジメント力の期待ができる
    ・技術力が高い
    ・ベテランが故の扱いにくさがある
    ・単価が高い(企業側から見たデメリット)
    ・現場の人間より年上になると指示が出しにくい
    ・体力的な不安がある

    年齢が上がることで求められるスキルは高くなります。


    ネットワークエンジニアに関わらず20代、30代の若手エンジニアは引く手あまたで需要が多いとされる理由のひとつに「若さ」があります。周囲のメンバーから指示も出しやすく可愛がられやすいという利点があるためです。20代、30代は体力もあり健康的なアピールをすることで経験やスキルが足りなくても案件を受注できるチャンスもあるでしょう。


    その一方で、フリーランス白書2018によると、フリーランスの半数近くが40代・50代であるとの調査結果が出ています。40代以上ではトレンドを追えていたりマネジメントスキルがあると案件は十分選べる状態にありますが、現場のプロパーがフリーランサーよりも年下になってくると、単純に「扱いにくい」と感じられてしまうこともあるようです。


    40代以上の方がフリーランスネットワークエンジニアとして活躍するためには、以下のようなポイントを意識してみると良いでしょう。

    • 最新の技術をキャッチアップし続ける
    • 幅広い技術を習得する
    • 強みのスキルを極められる案件を獲得する
    • リーダーポジションを経験している
    • クラウドソーシングやエージェントを活用する
    • 体調管理には十分に気を使う

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    8. 未経験でフリーランスネットワークエンジニアになれるのか


    フリーランスネットワークエンジニアはある程度の経験が必要となってきます。


    たとえ若手でチャレンジする場合でもただ「やる気があります」というだけでは相手にされず、キャリア形成の方法としては、未経験から目指せる「監視・運用・保守」といった部分から正社員としての経験を作り、構築、設計などの上流工程へのキャリアを積むことをおすすめします。

    応募条件が

    • 「ネットワークの知識があれば若手でも参画可能」
    • 「実務経験がなくても、LPIC取得者や個人でサーバー構築経験があれば可能」

    など未経験可のフリーランスネットワークエンジニア案件もあります。


    比較的未経験に近いフリーランス案件にトライしてみようと考える場合は、Ciscoの資格である「CCENT」「CCNA」「CCNP」「CCIE」などを勉強、取得していることが証明できると有効に働く場合もあるので、これらは是非学んでおきたい資格です。


    未経験からネットワークエンジニアを目指す方法について、詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。

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    9. フリーランスネットワークエンジニアへのキャリアアップアドバイス


    弊社営業担当によるフリーランスネットワークエンジニアへのキャリアアップアドバイスをご紹介いたします。

    フリーランスネットワークエンジニアとして活躍するためには、まずはCiscoの資格取得をし技術に"はく"をつけることと、クラウドやセキュリティ知識をつけることです。

    また、ネットワーク業界は開発などと比べプロジェクトに関わる人が多いため、よりロジカルなコミュニケーション力が求められます。

    いわゆる「こそあど言葉」と呼ばれるような抽象的な表現を避けることや、「事実」と「意見」を区別して報・連・相できることも求められます。

    フリーランス 営業担当 碓井

    開発エンジニアよりインフラエンジニアの方が地味な作業が多いので、インフラの現場には必然的に地味な人(内向的な人)が集まってしまう傾向がありますが、だからこそ上流対応が可能なコンピテンシー*の高い人が求められていると思います。

    主体的に行動でき、ユーザ視点で業務を把握し最適な提案やベンダーコントロールできるネットワークエンジニアがいたら、珍しいですしかなり重宝されると思います。

    大手チェーン店のネットワーク案件を最近担当しましたが、人事の方に「ネットワーク構築の経験は3-4年位有れば好ましいですが、経験年数よりもコンピテンシー能力の高い人を希望します。コンピテンシーが高ければ100万以上出します!」と言われました。

    技術力のみならずコンピテンシー*の高い人材を求める企業が増えています。

    フリーランス 営業担当 菊池

    *コンピテンシー
    「コンピテンシーとは、職務や役割における効果的ないしは優れた行動に結果的に結びつく個人特性である」とされ、具体的な行動現象形態として「親密性」「傾聴力」「ムードメーカー」「計数処理能力」「論理思考」などを指しています。

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    10. 実際のフリーランスネットワークエンジニア案件を紹介

    フリーランスが仕事を探す方法の一つとして「フリーランス案件を多く扱っているエージェントに依頼する」という方法があります。 人脈を頼りにすることが難しい場合や営業することが苦手な人にはおすすめの方法です。

    他にもエージェントに依頼するメリットとして、面接対策やスキルシートの作り方、見せ方といったアドバイスも受けることが出来るため、さらに仕事の幅を広げられる可能性が高まります。


    求人サイトに掲載しているものは一部であり、実際には多数の案件を所有していることが大半です。

    まずは気になる案件があるか確認することから始めてみてアドバイスを受けてみるのも良いでしょう。

    実際のフリーランスネットワークエンジニアの案件を見てみましょう

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    11. まとめ

    高い技術力とコミュニケーション力を期待されることが多いフリーランスネットワークエンジニアですが、下流から上流まで様々な案件が存在するのも事実です。

    自分の技術力の向上を継続しつつ、今できることを見極め、企業の需要を判断して案件獲得することを心がけることは継続案件に繋がるでしょう。継続案件はキャリアとなり、信頼となりフリーランスとしての成功への道となるでしょう。


    この記事を参考にあなたもフリーランスネットワークエンジニアとしてキャリアを積んでみませんか。

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