未経験ではあるけれど、ネットワークエンジニアという職種に興味を持たれた方に向けて、ネットワークエンジニアに関する情報をまとめてご紹介します。
将来のため、自分のスキルアップのため、手に職をつけたいという理由から、IT業界へ興味を抱いている方も、ぜひご覧ください。
目次
1.インフラエンジニアとは?ネットワークエンジニア、サーバエンジニア、それぞれの職種の違い
2.ネットワークエンジニアは、インフラの設計・構築・運用・保守を担うエンジニア
3.1 どんな企業があるのか?企業数は約30社(リクナビより)
3.2 未経験に求めらえるスキルは「CCNA」「LinuC(LPIC)レベル1」
3.3 未経験からの年収は250~300万円
3.4.未経験から目指せるキャリアは「運用保守」
3.5 ネットワークエンジニアの残業は15~20時間
4.就職・転職活動で使えるネットワークエンジニアの志望動機・理由
1.インフラエンジニアとは?ネットワークエンジニア、サーバエンジニア、それぞれの職種の違い
ネットワークエンジニアに興味を持っていろいろと調べていると、インフラエンジニア、もしくはサーバーエンジニアという職種もあることがわかり、それぞれの違いがわからず混乱してしまう方も多いと思います。
「インフラ」とは、電気や水道などの生活必需品を送り届けるための設備のことを言います。インターネットの発展、スマートフォンやタブレッドの普及により、ITも私たちの生活必需品として、なくてはならない存在となりました。
インフラエンジニアとは、ITのインフラの業務全般を担当するエンジニアのことで、ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアを合わせて、インフラエンジニアと呼ばれることもあります。
【ネットワークエンジニア】
ネットワークエンジニアとは、PCなどをルーター、スイッチ等のネットワーク機器で接続して、インターネット上に流れる様々なデータを正常に受け渡すための回線(ネットワーク)の業務全般を担当するエンジニアのことを言います。
【サーバーエンジニア】
インターネット上には、Webサイトを表示させるためのWebサーバーや、メールの送受信に必要なメールサーバー、情報が蓄積されているデータベースサーバーなど、様々な役割のサーバーが存在します。私たちの要求(リクエスト)に合わせてデータを返す(応答)役割を果たしており、これらの各種サーバーの業務全般を担うエンジニアのことをサーバーエンジニアと呼んでいます。
2.ネットワークエンジニアは、インフラの設計・構築・運用・保守を担うエンジニア
ITインフラの中でも、とりわけネットワークの部分に特化したエンジニアのことをネットワークエンジニアと呼んでいます。ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計、構築、運用、保守を行っており、各業務の詳細は以下のようになっています。
・要件定義
お客様の要望、希望をヒアリングして、どのようなネットワークを作成するかを決定する。
・設計
どのネットワーク機器を用いて、どのような構成にするかを考慮し、機器の設定値などを決定する。
・構築
ネットワーク機器を実際にラックに置いたり、機器同士を接続するなどの、ネットワーク構築を行う。
・テスト
正常な通信、故障が発生した場合の通信など、設計書通りにネットワークが問題なく動作するかのチェックを行う。
・運用設計
これから稼働するネットワークが故障した際の連絡先や、故障が復旧した後の正常性の確認方法など、運用の方法を検討する。
・運用保守
利用が開始されたネットワークが正常に動作しているかを常時監視して、故障が起きた場合にはトラブルシューティングを行い、復旧にあたる。
3.未経験可なネットワーク求人の実態は?
ネットワークエンジニアは、IT業界の中でも「未経験可」の求人が比較的多い職種です。
異業種からのキャリアチェンジを果たしている人も多く、ネットワークエンジニアは未経験者がIT業界に入るための、最初の門戸として最適な選択肢の一つと言えると思います。
3.1 どんな企業があるのか?企業数は約30社(リクナビより)
実際の求人数ですが、
2017年6月26日現在、リクナビによると、未経験者歓迎で募集している企業数は
インフラエンジニア:16件
ネットワークエンジニア:15件
で、合計31件となりました。
あまりに多すぎる求人数だと、そこから企業を探し出すだけで一苦労ですが、このくらいの企業数であれば、じっくりと自分にマッチした企業研究が行えると思います。
中には、学歴職歴不問、経験一切不問といった求人もあり、未経験可で募集している企業に共通している1つの特徴として、「充実した研修制度」が挙げられます。
未経験から応募する場合、自ら勉強してスキルを身に着けるという志はもちろん大切ですが、企業にもそのバックアップ体制が万全で整っているという環境は大変心強いと思います。
3.2 未経験に求められるスキルは「CCNA」「LinuC(LPIC)レベル1」
未経験可で募集している企業では、本当に未経験でもOK、知識やスキルは全て入社後の研修で身に着けられる、といった企業もありますが、中には少なからず経験がある方、CCNAやLinuC(LPIC)の資格を有する方などの条件が上げられている企業もあります。
また、入社後の研修においても、まずはPCって何?から始まり、最終的には資格取得を推奨することが多くなっています。どの企業に応募するにせよ、自身のやる気をアピールするためにも、事前に自分で勉強できる部分は行っておきたいところです。
未経験者に求められるスキルとして、エントリーレベルで有名な資格は以下の2つ、
①シスコシステムズ社:シスコ技術者認定「CCNA」
②LPI-Japan:Linux技術者認定制度「LinuCレベル1」
③LPI日本支部:Linux技術者認定制度「LPICレベル1」
が挙げられます。
CCNAは世界最手のネットワーク機器シェアを誇るシスコの資格で、業務においてシスコ機器に触れる機会も多くあります。LinuC(LPIC)は、サーバーで多く用いられるOSであるLinuxに関する資格です。
ネットワークエンジニアを目指すのであれば、まずは「CCNA」から勉強を始めてみることをお勧めします。ネットワークの基本的な知識を得られることはもちろん、ネットワークエンジニアのキャリアパスの第一歩としてもオススメしたい資格です。
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3.3 未経験からの年収は250~300万円
実際に、未経験で入社した場合の年収ですが、
先ほどのリクナビでの企業を例にとると、
・月額20万以上~25万
・年収にすると250万~300万
になるのが一般的のようです。
これはあくまで入社時における年収ですので、その後のキャリアアップによっては、年収アップの可能性ももちろんあります。
3.4 未経験から目指せるキャリアは「運用保守」
ネットワークエンジニアとして未経験で入社した場合、最初に行う業務としては、ネットワークの「運用保守」から始めることが一般的です。
運用保守とは、稼働しているネットワークが正常に動作しているかを常時監視し、障害が起こって通信ができなくなった際、そのトラブルシューティングを行って復旧にあたる業務のことをいいます。
機器から出されているログなどを見て、ネットワークの故障がどの部分にまで影響があるのかを調べたりするため、ネットワーク機器の特性だけでなく、ネットワークの全体構成にまで深く精通している必要があります。
ネットワークエンジニアとしてのキャリアは、まずは運用保守から始めて、構築、設計などの上流工程へとキャリアアップしていく流れが一般的と言われています。
3.5 ネットワークエンジニアの残業は15~20時間
IT業界といえば、残業が多いのではないかという不安を持たれる方も多いと思います。
ネットワークの障害はいつ起こるかわかりません。ですので、急なトラブル発生により、残業が発生する場合もありますが、ネットワークエンジニアにおいては、それほど残業が多く発生しない職種だと言われています。
未経験で最初に行う業務になることが多い運用保守は、お客様との取り決めにもよりますが、24時間、365日で夜勤となる場合があります。しかし、交代制がほとんどなので、長時間の残業となることはあまりありません。
ネットワークエンジニアの求人情報でよく見る数字は月15~20時間。
ただし、企業や業務内容によって異なることもありますので、応募する際には残業についてもチェックが必要です。
4.就職・転職活動で使えるネットワークエンジニアの志望動機・理由
ネットワークエンジニアとして就職・転職活動をする際、志望動機を作成する際のポイントをいくつかご紹介します。
・志望動機例1.【興味】をアピールする
パソコンやスマートフォンが好きで、ITエンジニアとしての仕事を意識するようになりました。もっと技術を深めたいという思いから、コンピュータを利用する立場ではなく、利用者を支える立場として活躍していきたいと考え、ITインフラ、ネットワークエンジニアを志望いたしました。
・志望動機例2.【意欲】をアピールする
IT業界の職種を調べているうち、ネットワークに興味を持ち、雑誌の定期購読などを通して勉強を重ね、独学でCCNAを取得しました。CCNAで学ぶことでネットワークの面白さを実感し、ネットワークに関するさらなる技術を突き詰めたいという思いが芽生え、ネットワークエンジニアを志望いたしました。
・志望動機例3.【経験】をアピールする
クレジットカードのシステム障害があり、利用したい日にクレジットカードが使えず、大変困ったことがある経験から、ITインフラに興味を抱きました。普段利用しているネットワークシステムを支えていく仕事に携わりたいと思い、ネットワークエンジニアを志望いたしました。
・志望動機例4.【手に職】をアピールする
これから手に職をつける仕事がしたいと思い調べていたところ、ネットワークエンジニアという職を見つけ、未経験からでもIT業界で活躍できるということ知りました。これから専門スキルを身に着けて、IT業界でキャリアアップしていきたいとの思いから、ネットワークエンジニアを志望いたしました。
志望動機もさることながら、ネットワークエンジニアとして未経験可で募集している企業では、専門スキルを身に着けて成長していきたいという「やる気」を最も重視しています。
様々な企業で研修体制を充実させている理由は、スキルを身に着けて、自社で長く活躍してほしいという願いからくるものですので、自ら進んで成長し続けたいという姿勢は、どの企業でも最も重視されています。
また、就職・転職活動は企業と人材のマッチングの場ですので、上記に加えて、
・なぜ、他の企業ではなく、その企業でなければならないのか
・その企業で、どんなことをしていきたいのか
という自分の思い、ビジョンを合わせて、自分自身の言葉で伝えることが大切です。
5.30代前半までは未経験からネットワークエンジニアに転職可能。30代後半、40代未経験は厳しい
未経験可で応募できる企業と言っても、実際には多くの求人を見る限り、ほぼ30代前半までが転職可能だと言えます。
未経験可に対して年齢の制限がある理由としては、
・長期的なキャリア形成のため
・ポテンシャル重視
などが多く、30代後半、40代ともなるとたとえ勉強して資格を持っていたとしても未経験では難しく、やはりそれ相応の経験が必要となってくるようです。
6.まとめ
未経験から目指す、ネットワークエンジニアについての求人、年収などをまとめました。
ネットワークエンジニアという職種は、未経験でもIT業界へのジョブチェンジを果たしてエンジニアとして成長していきたい!という第二新卒の方などには、最適だといえると思います。
是非、ネットワークエンジニアの求人にチャレンジしてみて下さい。
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